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IEP(個別教育計画)作成会議
Written by Eriko on 19 December 1995
会議全般(それ以降の学校生活でも)に渡っていえることだが、ひとつ一つの教育内容について必ず親の同意を求める。また、親の提案は全ておもしろいように汲み上げてくれる。子どもの教育の主役は親であるという雰囲気がそこにはあった。
■出席者
ショウウッドヒルズ小学校の校長
CDProgram Support Teacher のベス
Autisum Resauce Specialist のジョエル
CDTeacher のマット(テピの担任)
テピ
夫と私
通訳のNさん
計8名
場所は小学校の小さな一室
■Cognitive Disability (CD) Program Support Teacherからの報告
Cognitive Disability (CD) Program Support Teacherのベスが今までの評価の内容と結果を述べた。テピが自閉症であることは疑いないこと、そしてその障害にあった特別にプログラムされた教育が必要であること等を述べ、親が承認をするとそのことを書類に書き込んだ。
■絵カード
ジョエルが「ペーパーワークは?」と私に問いかけたので、家で作ってきたカードを皆の前に広げた。「Wanderful!」というジョエルの一声で、これらのカードは採用されることになり、すぐにビニールコーティング作業にまわされた。
「こんなにたくさんのカードを一度に使うのですか?」という私の質問に対し、ベスが「1年をかけて使っていくのです。そうしていっていいですか?」と同意を求めた。
■通学日程
12月11日から通学開始とすることに私たちは同意した。テピにとって変化の大きい時期であるため、クリスマスバケーションまでの2週間と、1月の第一週はランチ終了後の帰宅とすることになった。
学校の状況を知りたいことと、テピの行動を理解してもらう助けになるかと思い、一週間ほど私が付き添って登校することを申し出ると、マットが「大歓迎だよ。色々教えてください!」と答えてくれ了解された(この二つの事項は後で嬉しい変更となるのだった)。
■スクールバス
米国 では子どもの登下校の安全に、とても気を使う。障害児の場合はことさらである。家から学校まで徒歩5分余りの距離なのに、スクールバスを回すとベスが提案した。私たちは近いことを幸運と思い、歩いて送り迎えをするつもりでいたので少々驚いた。「吹雪きや雨の日もあるから、ぜひそうしてもらいなさい。」とNさん。「ユニバーシティハウスの方にはバスは行っていないんじゃない?」とジョエルがベスに言うと、「私にはそれを変える権力があるのよ。」とベスが拳を握って答えた。この際、楽をしようと私たちはこの申し出を受けた。バスは家の前まで来てくれるので、私達は家の中でバスが来るのを待っていればいいのだそうだ。
■個別学習
個別学習については、以下の点について学習することになった
(1)色々な条件による弁別・分類
(2)色や形のマッチング
(3)5までの数の認識
(4)目と手の協応・パズル、ひも通しなど
(5)カードでの指示の理解と自分の意志表示
(6)玩具の正しい使い方
(7)調理や掃除
(8)水泳 週一回(毎週温水プールに連れていけるそうだ)
(9)クロスカントリースキー(夫が駄目もとで提案したら、受け入れられた)
(10)先生と一対一で学習する時間を10分単位とし、終わる度に休憩をもうける。次第に長くしていく(テピの集中力から考慮したジョエルの提案)。
(11)一日のスケジュールとそれが終わったことがテピにわかるように提示する(私の提案)。
■Least Restrictive Environment (LRE)
「子どもと両親のための権利」の中にIEPと並ぶほど大きく取り上げられているのが、LRE(障害のない子どもたちと、できるだけ近い環境で教育すること)であり、テピもその配慮を受けた。ホームクラスにて図工、音楽、体育、その他の教科に参加することになった。その際には、教師が必ず付きそう(EEN Supprt)。教科外の活動(ランチ、休憩時間、移動など)もEENSupprt が適応されるとのこと。
■テピ付き通訳
ベスが、「要求すれば、テピに通訳をつけることもできますよ。」と言う。テピの場合通訳をつける効果は疑われるが、ベスが乗り気だったのでお願いすることにした。
■テピの担任
次回のミーティングの約束をして終わると、マットが学校を案内してくれた。テピの担任となるマットだが、ロック歌手として紹介されれば私も動じなかった。でもCD
Teacherとして紹介されたとき正直言って、目が点になった。2mもありそうな長身、茶髪(あっ、これは天然か。)で胸までのロング、片耳ピアス2個、やたらとウインクをする。マットがテピに教える風景が想像できなかった。
テピの登校が始まってすぐに、彼の外見にとらわれた自分を恥じた。マットは素晴らしい教師であることが直ぐに証明された。
■IEPの確認
前回のミーティングの6日後、最後のミーティングが行われた。何度も顔を合わせたメンバーで随分と雰囲気も和やかになり、時々冗談も飛び出すようになっていた。
1)IEPの確認
ベスができあがったIEPの書類(9枚)の内容を一つ一つ読み上げ、私の質問を受けながら確認をとる。ひとつ一つの項目に1年後の目標と再評価する時期が記されてあった。「数字を教えるのに英語と日本語とどちらがいいか?」などマットから具体的な問いかけもいくつかあった。
ここの小学校は5年生までで卒業になり、ジュニアハイスクールへと移らなければならない。「9月の新学期からの2カ月半で帰国の予定なので、環境を変えないで残ることはできないか?」と訪ねると、ベスが「IEP作成にはずっと同じメンバーが携わるので学校が変わっても教育内容は変わらない。心配する必要はないと思う。特に申し出があれば可能だが・・」という返事が返ってきた。
今まで話し合った内容を承諾するサインを私がする。但しこのプログラムは永久的なものではないので、変えて欲しいことがあったら、いつでも申し出を受け付けることをベスがつけ加える。
2)対訳録音
その後、カードの言葉とテピがよく言う言葉の日本語と英語の対訳をカセットテープに録音する(私が日本語、Nさんが英語)。
3)付き合わされてばかりのテピ
私同様すべての会議などに参加していたテピ。最初の緊張状態から徐々にリラックスしていった様子がよく分かった。後半、ベスが話す英語を繰り返したり、ハッピーという言葉のカードの録音中ゲラゲラ笑って、「Oh, He
is
happy!」と言われ皆に受けていた。またテピが好きな音楽のリストに、USオールディーズやサイモンとガーファンクルがあるのを知ったマットのアシスタントのケビンは、趣味が合うと喜んでいた。
最初に学校に足を運んでから、テピが登校し始めるまでに20日間を要した訳だが、テピのために周到な準備がされた満足のいく20日間だった。
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