山田風太郎『旅人 国定龍次』

山田風太郎『旅人 国定龍次』(上・下)


 音に聞こえた侠客国定忠治の忘れ形見龍次は、上州を横切ろうとする天狗党の本陣の中で兄千乗坊に出会い、自分の出自を知る。世話になっていた大前田英五郎親分にいちゃもんをつけた八州取締出役を斬り捨てて渡世人修行の旅へ。
 江戸では町火消しのかしら新門辰五郎のところに草鞋を脱ごうとするが、強盗旗本一味との騒動に巻き込まれる。総州飯岡では先代の遺恨で袋叩きになりそうなところを英五郎の養女おりんの気転によって救われる。甲州では黒駒の勝蔵と三井の卯吉の争いに巻き込まれ、やがて用心棒の草堂万千代とたった二人で清水の次郎長一家と対決する羽目になる。

 国定龍次の旅は痛快至極。だが、維新を迎えようとする京に入ったことで彼の運命は暗転していく。彼の前に現れる怪人物たち。新撰組の近藤勇。会津小鉄。西郷隆盛。そして相楽総三。
 侠客は所詮は夜の住人。昼間の侍の世界の定めは誠に過酷。


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