Q:パソコン作業などで目が疲れるのですが、眼精疲労とは言わないのですか?
A:目の疲労(眼疲労)と眼精疲労はよく混同されます。一般用語としてはこの二つは混同して用いられることもあります。
医学的な専門用語として、日本語では、明確な区別があります。
日本語の辞書では、例;広辞苑(第4版 岩波書店 1991年発行)で「眼精疲労」の項を開くと、
『目を使用する時に疲労感を生じ、眼痛、頭痛、肩こりなどを起こす状態。屈折異常、調節障害、潜伏斜視、目の炎症などはすべて眼精疲労の原因となるが、狭義には特別の眼疾患のないものをいい、低血圧者に多い。』
という説明で、「眼精疲労」は何らかの病的な状態にある、普通の人とは異なる状態である、といえます。但し、単なる目の疲れとの差異は明確にはなっていません。
医学の専門書では、例、糸井素一・普天間稔著「眼の病気 Q&A」(保健同人社 2001年発行)の中の「VDTと対策 ●OA機器による眼精疲労の対策は?」の中では
『Q:ワープロやコンピュータなどの0A機器が導入されてから、私の周囲にも眼の異常を訴える人がふえています。とくに眼精疲労という人が多いようですが、これらにどう対応したらよいでしょうか。
A:OA機器が導入され、VDT作業従事者がふえています。一方、家庭においても、子供たちのテレビゲームやバソコンの普及率は著しいものです。ディスプレー像を長時間、注視することによって、「眼が疲れる」「かすむ」「頭が痛い」などの症状を訴える人が多くなっています。
しかし、このような症状が一定の休息をとることによって、比較的短時間に治る場合は、単なる眼の疲労です。眼精疲労とは、視作業をつづけることにより、眼部、鼻根部、あるいは前額部の不快感、圧迫、頭痛、視力減退、めまい、吐き気などの不定愁訴をおこす状態をいいます。』
となっており、目の疲労(眼疲労)と病的な状況を示す「眼精疲労」とは明確に区別しています。休めば取れる「目の疲労」も過度になれば「眼精疲労」という病的な状況になるとみられます。
ここでは、用語の説明として、「目の疲労(眼疲労)」と疾病としての「眼精疲労」の区別を説明しました。
日本語での論文や解説の執筆などでは、明確に区別して使用すべきでしょう。
その他、業務上や日常の生活においても、不要な混乱や誤解を避けるために、これらの用語の差異を理解して、使用する必要があります。