倍数体を怪物の正体説にするのはGood!!!
しかし自然界では100年に1例ぐらいじゃないかなと。
そして人間の倍数体を作ったら…マッドサイエンティスト!?
| 倍数体(特に3倍体)とは!? |
TV(特命リサーチ200X)で放映されていましたが、
巨大生物の正体は遺伝子の倍数体の魚類だろうというのは、なかなか良いです。
最初から「怪物なんているわけないじゃん」というスタンスで、
心を誤魔化しながら番組を作るのではなく”居たら素晴らしい”
…という姿勢だったからでしょう。
魚類の倍数体は巨大になるだけに説得力はバツグンです。
私は放映時に、この言葉を聞いた時エライ!!!と思ってしまいました。
よく勉強したな!と(失礼)
倍数体というのは、かなりマイナーな科学(当時)なものですから、
特命リサーチ200Xを舐め過ぎていて大変失礼しました。反省です。
ただ、そういう放映があると一気に”倍数体”という言葉が氾濫します。
さすがTVのパワーはスゴイです。一人歩きして行き誤解も生まれます。
この説を「納得できるぜ」として周りに対して理屈として使ってしまうのは早過ぎます。
ちゃんと、どういうものかを調べないといけませんですぜ。
倍数体はTV番組ではどの種類にも起きそうな表現がされていました。
両生類や魚類なら楽勝のような感じで……。
番組時間枠で短く編集するからでしょうが、これ、注意ポイントです。
| 倍数体ってなんでしょ |
バイオテクノロジーや遺伝子と聞くと「難しい」というイメージ、
理解不能な先入観がありますが具体的に説明すれば簡単です。
遺伝子倍数体というのは食糧価値から発展した巨大魚を作成するひとつの手段です。
しかし”倍数体”という表現が全て大きくなる生物体と思うと違いまして、
大きくなるのは遺伝子3倍体を特に指します。
大きくなると言っても体が3倍になるわけではありません。
ちなみに2倍体というのもいますが、分かりますでしょうか?
これは倍数体と言ってもノーマル体のことです。
卵や精子の段階で1組の遺伝子を持っているので、それからとって1倍体。
↓
受精して遺伝子は合体、普通に出来てくるノーマル生体は2組セットを持つので2倍体。
↓
受精したばかりの卵にある温度を与えたら、あら不思議、
サクっと大きな体を持つ魚になっちゃったよ♪ということで、
遺伝子を見ると普通は2組セットのところが1組多く含まれていて3組もある。
ゆえに3倍体と呼びます。
陸封型のヤマメやアマゴがサケみたいな降海型のサクラ・サツキマスのように
見事に大きくなりますので、これは凄いと巨大生物の説明にはピッタリ。
ニジマスやサツキマスなどの水産価値の有る魚に応用されています。
アユはチャレンジ中です(アユは難しいらしく成功例がほとんど無いです)。←その後、確立されました。
ただ親からは子供が出来ません。1代限りです。
複雑な動物に比べて植物ではわりと簡単で、4倍体とか6倍体とかあります。
100倍体は……知りません。ニンゲンかもね。
いや、まことしやかに関係者達に密かに語り継がれ……(←もういいって)ディープな読者さんの心
3倍体を作るのには刺激になるものなら理論的に何でも良いのですが、
意外と温度以外は上手く行っていない様です。刺激はイメージ的には温度、圧力、薬の3つ。
卵が受精してから30分程度までに刺激を与えると3倍体が出来ます。
簡単に出来そうですが、教えられるから簡単にみえるだけ。
その数字(30分)を導き出す為、どんな刺激があるかを調べる為、
物凄いお金と労力が掛かっています。自腹で研究している事が多い私は羨ましい程の資金。
巨額な資金でやっている組織にムカつきます。(って、これは唯のヤッカミだ)
さて話を戻して3倍体、これが自然界の湖の温泉で起きれば……
チョウザメやイトウ、アオウオ、草魚などがなったらスゴイ大きさになるでしょう。
しかし!!!自然界でなるには、かなり難しいです。
理由は温度を与えるのが一瞬だということ、
長すぎればあの世に逝ってしまうことで超難関なのです。
水産関係で利用されている3倍体は、その微妙な温度設定を判明するのに、
かなりの時間がかかりました。人間が一瞬の温度を与えることは簡単で、
指定の温水に卵の入った容器を漬けて直ぐにどかせば良いだけです。
…ところが自然界では最適な温度だったにしても、さっと温度塊から逃げる事は出来ません。
またアユの様に魚種によってですら出来にくいものもあり何でも出来るわけではありません。
水産価値が非常に高いサケ科魚類だから研究されただけで、
ウグイ、フナ、コイのように養殖をしなくても大丈夫のものは、
3倍体が具体的に試される事も多くありません。←その後、コイ、金魚はされましたが私は研究してません。
さて、自然界で起きるのは可能性が全く無いレベルと言えてしまうほどです。
ただ、確かに確率は0ではありません。
実際、一例ではメコンオオゴイという3mもある魚が捕獲された記録があります。
もとは1mほどのコイ科の魚だったそうで100年に一度の出来事だった様…
現在であったなら水産試験場の作成体が逃げた…となるでしょうね。
自然界に放す事は子供が出来ないから大丈夫とはいえ世界的に禁止されています。
ただ黙っているケースも多いですが……。
3倍体を放流してしまった例・・・・・・・・・・・・・福井県の養殖場
(漁業組合と大喧嘩に発展しました)
| 誤解がありすぎ!!!本来の3倍体・解説 |
3倍体は正確にはメスが成熟しなくなるだけでしてオスは成熟します(特にサケマスの場合)。
この研究は特に成熟すると旨みが少なくなる有用な魚、
海から遡上してきたサケやアユがスタートでした。
この2種は成熟すると、アユの卵巣は体重の約30%、サケなら約25%にもなります。
大変なエネルギーを成熟で使用しますので身はスカスカになっていき不味くなります。
そして産卵すれば死んでしまいます。
そこで成熟して産卵しなければ年中大きくなるのではないか?という狙いで、
3倍体を作り出しました。
コレ、別にミュータント(遺伝子異常)のイメージではなく遺伝子の束が1組増えただけで
尚且つ成熟しないだけで遺伝子自体はいじってないものなので誤解無きよう。
3倍体では売り出しても、食材として非常に抵抗感があるので、
ネーミングを考えた例
(Special Thanks=岐阜県水産試験場・場長立川さん)
・北海道のニジマス3倍体=クィーンサーモン
・栃木県のニジマス3倍体=やしおます
・岐阜県のアマゴの3倍体=飛騨大天女魚(ひだおおあまご)
滅多に口に出来ない高級魚サツキマスは、陸封型のアマゴを3倍体にして、
サツキマスによく似た姿にさせ食用限定で養殖されています。
3倍体は”「陸封型」のサケ科魚類が成熟せずに「降海型」の大きさに近くなる”という表現が正解ですが、一般に理解しやすくするため「巨大化」と表現しました。 従って降海型のない淡水魚や海水魚では目立って大きくなりません。ガッカリかもしれませんね。ただ3mのメコンオオゴイという事実がある事から研究の余地はたくさんあります。 ニジマスの3倍体から発生したらしい中で”ドナルドソン”と呼ばれるものは成長が早く、養殖対象として重宝されているようです。それの最大体長は聞いた事がありませんが、ノーマルの降海型(スティールヘッド)が1.4mにもなるニジマスですから、ひょっとして巷(ちまた)で目撃される巨大魚たちの正体って…可能性は確かに有ります。 ![]() ↑遺伝子をいじりすぎると奇形が続出するが…3倍体は大丈夫。 (写真〜FlaMani:ミッチーさんのご友人が釣ったもの。) |
人間の3倍体で上手くやれば身長が6メートルに!!!…というのは、
若干、間違った知識なのでヨロシクどうぞ。
| 雑種強勢(ヘテロシス)もあるぞ!!! |
ヘテロシス…
すみません。ちょっと専門用語で「なんだぁ〜」って感じですね。
これは同じ科の別種の魚(例:イワナ+ヤマメ)が交雑して、
3倍体に似て一代限りの強くたくましい性質を持つケースの事を言います。
ニジマス+アマゴ、ニジマス+ヤマメも盛んです。
これらは自然界でも結構起こっていますが3倍体ほど大きくなったりしません。
ヘテロシスを3倍体と掛け合わせたりして、
成熟せず産卵もしないはずなのに産卵するようになっちゃった!!!
などという特殊ケースなどで研究が進められているそうです。
倍数体の解説は難しかったですか?
普通に聞く”大きくなる理由は倍数体”というのは不正確で、
正確には”成熟しなくて死なずに大きくなる理由が3倍体”となります。
ちなみに自然界ではオスが殆どいないメスばかりのキンブナは3倍体だからで、
ドジョウなどの精子で刺激を受けキンブナ卵が目覚めるのだ!!!
三毛猫も同じような感じじゃないかな。
読者の心…(全然簡単じゃ無いジャン)
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