<別冊シャレード>の山沢晴雄特集4は短編集成。今回収録の四編に「砧未発表の事件」「見えない時間」を加えた六編、番外編の三編、『悪の扉』『砧自身の事件』『知恵の輪殺人事件』『砧最後の事件(未刊)』の四長編を合わせて”砧シリーズ13の謎”とする壮大な趣向があるとか。
巻頭四短編については既に書評も上げてあることなので(
山沢晴雄の短編、
山沢晴雄の短編−その2
)、今回初読のものについてのみ記すことにする。
番外編の三編はごく短いもの。「ふしぎな死体」はそれでもいかにも山沢らしい話で、トランク詰めの死体があちこちを動き回る。
「大洋軒の一夜」は作者が最初に書いて<宝石>の懸賞で落選した作だそうで、まだ習作ぽい。
「夢クラブ奇談」では秘密クラブに連れ込まれ一夜を過ごしたためにアリバイを失くした男を救うために奇術研究家の藤沢一が乗り出す。これら三短編が『砧最後の事件』の伏線になるのだそうだが、どう扱われるのだろうか。
「柩」は「ふしぎな死体」の原型で同じ話。
「アリバイ」はショート・コント。
「電話」もショート・コントで<幻影城>に載った「電話」の原型。
「お守り札」はラジオドラマ。過去と現代が交錯する異色作。
巻末の各氏の評論随筆は読みごたえがあった。