| 酸素の拡散 |
1、意外と遅い酸素の拡散 酸素が水に溶け込むといっても、分子のまま水にありますので 想像以上に溶け込む物理的速度が遅いです。 1年間にわずか6mの拡散距離しかありません。 光合成の拡散で水深10mの溶存酸素量を0.4PPM(0.4ミリグラム!)に 引き上げる為には、ある学者の試算では600年もかかるそうです。 もちろん、生物が居れば酸素を消費しますので、 拡散はさらにきつくなります。 湖の酸素の拡散は他からの力(雨風・流入・湧き等)で左右されます。 天候の悪い地域の湖(ネス湖が代表)では、 水深のある程度深いところまで行くと予想されます。 2、湖の底で海と繋がっているケース Q、海と繋がっている可能性があるので、通常の湖と断定できないのでは? A、その話は私も知っています。 一応、そうだ…と断定できる資料がありませんでした。 資料としては「純淡水湖」でした。 ところで、河川では「塩水くさび」という現象が河口で起きます。 上は淡水、下は海水というものです。 川に海の魚が上ってきたということがありますが、 このために可能なのです。 もしもネス湖が海と繋がっていた場合、下部は海水になりますから、 酸素の分布は”あり”となります。 海に生息する魚(タイとかヒラメ)が漁獲された話があれば、 可能性があるのですが。 湖底で海と繋がっている説の方は、 この「海の魚も紛れてくるはず」ポイントを想定しているのかな? 湖の底に穴があり、海と繋がっている!その他のケースは もう少し後に出てくる「生物学的推測」でも取り上げています。 3、透明度が少ないと酸素はもっとキツイらしい Q、透明度の少ないネス湖では、もっと酸素分布は少ないのでは? A、そうですね。ネス湖では透明度が良いところでも、 たった7mとかいいますネ。 しかし、そうなると光が届きにくいわけですから、 光合成での酸素分布は一般の湖よりも貧困だと考えられます。 「透明度が低く撮影が厳しい…」ということを良く聞きますが、 撮影に失敗したスタッフの言い訳っぽくも聞こえたりします。 しかしそれが更に生物が住めない湖にさせていますので、 自爆してしまった感じです。 居る事を証明する為に調査に行ったのに…。 ネス湖は周りの土砂が流入する為濁っていますが、 そんなに視界は悪く無いと思います。 透明度の条件については「海の科学」で「光の届く範囲」で簡単に扱いました。 まぁ、色々と条件があるんだというわけで、簡単にはいかない難しさ。 4、溶存酸素の計り方 Q、酸素分布はどうやって調べるのですか? A,専門的な機械は、魚群探知機よりもはるかに高価で20数万円します。 もっと正確なのだと60万円オーバーもざらでした(当時)。 我々が手軽に調べる方法としましては、調べたい位置の”水の色”を見ます。 植物性プランクトンが存在するかどうか緑色をしているかどうか…を。 水の採取は、ビンに長い棒を付け、フタに紐を結び付けます。 これを沈めて紐を引き、水を採取します。 白い紙をバックに色を見ます。 正確な酸素量を測るのは手術でも使う(指を挟む)SaO2(今はSpO2)測定センサーなど 多々ありますが本当に値段が高いので素人さんが手に入れるのは難しいです。 ゆえに、原始的なやり方を紹介しています。 PS:緑性ではなく、茶色の藻類などで強いものが深部に存在しますが 魚が生息できる酸素量を作り出すにはパワー不足で、 やはり外部からの物理的要因が必要になってきます。緑で充分の理由です。 でも、データによっては1−2割の占有率を計測した学者もおります。 5、火山湖の底から出ている酸素って何? Q、火山湖では湖底から温泉と共に酸素も出ると聞いたのですが、それなら? A,よく勉強されていらっしゃいますね! 火山から発生するとしますと、酸素は酸素でも活性酸素というものと思います。 これは酸素と付いていますが毒でして、人間も微量の活性酸素を摂取しています。 老化と言うものは、体がサビてくるということですが、 原因はその微量の活性酸素です。 大量に摂取しますと、生死に関わる時も有ります。 ちなみに湧き水が出ているからといって 酸素が豊富に含まれていそうですが 涌き水自体に酸素が含まれているかどうかも要検討。 6、釣り本などの記載 Q、ヒメマス、ビワマスの釣りのタナは20m前後と聞きました。 A,湖の陸封型のベニザケ(ヒメマス)と ビワマス(琵琶湖特産:サツキマスの亜種)は 冷水を好んでいて、冷水塊(躍層)付近に住んでいます。 躍層が深い時はそのタナに、 浅く張り出した時は数メートルにタナは変わります。 太陽光線が注ぎますので、タナが浅い時は食いが悪く、 深いときは食いが立ちます。 冷水塊に支配されています。 時には大変な深さに行く時がありますが、 ルアーなどを追って行くので釣れます。 釣り雑誌でタナは深いという説明がされている為、 広がった知識と思われますが悪いわけではなく、 私自身も実際に水深25mで釣れたという話も 釣り師から聞いています。 (わたしも20m前後から釣り上げた経験があります。) あくまでも私の経験談であって酸素分布を調べたわけではありません。 釣り本に書かれているタナなどは湖の科学ではなく、 執筆者の経験がメインです。 まぁ、釣る時は船外機で動いていますから 糸も流れ正確な深さでもないですケド…。 冷水の湖には先のページで解説する対流温度もポイントです。 どんどん読んでください。 |