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「リヴァロのワイン談義」

食にもまして大好きなワインあれこれ。
フランス・イタリア・・・我が家の日々ワイン記録。独断に満ちたワインの楽しみ方、ワインの基礎知識などリヴァロのつぶやきも沢山。



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家飲みワイン中心の日記リヴァロ家のつぶやきは ほぼ毎日更新

 



 1 乾杯はシャンパーニュから
 ルイ・ロデレールのクリスタル96年。ロシア皇帝のためにボトルに詰められたという一品なんだけど、抜栓するとたちどころにフレッシュ、フルーティーな香りが立ちこめ、口に含むと非常に細やかな泡が心地よく、上品な酸味が口の中に残る。
 その他に僕らがレストランなどで良く頼むのは、テタンジェのコント・ド・シャンパーニュ。 白ぶどうだけで作られているブランドブランだから、もっと柔らかい感じがするよ。週末家族だけでゆっくりと疲れを癒したい時やお気に入りのレストランでゆっくりと時を過ごす時には最適。一方このルイ・ロデレールはボトルからして華やかな感じがするから、パーティで頂く時やデートの時は雰囲気を盛り上げれくれてぴったりだと思うな。
 日常飲みではブーブ・クリコやテタンジェはいいよね、それなりの値段で手に入るし。ブーブ・クリコのイエローラベルは家飲みするけど、強い味わいが好き。フレンチレストランでちょっと頑張るときはラ・グランダムってお勧め。逆に重厚なシャンパンだと、Krug(クリュッグ)が美味しいよね。Krug Clos du Mesnil(クリュッグ クロ・デュ・メニル)ボランジェのR・D(エール・デー)なんかは最高だね。フレンチレストランだったら、この二つで中途半端な白は頼まず、そのまま赤までつなげる位かな。

 フレンチレストランでは食前酒から始めるのもいいけど、シャンパーニュのボトルから始めるとスムーズに料理に入れるれたりする。お気に入りのシャンパーニュを1つ、2つ覚えていけば、フレンチレストランでも注文しやすい。
 各メーカーともノンビンテージ・ブリュット(年代のない辛口)とそうでないクラスを用意していて、値段が全然違うから注意してね(例えばルイロデレールのブリュットは3000円〜5000円、クリスタルだと1万5000円程度)。


 2 前菜・貝類に合う白ワインって?

 「どっちかというと赤ワイン派だから、いつも前半が困る。彼女はシャンパーニュで通しちゃうけど、僕は泡がちょっと辛くなるんで・・・。」という話を良く聞くよね。僕は、コルトン・シャルルマーニムルソーシャサーニュ・モンラッシェピュリニィ・モンラッシェが多い。いずれもバター、きのこっぽい風味のある重たい感じなんだ。オマールやクリームソースっぽい前菜にはぴったりくるよ。
 軽い白ワイン、甘い白ワインはちょっと苦手でいつも赤ワイン・・・・という人にはぜひ飲んでもらいたい。特にそんな方にはCorton-Charlemagne(コルトン・シャルルマーニ)はお勧めだよ。あのまったりした感じは特徴あって重たい感じが飲み応えがある。

 もっと軽やかでアルコールが苦手な女性向きを探すとシャブリとかだけど、シャブリも色々ある。普通の「シャブリ」はシャブリ村で作られたという村名ワインだから、一般的にFさんがイメージするような、軽やかな飲みやすい感じ。だけどシャブリ・プルミエ・クリュ(1級)、グラン・クリュ(特級)になれば、重たい感じが出てきてムルソーなどとほとんど変わらない飲み応えがする。
 サッパリ飲みたいなら、ロワール地方の白が良いんじゃない?ロワールの白、Pouill-Fume(プイィ・フュメ)Sancerre(サンセール)は、グレープフルーツっぽい香りと軽やかな味わいが、こんな暑い日にはピッタリ。キンキンに冷やして飲むにはいい。
プイィ・フュメだとラドゥセット社のバロン・ドゥ・エルが大抵のレストランには置いてある定番だけど、市値でも6000〜7000円しちゃうから、同社のプイィ・フュメ・ドゥ・ラドゥセット(3000円前後)で十分雰囲気が味わえお手軽だと思う。

 それから意外と穴場な白ワインがBordeau(ボルドー)。プイィ・フュメなんかと同じぶどうを使用するんだけど、よりクールな味わい。レモンっぽいっていうのかな?例えばブラン・ドゥ・ランシュ・バージュシャトー・タルボ・カイユー・ブランパビヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー。その名の通り、ボルドー赤ワインで有名な各シャトーが出している辛口白ワインだけど、知名度は今ひとつないんだ。ところが!美味しいんだ意外と。
ロワールの軽さや後味の甘みが苦手って人には、爽快感が残る辛口ワインでお勧めかな? 前2者が3000円〜4000円、後者が7000円程度でお店によっては入手可能。

 よくレストランの前菜にアワビや貝類が出るでしょ?シャンパーニュでも合うと思うんだけど白だとPessac Leognan(ペサック・レオニャン)のシャトー・カルボニュ−は合うよね。青リンゴっぽいというか・・・金属製の爽やかな果実っぽさというか。
 アルコール感や後味はさほどなく、かなり薄目に感じるからグイグイ飲める。料理を引き立てる感じかな。カルボニューって知名度はそれほどないんだけど、白だけでなく赤ともにそれなりのレベル。日常使いにも便利。
 以前は赤・白いずれも2500円程度・・・今ではびっくりする値段で入手可能だった。最近見なくなったと思ったら随分高くなっているね(1本5000円以上)。人気なのかもしれないけど、4000円以下ならお買い得のワインかな。覚えていて損はないと思う。
  どの系統の白ワインが好きか・・・その白ワインの定番料理は何か・・・などを簡単に頭に入れておくと、アルコールに強い人・弱い人、赤が好きという人を問わずに、白ワインも十分楽しめると思う。


 3 赤の手始めにブルゴーニュを

 赤ワインといえばブルゴーニュだね。あの繊細で爽やか、そして酸味の利いた果実実あふれるワインは女性には喜ばれる。でも実は、ボルドーが女性的、ブルゴーニュが男性的って昔から比喩されてる。
 
一つは熟成した時の味わい差だろうね。若いボルドーはタンニンなどの渋みがゴツゴツしているけど、80年代・70年代の熟成したボルドーってタンニンが旨味にかわり、上品な酸味が前面に出てくるから。一方ブルゴーニュは、若い内は果実香あふれて酸味が前面に出るけど、熟成すると落ち着いたしっとり、どっしり感が出てくる。
 少しスパイシーで、金属的な酸味がやさしいワインのGevrey-Chambertin(ジュブレイ・シャンベルタン)なんか個人的にはとっても優しい味わいが好き。一般に「ジュブレイ・シャンベルタン」っていうと村名ワイン。さらに同じ村の中でも畑によって、プルミエ・クリュ(1級)、グラン・クリュ(特級)と段階がある。
 例えば。プルミエ・クリュとしては、Gevrey-Chambertin Cazetiers(ジュブレイ・シャンベルタン・カズティエール)Gevrey-Chambertin Clos-St-Jacques(ジュブレイ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック)など。ジュブレイシャンベルタン村のクロ・サン・ジャック畑で出来たワインってことだよ。グランクリュとしては、Mazis Chambertin(マジ・シャンベルタン)Charmes Chambertin(シャルム・シャンベルタン)など。

 他にVosne Romanee(ヴォーヌ・ロマネ)も好きだね。すごい果実っぽい感じが優しくて非常に飲みやすく、だけどボリューム感もあるワイン。確かに女性には人気があると思う。ここのワインだとVosne Romanee Clos des Reas(ヴォーヌ・ロマネ・クロ・デ・レア)が大好き。94年7000円、95年5800円、96年1万4000円でそれぞれ違う酒屋から入手したけど、6000円〜7000円なら「買い」のお勧めワイン。
 非常に品のいい出来で、酸味と果実香のバランスが秀でていて、飲んでるうちに楽しくなれるワイン。グラン・クリュでかなり高くなるけど、Echezeaux(エシェゾー)Grands Echezeaux(グラン・ゼシェゾー)Richebourg(リシュブール)La Tache(ラ・ターシュ)はそれぞれ果実実がどっしりと濃厚で、深く複雑な味わいになっていて、ブルゴーニュが「男性的」と言われるゆえんを垣間見る感じがする。

 よくロマネ・コンティは高価なワインの代名詞で出てくるけど、市価で安く手に入れても15万円近くと破格で、なかなか飲む機会は普通ないワインだよね。
 ロマネ・コンティ社のLa Tache(ラ・ターシュ)は、「ロマネ・コンティより色が濃ゆくて果実味にあふれている」と言われる位。むしろこちらをお勧めするよ。市価でも4万〜しちゃうけど、一度味わう価値のあるブルゴーニュとは言えるだろう。

 そのほかのお勧めとしては、Nuits-Saint-Georges(ニュイ・サン・ジョルジュ)。案外と無名なんだけど、深みがあり味わいがいのあるワインで大好き。5000円前後で入手できるボトルもあってお買い得かもしれない。

 
4 趣味のブルゴーニュ 〜ドメーヌをちょっとかじって〜
 ブルゴーニュの難しくて、面白いのはドメーヌ(畑の所有者で生産者)によって、同じ畑でも味わいが異なるんだよ。どのドメーヌかっていうのはもう趣味の世界(笑) だから好きなドメーヌが見つかると、ブルゴーニュの世界が一気に広がるのも確かだ。
 Gevrey-Chambertin Clos-St-Jacques(ジュブレ・シャンベルタン クロ・サン・ジャック)の中から個人的に好きなドメーヌを紹介すると、右がDOMAINE Armand Rousseau(アルマン・ルソー)、左がDOMAINE Louis Jadot (ルイ・ジャド)。ルイジャドは大手だからこの特徴的なラベルを見かけた人も多いと思うよ。僕はアルマン・ルソーが大のお気に入り。野いちごっぽい香り、適度な酸味、口の中にしばらく残るふくよかな甘みとボリューム感が心地良い。

 右のCharmes-Chambertin (シャルム・シャンベルタン)も、アルマン・ルソーのもの。Vosne Romanee(ヴォーヌ・ロマネ)だと個人的お気に入りは、Meo Camuzet(メオ・カミュゼ)JeanGros(ジャン・グロ)Mongeard Mugneret(モンジャード・ミニュレ)。先程紹介したCorton-Charlemagne(コルトン・シャルルマーニ)だと、Louis Latour(ルイ・ラトゥール)Bonneau du Martray(ボノー・デュ・マルトレイ)が好きかな。 マルトレイは風変わりでシンプルなラベルが特徴なんだけど、他にも良いワインを算出していてお買い得。
 ジャン・グロはさきほど話が出たヴォーヌ・ロマネ・クロ・デ・レアのドメーヌ。実はここの畑はジャングロ家のモノポール(単独所有)だから、クロ・デ・レア=ジャングロだったりする。Mongeard Mugneret(モンジャード・ミニュレ)は人の手をあしらったラベルがかわいいが、味もチャーミング。女性には好まれる味わいだと思う(写真はモンジャード・ミニュレのエシャゾー)。
 そうは言っても、あまりドメーヌにはまるのはどうかな?まずは好きなボトルを見つけて徐々に飲んでいけば、自然と趣味は集約していくと思うよ。ドメーヌの好き嫌いは自然とついてくるものじゃないかな?色々自分で楽しんで欲しい。

 5 やはりボルドーは楽しい

 ブルゴーニュもいいけど何と言ってもボルドー。ボルドーのあの力強いカベルネ・ソーヴィニヨンのわきたつような野菜を感じさせるアロマ、熟成させる際の木樽のブーケ、口の中で調和する甘みと酸味、それから広がる心地よいタンニンの渋み、喉元にまで残るような深みのある余韻・・・・何とも好きなんだよね。ボルドーといっても広いから、いくつかの地域に分けて飲んでいくと、何となく違いが分かる感じがして楽しめると思う。ブルゴーニュと違って、そのシャトーさえ覚えれば良いし。
 ボルドーの赤ワインを便宜的におおざっぱに整理すると、HautMedoc(オーメドック)は、St-Estephe(サン・テスフス)、 Pauillac(ポイヤック)、St-Julien(サン・ジュリアン)、 Margaux(マルゴー)で、それとGraves(グラーブ)、St-Emilion(サン・テミリオン)、Pomerol(ポムロール)の両地区。
 なおボルドーの格付けは1級から5級までだけど、1855年に級分けされてから見直しがされていないから、味とは比例していないから参考程度に。今日は大好きなポイヤック、サンジュリアンを飲んでみよう(サン・テスフス、グラーヴ、マルゴーは別号でラベルとともに紹介)。
 ポイヤックだったら、妻ははやっぱりムートンらしい。Chateau Mouton-Rothschild(ムートン・ロートシルト)はポイヤックの代表的ワインだね。ラベルに毎年著名な画家の絵を使用することで収集家も多いよう。同じくポイヤックの第1級としては、Chateau Latour(ラトゥール)Chateau Lafite-Rothschild(ラフィット)
 ラトゥールが一番分かりやすい味で、香りも華やぐ感じがわっと鼻先に広がるよ。ラフィットのジワーと染み渡り余韻の長い洗練さやムートンの木樽からくるタンニンが染みこんだ深みのある熟成感は、飲み込まないとやや分かりにくいかもしれない。
   このクラスだと市価でうまく手に入れても1万5000円〜3万円はしちゃう。それから97年位までは今でも飲めるけど、98年以降はまだまだ熟成が必要だから今すぐ飲むには適していないよ。今飲むなら88年〜90年は適度に熟成が進んできてi分かりやすい美味しさだと思うな。
 ポイヤックの他のお薦めとしては、Chateau Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ラランド)Chateau Pichon-Longueville(ピション・ロングヴィル)Chateau Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)かな。 
 ガーネット色、鼻先に広がる果実香、若い時のタンニンの力強さと比例するような熟成した時のまろやかさは非常に飲み応えがあるね。7000円〜1万円前後が適正価格。
 ポイヤックでもう少し安く手に入るところでは、Chateau dArmailhac(ダルマイヤック)Chateau Clerc-Milon(クレール・ミロン)。 若いうちはかなりゴツゴツしており、若干バランスが悪くタンニンが突出している感じがはするんだけど、3000円〜4000円でボルドーらしい雰囲気が一番味わえると思う。
 それからChateau Haut-Batailley(オー・バタイエ)。これは5級のワインでそれほど著名度は高くないけど、若い内から甘み・酸味・タンニンのバランスが取れていて、非常に洗練された味わいで個人的には好きだな。後で紹介するデュクリュ・ボーカイユと同じ経営者のせいか、サンジュリアンっぽい柔らかさが飲みやすい。

 サン・ジュリアンといえば、ポイヤックよりタンニンが優しく、まろやかな酸味と甘み、洗練された印象で女性にもなじみやすい感じがする。サン・ジュリアンだと何といってもChateau Ducru-Beaucaillou(デュクリュ・ボーカイユ)。スイートな果実香が上品だし、飲み込んだ後の余韻が上品。ぜひお酒が苦手な人や女性にも楽しんで欲しい1本。90年ころまでは4000円前後で入手できていた。それが今では1万〜1万2000円前後はしていて残念。「美しい小石の畑」という名前だけあって、本当に洗練された味わい。香りがぱっと広がり、口に含むとタンニンよりも柔らかな甘みと酸味を感じるんだけど、それぞれが見事に溶け合っている感じだろうか。熟成にも耐えうるんだけど、早飲みであの華やかな香りを味わうのもオツな感じ。90年代後半のボトルでもそれなりに楽しめる。
 その他のサン・ジュリアンだと、Chateau Lagrange(ラグランジュ)Chateau Beychevelle(ベイシュベル)あたりは定番かな。この2つは市場にも多いし手頃感があるよ。
 意外と穴場がChateau Talbot(タルボ)。白無地にTALBOTと打たれた地味なラベルに地味な名前で損している?けど、凝縮した果実香とそれなりのタンニンの渋みとボリューム感は、平日飲みとしてはお勧めの1本だね。
 そしてとっておきの1本がChateau Leoville-Las-Cases(レオヴィル・ラスカーズ)。格付けは2級だけどもうこれは1級以上だね。このラスカーズもバブル前は6000円前後で入手しできてたけど、ところが今は優に1万5000円位しちゃうのが残念。セカンドのClos du Marquis(クロ・デュ・マルキ)あたりを上手に入手したいね(3000円〜6000円)。

 ボルドーワインを手軽に味わうには、セカンドクラスをうまく利用するのがいいと思う。ある程度の値段で、かなりの味わいを得られるから。クロ・デュ・マルキは本当にお勧め、ぜひ味わって頂きたい1本だね。気に入ったらラスカーズに進んでみるのがいいかも。
 それからラトゥールのセカンド、レフォール・ドゥ・ラトゥールは十分にラトゥールの雰囲気が味わえるし、ラクランジュのセカンドレ・フィエフ・ド・ラグランジュはかなりお安いから普段使いにはぴったり。


 6 サン・テミリオン、ポムロールも忘れずに

 忘れてはならないのが、サン・テミリオン、ポムロールの両地区。ポイヤック、サンジュリアンとは異なって、粘土質で鉄分の多い土壌にメルロー種やカベルネ・フラン種が多く使用される。ボルドーとはかなり異なる印象がするんだけど、はまっちゃうんだよね。
 一言で言えば・・・「鼻血」?鉄というか血っぽい感じがするよね。ちょっと女性には飲みにくいかもしれない、華やかな感じもないし、凝縮した果実の固まりを口に入れる感じがする・・・・・。でも上手に熟成しているビンテージに会えると、スゴクまろやかでビックリする位の旨味とビロードのような余韻が出てくる。
 地域は狭いんだけど数多く小さなシャトーがあるから、統一的な味がわれわれ素人にはつかみにくい感じもするね。この両地域はある程度代表的なボトルから飲んでいくのが一番の近道かな?値ははるんだけど、やはりレストランのワインリストなどもうまく利用したい。

 個人的に好きなのは、サン・テミリオンだとChateau Cheval-Blanc(シュバル・ブラン)Chateau Ausone(オーゾンヌ)Chateau Figeac(フィジャック)。それからChateauPavie(パヴィ)Clos Fourtet(クロ・フルテ)。クロ・フルテは穏やかでふくよかな味わいが飲みやすかった。 前3つは1万円以上はしちゃうけど、後2つはがんばって探せば7000円〜前後で入手可能のよう。

 ポムロールだとシャトー・ペトリュスシャトー・ルパンというビッグネームがあるけど、市場に少なくスゴイ値段だから、手に取りやすいところでChateau Trotanoy(トロタノワ)Chateau lEvangile(レヴァンジル)がお勧め。ポムロールっぽい土っぽさがある反面、非常にスマートでバランスが良いから、この地区に慣れていない人も飲みやすいと思う。
 Chateau Lafleur(シャトー・ラフルール)Chateau La Fleur-Petrus(シャトー・ラ・フルール・ペトリュス)も好きだね。血のような感じとともに、土っぽさや湿った感じがするからこそ、これからの季節ジビエには抜群の相性を見せるんだよ。
 日常使いのワインで2000円〜3000円を出すならどうしてもボルドーワインになっちゃう。サン・テミリオン・ポムロールでその値段だと非常にあたりはずれがあるから。1万以上出せばいいクラスのワインに会えるけど、どうしても熟成が足りなかったりするんだ。
だからこそお気に入りのフレンチレストランで、家庭では食しにくい鹿などのジビエを頂きながら、熟成が進んだ秀逸なポムロールに出会えたときなどは本当に幸福なんだ。


 
7 穴場のローヌ、南西地方 〜ジビエの季節の楽しみ〜
 ジビエとまでは言わなくても、家庭で食べる冬の肉料理にも赤ワインって合うよね。おいしいポムロールを日常使いってなかなかできない。安くて大量に市場に出ているワインなら、ローヌ地方の代表的ドメーヌのEギガルをうまく使いたい。Cote-Rotie Cotes Brune et Blonde(コート・ロティ・コート・ブリュンヌ・エ・ブロンド)は3000円〜4000円。シラー種を使っていて、胡椒みたいなスパイスっぽい味わい、ふくよかな甘みとボリューム感は、冬の肉料理(もちろんジビエにも)にはぴったりだよ。同じくギガルのエルミタージュは5000円前後。
 エルミタージュやコート・ロティはあまり耳馴染みのない地区かもしれないけど、あふれるような果実香、スパイシーな味わい、飲後のボリューム感とかなり満足できるし、冬の料理(すき焼きとか)には家庭でも合わせやすいと思うな。
 その他はCrozes-Hermitage(クローズ・エルミタージュ)のドメーヌがアラン・グライユのもの。この地方のワインはどかっと太めのボトルが多いんだけど、ここのはスリムな形でラベルもすっきりしている。2000円前後で入手可能だけど十分なタンニンが力強い一方、果実香・後味も十分で大好きなボトルかな。Cornas(コルナス)地区のJean-Luc Coloubo(ジャン・リュック・コロンボ)ドメーヌのCornas(コルナス)も何といってもお勧め。
 さらに南西地方も安くてボリュームのあるワインがたくさんあるんだよね。例えば、Cahors(カオール)や Madiran(マディラン)のワイン。特に、 Madiran Chateau Montus(マディラン・シャトー・モンテュス)は3000円前後とは思えないふくらみのあるワインで、お勧め。

 ボルドー、ブルゴーニュももちろん美味しいけど、ローヌや南西地方の1000円〜2000円クラスで、どれだけ好みのワインを見つけられるか。平日のワインライフ充実のポイントかな。平日だったら1000円台で入手可能なコート・デュ・ローヌシャトー・ヌフ・デュ・パープもいいね。


 8 ワインと食事の相性はどこまで・・

 色々定番があるのは確かだけど、それほど意識しなくていいんじゃないかな。シャンパーニュに納豆ってどうも合わないじゃない? だけど鮭にはスダチを搾りたくなったり、納豆には柚胡椒を入れたくなる・・。そんな感じで自分の味覚を信じることが大事だと思うね。一応の定番は以下のように言われているから、基本位押さえた上で自分の味覚で選んでいきたい。
  シャンパーニュ (前菜やキャビア・あわび・魚介類のタルタル)
  サンセール (アスパラガス)
  プイフュメ (サーモンの薫製)
  ムルソー、コルトンシャルルマーニ (オマール、クリーム系のソース)
  ブルゴーニュ (雄鶏の赤ワイン煮込み・鳩のロティ・ジビエ)
  ポイヤック (羊)
  ポムロール (ベカスのロティなどジビエ)
  コートロティ、エルミタージュ (ジビエ(鳩・鹿))
  ファワグラ(ソーテルヌ)

 ワインを飲み込んで行くと、感覚的に・・自然に合わせたくなるものではあるね。羊にサンセールを合わせようとはやっぱり思えないでしょ? ワインの「甘み」「酸味」「苦み」などの要素と、料理の「素材」・「ソース」などの要素をどうバランスを取るか?・・という事かな。
 例えば「ポイヤックに羊」って誰も疑わないんだけど、プロ的にはもっと細かい視点があったりする。カレ・ダニョーで皮付きのままマスタードなどを塗ってローストだと渋みのまだある若いポイヤックやメドック。ノアゼット(最初から脂を取ってから焼く)にはポイヤックでも飲み頃のビンテージ。仔羊は個性がなくてエレガントなのである程度古いポイヤック・・・・。
 だけどそこまで完璧な合わせ方を我々が意識する必要はないし、あまり神経質にならずに、自分がおいしいと思えるのが一番いいと思う。


 9 レストランの楽しみ

 フレンチレストランでの料理とワインの合わせ方だったら、やはりソムリエの方の知恵をいかにお借りするか・・・っていう視点は必要だよね。そのお店の料理とワインを知り尽くしてるんだから。素人があれこれ机上の知識で考えるよりずっといいセレクションになることは間違いない。僕はワインの経験に応じて、3段階くらいのプロセスをふめば快適に利用できると思う。
 まず最初に、例えば魚に白、肉に赤、もしくはボルドーとブルゴーニュの違いが分かる程度の場合。料理を選んで、率直に「グラスで料理に合う白ワイン、ボルドー(ブルゴーニュ)が好きなんで、今日のお肉に合うものはありますか?」って尋ねて見ることだ。分からない客にはそれなりに教えてくれるはず。飲んだことのあるワインや予算をそれとなく伝えると良いと思う。
 次は、ある程度飲み込んでいる場合。例えば、「今日は記念日だからシャンパーニュはクロデュメニルで乾杯して、赤はパルメのバースデービンテンジを頂きます。白はあまり詳しくないし、こちらのオマールに合う、こってりしたタイプをできればハーフボトルでありませんか?」って聞いてみる。つまり一部は自分で選び、一部はソムリエのプロのアドバイスを受けるパターン。
 最後は、シャンパーニュ、白、赤も自分で好きなものをサラッと頼む。味わう時にソムリエの方に印象を聞いたり、いろいろ会話をして、自分たちの選択について意見を聞いたりする楽しみ方。ちょっと気後れするような場合は、最初から素直にプロの意見を聞いて、快適な空間を過ごしたいものだ。
 自分でワインを探してきたり、自宅でも楽しめるようになっていると、フレンチレストランでは、ワインリストを見る事が一つの楽しみになるんだよ。どのレストランにも絶対お勧めというか、目を見張るようなワインがあるから。
 先日パルメの70年代を頂いた時、全く同じビンテージで、同じ銀座にあるレストランなんだけど、Aでは4万円だったのが、Oでは2万5000円だった。またあるレストランではクリュッグが3万5000円したけど、違うレストランでは1万5000円のことも。自分なりの基準が出来ているとむやみに高いだけのワインに手をだしたりせずに、そのレストランならではのワインを味わえると思う。


 10 最後にデザートワインとシャンパーニュ

 最後は貴腐ワインだよね。夏にはまだまったり感が強いけど、秋から冬にかけておいしい。
 
シャトーディケムはさすがに別格だけど、安く入手しても4万円前後はするね。4000円から5000円だとスュデュイロー、ギローがお勧めだよ。自宅で軽く飲むのもいいし、フレンチレストランで女性がデザート、男性がデザートワインをグラスで頂くってのもおつだと思うよ。

 (2004年・記)





 「小泉再選とエリゼ宮の食卓」

 フランス大統領官邸のエリゼ宮では、国賓、公賓など様々な招待者を招いて、晩餐会が催される。そのメニュー・ワインには、政治的なメッセージが含まれるという。毎日新聞の特派員で7年パリ支局にいた、西川恵氏の「エリゼ宮の食卓」(新潮社)に詳しい。

 1993年1月、時のフランス・ミッテラン大統領がブッシュ大統領夫妻(現ブッシュ大統領の父)を招いて、エリゼ宮で晩餐会が開かれた際のメニューは次の通りだった。

・料理
 牡蠣の大海のシンフォニー
 シャポンのランド風、ブーダン添え
 蒸しきのこ
 チーズ
 チョコレートとマロンのデザート
・ワイン
 コルトン・シャルルマーニ 1982年(ルイ・ラトゥール)
 シュヴァル・ブラン 1971年

・シャンパーニュ クリュッグ・グラン・キュヴェ

 牡蠣に目がないミッテランが、魚介類好きのブッシュのために、前菜に牡蠣を持ってきた。しかも合わせるのは、魚介類に抜群の相性を見せるコルトン・シャルルマーニ。ミソはクリュッグ。
 エリゼ宮では、大事な国賓の際にしかクリュッグを持ってこない。この日の晩餐会は、選挙で敗れ2週間後にはクリントンに大統領職を譲ることが決まっていたジョージ・ブッシュを私的に招いたものであった。このような私的な晩餐会でクリュッグを出したのは、冷戦後の世界を共にリードしたブッシュに対する友情からだったのかもしれない。
 そういえば、故ミッテランが現シラク大統領と犬猿の仲であったことは有名だ。イラク問題を巡って現在、シラクとブッシュが犬猿なのは、ミッテラン・ブッシュの蜜月時代のしこりかもしれないなど、うがった見方の一つでもしてみたくなる。

 ところで、日本の要人の場合はどうか。
 1994年5月、細川連立内閣において、細川辞任の後に指名された羽田首相の場合は次のようなメニューだった。

・料理
 卵の冷製ランド風
 小鴨のフィレのオレンジ風味
 ピストゥーのパテ
 チーズ
 木イチゴのアイスクリーム
・ワイン
 プイイ・フュメ 1991年
 サン・ジェルマン 1991年

・シャンパーニュ ルイーズ・ポメリー 1985年

 フレンチ好き・ワイン好きの方はすぐにお気づきだろう。この歴然としたメニューの差を。晩餐会でありながら昼食のようなメニュー。ワイン・シャンパンもかなり軽め。プイイ・フュメは、ワイン談義のところでも触れているが、ロワール地方の軽く飲める白ワインで、日曜のお昼にワイワイと飲むのが楽しい1本。少なくとも大事な人との大事な会食に選ばれるワインではない。94年に91年のワインを持ってきていることからも、熟成の必要ない軽飲みワインであることがうかがえよう。
 社会党が連立を離脱したため少数与党に転落し、既に政治的に「死に体」だった羽田首相にはこの程度で良いという、「冷徹なメッセージ」が誰の目にも読みとれる。

 では天皇陛下の場合はどうか。羽田首相と同じく1994年に、エリゼ宮で催された非公式晩餐会は次のようなものだった。

・料理
 プルターニュのオマール海老の野菜添え
 子羊の腿のパイ包み
 ふかしポテトのパセリ風味
 チーズ
 ヌガーのアイスクリーム、蜂蜜風味
・ワイン
 ル・モンラッシェ    1985年
 ムートン・ロートシルト 1966年

・シャンパーニュ クリュッグ・マグナム

 「オマールにブルゴーニュの辛口白」、「子羊にポイヤック」という定石をビシッと押さえた上、憎いことにも85年、66年と当たり年のワインを持ってきている。しかも、辛口白ワインの最高峰ともいうべき、グラン・クリュのモンラッシェに、ムートンである。考えただけで垂涎ものの組み合わせだ。
 そしてシャンパーニュは先ほど述べた「クリュッグ」。このパーフェクトに近いメニューとワインの組み合わせに、エリゼ宮の天皇陛下に対する配慮がうかがえる。
 このように、晩餐会のメニューにまで政治的な意味合いを持たせ、またメッセージや皮肉を包もうとする「エリゼ宮」。
 総裁選で圧倒的な勝利を収めた小泉純一郎が、今、この「エリゼ宮の食卓」に招かれたなら、どのようなメニューとワインが待ち受けるのだろうか。少し想像してみた。


 さて小泉総理がエリゼ宮に招かれたらどのようなメニューとワインが待ち受けるだろうか。
エリゼ宮が皮肉やメッセージを織り込みながら、そして各国の政治家の格や国内事情を勘案して、メニューを選択することは前回述べた通りだ。
 イラクの戦乱が広がるなかで、シラク大統領は一時期90パーセント台という圧倒的な支持率を誇った。安倍幹事長であっと言わせた小泉の支持率も、60パーセント台に回復している。お互いに内政は安定しており、外政も表面上は取り繕えば足りる。
 エリゼ宮としては、お慈悲をかける必要も、必要以上に歓待する必要もない。親日家のシラクとしては、かなりの遊びココロでメニューを選択できるはず。
 このような要素を前提に想像してみたメニューは、次のとおりだ。

・料理
 ファワグラ、ソーテルヌ風味のゼリー寄せ
 子羊のロゼット トリュフ風味
 フランスの田舎野菜のサラダ
 梨の冷製、アーモンド風味
・ワイン
 シャトー・スュデュイロー
 シャトー・ベイシュヴェル

・シャンパーニュ ヴーヴ・クリコ・ラ・グランダム

 「今後最長で3年間総理を務めるコイズム。個人的にも嫌いではない。エリゼ宮が好意的な人物に提供する、フォワグラをチョイスしよう。しかしワインの分かりそうにない、コイズミにディケムは上等すぎる。エリザベス女王にはディケム、チャールズとダイアナにはディケムより落ちるペラゲだった。コイズミには、もう少し落ちるスュデュイローでよかろう、これでも十分うまい」
 「さてメイン。カイフには薄切りフォワグラのソテー・リンゴ添えだったが、フォワグラはだぶる。ムラヤマには乳子羊の茶子の実ソース添えにクラワゼバージュと歓待してあげた。ムラヤマレベルにはするとしよう」
 「赤ワインは、サントリーが経営する格付け4級のベイシュヴェル。子羊にはあうし、構造改革と叫ぶコイズミが、どこまで日本企業の実態を知っているか試すにはぴったりだ」
 「シャンパーニュだけは皮肉を入れずに再選お祝いということで・・・・いやおもしろくない。コイズミは独身だ。ヴーヴ(未亡人)クリコをたたえたラ・グランダムにしよう。ちょっと不謹慎だがコイズミなら笑い飛ばしてくれるだろう」

 さてこんな身勝手な想像をかき立ててくれる、エリゼ宮。ミシュランに載せるとすれば、星はどの程度なのか。
 エリゼ宮の料理長はこう答えたというが、さすがにしゃれている。
 「2つ星クラスだと思う。もっとも、パリのど真ん中にある、誰も知らない穴場ですけどね」

 (2003年・記)