深井史郎
交響的映像「ジャワの唄声」
1943年 日本交響楽団(現NHK交響楽団)
ニッチク (日本コロムビア)
ながらく朝比奈隆の初録音と言われてきた幻のレコードが復刻CD化されたもの
(実はこれより前の1940年に京大オーケストラを指揮して京大学歌をテイチクに録音しているレコードが存在する)
この曲は1942年に作曲され、
1943年1月18日に朝比奈隆指揮の日本交響楽団(現NHK交響楽団)により日本放送協会の番組内で初演。
戦時下の東京、上海、満州等で朝比奈の指揮により演奏を重ねた。
そのように片山杜秀氏のライナーノートに記載されている。
これは、同じころに録音したSPレコードの復刻CDである
曲は、ジャワ島のある地方の民謡にあるという、懐かしくもエキゾチックな主題を繰り返す、
ラヴェルの「ボレロ」のようなイメージ
深井もボレロを意識して作ったらしい
すごい盛り上がりもなく、どちらかというと淡々と続く
朝比奈の初市販録音ではあるが、誰の演奏だ指揮だという印象は湧かない
しかしこのとき朝比奈はすでにプロだった証拠である
悲しいことにこの曲は、
日本の民謡とジャワ島の一地域、ひいては東南アジアの民謡とが
旋律的に共通点を持っていることに着目して文化的な同一性を訴え、
戦時下で「大東亜共栄圏」を作るのに都合のよく利用されたという。
この曲を日本や大陸で繰り返し演奏した朝比奈も
知ってか知らずか時代の中に巻き込まれたことを
思い起こさせる録音である。
記念碑的録音であり、時代をうつす録音
| この復刻CD集には、1930年代の山田耕筰指揮・新交響楽団の「運命」とか、 近衛秀麿指揮、斉藤秀雄指揮の演奏の録音、三浦環の「ある晴れた日に」の録音など 戦前の日本人による演奏や日本人作曲の演奏などの SPレコードからの復刻が収められている 貴重な資料を世に出した発行関係各位の英断に敬意を表します。 |