「男と女の夢芝居」
吉宗たちは芝居見物。旗本三人が娘にちょっかい。中村座の男、左吉が旗本をこらしめた。吉宗たちはまたおちよたちと芝居を見た。その帰り、襲われる二人の侍たち。吉宗が助けた。め組に運んだ。若い藩士の三谷は死んだ。年老いた藩士は高岡平内と名乗った。高岡は人捜しをしていた。辰五郎はめ組が協力すると言った。相手は元信濃松本藩沖田収蔵、高岡と同年齢、生きていたら源助長屋にいるとか。二十五になる左馬助なるせがれがいると言った。
卯之吉たちは捜した。長屋はあった。五年前に引っ越していた。吉宗は大岡と田之倉に話した。松本藩内でなにか内紛か。大岡に調査を指示した。・・・・・高岡はめ組のものの駕籠に乗り、江戸市中をうろうろした。め組の連中もたまったものではない。
吉宗は左吉とお弓夫婦と会った。芝居小屋で茶を飲んだ。左吉は元武士と知れた。左吉は戯作者の卵。
松本藩主、戸田丹波守は病。若殿は早死に、息女は綾姫。綾姫に婿を迎えて世継ぎとするほかはない。高岡は目付、脱藩してまで沖田収蔵を捜しているのはなにゆえか。左平次に松本藩の内情を調べさせた。
江戸上屋敷で藩主は寝込んでいた。そばには綾姫と江戸家老。江戸留守居役神尾。江戸家老と神尾は反目していた。神尾を押すのは、国家老の飯島。綾姫には縁談があったが、綾姫は嫌がっていた。相手は飯島のせがれだった。
高岡がまた襲われた。吉宗が助けた。小雪が藩士たちをつけた。松本藩屋敷へはいった。飯島図書が江戸へ来るとか。
吉宗は高岡から内情を聞いた。国家老・飯島図書はせがれを藩主にして、松本藩を乗っ取るつもり。高岡たちはこれを嫌い、これを阻止しようとしていた。藩主は部屋住みのころ、お妙という侍女と仲良くなった。藩主になったとき、幕府からの縁談があり、正室に迎えた。お妙は暇を乞い消えた。お妙が男子を生んだと知れた。沖田はお妙に藩にもどれと説得した。だが、お妙はもどらなかった。沖田はお妙母子を見守ったという。沖田とお妙は夫婦となり、ご落胤を育てた。藩主は左馬助に松本藩を継がせたい意向という。
沖田収蔵は他界していた。左馬助は沖田が亡くなると、武士の持ち物をすべて売り払い消えたとか。左馬助といい仲だった水茶屋のお弓が浮上した。吉宗は心当たりがあると、高岡に話した。
吉宗は芝居小屋に左吉を訪ねた。吉宗は左馬助に会いたいと言っている松本藩士がいると話した。松本藩士は高岡と言った。左吉はもう侍を辞めて、戯作者になったのだ、世継ぎの話はごめんだと言った。吉宗は高岡に会い、本心を話せと言った。
左吉は高岡と会った。高岡は平伏して、なんとか松本藩にもどってほしい、藩主である父親も病に臥し松本藩はばらばらだと告げた。左吉は沖田収蔵だけが父親だと言った。お弓はこの様子を見聞きした。沖田収蔵はやさしくて良い父親だと話す左吉。沖田収蔵は後悔のない生涯を送れと死んだ。左吉はどうしても帰れぬと言った。高岡はがっくり。
飯島図書、神尾たちも左吉の存在を知った。左平次はこの動きを関知した。左吉が襲われた。吉宗が助けた。吉宗はこのままでは一生狙われるぞと話した。松本藩へもどったらどうかと言った。左吉はお弓を母親のように不幸にはできないと言った。お弓の姿が見えなくなった。お弓は身寄りがない。
お弓は左吉の素性を知り悩んだ。吉宗は左吉の本心をお弓に伝えて安堵させた。吉宗が芝居小屋から去ると、お弓が拉致された。左平次が拉致の事態を知った。左吉は松本藩屋敷へ駆けた。左吉は飯島や神尾と会った。命を捨てろと言った。
吉宗が現れた。吉宗は飯島や神尾を斬り捨てた。吉宗は、自分ができなかった夢をかなえてくれと左吉に言った。・・・・・田之倉が骨を折り、綾姫は見合い相手の五人目で婿取りを決めたという。
左吉:田中実/お弓:立原麻衣/高岡平内:橋本功/飯島図書:今井健二/神尾外記:小笠原弘/小川庄太夫:阿木五郎/松崎典膳:滝譲二/沖田収蔵:増田再起/舞台の長兵衛:小泉のぼる/舞台の権八:寿美英二/お妙:山本志づ世/医者:有島淳平/市川団四郎:小坂和之/下山:高橋弘志/旗本(一):峰蘭太郎/旗本(二):小谷浩三/旗本(三):加藤寛治/三谷竜太郎:川鶴晃裕/婆や:星野美恵子/大店の娘:西原明美/綾姫:爾乃芙代/左馬助の少年時代:山口雄大/脚本・藤井邦夫/監督・/
徳川吉宗:松平健/おさい:坂口良子/卯之吉:三遊亭楽太郎/医者野々村恭介:新田純一/密偵速水左平次:若松俊秀/密偵小雪:安藤晃子/おちよ:田中綾子/源次:真砂皓太/大岡越前:横内正/常吉:白井慈郎/凡平:角巻信彦/おかる:秦由圭/辰五郎:北島三郎/田之倉孫兵衛:船越英二//ナレーター:若山弦蔵/主題歌「男道」北島三郎、挿入歌「夢灯り」松平健/音楽・菊池俊輔/
「女賞金稼ぎ修羅の花道!」
街道筋の茶店で賞金稼ぎ、夜叉面のお銀が待ち伏せていた。街道を侍が通りかかった。上野相生藩の浅葉隆一郎だった。お銀は浅葉隆一郎の手配書を見せ、賞金稼ぎだと名乗った。そこへ相生藩士たちが現れ、お銀は横取りされまいと藩士たちとやり合った。そのすきに浅葉隆一郎は小舟で逃亡した。
寺の墓地で反物の取り合い。船乗りたちの争い。反物は春画を染めたものだった。水夫は斬り殺された。夜回りの卯之吉たちが目撃した。
料亭では加納屋、相生藩城代時山孫太夫、勘定奉行吉岡又四郎たちが密談。・・・・・大岡は吉宗に事件を報告。反物には異国が喜びそうな春画。大岡の調べによると、反物は上野相生藩の織物と知れた。田之倉は相生藩の勘定奉行・吉岡又四郎に問いただした。吉岡又四郎は知らないと答えた。左平次は相生に飛んだ。小雪は加納屋の監視。
め組に浅葉隆一郎が現れた。部屋を借りたいと言った。おさいが身元保証することになった。吉宗は浅葉の素性をあれこれ訊ね、上州の相生藩の絹織物について訊いた。これが、浅葉には答えにくい話、め組から早々に立ち去った。
お銀は浅葉を見つけた。また追いつめた。食い過ぎたお銀が腹痛。浅葉はたまたま浄円院が住む清涼庵にお銀を運んだ。浄円院が看病した。・・・・・大岡は水夫が加納屋とかかわる者とつきとめ、加納屋に問いただした。加納屋は水夫の六助についても、春画の絹織物についても知らぬ存ぜぬと答えた。
お銀は筑前博多の生まれ、父親は十手持ち。父親が殺され、女郎となった。客に仇を見つけて、仇を討った。賞金で自由になるが、人殺し、女郎あがりと言われ、とうとう賞金稼ぎとなった。
加納屋が相生藩上屋敷に行った。時山孫太夫と会った。目撃者を殺せと指示した。小雪が盗み聞き、見つかった。・・・・・相生藩士たちは旅籠の浅葉をかぎつけ、追いつめるが、浅葉は逃げた。
卯之吉たちが殺しを見たので、相生藩士が殺そうとした。お銀と吉宗が助けた。吉宗は卯之吉たちを襲ったのが、相生藩士と知った。
お銀が捜しているのが、浅葉と知るめ組と吉宗。浅葉は公金横領と殺人で相生藩から追われていた。吉宗は左平次から上州相生藩の絹織物について報告を受け、絹織物の背後にある不正についても聞く。
浅葉がめ組を訪ねて来た。お銀は浅葉を連れ出し、手配された理由を問いただした。吉宗も訊いた。殺しはしていないと言った。目付が浅葉に不正探索を打ち明けた。その直後、目付が殺された。公金横領は路銀を手に入れるためと知れた。浅葉は取引の割り符を持っていた。吉宗は渡せと言ったが、浅葉は拒否した。吉宗は、お銀が母親の清涼庵に泊まったと聞く。
浅葉がまた相生藩士たちに襲われた。お銀が助けた。お銀が斬られた。清涼庵に運んだ。お銀はと会い、母親にまた会えたと死んだ。吉宗は相生藩上屋敷に乗り込み、時山孫太夫たちを成敗した。
夜叉面のお銀:芦川よしみ/浅葉隆一郎:片岡弘貴/時山孫太夫:小沢象/吉岡又四郎:伊東達広/加納屋伝兵衛:高峰圭二/芝倉丈之介:岡田洪志/己之助:白川浩二郎/松崎:司裕介/秋沢:浜田隆広/職人:林哲夫/岩吉:池田謙治/土井相太郎:笹木俊志/熊蔵:小船秋夫/仲沢:奥野公一/六助:青木哲也/浅葉大介:渡辺琢之/そば屋:畑中伶一/役人(甲):山根誠示/役人(乙):木下通博/旅籠の女中:北村理恵/巫女:丹羽美奈子/侍女:泉知奈津/浄円院:中村玉緒/脚本・石川孝人/監督・松尾正武/