$フランス人の意外

今までの海外旅行のなかで、へぇ意外!と思ったのは、フランス人の気さくなところでした。
行く前は、フランス人はお堅くって不親切、と思い込んでいた。これはメディアによるところが大きくて、 「英語で質問しても答えてくれない」「道を尋ねても親切でない場合が多い」などと書かれたガイドブックも多かった。
でも、それは大きな思い違いだった。 パリの路上で、1人地図を広げていたわたしに「どこへ行きたいの?」と最初から英語で聞いてくれたおじいさん。 買い物をして、小銭の扱いに戸惑ったとき、親切に数えてくれたお姉さん。 ビストロのマダムはどこのお店でも「ボナペティ(めしあがれ)」と声をかけてくれた。 なんだ、フランス人って親切じゃん。意外で、なんとなく嬉しい発見だった。

逆に、アメリカ人って思っているよりフレンドリーな人種ではなかった。 もともと自己中心的人種、英語ができて当たり前、って感じで話されるとこっちは困ってしまう。 フランスでは、わたしより何倍も上手く英語を操る人が、わたしのつたない英語も一生懸命理解しようとしてくれた。 片言のフランス語には笑顔を返してくれた。 アメリカでは、通じない英語には「困ったわね」という感じは見せても、理解しようとする素振りはなかった気がする。
そして、ワシントンよりはニューヨークの人の方が旅行者に冷たい気がした。 人種のるつぼ、なんて言いながらこんなもんなんだぁ、なんてちょっと驚いた。
もちろん、全員が全員そうではなかったし、親切な人たちも多かった。 旅行者が何言ってるの、なんて思う人もいるかもしれないし、ほんの数日の滞在で結論を下せる話ではない。 だから、そういう人もいた、というだけの話だけれど。 住んでみると、また違う思いを持ったりするんだろうな。

イタリアではこんなことがあった。ジェノバに泊まっていたとき、宿泊先のホテルの1階にバーがあった。 そこで飲んでいたら、イタリア人の男性グループが声をかけてきた。
ちょうど中田がセリエAに移籍したばかりのころで、 「こないだ来た日本人、けっこうすごいよね。」なんてことを英語で話した。 そして、しばらく飲んでからわたしと妹は部屋に帰った。
それから少しして、部屋に彼らから電話がかかってきたのだ。「もう少し飲まない?」
どうして部屋を知っているのか?ホテルのマダムが教えたからとしか考えられない。 断ったら、その後何度も電話がかかってきた。しまいには部屋まで来てノックをしだす始末。 結局しばらくすると電話もノックも途絶えたけれど、あの時は心底怖かった。 ドアを破って入って来られたらどうする?なんて真剣に考えて眠れなかった。
イタリア人は陽気で気さくで親切だったけれど、あんな怖い目に遭うのは考えものかもしれない。

そして、どこの国に行っても言われるのが「タバコちょうだい」攻撃。
ぼんやりと休憩しながら煙草を吸っていると、必ず言われた。 なめられているのか、外国ではみんなこうなのか、これはちょっとした疑問。 一番多かったのはフランスだな、と思うと、気さくなぶん図々しいのか?とも思ったりする。

国民性がどうの、と言えるほどよく知りはしない、各国の人たち。 だから、行ったことのある国はほぼ間違いなく、旅の間に少しだけ触れた経験によって、その国を判断してしまう。 いい印象を受けた国には、また行きたいな、と思ってしまうのだ。
そんなわたしなので、京都なんかで旅行中らしき外国人を見かけると意味もなく、親切にしなきゃ!と おろおろしたりするのでした。
こんなことだから、日本人は外人かぶれだ、なんて言われちゃうのかもしれないなぁ。



old home essay new