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テピとともに
Last updated 23 March 1999 by
Yutaka
自閉症児を連れてアメリカへ
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大リーグ観戦記
Written by
Yutaka
on 11 October 1996
私達の住むマディソンはウィスコンシン州にあるから、地元チームはミルウォーキー・ブリューワーズということになる。しかしこのチームは私にはなじみがない。むしろ隣のイリノイ州のシカゴ・ホワイトソックスの方が、映画を通じて親しみを感じている。どちらのチームでもいいから、いつかは実際に観戦したいものだと思っていたら、その両者の対決をシカゴで見ることができた。
シカゴ・ホワイトソックスの本拠地コミスキーパークは巨大な球場で、広々とした緑の芝生がなんとも気持ち良く感じられた。ホットドッグとコーラ(私はビール)を買って、席に着くとすぐに試合開始となる。
ホワイトソックスのピッチャーの投げる球の速さに驚いている暇もなく、ブリューワーズの第一打者が早くもいい当たりを見せた。ライナー性の当たりは低い弾道で信じられないほどぐんぐん伸びて、なんとホームランになってしまった。その回の裏には、ホワイトソックスの攻撃で連続ホームランが飛び出し、バックスクリーンの後ろから大きな花火が打ち上がった。これにはテピもヨピも大喜びだ。ホワイト・ソックスの打撃は絶好調のようで、その後も5本のホームランが飛び出し、この試合だけで合計8本のホームランと7つの打ち上げ花火を見ることができた。
テピには野球のルールは難しすぎる。野球に限らず、スポーツ・ゲームの仕組みそのものを理解することは彼には一生無理かもしれない。しかし、テピはテレビで中継されているラグビーやサッカーの試合を好んで見るし、私と恵利子がテニスをしているのをコートサイドからながめるのも好きなようだ。
この日もテピは大リーガーの機敏で力強い動きを目で追っていて、その様子は楽しげだった。また、この球場には野球以外にもテピを魅了するいくつかのものがあった。一つ目は、地元チームのホームランのだびに打ち上げられる花火。二つ目は、ナイトゲームに欠かせないカクテル光線。この照明がよほど気に入ったらしく、照明器を見上げては悦に入っていた。三つ目は、バックスクリーンに映し出される巨大な映像。これはテピだけでなく私も楽しめたほど、コミカルで面白いものだった。そして四つ目は、球場に流れる音楽。ホワイト・ソックス球団専属エレクトーン奏者ナンシー・フォーストが奏でる効果音的な音楽がなかなか面白い。
日本の球場では私設応援団のトランペットが響きわたっているようだが、ここではナンシーのエレクトーンが唯一の鳴り物だった。観客はときどき彼女の音楽にあわせて躍ったり拍手したりすることがあるが、その雰囲気はいたって自由気ままだ。 楽しかったのが7回の表が終わると始まるセブンス・イニングス・ストレッチ。ナンシーのエレクトーンにあわせて、「野球場に連れていって」を球場のみんなで大合唱する。米国人の野球への想いが伝わって来るようだった。
帰りの車の中で、野球に関心の薄い恵利子とヨピが口を揃えて、思っていたよりずっと面白かったと言う。テピも野球観戦を楽しめることが分かったのだから、この日の収穫は大きかった。なにしろ我が家で野球に関心があるのは私だけだったのから。
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