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(4)<br> 虹を見たか & 雲煙過眼 & 人間自動販売機<br> & 海盆 & 路地裏の魔女P秋雨の頃 & 踊るバケツU<br> & 路地裏の魔女(24)白い百合 & 49ページ目の魔法 & トルコライス情雨<br> (4)
虹を見たか & 雲煙過眼 & 人間自動販売機
& 海盆 & 路地裏の魔女P秋雨の頃 & 踊るバケツU
& 路地裏の魔女(24)白い百合 & 49ページ目の魔法 & トルコライス情雨





虹を見たか  


@ちょん髷の時代

処刑場の獄門のずっと奥の幕横へ
目線で合図を送る獄門前の脚立椅子に座る陣笠高位の侍に
裏から出て来て頭を一瞬下げて慣れない所作で槍を罪人へ向ける
目に涙をためた処刑人姿で仇討する覆面の町人・・其の後の行方知れず・・

A富国強兵の時代

潤んだ目で弾丸に何かを書き込み呪文を唱え
頭を深深と下げて其の弾を差し出すと処刑人姿の看守が
銃にゆっくりと弾を込め銃に一礼をして刑場へ向った・・弾を頼んだ者の其の後は知れず・・

B悩み果て無き時代

判決文を読む裁判長
「その極悪非道に被害者の悲しみ痛み苦しみは計り知れぬ…
そして被告の反省の弁が信用できるか判らぬが此の世にいる限り此れからも他人の生命を奪う
可能性大であり社会に与えた影響により判断は明解である」
水を呑み心を落ち着かせ続ける
「主文…」

C小さな部屋

「駄目だ駄目だ…処刑執行のスイッチ押しは代ってやれん…執行すら後日談なのだ」
「しかし そう言う前例も…被害者遺族の気持はどうなるのですか・…」
「気持も他意の無さも信じよう…が時代が違う…」
「そこを何とか…」
「だがな仇討は…一瞬なのだ 其れからの生活は長い とてつもなく長いのだ」
「しかし…」
「『恩讐の彼方』のように神仏の心に成れない
母心のように海原広くとも成れないからと・・仇を討たば穴二つ
辛さで生きている怨念の生きるエネルギーが更に少なくなるかもしれん
もう一度遺族の気持が死んでしまうかも・・だったら気持のエネルギーと転化して生きられれば
それはそれでも人生を暮すエネルギー源であろう
生きてさえいれば虹を見られるかも知れん」














一首 : 更の虹 冷たき雨の 後気付く(下の句は各位御随意に)






楽しき農夫は いつも 備えれば 安心と
♪楽しき農夫は 必ず 嵐は 去ると

憂いも 辛さも あっただろうが 雨にも祈る心

楽しき農夫は いつも 思慮深く 日々暮す
楽しき農夫は いつも 大変良く 働いて

悲しみ 苦しみも あっただろうが 笑顔で野と話す

楽しき農夫の 遊びは 皆となら 楽しく
楽しき農夫の 遊びは 皆を 和ませる

慈しみ 喜びも 感謝も忘れずに 生きとし生きる心
 
楽しき農夫は いつも 思慮深く 日々暮す
楽しき農夫は いつも 大変良く 働いて

悲しみ 苦しみも あっただろうが 笑顔で虹と話す


今とは時代が違うとは言え辛さの方が人生を占めていたシューマン作曲「楽しき農夫」を
今の感情で歌ってみた
後書:時代とともに変転の極意か転化も巡り各々が進化も…('09/07記'09/08掲載)




































ξξξξ  雲煙過眼  ξξξξ


@試験結果が張り出された掲示板に見入る青年
「・…無いか・…落ちたな」
運の女神に見放されたのではなく努力不足と
自身に言い聞かせるように諦めて掲示板の後ろに聳(そび)える
大きな建物を見上げ一礼すると翻って正門から外に出る

A「馬鹿だな落ちたのではなく受験結果発表前に
受験者本人が『受験の途中で申し訳無いが受験其のものを
棄権します結果の如何んに関らず他の方にチャンスを譲り
ます私は急遽外国に行く事になりました』とか何とか言って
自ら扉を閉ざす」「へっ…本人がっ」「本人を演じた奴だ」

B何をやっても疫病神のように足を引っ張る連中がそこにいた
ネコババしろネコババしろと お題目を唱えると…憑かれた公務員が懐に金を入れる…
「世間恨めよ」と耳打ちでハイッ一丁あり〜仕掛けた方は証拠がないから罪に問えずと
パンチラ・見せ金・ハッシッシッ・忘れた振り・思わせ振り・車や家扉の当り屋等など偶然の顔し
煽(あお)る煽る遂には責任感も注意力もない者に命綱を預け「しまった」と思った時は
後の祭・…昔とは比べ物にもならない誘惑の多様化に気を抜けぬ現在人の苦労

Cしかし真っ当に生きている者には雲の切れ間から光が射し始める
其の青年は是までの総べてを悟ったが既に年を経た年齢に達していた
時には運命と諦め何時もサッパリとした性格は
前向きの青年然とした心に運を向けさせていた
周りの悪癖を薄める雰囲気を漂わせる
本人も気付いた天の眼である












一首:水面ゆれ 桜の下に 見えるぞと(各位下の句は御随意に)

後書:何時まで続くか真っ当な者にとり「やるせなさ」と「やるきなさ」('07/11記'08/10前掲載)
















おおきな おおきな

おおきなわつくり

いかだではえる

つきよにてるは

よぎりのはまか

おおきな おおきな

おきなわ



さくら さくら

いそべのきしは

おにをもとおらず

くまそのいわか

くもにもかかる

さくら さくら

さくらじま



おおきな おおきな

おおきなわつくり

いせいもよきて

のぼるるこうや

きくはよしのぞ

おおきな おおきな

やまとくに


「さくら さくら

やよいのそらは

みわたすかぎり

かすみかくもか

においぞいずる

いざや いざや

みにゆかん」

「」内は明治政府選定唱歌
やよい(弥生)3月は早4月

             大きな輪で筏を組み最初に降りた地を「おおきなわ」の沖縄
             次に降りようとした桜島は熊襲と溶岩に阻まれ
             最後に降りた強い本隊は山野登った事と聞く(菊)は良き野の事
             「おおきなわ(大きな和)」の大和の国を造り(「倭は日本にあらず」
               と)伝説の『さくらさくら』の古謡裏歌を気付かぬ人々でも嘆く
             近頃「さくら」と言えば『さくらさくら』に有らずと誰が刷る…

             余談:疾走るは古代発音のハエる即ち南風より薩摩隼人に例える
             早足の人と全国語の疾風(ハヤテ)が雲霞を吹き飛ばした空気は
             見映えすると一松流で変化すもの更に北海道から沖縄までのハヤ
             (早・南風)はヤマトに通ずるハヤト(隼人)と語源の源流域は沖縄
             から台湾・フィリピン・インドネシアまで時間と共にさかのぼれる
             ちなみに西洋の言葉は南欧から始るラテン語で旅は陸路の歴史を
             中欧・西欧・北欧・東欧・露西亜へ海路を中南米・北米・オセアニアへ
             だが言葉が自然の心を超えた速さで軋(きし)み出すと戦ぎ止らず
             は洋の東西に関らず…自然を侮るな 言葉に注意 心を見落とすな
             もし自然の節理が相手ならどんな武器でも無茶でも敵う訳は無い
             
             一首:時代風 あてる字あたる ハヤマ哉(各位下の句は御随意に)

             追記:相模と相撲の字を間違えるオッチョコチョイが気付かぬ様な
             南北オセチア問題が強行統一独立問題へ混沌としないかと心配し
             ていた人々の心労に少しは同情していたが言葉の根本は日本語の
             御節(オセチ)とは全く無関係で世界の賢者達の目は何も見逃さず









































特別コラム「思い込む出生率の不思議」

フランスで出生率が2,0を回復した事について
一部報道では出産と子育て福祉に因ると言い切っていた
が合理性と情け混ざるフランスの原因本音は別の所にもある
それは都市部で この数年続いていた高齢者の孤独死で有る
異常気象とは言え特に真夏の熱射病死のニュースは世界中を飛び回った
是では遺憾とフランスの老若男女は核家族よサラバ 伝統的な
大家族流環境よコンニチハと相成り出生率を自然に戻したのである
尚フランス人の名誉の為に言うが彼の地では裕福では無く
働きたい一人暮らしの高齢者達等の為に昔より公園のベンチや
トイレの管理人として それを使用する者達から小銭の徴収を
市町村で認める等している・・只お金を 垂れ流し施す無礼な福祉ではない
何にも惑わされる事なく本心を見抜くは自身の心と知る者には見える…


追句:名も捨てぬ うみ育てるは 家族一緒
追句:大所帯 程よく揉まれ 過敏なし
追歌:壊しては 創る風説 仮面つけ 万力使い何を曲げるや
    





余談:現在の医療水準で比較的近い近未来に
75歳を越えた人々は平均余命100歳を越えるだろう
95歳を越えた人々の平均余命は120歳を越えるだろう
して拡定理論の計算式により読める科学進化の予測にて人により元気に寿命150歳越えすら遠くない
それは努力する元気な老人達と壮年青年達の連携により平安長寿が達成される
 


追記:(中略)
追追記:例えば公的介助を必要としないで自分の人生を満足では ないがホボ納得し大往生する人の
方が要介護の人より多数派であり核家族を煽った連中を尻目に子供のいない叔父伯母も一緒の大家族が
増えつつある日本では人生の最終幕での一時期のみ入院で老境治療したり大家族に支えられる本来の姿に
帰りつつあるは税の流れにすら自然治癒力を長寿で元気な曾祖父母中心主義(現在 子中心主義で其の以前
は父母中心主義で其の以前は祖父母中心主義と家庭の中心は時とともに変遷す)が造るを思うべし・・





















































□◇ 人間自動販売機 ◇□

@えーっ世の中なかなか広うござんすが
  わざわざ丈夫な筈の機械を壊れやすくしても隙間を作り
他人様の持ち物に奇怪な世界を作り住んだ奇妙な人間の
よた噺(はなし)を一席・・・・

Aその自動販売機は丁字路の突き当たりの丁度よい場所に
在ったもんですから売上げも いいってもんで
そこに目をつけた通りすがりの盗っ人が いやした
何をどうして自動販売機の内に…どういう訳か入り込み
やしてね じっと待っていやしたんで…
『おっさっそく客だ100円入れてね コーヒーのスイッチを
押すねぇ じゃぁほれコーヒー缶だ ま・い・ど くくくっ』

ところで其のコーヒー缶はどうしたのでしょうねって
まあまあ 盗っ人の よた噺ですから一々気にしたら
眠れなくなりやすからね…

B自動販売機の中にはコーヒー缶やら何やら一杯ですなーっ
で人間自動販売機の盗っ人商売は繁盛しておりやした
まぁ盗っ人なんてぇシロモノは飽きっぽい人間の
なれの果てと申しやすからね 退屈に任せて
ひとり言なんかいっておりやした
『こりゃ前を歩く男…女を泣かすなっ…くそったれ
何時までも続かんぞ色男め 女泣かせは盗っ人の始まりと
言うぞ』とかなんとか訳の分らん事をうだうだ言っとりますと
今度は『あーあー…ほら角の壁を擦ったぞ…高くつくぞ…
あーっ小母さん そのまま逃げるのか遺憾よ犯罪だぞー
…れれれっそこの お姉ちゃん はっ花泥棒っ せっかく
持ち主が大切に育てたのだろうに澄ました顔して
バイクの籠に積んで行っちゃたよー泥棒…やな浮世だねぇ
とか言っている内に又 出やした今度は『こりゃ偽札入れるな
泥棒っおっお釣りもコーラーも出さんからな…ざまぁみろ
この野郎っ自動販売機を蹴るな壊れんじゃねぇか』

Cなーんてこれが人間自動販売機初めて物語の噺ざんす
えーっ実際は違うってやすかぁぁ…深く考えない
よた噺ですから…えー…じゃぁ浅知恵で最後に噺を
つないでっと…ぐーたら人間の腹の出っ張った盗っ人ですから
いざ自動販売機を出たいと思った時には なかなか出られない
…で…戸惑っている内にスピード出した暴走車が向かって来た
『あれっさっき偽札を使かった奴だ』あれよあれよと言う
間に正面衝突で自動販売機にドーンッと…まぁ運転していた
偽札犯の運転する暴走車は見る影もなく…
思慮の浅い運転手は哀れ 反省して成仏しろよ…
えーっ未だ何か…自動販売機に居た奴は どうしたかって
  そりゃぁ中身は もう浅墓な薄っぺらい人間ですから
想像に御任せいたしやす




♪オッソーレミィーオー オッソレミーオー オソレミィオー
オソッレミィーオ オソレ オソレ オソレェミィィィィオ♪




一首:それ注意 神社寺院の お札効果 はっとし一瞬に一生を見ん
一首:不正義が 正義を語る その時に 天は泣き寝葉舞い吹雪く音


後書:家内安全安全運転防犯防火注意暴飲暴食色即是空南無阿弥陀仏
飲んだら飲むな人間止めますか犯罪止めますか心のゆるみ人生を潰す
('05/12記)









oooooooo 海盆 oooooooo

@神社の大鳥居を潜る背 高き老人 ユックリと玉石を足の裏に感ず
賽銭箱に25¢硬貨を2枚投げ入れ十字を切り手を合わせ じっと目を閉じる

ホテルのレストランで若き日本人より質問される
其の老人 幾十年もの歴史が刻み込まれた深いシワが
年輪の如く醸し出している顔 少し歪んだかに見えた
「何時だったかマンハッタンの超高層ビルが日本企業の
所有に成った時…TVのニュースで何と言っとったか…
米国の失望と言ったのじゃよ」「……」「…未だ有色人種に対する
蔑視の残滓なのだろう…あの頃わし等 若き日の士官の少なからず
も互いの宣伝戦に気を取られる事無く冷静に制海・制空の陣取りを
正々堂々と戦い・・・・生き残った者達と死せる者達に別れた・・・・
そして今は友好同盟国の日本に対して失礼で有ろう…戦い済めば
相手に敬意を払うは人としての礼儀だから戦い知らぬ者に日本人を
見下げる様な言われ方をするのは心外じゃた…だから息子の友人の
君の案内を頼りに米国から靖国へちょいと挨拶に来たのじゃよ」
「分りましたが其の交戦相手は誰だったのですか」「直接の交戦相手
では ない…うーむ もっと漠然としたものじゃな…」

A皇居東御苑 芝生の前のベンチ 米国の老人と並び
日本の若きが一緒の仕草でアイスクリームを舐めている
「あの頃は戦勝国の わしら士官でも皇居には入れなかったが時代は
変わったものだ もっとも国会の一部は米軍の社交場として使えたがね
…まーっ戦いは終り わしが乗艦するフリゲート艦の乗組員も東京で
休暇を取る事に成ってな…戦前から科学者同士として親交の有った
友人を大学の研究室に訪ね消息を伺ったのじゃが」「・・・・」
「何日も掛けて御家族や親類縁者を研究室の方々が当たって呉れたの
じゃが残念な事に行方不明らしいと…戦争じゃったから…
それから数ヶ月後ホノルル経由でノンビリとサンデェイゴへの帰途に
就いたのじゃ…丁度ロサンゼルス沖のマーレー断裂帯東端を
過ぎる頃じゃった…機械操作が出来る大学の研究室からの出征者と
言う事でソナーの担当士官として戦争は終っていても取り合えず
レシーバーを耳に当ててホノルルで買った最新の化学雑誌を
読んでいた時…ふーっ」「・・・・」「せめてもう一人誰かと聴いていれば…」
「・・・・」「微かな音に気付いたのじゃよ…聴こえて来たのじゃ…
あの日本の音楽が…後で上官に話すと聴かなかった事に
しといてやると言われたよ…こんな所で寝惚けていたのか…
其れとも艦医の世話に成るかと言われ 確かに疲れていたのだろうと
自分に言い聞かせ…帰国し研究室での仕事に戻り世間が落ち着きを
取り戻し始めていた頃 気に成っていた日本の友人の消息を手紙で
再度確認していた処にハッと…化学の戦争に於ける流れの様なものを
…感じて自分なりに友人の其の後の事を組み立ててみたのじゃよ」

B深海魚が偶に泳いで来る傍に細い管の様な深海生物が海底から
伸びている其の中に少し形態の違うもの…無線のアンテナで有る
海底の泥に殆ど埋まっている船の隊列らしきものの現在

同海域 幾十年か前 白煙吐き東へ航海する2隻のフリゲート艦隊

それから数ヶ月前 付近の海底を東進する巨大な潜水艦の6隻艦隊
昼間は死んだ様に静かに海山の山腹に着底し じっとている潜水艦隊
夕闇の中 一隻ずつ海上に電探等のアンテナと排煙と換気の為の
大型シュノーケルだけを海面に出し15分程度 航行しては速やかに
海中へ戻る事を90分毎に繰り返し乍 明け方前迄 巡行潜航している
各自艦内の酸素濃度を低下させない様に任務動作を緩慢にし
非番の者達は狭いベッドに横になり只じっと目を瞑っている
食事も放屁少ない固形食と御茶だけで済ます
…各艦の前方半分は単発爆撃機の発射カタパルトに成っているも機体
引上げ用のウインチクレーンは取り外されている…後方半分は各3機の
格納庫に成っている各機は通常型フロート付きの水上機ではなく
飛立ったら発射用スキーが外れる仕組みの物が取り付けられている
其分 諸々搭載量も増え航続距離も伸びている しかも整備兵の代わり
に乗り込んでいるのは各艦 軍属の技師と化学生で有る其の中の指導的
化学者の本来の仕事は冷暖房の触媒液の研究で有った 超大型戦艦の
空調研究の為に駆り出され其の侭 潜水艦の空調触媒液の指導に回され
気が付いた時には…特攻潜水艦隊旗艦に乗艦していたのだ

C米海軍の通常電信を傍受していた通信士官が艦隊指令と小声で
話している艦長の傍へ立つ…艦長「どうした通信長」
通信長「其れが…」艦長「よしっ士官室へ如何だ」通信長「はっ」
指令「私は如何したものか」艦長「…指令殿も御一緒にだな」
通信長「はっ恐縮です」3人一列に艦指揮室から会議や食事に使う
士官室へ移動する…艦長「何を聴いたのだ…」通信長「米陸軍航空機は
広島に原子の核分裂を伴う新型爆弾一発を落し街を壊滅せしめた…
との電信が行き交っております」指令「原子の核分裂を伴うの意味は
何だね」艦長「通信長 分るかね」通信長「いえっ分らないで有ります」
指令「艦長っ博士達を直ぐに…」艦長「はっ」伝声菅で格納庫の技師
と化学者を呼び出す…指令「お二方に単刀直入に質問しますが原子の
核分裂を伴うとは如何言う意味ですかな」技師長「噂に聞く新型の
大破壊兵器だとしか分りません」指令「博士は分りますか…」
化学者「日本では仁科先生が研究なさっていましたが あそこの湯川君
も凄い図上研究していた様です…1発で東京大空襲の数倍の威力…」
指令「ヴーッ…米国が其の原子の新型爆弾を日本に落しましたよ」
化学者「ぐっ…被害は分りますか」艦長「通信傍受に よると広島が1瞬に
壊滅したらしいです」化学者「通信長さん…通信傍受での信憑性は…」
通信長「間違いないと思われます複数の米陸軍航空隊の祝電が
飛び交っていますし…」化学者「……ジェノサイドだ」
指令「如何いう意味ですか博士っ」化学者「敵国へ対する絶滅作戦です」
指令「…防げなかったのか」博士「物量と神仏を恐れぬ殲滅の決断には」
艦長「だが我々も直ぐに反撃を…青玉と白玉を混合と同時に霧の様に
降らせばロサンゼルスで数万人の被害者を出せると博士は言いました
な」化学者「そうですシアン化水素系溶液とシアン化ナトリウム系紛を
あの量の爆発で混合し空から降らせば大型爆弾を何万個か落したのと
同じです…が所詮想定です…誰が爆撃命令できるのですか」
指令以下黙り込むと話しを続ける化学者「核分裂爆弾を米国が
落す前ならば今回の『裏の天1号』対米本土作戦で混合する前の
青玉と白玉の不発物搭載ロケットを議会等へ撃ち込み届け一気に
和平をと…6機編隊3波で充分可能でしたが警告特攻は機を逸しました
此方もジェノサイド報復をすれば其の繰り返しで両国の国民は絶滅
するのです…誰か神仏から許可を貰えるのですか…」
艦長「…取り合えず明日の00時08分に最終命令を貰う予定だ」
指令「もし最終命令なくば作戦は中止し其の後は各自の判断に任すと
事前指示が出ていたが…仮に中止でも通常武装なく一暴れも出来ず
青玉・白玉搭載では特攻も出来ず片道燃料では帰還も侭成らぬ」

艦長「通信長 米海軍の普通通信帯に1回きり打電の事 電文は英語で
[こちらはフリゲート428 基地への帰還は予定通り明日と成る以上]」
返事は帝国海軍普通通信帯で0802に識別数字後 一桁数字だ頼むぞ」

当日0802を大分過ぎた頃に通信長「艦長 返事は来ません」
艦長「判断は我等が独立艦隊に委ねられたか」

其の日の夕方 士官と上級下士官を前に指令が事の成り行きを話し
皆の意見を聞いている化学爆弾爆撃隊をサンデェィゴ基地へ特攻させ
潜水艦は各艦各自に基地の艦船に衝突させて自沈すべきは如何か
等の意見も有ったが化学者の持論で有る良心を捨てられるのか
未来に何を残すかの発言で大勢は決った「己を捨てて活路を開く」
但し活路を開くのは戦後の人達の事で この作戦は完全中止と成る
国民の殆どが武士の心意気を理解していた時代の結論…軍人は我が身
水漬くとも山河は残す 耐えて あだ討ちの連鎖 断切るべしで有った

指揮室の指令「広島のジェノサイドの報復や警告攻撃をしなければ
中立国で終戦会議が開かれるだろう…艦長 我慢に悔いは無いですな」
艦長「もとよりです色々と御指導 有り難う御座いました
それから最期の指示通りレコードも掛けときました」
指令「此方こそ有り難う良くやって呉れました有り難う…」

各自其々の最期の場所で其々の挨拶を交わす

格納庫の中の化学者「手段選ばずの勝ちに価値はなし」
技師「はいっ」操縦士「…化学弾は準備のみで決して使用は成らんとの
上層の達しが有るとは言え複雑な心境です この様な使い方とは…」
化学者「此方は潔く負ける事を知っているから損の様ですが…」
操縦士「…博士の言われる通りです我々は負けてやるのです
その…ジェノサイドを止めさせ原子の新型爆弾を続けさせない為に」
化学者「此れ以上の刺激を鎮め憎しみを終らせましょう其の為に
我々は黙って海の藻くずと成りましょう しかし私は軍人軍属では
有りません只の化学者です くじけると遺憾ので手を握っていて下さい
では青玉のチューブを開きますよ…ではっさようなら」
技師「ちょっと違いますね この場合の挨拶は大日本帝国万歳っか」
操縦士「いぇこう笑って…靖国で…おっ…景気の良い音楽が…」
技師「うんっ…靖国で又 合いましょう…何か元気が出てきましたよ」
化学者「えーっと靖国で…頑張って お会いしましょう」

ガスが艦内に充満する頃 動き音を発しているのは
コンセントが繋がった侭でレコードが撥ねて同じ所で回っている
蓄音機と其の拡声器から流れる音楽で有る

数日後 其の海域の遥か遠く洋上を西へ航行する同型の大型潜水艦は
パナマ運河(陽動通常)爆撃作戦に対し中止帰還命令が出た為で有った

そして艦隊眠る海域では超大型の蓄電池への電流が止まる迄の数ヶ月
モーター式の最新蓄音機が音を発ててマーチを奏で続けていた
「ダンダンダンダラダッタダンダンダンダンダンッ♪
守るも攻めるも鉄(くろがね)の〜♪」




一首:賢人と有名人の狭間には 渡れぬ河も聳える山も
一句:色違い 独裁 民主 似てもナシ



後書:水枕(戦史中4章の部分)のエピローグとして読むも可能なり…
して旧敵味方に関らずルーズベルト被暗殺説の可能性を思い
無情と感じた科学者達は少なからずいた
尚 掲載前に盗み読みする その手合を分を弁えぬ下衆人間と呼んでも
道徳に反す差別用語には成らない この様な事など等が無くなれば
インターネットも本心から市民権を得られるで有ろう
('05/8記)










;;;;路地裏の魔女P秋雨の頃;;;;
(再掲載)

@商店街の端の方の小さな隙間の様な吹きさらし天井は有るが
取敢えずの柵だけの観音開きの扉が正面の全面に付いている
其処が消防団の夜回り組・青年団の仮詰め所で 今夜 出席出来た
者達を横に実年の世話役が目前の新入団の新人に話しをしている

A世話役「特に夜も店を開いている蕎麦屋さんや他の飲食店への
挨拶回りに行きたかったんだが後日にしよう今夜は そぼ降る雨
こんな日は出前に忙しい事だろうから勿論売上げ貢献を考えりゃ
注文して親方に態々出前で出張って来て貰ってもいいんだが
昔から若いもんの消防団員の心得として雨の日に出前を頼んでは
いけない若いもんは自分から店の方へ出向く事 出前を取るのは
青年団を卒業してからだ」
新人「えっ何で・・でしょうか」
世話役「我々は火に水鉄砲を持って制す又 自然災害の鉄砲水の
警戒も川の決壊にも備えなければならない火神水神の怒りを
買わぬ様 戒めなければならない早い話しが雨の日の配達は
危険が増すからな・・おっと雪の日も同様だ」
新人「・・おーうっ 分かりました」

B世話役「運の良い日の巡回では此所の縄張り内の小中高の
宿直室で独身の女先生の美味しい御茶が飲めるが運の悪い奴は」
新人「・・運の悪い巡回・・ですか」
世話役「残業で残った今は校長に成った昔の担任から昔の悪戯の
思い出話をチクチクやられ序でに問題の有る生徒を任されたり
する・・が御前さんは此所の出身じゃないから其の心配はない
順番は如何する・・先にコンビニへでも挨拶に行くか雨の日は
客も少ないだろうから・・夜食の御握りと煙草でも買いに行くか
ついでに挨拶をしておこう交番より うちの青年団の方が近い
せいかコンビニの店長も何かと御菓子の差し入れなんぞして
くれるし・・もっとも悪人除けに成っている面も有るか・・
そういや蕎麦屋さんの存在も少年防犯に成っているな」
新人「えっ・・はー」
世話役「考えてみな商店街の煙草屋はパートの小母さんが
キッチリ昼間通りを見ているし深夜から朝迄はコンビニで
対面販売だろ其の間の夜・・夜は蕎麦屋でしか買えねぇしかも
あそこの頑固親方や看板娘の御婆さんは未成年に売らないから
この間なんか いかにも少年然としているのが煙草を買いに
来たら御婆さんがポケットに偶々入れていたシガーキャンディ
を出して・・相手が怒ったら『えーっ何だって声が小さいモッと
大きな声で耳が遠くてねぇ・・歳は取りたくないねぇ』だって」
皆「ぷっ・・ぐぐっ」
世話役「居合わせた他の客が笑い出し其の少年も恥ずかしそうに
ニヤニヤし乍帰って行ったとさ・・・・青少年の歪な不良化何ぞ
この街にはない・・但し煙草では利益の出ないサービス販売
だから其の時 小腹も空いていなくて煙草を買う時は同時に
蕎麦券でも買うこった・・なっ」
新人「よーく分かりました」

C世話役「おい・・トビクチ・・各自持ったな・・」
新人「えっ・・物騒な・・だってトビクチは火事の時の・・・・」
世話役「挨拶後の巡回の途中 川沿いを通るから其の時こうやって
トビクチの後ろを土に押してみる此所いらじゃ この印 以上が
土に刺さると決壊の危険 有りと役所が避難勧告を出す前に
近隣へ注意を うながしたり万が一の時の準備を皆に伝える
のさ今時 火事場でトビクチを必用とするのは少ないな署からの
捜索動員が掛った時や警察から緊急防犯や非常線要請の時 位か
・・じゃ皆そろそろ出張ろうか何時もの決まり文句を」
皆「女子供も御年寄りも我らも後ろの鎮守様に守り守られ宗旨や
無神論者に かかわらず街に住む人 街を通る人を総べからく
我ら守るべし・・何時も見守って頂いて有難う御座います」
と言って同じ半纏を着た世話役と数人の青年が一斉に
柏手を打ち出掛ける・・折り畳み椅子に座った1人の青年が残り
小ぶりの おみこしを背にしている其の又 少し奥に鎮座する
ほこらの扉が少し開いている・・皆が出掛ける時に・・この街を
終の棲家と決め始めた次男坊の新人の腕時計に当り反射した
月光を受けて神鏡が一瞬 煌いた・・
特段何事もない秋雨の頃 平和な街の夜は雨も上がり
ユックリとユックリと更け行く








例えば自然の石を斜面で1つ取り不自然な石跡の水溜りが小さな
水流を作り やがては大土石流を招く事も有り得る 逆に川や港や
遠浅以外の湾は折々のシュンセツを怠ると自然の浄化機能を阻害し
豪雨毎に鉱毒や生活用水塵等が沈澱して行く・・とっていいのは写真
持ち帰れゴミと思い出せ・・麦秋から秋雨迄を雨季と言う
('03/9更新)










#### 踊るバケツU ####

@話す先生の目に光るものが見えている
「…今朝の新聞を読みましたか…港に停泊中の あの豪華客船から
小銭が投げられ其れを下の岸壁で子供を背負った お母さんが
拾う写真が載っていた…先生は…悲しい……先生が以前 巡査を
拝命してしていた事を知っていますね…そう病気に成ってから
巡査より体力の要らない先生に成ったのです…時には悪い奴を
人として許せぬ奴を警棒でしこたま殴った事も有りました其の
逆に やむを得ず罪を犯した者に目をつぶった事も有りました
だから分かるのです新聞の写真の事…誰が悪いのか…」「はーい
銭を拾った小母さん達です」「…他には…」「はいっ写真を撮った人
です」「はい…そんな恥かしい真似をさせない為にも写真を
撮るのは仕方ないと思います」「賛成」「さんせいっ」「さんせーい」
「…先生は思いました写真を撮るなら銭を投げた人を撮れと…
そして其れでも小銭を拾う人達の写真を撮って来たら上役は
写真なしの記事にすればよいと思った顔を写しちゃいかんよっ
…今…誰もが東京のオリンピック景気の恩恵に与れるものでは
ないです…うんっ…ああっ恩恵の事ね…労働で利益を貰える事と
思っていて下さい皆はね…で我々の住む地方都市ではマダマダ
此れからです…考えて あの親子達は乞食じゃないのだっ偶々
外国の大きな客船を観に行ったら目の前に小銭が落ちてきた
だけなのだっ何事も粗末にしない教育をキチンと受けた人…
だから銭を拾って上げようとしただけかも知れないぞ…
と思えないのかな…と先生は悔しく思いました…如何思いますか
…其れが世の…人の情けと言うものじゃないだろうか…」
「…」「…先生っ」「ぱちぱちぱちっ」 教室中に響く拍手
「はーい先生よーく分かりましたので今度の遠足の事を話して
下さい」「あちゃー」「お前は本当に理解したのかなーっ」「えーっ」
「理解しているのなら帰りのホームルームでキチンと話すと
分かっているだろう」「あいちゃーっマイッタ」「はははははっ」
…何処の小学校にも話の腰を折りズレタ笑いを取る生徒がいた
しかし暫く教室の殆どの児童は勉強に熱中した

A教頭先生の左右には先頭を示す日の丸の旗を持つ若手の先生と
連絡担当で校旗を持つもう一人の先生…一番後には救護と
書いた白い旗を持つ保健婦の先生と最後尾を示す もう一つの
校旗と日の丸弁当が詰められたアルマイトの弁当箱を入れた
空のバケツを両手に持つ日焼した顔が元気印の塊の様な初老の
先生 其の間に蟻の行列よろしく各担任が率いる少年少女達の
長い一列縦隊 其の中に特殊クラスもキチンと列を乱さず付いて
来ていて内一人の愚図る心身虚弱児童と手を繋いだ養護の先生が
時々背負ったりして歩いていると初老の先生が旗を腰にさして
空いた手で雑巾の様なタオルを使い養護の先生の額の汗を拭く
…自動車の通る舗装道路から林道に入ると
誰彼となく軽口風の鼻歌を唄ったり楽しそうに会話し乍 歩いた
「うわー飛行機雲だ」「凄い乗ってみたいな」「おーっ」歓声が上がる
「♪・・・空は肥えてラララ星の彼方 行くぞアトム…電気ィッ不足」
「・・・走れエイトマンッ弾よりも早く・・・歩くゥ♪」
「♪ババンバ貧乏バンボンボン狼少年ケーン…騙されないぞぉ」
「・・・ウ・ル・ト・ラ♪…シーッ・・・」「…シュワッチ」
「♪波をスイスイかき分けて僕等は誰かに操られイッヒの瓢箪島」
「…アナタの お名前 何てぇの♪小父さん」「シェーいやみザンス」
「♪ジャンジャジャーン♂♀∞…ベンケーなシーWCなしの遠足…」
「・・・ノンノンのグゥ・・・うっそぉーッ・・・○×∵■」
道外れの入り口下の半分だけふさがれた防空壕跡を幾つか抜けて
広い野原に出た時 先に急ぎ足した小父さんのニュースカメラが
遠足の一団を捉えたリュックの少年達は うつむき加減に先生達
は何も気付かない振りをして背を向ける様にして歩いていると
カメラを回していた小父さんは「あっフィルム入れるの忘れた」と
大声で叫ぶと少年達も先生達も大笑いし乍 立ち止まる…其処を
すかさず16_カメラのゼンマイがジーッジーッと音をたてるのを
知らしてくれる 諦めた様に皆は はにかみ乍 又 歩き始めた

山の頂上から急な斜面が続く所々に潅木が有る
着いた途端に学校支給のキャラメルと林檎を食前食とする者…
楽しい昼の弁当が済み各自 自由なグループ毎に遊んでいる…と
突然 少女の叫び声が響く其の方向へ目をやると丁度ある潅木の
前で まだ弁当を開いていたグループへ向けカメラを回していた
小父さんが真後ろで滑って足から血を出している少女を さっと
両手で抱えて旗を立てている救護班の保健婦の先生の所へ
連れて来る息を切らした小父さんの手首にはTV局の名前が
記された軽くないカメラが紐で確りと結ばれ大きく揺れている
小父さんの手首も紐の跡が うっ血しているのを少年は見つけた
小父さんは其の事を救護に話さなかった少女の事で少年も忘れた

B先生達に礼を言われカメラを持たない片方で頭を掻く小父さん
少年達も先生達も遠巻きに怪我をした少女と手当てをしている
保健婦の先生を見ている「痛い?」「痛くないです…うっギャーッ」
「ヨードチンキは赤チンキより染みますからね我慢ですよホホッ」
「うっうっ…」痛みに涙を出す少女…つられて周りも痛そうな顔を
する…「はーいっもう安心これで ばい菌が入る事はないですよ」
…すると其処へ小川の方へ行っていた初老の先生がバケツを提げ
皆の所へ やって来る「如何したのですか」「怪我人が出まして…」
「そりゃ大変だ…」「いえっ擦り傷で今 包帯を巻き終えた処です」
「此方の記者の方が急いで抱えて来てくれましたので…大事には
至りませんでした」「…そりゃ助かりました私からも礼を言います
最近は破傷風で…大変な事が近くの小学校でも有りましたから
…おいっ大丈夫か…」少女は答える代わりにリーダー格の初老の
先生へ質問をした「ぐすっ…何ですか先生バケツの中は…」先生は
バケツを少女達の方へ差し出す「これかホレッ」「わーっ凄いっ」
「ゲンゴロウだ」周りの少年達からも歓喜が沸き起こる「すげーっ」
記者も珍しそうに顔を近づける其の時 初めて教頭先生の笑顔を
見た少年は初老の先生とは只者ではない忍者の子孫だと思った

…帰りは疲れに学校の皆は黙りこくって歩いた
飛んで逃げられない様に小枝で たくさんの小穴を空けて
開いたビニール袋を被せて紐で確り結んだバケツ…
特に少年達数人が名誉有る選抜を受けてバケツ持ちをした班は
「(ちぇっ ついてない不名誉の方がマシだよ是 意外と重いぞ)」と
帰路ずっとブツブツ言い乍も何とか病気休暇中の校長先生の応接
前庭の小池へバケツの水と共にゲンゴロウを流し入れた時には
足は棒の様に成っていた

C食事中に観ないようにとTVを背に座卓の前に正座している少年
アナウンサーの声が聞こえている「トピックスの時間です朝から
カメラ記者が市内の小学校の鍛練遠足に同行取材してきました
…なかなか元気な児童達と美しい自然の映像ですね…云々」
家族の会話
「あれぇーこのニュースお前が映っていた様な…やっぱり
お前の学校の遠足だ…見た事あるのばっかり映っているぞ」
少年は夕食を食べるのを一時 停めて足を崩し腰を回しTVを
見つめ乍 家族に背を向けて話した「うちの学校の怪我人を一緒に
ついて来たTV局の記者の小父さんが助けたんだ…でも其の時の
事はカメラで撮らなかったんだ このニュースを撮った人だと
思うよ」「小さくても折角のスクープ映像かも知れないのにね…」
「怪我をした処をカメラで撮ったら如何なるの」「そりゃ手柄さ」
「…小さな手柄も幾つか積み重ねれば聖徳太子の金一封ものかも」
「凄く勿体ないねこの人」「スクープより直接 人を助けられる時は
助ける事を優先するのが人の道だ…善人は善人がゆえに時として
損をする…」 家族の難しい言葉でも今日の少年には理解できた
自身でパンパンに張った太ももと何故か手首をマッサージし乍
自分の事の様に小父さん記者の事を嬉しく思い胸を張った
家族も微笑んだ…次いで家の苦しい暮らしにも納得した様に
もう一度 少年が胸を張ったのを家族の誰も気付かなかった



一首:少年が夢は今も持ちつづける 千里の道を一歩一歩と



初老:当時 初老の定義は50歳代 今では60代〜70代の個人差有り
後書:当時のこの観光地方都市には今で言う お金持ちは
如何なる職業の一家とても存在しなかったが記者も先生も
医者も看護も大工も左官も鳶も植木職も掃除人も料理人も船員も
スポーツ選手も画家も将棋指しも消防も警察も八百屋も政治家も
全ての職業が互いに節度を持って敬意を払い未来動かす少年達に
希望を託そうとする道徳優先が主流として存在する時代があった
('04/11記)
蛇足:或国の今 乞食は小銭に怒るそうな昔 日本では落ちた小銭
を綺麗に拭いて渡す貧すれど鈍しない顔に遇った報道すべき顔
すべきでない顔を判断できない者達の存在の理由が今も解らぬ…
ドキュメンタリーより実録な小説を表現可能な検証時代と言うに
追:このストック原稿の掲載前も盗み読み続くは次の執筆へ気持
薄れるなり尚 四コマ小説の繋ぎ方はタイトルでなく内容で有る
哀愁歌:悲しみと幼子背負いし小母さん 木船に残し独りで去りぬ
三位楚歌:空缶を前に置く者 拾う者 国 時に違い それぞれ思ふ
狂歌汎声:譲歩せず我が声来ると時成れば 世の隅々へ満足せらむ
一歩一畝歌:あの頃の心が言った頑張ろう 頑張れる時 心蓄えよ









〜〜〜 路地裏の魔女(24)白い百合〜〜〜

@建物二階の一番奥で小声で話し込む二人
女「十五日午後に掛かって来た電話で…
新型の大空襲が遭ったらしいので両親等の安否確認後
弟が船で直接迎えに来ると話しをしている途中
…電話線を引きちぎり電信機まで盗んで行きました」
男「この世界大戦勃発に先立ち長崎に帰還した あの
予備役特務大尉の弟さんですか…よく電信が繋がり
ましたね我々ですら内地とは直接連絡は遮断です」
女「変な弟です熊本の通信隊から だから電信の内容
も気にしないで話してよいと言っていましたが…」
男「何処に紛れ込んでいたのか…現状では米英軍ですら
対応に苦慮している大人数の人民委員会の要求に
租界の境に駐留していた私の部隊は殆どの食糧を
含め総ての武器類を渡させられ武装解除を
済ましたので逆に早く明日 帰還に移る予定です
そうなれば現地除隊として貴女と帰られます」
女「…御覧の通りです此方で雇っていた者達が
身ぐるみを剥いで行ったも同じです財産は何も…
守り通せたのは頼まれものの薄手の印度綿だけです」
天井裏を指す女…階下に大声で叫ぶ男
「おーい伍長これを皆で隊へ運んでくれ」
ヨレヨレ服の伍長は皆が肩に担いで降りてゆくと女に
向かって敬礼をし「有り難う御座いました ご無事で…」

A海貿街を歩く二人
男「明日の朝一番帰還船が下げ潮の時間に合わせて
出るそうです…其れ迄が…心配です…」
女「今夜一晩は例の酒場の上のホテルに泊めさせて
貰います満室なら酒場で朝まで過します今あそこは
英海軍の溜まり場のように成っていますから逆に
安全だと思います…米英軍は堂々と戦った鬼と鬼は
今日には友だと言います 心配は なさらないで下さい
…日本海軍特務機関へ私の貿易会社の建物の半分を
貸していたのは覚悟の上ですし誰も気付いていません」
男「…でも貴女が持ち船で印度まで足を伸ばす
貿易会社を経営する女主人と言う事は ここいらでは
知らぬ者がいない程 有名ですからね…注意して下さい」
女「戦争は終わったのです負けた私達が少々の苦労を
するのは仕方ない事ですが貴方は いまだ除隊前の軍人
ですから そちらの方が心配です無事に明日 朝までに
離隊が認められれば良いのですが…」
「急に出て来た勝手放題な人民委員会の連中には注意ですよ」
互いに所望するは身一つ ゆえと言えど時代の嵐の中で
心は強く結ばれてゆく二人
ホテル近くの街角で暫らく離れ難く たたずむ二人

B昭和二十年八月十九日
港の引き揚げ埠頭の待ち合い小屋で落合う二人
夜明には着いた女は気まぐれな運命のいたずらか
事情により三十代後半まで独身を通し互いを
信じあって来た自信が不安を余り感じさせない
女のモンペの膝と肘には古い下着に墨で描いた
白い花を切り抜き当てている みすぼらしくなく
膝の穴さえも少しでも可憐にと女心である
息を切らし走ってくる男「やぁ早かったですね」
女「…ええっ会えて…ホッとしました」
男「綺麗だ…其れに この花柄 何の花ですか・・・」
女「ふふっ…これは・・・」

物影に隠れて見ている黒い影二つ
「あの女は貿易商の老板だ」
「…偉そうに…世界の中心人種の我々を差し置いて」
「金持ちには見えないな…」
「金持ち貧乏に関らず知能が残って居りゃ我等の
世界革命の邪魔だと高級同志達は言っている」
「…さらって行くか」
「日帝軍人と一緒だ ここいらには米帝・英帝も多い」
「じゃ決ったな」
「じゃ決ったな…」
内一人が手榴弾を待合小屋に転がす

終戦後幾度と無く繰り返された暴虐の数々…

C爆発の煙も朝霧に 溶け込むを離れた所で気付くMP
一瞬のずれで「ドーンッ」と聴くか聴かないかした時
日常的に手馴れているのか首からステンマークU銃を
ぶら提げてバイクで掛けつける「キキーッザッ」
崩れそうな小屋の中に手が結ばれたままの倒れし
二人を見つけて辺りに警戒笛を吹く「ピーッ」「ピーッ」
笛の響きに そ知らぬ顔した日本兵の服を来た二人の
男が少し離れた所から横目で見ている気配の足元を手集眼
で凝視したMPはバイクに備付のハンド無線機をとる…
「ウイッチ 1 ウイッチ 1 オーバー…ウイッチ3ラジャー」
遠くから新手のMPがけたたましく連立って遣って来る
  しらばっくれ去る二人に向けて「ピッピーッ」と制止笛を
吹き「ストップ」と大声で制止しようとすも止まらぬに
首からぶら提げたままの銃で掃射する「ガガガッカガガッ」
正確な射撃である
転がるテロ二人の足元は日本兵が履かないチノ靴・・・

「チンッチンッチンッ」と鐘の音を響かせ乍 赤十字の
マークが前後左右天に描かれた車が近付いて来る

真っ直ぐ前を見て近くを通り過ぎる長い一列縦隊
帰還船とも引き揚げ船とも呼ばれる数隻の船が並ぶ横
「ザッザッザッ」 先頭を行くボロボロの軍靴の一群は
各自一つか二つの白い四角い包みを首から ぶら提げ
  引き揚げ船に代用した米揚陸艦に乗り込もうとする…
タラップの上では操船引継ぎ指導隊の年配で叩き上げ
の米小隊長のサングラスと斜めに被った士官帽の敬礼
と操船を引き継ぐ船長の日本海軍中尉の戦闘帽の敬礼
ヘ空きっ腹に堂々と胸を張り返礼を返す一群の将兵達
殆ど同時に自軍か連合軍将官に対する筈の栄誉の笛を
其の首から ぶら提げた まっさらの綿に包まれた
小さな各自の 木の骨箱に向け
吹く若い士官見習の米兵曹
「ピーーーーッ」
更に誰かの腹が返事した
「ぐーーっ」




海ゆかば 水づく かばね
山ゆかば 草むす かばね
-----------------------
花咲きて 香る 昨日
散り踏めば 濡れる あしもと
きょう渇く 心も 明日は
きっと君と 微笑む 日々




一首:逢瀬とや天の鳥舟ゆるり発つ 真白き花も旅を飾らん
一句:鬼と鬼 戦い済んで 今日の米
 


老板*親方・主人・社長等の意
ステンマークU銃*主に英軽騎兵・空挺部隊用短機銃
手集眼*朝焼けや室内の光の眩しさの中で瞬時に目標を覗き見分ける為
両手 又は本等で望遠鏡様や双眼鏡様を真似る事で水難救助員や航空士
が照りの中で多用す一定の距離ならば双眼鏡や素眼より早く目視可能

笑悲千万:何故か言ふ人の恋路を邪魔す奴 馬に蹴られて死んでしまえと
一言信士:本来の善男善女はスウィッチ持つ 戦い済めば他力の支援

後書:重体の侭 引揚の男と女は暫くし次々に他界し生前戸籍を一に
出来ずが今は誰に邪魔される事 無く長崎の丘の墓で一緒に仲良く眠る
('04/8記)




♪♪ 49ページ目の魔法 ♪♪  
( 再掲載 )


@時差通勤を始めて暫くたったバスの中
始発の停車場から大手門前のバス停の間にユッタリと数ページを
読む習慣になっていた・・勤務先では一日中机に向かっている事が
多いせいか冷え性ぎみになっている・・そんなOLの朝の出勤風景

A今朝も いつもの時間帯に いつもの席で読書を決め込んでいる
女性には友達は何人かいるが特にボーイフレンドと呼べる程の
付き合いではない 適齢は特に決まっているのではなく相性の相手が
現れた時を「適齢期」と言うに まさるものはなしと思う潤な乙女心の
持ち主でも有る・・自分の足先の横を遂 見ると いつも そこに有る
黒靴とスラックスの裾 いつもの何の へんてつもない同じ男性で
有ろう事が分かる・・今日も同じページ数を読み終える頃いつもの
バス停が近づいて来る

B予報通り すがすがしい上天気の中 疾走するバス
陽気のせいか何の花だろうと外に目をやる・・良い香りが過ぎて行く
ふと いつもの黒靴のズッと上を見た・・意外や・・自分よりも若そうな
好青年が鼻の穴を広げて目を閉じている 彼も又 香ぐわしさを感じて
いるのだろうか・・とっ其の時 彼の目が開いて此方をチラッと見た
そして笑った・・彼女は「ハッ」として なぜか胸がドキドキするのを
押さえ乍ら 無理に活字へ目を向ける・・今朝も予定を読み終えて
下車するする筈だったが47ページ目の途中で目を瞑ってしまった

C翌朝は木枯しの吹く日に打って変っていた
いつものバス停から いつもの時間に乗り込んで来る あの青年は
今朝はいない 毎朝 見ていた筈の靴の履き主を初めて見たのは
昨日の事なのに・・なぜか ちょっと寂しさを憶える いつもより
ペースが落ちたまま いつものバス停に近づきつつあった頃やっと
次のページを めくった・・何と そこには折りたたまれたメモが・・
瞬時に予感が頭の中を閃光の様に走った 開かなくてもキット彼と
感じた『・・いつもバスの中で貴女の読書姿を拝んでいました・・
宜しかったら・・今日の昼休み大手門前のバス停のベンチで昼食の
待ち合わせをして頂けませんでしょうか・・今日は夜勤明けで・・
いつまでも待っています・・来て頂けたなら運命の女神に感謝します
来なくても来られなくても このメモを読んで頂けただけでも貴女に
感謝します・・』・・彼女は想像した窓が開いていた車中に偶然 風が
吹き込み本が魔法のように めくれるシーンを 彼がそこへメモを
さし込むシーンを・・そして彼女は下車したバス停のベンチの枯葉を
さり気なくハンカチで掃って いつもの様に忙しく勤務先へ向かう
風景に戻っている・・ただ いつもならハンドバックに仕舞う 運命の
タイミングの章に当る49ページ目にメモを はさんだ本を胸に抱えた
まま寒風を受けても冷たさを感じず足取りも軽やかに



一首:面白い 短編だから と勧める 途中ページに メモを挟んで
一句:ですからね 読書の秋は 愛の季節・・
一句:終年が スポーツの秋 ラッシュ乗り



後書:パニック障害を10数年抱え持つ小生自身はラッシュの車中に
入れず其れを想像するだけでも気が沈むが日々ラッシュ通勤する
多くの人達をテーマにするは自然な事で有る だがロマンスは苦手で
ハーレィ・クイーンには遠く及ばぬが・・誰もが立場立場で少し頑張る
('03/5更新)
余興12:続く3回以上の不快な偶然は疑うが自然だが3つ以上重なる
偶然の幸運は天の恵みと自然に感謝するが良い それ偶然違いと言う




トルコライス情雨  
@静かに全面ウインドウの通り側に座り外を眺めている家族
其処へ裏の厨房から店の主人が各自の皿に大盛の料理を乗せて
やって来る「社長こい全部サービスです街で最後の食事ば うちで
して呉れただけで光栄ですたい」「悪いね…」「…何も気にせんで」
其の地方都市で1番の大きな和のストアーチェーンの お得意の
社長一家が悲しそうな小学生の息子も連れて態々顔を出して
呉れたのに昼のサービスランチを今夕に出すのは気が引けたが
近くの老舗百貨店の家族レストランの評判のランチを手本に
工夫して出した数点盛は若い客には特に受け始めていたので当時
人気のソーダ水も一緒に添えて来ると其の息子の表情が変った
「社長如何しても出て行きなさっとですか…」「…はいっもう駄目
です…日々の売上げは上々ですが棚卸する度に赤字です是は
万引き等に因るものと分かっていても誰が何を考えているのか
まで分かっている つもりですが・・・」「景気が良くなっても世の中
治らんものは治らんとでしょうか」「ここを出て行くのは辛い事です
折角 この子が生まれる前から築いて来たものを崩すのですから…」
「それでも この子が救いです」と夫人はハンカチで目頭を抑える

Aいつも職場に出前でカレーライスやランチを取って呉れている
女性客が1人で涙を落とし乍ヒックヒックと食べている姿を見て
主人が声を掛けた「どげんしたとですか…何か有ったとですか」
「…けちケチすんなって言われたとです…お客さんに…」
「…又ね…仕方なかねーっそんなら うちで働くね」「済んまっせん
余計な気ば使わせて…ばってん うちは捨子やっけん学もなか
金もなか家もなか親の名前もワカラン躾もされとらん なーんもなか
そいでん うちも望みば持っとるとですよ…うち1人で頑張って
小さか店ば借りて其の2階に住んで家族が1日中一緒に家に居て
そいが うちの夢です絶対に築かんばいけん うちの家庭ですよーっ」
「・・・ぐっ・・・ぐすっ・・・他所の土地でトルコ風呂と言やぁ何ば
しょっとか分らん ばってん此処は本物のトルコ風呂ですたい
家族風呂の部屋も有っとに幾ら水着姿の女性従業員やっけんて…
マッサージとか体を洗うて貰う為に此処のトルコ風呂に入って
命の洗濯ばすっと やろうに そん客は性格が悪すぎて頭の垢まで
溜まり過ぎとったとやろう馬鹿の事は気にせんで……おーいっ
此処にビールば持ってこんね・・・」と奥に声を上げるとサッと
出て来る…主人はビールを片方には波々と片方には3分目位注ぐ
「サービスやっけん呑んで行かんね・・・ぐっと呑み込むとが良か
…うーんっ呑みっぷりの良かねーっ おいは仕事中やっけん
ちょっとだけよ」

B腕組みし裏からムスッとした顔を半分だけ出して表を覗い
ている主人の心の中を様々な事が…この夕暮に去来する…
主人に言われなくともウエイトレスは更に笑顔で客に接している
何か言われたら給料引きでも良いと思いデザートに水菓子を出した
主人は其れを見て納得の様子 ボランティアが普及していない
時代には商道徳がサービス精神と相まって互いに自然と
経験の中から身に付いていた・・・来た客は去り 来た客は去りして
一息付いた頃 一番奥のテーブルに腰掛けて お茶をすすっていた
主人が おもむろにウエイトレスや他の古株達に言った
「最近は腹の立つ事ばっかり目に付く耳にすっと此ん街でんそうたい
古くからの身の程を弁えた筈のヤクザは面倒臭がって地回りば若造達に
任すっもんやっけん新興の暴力団やら訳んっワカランもんは図に乗って
此ん街も何んか歪か心の渇ききっとるごと成っとる・・モー我慢ならん」
「何ば言いたかとですか」とウェイトレスが問うと「良う聞かんね」と古株
「此いから日替わりの3点盛のサービスランチは何でん…いやライス
カレーもハヤシライスも3点盛のランチにして歴代オランダ大使公認の
あの有名かオランダ料理レストランの向こうば…張り得んけん……
非公認のトルコライスって名前にすっとぞ」

C其処へ先程まで最後の食事をして出て行った社長一家の息子の
小学校の同級生で有る隣の布団店の息子が駆けて来て言い訳と一緒に
「すいまっせーん店番しとるけん何時ものランチば2つ店に
届けて呉れんですかー御願いしゅまーすっ」と注文すると
レストランのウエイトレスが返事した「トルコライスば2つ注文ね」
「何でト・ル・コ・ライスねランチば頼んだとに」「よかよか うちでは
トルコ産のガロン缶に一杯入ったケチャップば一杯一杯 使うて
ハンバーグとスパゲッティーとチキンライスを盛りつくっとっとよ
そいに夜もランチて可笑しかやろ」「…ワ・カ・ラ・ン」呆気に取られる少年
そして裏の厨房で注文を受ける者達へも表で接客する者達へも
小さい客達へも いつものニコニコ顔のレストランの
主人の顔に戻って言った「和・華・蘭の街は様々…そがんけん心の分らんば
いかんと…美味しかもんを今夜 食べて明日から皆一から出直したい」

歓楽街独特の艶かしさも一夜明けると粛々と早出の通勤路に変り始める
早朝の思案橋近くの小学校では主が居なくなり地下の
倉に重なるのを待っている一組の木製の机と椅子が
総てを悟り寂しがっているかの如くで有る

…街全体が明るく薄墨がかった霞の長崎に雨がポッポッと舞う




♪あめ雨ふれ降れ母さんが蛇の目で お迎え嬉しいな
       ピッチ ピッチ チャップ チャップ らん らん らん♪



一首:話すれば 裏話なし 秘話もなし 何のなしやら 何のなしやら
一句:運不運 負けても其処に 明日が有る

後書:気が付けばサービスランチの別名としたトルコライスが
長崎の名物に成っている・・・其れ程 古くもない発祥の裏話
東京オリンピックを何年か後に控えた地方都市の歓楽街ですら
本物の道徳が勝っていた…其の後徐々に本物が偽物に負けているような
気がするのは小生だけだろうか尚35年前には佐賀・福岡迄トルコライスは
普及す但し其の名前ゆえ難儀も受け現在名が残るは姿三四郎のモデルに
なりし西郷四郎が愛した思案橋通りの有る長崎のみである
余談で有るが ささやかな気心達が気に掛けていた特殊公衆浴場の
女性従業員は其の後 望まれて真っ当なサラリーマンに嫁ぎ子を生し幸に
暮すと風に聞く・・・短き流れにさえ歴史は人々の心 試すに逸話を以って
応える歴史の間違いは常に正しく更新されるべし尚あいも変わらず
原稿漏洩続くに因り小生思考有りても経済小説・コラムを書く気になれず
                        ('04/4記)





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