「熱くてたまらない!将軍に惚れた若後家」
お凛の知り合いお春は三度目の亭主にも死に別れ、またも若後家状態。お凛は若後家の集団見合いを企画したが、おぶんの曲解でめ組がおしかけてきてご破算。まあ、いい男さがしってことだねえ。
幕府は公金を貸し付けていた。掛川藩菅野内膳は大井川の氾濫で困っていると申し出た。宍戸官兵衛は掛川藩には何度も貸し出しているのに、いつも川が氾濫などとはおかしいと言った。大岡忠相は掛川藩に放った穏密だけが帰っていないという。吉宗は隼人と皐月に探索指令。
お凛はおぶんに集団見合いをぶちこわしたとねじこんだ。お春はそんないざこざにうんざり。お春は橋から飛び降りようとした。吉宗が通りかかり止めようとした。二人とも川にはまった。濡れたので小屋で着物と身体を温めた。お春は吉宗に惚れてしまったようだ。
吉宗とお春がめ組に来た。お凛にも亭主がいたらしい。お春の亭主になった者はみんな出世したとか。一人目は飾り職人の腕をあげ、二人目は有名な浮世絵師になった。三人目は普請請負業の辰巳屋の馬鹿息子が、店を倍にしたとか。お春は吉宗を大名にしてやるという。吉宗は嫁さんはもらはないと言ったが、お春はそばにいるだけでいいと言った。
長次郎は火消しのことで掛川藩といざこざがあった。話をつけに吉宗ともども出かけたが、掛川藩は話し合う気がない。金でかたをつけにきた。受け取った金に葵の封印があった。やはり貸し付け金の使われ方があやしい。
お春はめ組で吉宗を待っていた。お春が吉宗にくっついてはなれない。大好きだという。吉宗は困った。家を聞かれても答えられぬ吉宗。お春は無邪気な女だった。お春につけられる吉宗。吉宗は大岡忠相に掛川藩からの公儀小判を渡し、探索を命じた。
吉宗はお春に見つかった。雨が降った。茶店で雨宿り。お春は表に出て、雨に濡れながら「徳田新之助が好きだ、好きだ、好きだ」と叫んだ。雨に濡れてしかたなく、宍戸のところにかけこんだ。吉宗は宍戸を叔父だと紹介。お春は吉宗につかえるという。お春はそのまま宍戸の屋敷に住みこんだ。
隼人と皐月は掛川藩で河川工事を聞きこみ。掛川藩では貸し付けた金の半分しか国元にしか届いていない。支払いも滞っていた。勘定奉行が掛川藩の江戸留守居役・菅野内膳に協力していた。吉宗は勘定方の席で、不正について話した。
勘定奉行は宍戸に賄賂をもらった、割腹すると言った。宍戸は吉宗の本意ではないと止めた。掛川藩士たちは宍戸宅にはいる吉宗とお春を見た。かれらは吉宗もお春も幕府の回し者と思った。
吉宗は宍戸から勘定奉行の告白を聞いた。吉宗が宍戸宅によると、お春はいっぱい料理を用意して待っていた。無理に食べる吉宗。
ここは辰巳屋。辰巳屋は今は一番番頭だった儀右衛門の店。菅野内膳、掛川藩士たちと密談。お春が密偵と疑われたわけは、お春が辰巳屋の女房だったからだ。菅野内膳たちは元女房ゆえ、辰巳屋の内情にさぐりを入れたと勘違い。儀右衛門はお春にそんな器量はないと言ったが……。皐月は、この密談をすべて盗み聞き。
大岡忠相は吉宗に辰巳屋儀右衛門と掛川藩菅野内膳がつるんでいると報告。隼人は、掛川藩にはなった穏密が死体で見つかったと報告。お春の亭主の辰巳屋は儀右衛門と掛川藩に殺されたとも知れた。
おぶんと長次郎が、お凛の風邪を利用して「重い病、あと一年、結婚の約束をしている」とお春を吉宗から離そうとした。だが、お春は「死んだあとはわたしが新さんに仕える」という。おぶんのもくろみは失敗。ははははは、やれやれ。
お春の命を狙う掛川藩士たち。吉宗が撃退。お春は、お凛の話を信じ、しばらく吉宗から離れるらしい。吉宗は掛川藩邸に乗り込み、菅野内膳の不正を暴露、成敗した。ところでお春は今度は大岡忠相と出会ってしまった。お春は今度は忠相を追いかけだした。いやはや、どうも。掛川藩の護岸工事は進展を見せた。
お春:石野真子/菅野内膳:中田浩二/辰巳屋儀右衛門:曽根晴美/須永克彦/岩尾正隆/大木晤郎/福中勢至郎/山口幸晴/小谷浩三/高橋弘志/大矢敬典/浜崎涼子/丹羽美奈子/岡田友孝/森兼万貴/池田謙治/脚本・井川公彦/監督・村川透/
徳川吉宗:松平健/大岡忠相:田村亮/産婆のお凛・長次郎の姉:松金よね子/おぶん:生稲晃子/長次郎:山本譲二/宍戸官兵衛:高嶋忠夫/皐月:東風平千香/隼人:大森貴人/お由利の方・吉宗の母親:中村玉緒/め組の若い衆:真砂皓太、木下通博、田井克幸、神大介/ナレーター:若山弦蔵/
め組の頭の山本さんは良くなった気がする。軽いところがいい。石野さんの投入はよかったか。あまり理屈っぽくなくて好感。
「だまされた男 芸者の吐息に仕掛けられた罠」
そろいの笠、陣羽織を着た侍たち六人ほどが通りを行く。狙いは浅草小町らしい。侍たちは旗本だった。浅草小町を見つけると、言いがかりをつけた。浅草小町と言われた娘は板倉修理介を袖にしたとかで、憎まれていた。辰五郎が助けた。大岡も出てきた。駕籠にいた板倉修理介は旗本たちを引かせた。
旗本たちは旗本寄合席・板倉修理介が組織した赤柄組といった。板倉修理介は勘定奉行に推挙されたが、大岡忠相は不審を持ち反対、却下された。吉宗は浅草に住む辰五郎を訪ねた。浅草小町の伊勢屋のお絹が来ていた。吉宗はお絹と知り合う。辰五郎もお絹も赤柄組をぼろくそに言った。
吉宗はお絹を送った。札差伊勢屋善兵衛の娘・お絹に板倉修理介の側女になれと話があった。伊勢屋はきっぱり断ったという。お絹には勘当された宇太郎という兄がいたが、今はどこへ行ったかわからない。
板倉は堺屋と手を結んでいた。幕府は、札差の数を百九軒にして、そのうちから「肝煎」を選ぶ予定。伊勢屋が第一の候補だった。堺屋は板倉が勘定奉行になれば、この肝煎を取れると思っていた。
宇太郎が江戸に帰ってきた。お凛が長次郎に伊勢屋へもどれるようにしてやれと言った。だが、宇太郎はまったく昔のままだった。長次郎が怒ってどついた。堺屋が宇太郎の姿を見た。
堺屋は芸者小菊を使い、宇太郎に接近させた。小菊は宇太郎を出会い茶屋に誘いこみ、誘惑した。そこへ赤柄組が乗り込み、宇太郎の身柄を拘束した。板倉修理介は千両か、伊勢屋にある旗本の借用書を二、三十も持ってくれば許してやると言った。宇太郎は死のうとした。吉宗が助けた。お絹も来た。「千両貸してくれ」と言ってまた父親を怒らせた宇太郎。
宇太郎は借用書を盗みだした。お絹は長次郎や吉宗にそのことを伝えた。宇太郎が持ち出した証文は堺屋にわたった。堺屋は伊勢屋に「肝煎」を譲れと言った。隼人は堺屋の背後には板倉修理介がいると知った。
大岡は板倉と会って話した。大岡は八代将軍の方針を伝えた。一方、伊勢屋は宇太郎を甘やかしたかと反省していた。お凛がある寺で赤柄組を見たという。辰五郎が行ってみると蔵に宇太郎が捕まっていた。辰五郎と長次郎は宇太郎を助けた。
今度は伊勢屋が行方不明。堺屋のところに行っていた。「せがれを返してくれ」と頼んでいた。帰り道、伊勢屋が赤柄組に殺された。
兄妹に遺書があった。宇太郎に店をつがせると書いてあった。宇太郎もお絹も泣いた。吉宗は板倉の屋敷に乗り込み、板倉一党を成敗した。目安箱には赤柄組がなくなったことへの感謝の文がわんさか。これ以後、札差は百九軒の株仲間で運営された。
宇太郎:三遊亭楽太郎/板倉修理介:伊吹剛/堺屋八右衛門:大林丈史/伊勢屋善兵衛:常泉忠通/お絹:中嶋美智代/荒巻右近:奥久俊樹/園英子/江原政一/青木哲也/西村正樹/山根誠示/脚本・鈴木則文、胡桃哲/監督・原田雄一/
辰五郎が久しぶりに出てきた。人入れ稼業だそうな。「花川戸の辰五郎」というらしい。常泉さんは今回は善役。