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親が見て肌で感じた
アメリカ障害児教育の魅力
佐藤恵利子・佐藤 裕
学苑社
ISBN4-7614-9803-X C3037 1,400円+税


1998年5月31日 初版発行
1998年12月30日 第2刷
1999年8月15日 第3刷
2000年11月30日 第4刷

本書は、自閉症の我が子を連れてアメリカに行き、ウィスコンシン州の地元の特殊学級で学ばせ、実際に見て感じてきたことを思いのままに綴った手記である。この国の障害児教育は、まさに感動の連続であった。ロックシンガーみたいな教師、きめ細かく配慮された個別教育計画、親と教師が何でも包み隠さず話し合えるムード・・・etc。そして地域には、障害児を暖かく迎え入れてくれる仲間がおり、子どもたちは幼い頃より洗練された人権感覚を身につけ、町では美しく着飾ったダウン症の女性が闊歩する・・・。最初は緊張していた子どもも、いつのまにか教師や友達の輪の中に溶け込み、生き生きとした表情を見せ始めるようになる。米国には成熟した福祉社会・人権社会が根付いており、それはもう一つのアメリカの素顔と言える。我々はそこから何を学び、そして実行に移さなければなならないのだろうか。(背帯より)

書評等

◆夫が仕事の関係で海外に赴任することになった。家族全員、海外で生活しようと。まさに一大決心だ。そのとき、子どもが自閉症という障害をもっていたら?
 本誌の連載記事のように、海外赴任に障害をもつ子と一緒に出かけることは、珍しくなくなった。しかし、「出かける前に子どものためにどんな準備が必要なのか?」「実際、うまくやっている見通しはあるのか?」といった情報が平易にまとめられたものは少ない。
 この本は、障害児と一緒に海外赴任をする両親向けの必須マニュアルに違いない。しかし、海外赴任にまったく関係のない家族、そして障害児教育や医療・福祉の専門家も、いったんページを開くと「あとがき」まで一気に読み進むこと請け合いの魅力をもった作品だ。
 教育や福祉制度が充実したアメリカ合衆国のマディソン地区の事情、著者の子どもに対する愛情、そして異文化に適応しようとする姿勢などが、その魅力の大部分を占めている。さらに、公的機関でも「利用者が求めるサービスを提供することがあたりまえ」という姿勢が一貫している、人材教育のすばらしさも見逃せない。
 でも、私がもっとも驚いたのは、著者の子どもの個性、あるいは障害の特性の理解の仕方と、その的確な表現方法だ。自閉症の子の好みや考え方をこれほどうまく代弁した本は少ない。チャールズ・ハート氏の名著「見えない病」とともに、多くの人に読んでもらいたいと思う。背表紙が、本屋で目立たない、硬いタイトルになってしまったのは本当に残念だ。 (志賀利一氏、「かざぐるま127号、神奈川県児童医療福祉財団広報委員会発行」より」)

◆アメリカ赴任中の佐藤夫妻の自閉症の子ども○○君の様子が生き生きと語られている。ただし、これを読むと日本の特殊教育との違いにあまりにもがっかりさせられると語る自閉症の保護者が多いのも事実。最近の自閉症の本に関しては、「見えない病」以来の名著。 (梅永雄二氏、「自閉症者の就労支援、エンパワメント研究所発行」より)


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目次

第1章 マディソンへ
  • 旅立ち
  • 拒絶と適応
  • マーチングバンド
第2章 地域の学校へ
  • 転校
  • 我が家で行われた評価
  • 個別教育計画作成会議
  • 満足のいく準備期間
第3章 順調な学校生活
  • 登校初日
  • 哲平の適応
  • 多岐にわたる学習内容
  • マットから受けた講義
第4章 グッ・ジョブ・テッペイ!
  • 連絡帳
  • 哲平の進歩
  • 休み時間
  • 米国では哲平が就労できる!
第5章 サマーキャンプ
  • 準備
  • 個別活動
  • 集団の中で
第6章 哲平の成長
  • 哲平の日本語
  • 育ち盛り
  • あいまいな予告は禁物
  • ホームシック?
第7章 ハンディを保障する社会
  • チームメイト
  • ショウウッドヒルズの子どもたち
  • 多様な社会がもたらすもの
  • やり直しのきく人生
  • 障害者が豊かに暮らすということ
第8章 旅行
  • フロリダ・オーランドのディズニーワールド紀行
  • シカゴ美術館
  • アリゾナ砂漠紀行
  • ケンタッキー乗馬ツアー
第9章 帰国
  • 小学校とのお別れ
  • ありがとうマディソン!
巻末資料 個別指導経過報告書