簿記の勉強を始めてしばらくした頃、ただ漠然と税理士を目指そうかな〜などと考え、税理士事務所への就職を希望しました。
 ハローワークの求人票を見たところ、採用の条件としては日商簿記2級というところが多く、なんとか2級を取得しました。
 それまでに転職経験もあった割に世の中のことを何も知らなかった私は、2級があれば就職できるものだと簡単に考えていたのです。
 ところが・・・求人票の要件は満たしているはずなのに、なぜか面接すらしてもらえません。「実務経験が無いから」「年齢が若くないと」というのが理由のようでした。
 求人票でめぼしいものを見つけると、当時通っていた職業訓練校の就職担当指導員かハローワークの担当者から事務所に電話を入れてもらい面接の日程を決めるわけなんですが、その電話の段階で断られるわけです。

 ところがある時、ハローワークから事務所に電話をいれてもらったのですが、先生が不在ということがありました。そこで私の携帯電話の番号をお知らせして、そちらに電話がいただけるという話になったのですが、待てど暮らせど電話はかかってきません。どうしていいかわからずハローワークの担当者に電話すると、こちらからかけてみて下さいと言われ、かけました。
 その時の電話の内容は、数年経った今となっては曖昧な記憶しかありませんが、ボロカスに言われたことだけはハッキリと覚えています。
 最も私は口惜しさがバネになるタイプなので、その時の電話のお陰で税理士試験に合格できたのだと思うのですが(^^;

 その後も、面接にすらこぎつけない現実に、ハローワークで半泣きになって相談したこともありました。
 それでも、あきらめずハローワークに通い続け、やっと面接してもらえる事務所を見つけることができ、そこで無事採用となったわけですが、それまでの2度の就職では、何の苦労もしなかった私にとっては、本当に大変な就職活動でした。
 その事務所は、転居のため僅か8ヶ月で退職することになってしまったのですが、私を採用して下さったその先生のことは今も感謝しています。もしも、あのとき税理士事務所に就職できていなかったとしたら、きっと税理士になることを断念していたと思います。
 というのも、その後もパソコン通信などで聞く全国各地の事務所の内情は、かなりひどいものが多かったからです。
 私と同じように、税理士を目指して税理士事務所に就職を希望する人の多くにとって就職がかなり困難なものであり、更には仕事を続けていくことができずに辞めてしまう人がかなりの数に上るであろうことが想像できます。

 どうして、税理士事務所に就職することが困難であるのか・・・
 例えば商業高校を卒業して、簿記の専門学校を卒業して就職することは、それほど困難ではないのかも知れません。
 でも、少なくとも私の場合、若しくは私と同じような状況にある人にとっては難しいものであることは確かです。
 でも・・・どれほど困難であろうとも、税理士になるためには乗り越えなければならず、税理士試験に合格した以上、「やるっきゃない」のでした。