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教材のご紹介 



SS(2年生)クラスの教材から・・・・「スクリーンパズル」

  当教室では、授業ごとに刺激される知能因子(知能の構成要素)に対応した教材が定められており、FJ(年中児)クラス以上 では、約2年半かけて90の知能因子をまんべんなく一巡するカリキュラムが組まれています。そうした正規の課題のほかに、いくつかの 補助教材を用意し、授業の前後の時間を利用して実施することがあります。  今回は2年生で導入する補助教材のひとつである「スクリーン・パズル」を紹介致しましょう。  
 下図は、ABCDの4つの座席がある4人がけ用シート(ABCD)を上から見た図です。(ちょうど 映画館 のスクリーンに向って並んで座っているようですから「スクリーンパズル」と呼 んでいます。)
      

************  ス ク リ ー ン ************

座席 座席 座席  座席

( ごろう、 たろう、 けいた、 くにお )
T @ くにおの左には人がいません。
A たろうの左にはくにおが座っています。
B もし、ごろうけいたが席を替わると、
   ごろうの左がたろうになります。
U @ くにおけいたの両側に人がいます。
A もし、たろうくにおが席を替わると、
   くにおの左側には人がいなくなります。
B   ごろうの左にくにおがいます。    

   TUのそれぞれの場合で、 @〜Bの文章から 4人がA〜Dのどの席に座っているの かを推測し決定するのです。
 正確に文章を読み取り、順序だてて 考えていく 能力が必要とされる点では、TUとも同様ですがTに比べるとUの場合のほうが、推論がはるかにやっかいになることにお気付きかと思います。
 つまり、Tでは、@⇒A⇒Bと文章の流れにしたがってに席を順次決定していけばよいのですからうかつなミスさえしなければスムーズに正答が得られます。
 ところが、Uの場合ですと、@の文章から決定できるのは、くにおけいたがAやDの端っこの席 には座っていないということだけで、まだ、ふたりとも席は確定できません。 そして、つづくAで、いきなり「もし、 ・・・」という仮定をふくんだ文章が出てくるので混乱してしまいます。    ですから、順序よく決定していくためには、@はさておき、 まずAの文章から、「もともとAの席に座っていたの は、たろうということになるな」と の推理の糸口を見出だすところがポイントとなってくるのです。 
 さて、この課題を解いていくためには、どんな知能因子がかかわってくるのでしょうか。 知能の「領域」として は、文章を読み取るわけですから、「概念」の基本的な能力が必要です。 また左右に限っているとはいえ、一次元での位置関係や移動という変化を扱っているので「図形」での能力も要求されるでしょう。
  「知能のはたらき」から考えてみると、Tのレベルですと「認知」でも対応できますが、Uとなると、やはり論理を重ねてい く「集中思考」の因子が活発にはたらかないと解決にいたりません。 前号の掲載課題 と同様、「認知タイプ」の思考傾向が強い子どもにこの課題を与えますと、じっくりと推理の糸口を見出そうとしないで、取りかかるので、@、Aの条件に合ってても、Bの文章と矛盾したり、それを直す場合も順序だてての訂正が難しく、B、@には合うようになったが今度はAと矛盾してしまう・・・・という試行錯誤を繰り返しいつまでも決定できない場合が多いようです。  そうした「認知タイプ」の子どもにいかにアドヴァイスするかがきわめて重要なのですが、教室では、基本的には、アドヴァイスは極力控えるようにします。  つまり自分が何度も試みている考え方では、いつまでたってもらちがあかないことに本人が気付くまでなるべく助言はしないのです。 同じミスを幾度も繰り返している子どもを前にして声をかけないままでいるのは、実にしんどいのですが、あれこれ考えていく過 程で自ら解決の糸口を見出してこそ「集中思考」の因子が刺激されるのですから、指導員もここが我慢のしどころ なのです。
 もし単に課題をマスターすることだけが目的であれば、ずばり、先に述べた解決の糸口となるポイントを示し、さらに次に考えていくノウハウを分かりやすく教えてしまえば、推理が簡単にできるようになるでしょう。 しかし、そういうサジェスションを与えてしまっては、この課題を消化するこ とによって受ける「集中思考の知能因子」への刺激は乏しいものとなってしまうのです。
  知能教室での指導は、その教材のねらいとする知能因子への的確な刺激がもっとも重要な点であり、そうした刺激を受けてこそ知能の発達が促進されるわけですから、いくらすぐれた「集中思考」の教材を用いたとしても、誤った与え方をしてしまうと、「認知」の段階での刺激にとどまってしまうのはお分りいただけると思います。
 ついでながら、母親が幼児のそばについて教材などをやらせる場合なども、気持ちが熱心であるほど子どもの正答を願う思いも自ずとつよくなるので気をつけていても横から の声かけが多くなってしまうものです。「それができたら、こんどはこれよ」「そこは、そう じゃなくてこんなふうにやらなきゃいけないのよ。わかったわね。さあ、もういちどやっ てごらん」というように、つねに事細かに指示を与えるやり方は、たとえそれがフラッシュカードやパターン化されたプリント学習法ではなくても、解き方や考え方のノウハウを 教え込んでしまうという点ではインプット中心の教育となんらかわらず、このような方法を続けていると、子どもは指示待ち傾向で受動的な「認知タイプ」に陥りがちになるのは言 うまでもありません。


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