チャイコフスキー 交響曲第5番
2001年10月24日 愛知県芸術劇場コンサートホール

この日、朝比奈隆はほとんど指揮できる状態ではなかったという
朝比奈の魂をとらえて大阪フィルが渾身の演奏をした記録だ

ゆっくりしたテンポで、踏みしめ、噛み締めてゆくようなチャイコフスキー
朝比奈のラストコンサート、という意識がそうさせるのか、
最期の指揮を気力で続ける朝比奈を見守る楽員だけではなく、
聴衆の悲しみのまなざしがみえてくるようだ

おおきなダイナミクスをくりかえすオーケストラ
そして第4楽章
英雄の登場を思わせる堂々とした主題が響く
コーダはまるで朝比奈隆を称えるかのようだ

長い間、いろいろとほんとうにありがとうございました
楽員も聴衆もあなたを誇りと思います

そういう思いがコーダから聞こえてくるのは私だけだろうか
まるで朝比奈隆を称え、送り、後世に伝える音楽のようだ

最期まで舞台人であった朝比奈隆にふさわしい、
ラストレコーディングではなかろうか

この録音は追悼文集と共に配布された
できれば将来にわたって、営利目的での配布はやめてほしい