(5) <br> 路地裏の魔女(33)黄色いリボン & 比較概論感受編 & 核総数の国際法 & 路地裏の魔女(31)運チャ & 菓子包 & 踊る軍法<br> & 路地裏の魔女W一夜 & 解毒 & 踊るアメイジンググレイス & 路地裏の魔女J照り映ゆ (5)
路地裏の魔女(33)黄色いリボン & 比較概論感受編 & 核総数の国際法 & 路地裏の魔女(31)運チャ & 菓子包 & 踊る軍法
& 路地裏の魔女W一夜 & 解毒 & 踊るアメイジンググレイス & 路地裏の魔女J照り映ゆ





路地裏の魔女(33)黄色いリボン  
(再掲載)

@首都防衛戦車隊長が電話を受けている
「・…はっ了解いたしました・…で出動時間は
・…はっ只今から速やかに戒厳令作戦決行します」
副官「とうとうですか・…」
隊長「いかにも・…出動だっ」

マスコミが戦車中隊を取り囲んでいる
記者「これはクーデターですね」
専任曹長「(…違うわい…お願いだから質問しないでくれ)」
記者「誰も何も質問に答えてくれません・…ちょっと
ディレクターどうしようか…」
ディレクター「じゃあ街の人々へのインタビューを…」

むすっとした市民「確かに立場を利用してお金儲けをしているよ
でもね…立憲君主の法治国家らしく武力じゃね何も解決できないよ」
笑顔の市民「権力者の陰に隠れて家族が金を掴むのは
許せないでしょうクーデターに賛成ですよ」
アナウンサー「国民は違法なマッタク派が権力の乱用であると言う事でも
一致しているようですが問題はクーデターに賛成反対との論点にずれて
来ているように思えて何か釈然としません…スタジオどうぞ・…」

A外国の都市に在る亡命者の高級アパートのリビング
テレビのスイッチを切る亡命者「自由民主圏の治外法権地に
居る時に軍隊が出て来た お蔭でこちらは堂々と亡命できたよ」
子供「またも・・お父様の勝ちですね法律に則って
利益を追求しただけ法律に則って税金を払わなかった
だけ法律に則って政権の座に就いていただけ法律に則って
政権に返り咲いただけ法律に則って選挙を遅らしただけ・・
そのうちに私達兄弟で選挙を仕切りますわ政治家二世と言えば
選挙に戦いやすい貴族政治家同然で見下されるTVタレント政治家や
ハッタリ宣伝で嘘の自己暗示に酔払い運営して忌み嫌われる新興政教
とでも つくり笑顔で組んで……バランスを超えて数合わせした
チカラの議会に多くの私達二世議員を送り込み またまた与党ですわ・・
亡命者「頼もしいな・・法律に則って財産を合法的に海外へ移し変える
時間も稼ぎ出した才能も忘れちゃならんよ まっ私は国を富ましたから
是くらいの財産を作ってもいいのさ・・…
それにしても渡航の前に散々軍隊をけしかけといてヨカッタよ」
子供「お父様の勝ちですね論点もずれてしまいましたわ」
亡命者「だがな自分で考えたシナリオ通りとは言え
釈然としないな他の方法は無かったのかと考えるよ…
だって法で認められた我々の権利を侵害されたのだ…
幾らミエミエでも こちらの腹の中を読まれた証拠はない
訳だから強制的に引きずり下ろされるのは憲法違反じゃないか」
子供「お父様は全部正しいですわ でもね今は そんな事より…
そろそろ買い物に行きましょうよ先ずレストランがイイかな」
亡命者「そうだな外のカメラマン達をまいて高いレストランへ
いつもの憂さ晴らしに燕の巣や熊の手を たらふく食べに行くか」
執事「…では運転手と小間使いを」
カーテンの隙間から外を覗く亡命者「いや運転手だけでよい…
車は小型車を回せ………例の邸へは当分移らん方がよいな」

B取材車の中のTVに映る戒厳令司令官が発す
「これはクーデターでは有りません
これは民主主義を守る為の行動です
全能ではない法を利用して不道徳を
働き続けさせては ならないのです」
実直だが何か言い忘れているような顔が映っている
モニターの画面は其のままに音量を絞りラジオの音声をあげる

モニタースピーカーからは亡命した権力者を支持する声が流れている
レポーター「首都労働組合はマッタク首相を支持しているのですね」
組合長「我々の所得を増やしたじゃないか」
レポーター「それは其れ以前からの流れによる高度成長期なのでは」
組合長「それがどうした」
レポーター「ところで ご出身はマッタク前首相と同じですね」
組合長「それがどうしたマッタク首相はクリーンだクリーンだ」
画面と音のずれを気にする事もなく ため息をついてクルーが車を出る

モニターを消し次に取材車を出たディレクターは路上に立ち尽くし
直ぐ近くの屋台に目をやっているとクルーが声を掛けてくる
「実に美しい光景だ…屋台の先の あの若い兵士撮りますよ…」
ディレクター「………うむ……………………
武士の情けさ撮らんほうが良いな撮れば放映すべきものさ…
しかし この絵を世界へ流せばあの 若い兵士は不幸になる…かも」
クルー「そうすねっ例え幾ばくかでも軍需品の不正使用とかなんとか
亡命者な連中に言われて戒厳令下の軍律違反にされては たまらんですな」
ディレクター「法の網をくぐってぬけぬけと数十億バーチ不正蓄財した奴は
のうのうとしているのにな・…」

C装甲車分隊の横の木陰に座り食事を始めた兵卒の前に
じっと其れを見つめている年端もいかない幼女が立っていた
兵卒「・…・…名前は」
幼女「可愛い仔」
兵卒「変な名前だな」
幼女「あたいを連れて来た小父さんが『名前は可愛い仔』だって…」
兵卒「本当の名前は・…」
幼女「知らない…この間までは覚えていたのよ」
兵卒「・…・…どこから来たの・…」
幼女「メナムナのずーとっずーとっ上流の方から」
兵卒「チェンマイマ辺りか」
幼女「ううんっ チェンライラ・…の奥の奥のカレンレの忘れ里」
兵卒「・…小父さんはどうしたの」
幼女「知らない 小間使いの買い手に会えないから ここに居ろと言われたの」
兵卒「・…・…何時から一人なの」
幼女「2回の夜あの木の下で寝たの…でも其の前は小父さんと一緒だった」
兵卒「(捨てられたのか)・…食事はどうしているの」
幼女「昨日は食べたのよ…盗んだんじゃないわよ
優しい屋台の小母さんに揚げ川魚を乗せた汁御飯を
貰ったの とっても美味しいの でも今日は忙しいみたい・…」
2人の目線の先には見物客や世界中の取材クルーが屋台に群がっていた
兵卒「ところで お父さんお母さんは兄弟は どうしたの 親戚はどうしたの」
幼女「・…知らない」我慢していた幼女の目から遂に涙が一筋落ちる

幼女に自分の軍需食を渡した兵卒は涙をぐっと こらえ胸を張る
そして自身の肩に付けていた黄色いリボンを幼女の襟に結んだ








君が黄色いリボン♪

わたしの襟に付けましょう

はるか かなたの空

わたしの心も一緒にと

遠い道を さぁ祈りとともに待っている
  
遠い道を さぁ忘れえぬ君を待っている


君が黄色いリボン♪

故郷の誰もが微笑む

仕事の手を休め

誰もが君を出迎える

遠い道を さぁ涙を拭いて待っている

遠い道を さぁ君の笑顔が帰り来る


(ジョン・ウェインの黄色いリボン風のメロディー風に乗せくちずさむも良し)






一首:引抜かれ 捨てられてなお 真直ぐな 小草へ 月も日も雨もそそぐ
一首:見へる目も 聞へる耳も 嗅ぐ鼻も 踊るる舌も 別枝にあらず
一首:瞬黙の 思ひの先に 見へるもの(下の句は各位御随意に)



後書:天網恢恢祖にしてもらさず縦の法律と横の道徳を紡いで
本物の世は成り立っている法の抜け道を歩む者は不道徳により
法が崩れている事を気付かない ある種の亡命者は時に己が
金の亡者と化して幽霊の顔に成っているを気付かない等と何を
のたまうか我が心 是はあくまで戯曲 ('06/9/23記)
追記:#タイで屋台の美味しくて安い川魚と言えば皇魚の事
魚類学者の今上陛下がタイへ寄贈なさりタイの人々も其の意思に
添って養殖魚として間違いの無い普及をさせた国際協力の成功例























@@@@ 比較概論感受編 @@@@


@例えば子供の経験則的時間経過は10歳の1年なら
過去10年に対しての現在の1年 即ち1/10の時間であるのか
20歳の1年なら過去20年に対しての現在の1年 即ち1/20の時間であるのか
例えば大人の経験的時間経過は100歳の1年なら
過去100年に対しての現在の1年 即ち1/100の時間であるのか
110歳の1年なら過去110年に対しての現在の1年 即ち1/110の時間であるのか

例えば時間の感じ方が年々短くなっている人が居る
だが是は唯の観念論的間違いである…
なぜなら時間は何時でも永久不変の真理であるから刻みに違いはない
因って人は観念的に時々 時間の感覚を取り戻す必要がある
時間不足との思い込みは睡眠不足と不安がるに似て医学的には特段の問題は無い
問題があるとすれば不健康的生活や過労業務に繋がる事である


A例えば人里離れた山奥で日の出から落陽まで
自然と共に生活する人は足下の草木に季節を思い実りに感謝し
ささやかなる万物の営みに感嘆の日々を過ごす
よって大自然の中の小活は人が心を純朴にし
ドレ程の小さき感慨も大きなものと成る

例えば雑多な人格が騒然の街中を秒単位で
喧騒と共に生活する人は目前の画面に過食腹の写りを気付かぬ
押出し強き大宣伝の ぶつかり合いに もまれる日々
よって大いなる人生の中の幾つかの事件は人が心を鈍くし
ドレ程の大きな憤慨も小さなものと成る


B例えば若いと言う字は苦しいに似て時間もゆっくり流れる
早く歳を重ねて立派な強き人間に成るのだと時を速回す
遊びの時間は遅くと欲張りが若さの特権の如く
そして時の落とし穴に入ったのに気づかず
ピノキオや浦島太郎の教訓に何も感じず歴史が「あっ」と言う間に過ぎる

例えば老けゆく者は若きに仕事させ やっと楽しめるのだ
しかし若者と同じく楽しみは直ぐに過ぎてしまう時間が欲しいと
人は幾つに成っても何かに足りぬもの時間も足りぬ重ね年
よって老いての時は楽しみだけでなく余命への辛ささえ同時に感じるは
時を早く過ごさせないための大いなる自然の采配である


C例えば若年の明日の世界は広く可能性があり
希望に満ち其の楽しみが人格の弱気を薄れさせ無防備を生む
現実に接する者の中には歪な心を押しつけられる
よって対処を誤り一人で思い悩めば苦界だけが世界を占める
ドレ程の小さき衝撃もたった今の瞬間だけが大きなものと成る

例えば実年の明日の世界は短いと思い込む
時間の観念は其の無機質のみを強く考え可能性すらしぼむ
しかし過去の経験を三角形の裾野と希望を頂点部分と捉えれば
時は長さだけでなく いろは坂を登る様に濃い時間を感じられる
ドレ程の動きの遅さにも時間は ゆっくりと流れ始めるを気付く

















一首:霞食って なにも仙人 時に生き(各位ご随意に下の句を)

  後書:少ないが例えて人文科学的状況個体のコラム比較概論感受編とした
…何時の時代も気付いたものと気付かぬものの差('07/12記'08 /11前掲載)

追記:例えば映画館へ行き内容の濃いものを鑑賞する時間は2〜3時間・・
で この映画に数時間以上の時間経過を感受できても入館と館を出た時間に
外の情景が ほぼ同じく眼に入れば現実の時間に戻される即ち入館までの時間の帯は
現実の館内の時間の帯を経て館を出た時間の帯と同じく時間経過の感受と繋がっただけである
  もし入館が明るい時間で館を出るのが暗い時間なら時間経過の帯は入館までの真直ぐな時間の帯
から ゆっくりと蛇行した時間の帯を経過して館を出てからの真直ぐの時間の帯へ移って行くがある
この経験則は人の感受時間を長らしめている 数時間が それ以上に人生が長くなっているのである
是を比較概論感受編を補完する第3の時間の研究存在とでも言っておこう
本来 或一定の水準に達する書物総べてが文学であり文学は哲学であり自然科学的には
物理学や生理学であり其の逆に生理学や物理学は哲学や文学である して多くの人は小学校から
文学も哲学も物理すら学習しているのである但し教えている人すら其れに気付かず('08/10/10記)
                            
追追記:宇宙の始り終りに関りなく唯一の無限・永遠の時間が有る
比較してクオークに均しく刻む有限の時間が存在する
人は時に長く時に短く時間を感受する
比較して永遠の時を持っている如く思える先に逝った人に残され
時間が止る人あり自身の時間経過を感じず心に結界を作りし人が
善悪に関らず他に影響を与える場合は早めにその結界を取除くべし
動かざる時間を動かしてこそ歴史に生きている事を気付かせるべし
                          ('08/10/21記)
一句:お人好し 霞食って尚 誰が鐘
















余談:地球温暖化に因る地表・水面温度の過度の上昇が異常気象及び
微生物を含む動植物の形態をも激変させ地震・台風・竜巻・旱魃(かんばつ)・水害
地盤の緩み・寒波・熱波・高潮・砂漠化・伝染病・公害など等の被害を増大させ始めた事に
嘘・詭弁を見抜く経済学者・経済人が危機感を抱き地球温暖化防止協定に未だ たっぷりと対処の
時間が有ると思い込んでいる中国・インド・米国からCO2発生を減らさんが為には
この3国に工業生産量を下げさせ第1次産業・第3次産業へのシフトを促す手法も選択肢の
上位に入ると囁き始め…段階的目標の確認達成は貿易上著しく不利益を被る罰則が決める
べきと心に思い始めた…過激凶悪テロに対して静かで無気力なテロリズム的と言う
地球温暖化防止緩慢の被害で家族を亡くしたりして悲しむ人々が
これ以上不幸の連鎖甚大成るを甘受できないのである         ('08/5/31記)


追記:近頃 只 虚しく聞かされる大本営発表の華々しい海外大支援予算打上に怪訝(けげん)な
思いで手を動かしている…何故 より意味のある長崎港でなく洞爺湖なのだ・…
我が「地球温度会議」で言って来たバイオ燃料はテキーラ系アルコールがより良く
黄砂や山火事の被害を減らせる砂漠化防止にも繋がると・…
明日への意識がハッキリしていれば今日のモラルも生きていると語るは無駄なのか
一般道を走る電気貨物車の国内販売が始って40年 期待されたガソリンスタンドの横に
同数の電力スタンド設置ならば今頃 日本中の乗用車・小型貨物車・トラクターや
波動電池ハイブリッド小型船からCO2は殆ど排出されなくなって25周年記念を迎えていた事だろう
  車体が太陽電池パネルに覆われた水素ハイブリッド大型貨物車も発売されていたであろう
少年の頃 夢の未来を信じて疑わなかった…・・…長じて如何であるだろう…・・…
思慮の無い足を只 大きく走らせる愚かさを まだ続けると誰が願っているのか
「ぜいぜいっ」と息を切らし自らの足を引きずり歩かされるしかないのか・…
鞭打たれる苦しみの中ジッと報われぬ我が手を見る・…
等と書きても相変わらずタイミングと場所と言動が出歯亀盗み読みの工作テロにより
盗用され色々な混乱増大が目に余る 言霊の怒りを知っても後の祭りぞ・……・
                             ('08/6/1記)











経済心理学:経済学を実経済の経済学と虚経済を形成している経済心理学に分けてみる
生産性が先に立つ実経済と違い雰囲気の誘導に因る虚経済は経済心理学として捉えられる
それは地域単独の国策ではない各企画の伴なう地域起こしの支援(税金投入等)や
高額納税者から低所得者への資産環流の緊急国策支援等の実経済とは別の擬似的な
全国規模に国家収入を単純な景気刺激策として投入する虚経済のものや
ねずみ講(マルチ商法)を指し生産無き生産活動の総ての域を範疇とする

余談:日本のインスタント食品は世界に胸を張れる程の文化である それに引き換え
名だけは同じインスタントでも出来た経緯から前文以外の憲法や緊急改正して来た六法は
テロリズムや犯罪者に とても優しく時に善良な国民を守り切れなく たかが数行の法文に泣かされる
因って それを補う如くに日本では極刑制度を廃止できないのである 独裁国の死刑制度との違いである
そして法律論の道を煙に包んでいるのがイメージの良くない者達が組織やメディアを賑わせている事
それ等は世も納得し難く潜在的にも法律以前の問題として事件事故を増えさせ納得しているのは個発性の
犯罪類と裁判所内外の不幸多発を革命のエネルギーとしている工作類である・…・…













核総数の国際法

英 ドイツや日本等に始まった核技術が広がる中
原子爆弾の製造に成功した米国の広島・長崎への使用と
水素爆弾の量産成功による米露の核軍拡が人類に及ぼした
数々の過ちは他の英仏中の核保有国も含め人類全体に及ぼす兆戦となった
しかし人類は自滅への危険な道程に居る事を悟り
世界中の核兵器を減少させる事とし先ず米露の核兵器削減条約のスタートとし
地球全体に存在する核兵器の総数を増やさない為に保有国の核削減義務と
如何なる理由であろうと核兵器保有国が増える事を禁止した
エゴにより核兵器開発に繋がる原子炉技術を輸出入する事も
自国の領土を他国の核兵器実験場として使用させる事も
核兵器開発疑惑を持たれる事をも人類は認めず
其の冒険的試みも如何なる能力により普遍的価値観を導入させられる
そして世界の核兵器の総数は各保有国のピーク時の各一割まで減らした時点で
いざという時の危険回避の為に核兵器の宇宙利用等の余地を
残す残さないの議論に非保有国も含め責務を負う

                                        起草 一松二生と其の支持者達('08/06/11更新)

  (不文律としての国際法は参加不参加に関らず普遍的価値観の下に司法・立法・行政や
各民間事業者関係各位の道徳的拘束力を持ち全世界の各 憲法・基本法・法の上に位置す)
追追記:削減されし兵器核は原子力発電所の燃料と転化され人類の地球温暖化防止対策となる
 
追追追記:結果論でも武力に因る領地拡大を国際法は禁じている例えば最近のイスラエル入植地問題
更に自領他領に関らずテロに因る紛争解決を禁じている例えばダルフールやアフガンイラクなど等
…その他武力に因る領土拡大主義をも禁じている…事実上の一方的武力と強引な詭弁喧伝や
卑怯なテロ工作では憎しみを拡大させるだけと分っていても愚か者は国際法による各位遂行迄
悟らない('08/6/16記)他に仕手投機額を上げ乍 原油生産量を下げたり貿易立国で為替相場の
上下調整巾決めるマッチポンプ的テロを断罪するは その因果の小車が穀物不足とインフレで
中進国を含む世界数千万人に及ぶ生命の危機を招いている大過の結果の応報である('08/6/18記)

追首:生得も 進化と進む 明日の距離 (下の句は各位御随意に)
 












































〜〜 路地裏の魔女(31)運チャ 〜〜

@風の強い日で有った 時節柄 丁度 邸の皆が衆参した頃
玄関前に場違いの旅姿の薄汚れた小柄の男が立っていた…

小柄な男の風呂の後の大広間

遠路よりの客と一家総出の歓迎午餐を楽しんでいる
当主「イポーニヤではチャーイは何と申されるかな」
客「…茶と申す」
「チャで御座るか…では そろそろチャの用意を」と当主が言うと
給仕長に従って林檎ジャムの甘い香りを漂わせ乍 給仕がワゴンに
載せた茶用湯沸し器を運んで来る処へ突然 副執事長が入って来て
食事し乍 様々と目配せをしていた執事長へ耳打をする
執事長は顔色も変えずに小さな咳払いをすると
当主が大きく手を叩いて一声「午餐も我家流ここで少し休憩」と
言って席を外す 後に執事長が続く

A当主の執務室

「そうか血の内乱か とうとう始ったか では我々も いざと言う
時の予定通りに…」
「はっ…えーお客様は如何なさいますか」
「軍船が使えれば良いのだが」
「閣下 其れは余りにも危険すぎます顔を見られますし…」
「如何にも…港に現在 出帆 待ちの客船は…」
「…何隻か有ります…明早朝ストックホルム行が丁度 御座いますが」
「先生には着たばかりで申し訳ないが其れで この帝都を離れて
頂こう…我が家の一族郎党使用人迄 古式泳法と武術を叶わぬとて
一日なりと乱取の指導だけでもと思っていたが…
其れにしても もっと聞かせて貰いたい地方の諸般が有るのだが…」
「今は御決断を先に…」
「…この事態では是非もなし」

B夜の大広間

当主「通詞さん先生へ間違い無きよう御説明下され…」
通詞「はっ…」
当主「…腐った肉を紛れ込まされた肉屋が爆破される等シベリアの
地方都市では爆裂弾を投げ込まれる被害が益々増え食料庫の盗難は
日常茶飯事で篤志家の方々も地方官史も動きがとれず人心の荒廃
進み…寄生虫の厚顔擬似教祖とボルシェビキに国の中枢神経も
末梢神経も侵されてしまったようで有る緒に就いた改革も断念です
とうとう革命が始りました我等が代々の騎士長家も この激動に
是非もなく呑込まれて行くのは避けられぬ…よって我家は
予定を早め分家を独立させる事にした… 長男家は其の侭
私と行動を伴にしモスクワの邸へ向かうべし 次男家は
この街の家に残り白組側へ そして三男家は先例にも
有るように名と家紋を変え郊外の別荘に分家と判らぬ様に移り住む
いざと成れば赤組側にて生き抜くべし…其の前に分家の初仕事で
最後の仕事は先生と通詞さんを出資して有るストックホルムの
ホテルの方へ御連れするように…この街へ戻ってきたら其の足で
其の侭ダーチャへ向かうように…先生が危険を冒してまでの険悪な
大陸横断の旅話は露日関係微妙な時なればこその騎士の交わり
でした しかも様々な客観的判断材料に成りました御忠告には礼を
申します…が事態は急を要すので出立する者達は今直ぐに準備を…」

C翌未明の大広間

当主「是で当分 家族は離れ離れに成るだろうが名残を惜しまぬ様に」
三男「我家の名から分かれたのだと後の世にも判る氏名を下され」
当主「もっともで有る何とす」一家の話しが熱を帯びる 湯沸し器が
何時もの様に沸々と沸き出し始めているが誰も気にも留めない…
ふと客が通詞に「あの湯沸し器らしき物は何をするものぞ」と問う
通詞「ああっずっと ごたごた致しまして飲めませんでしたが
サモワールと言う御茶用で御座いまする」
客「さも有ーる…茶…(が沸いとる)だー」と発すると
当主「ダーダー西郷四郎先生より案を頂き決りましたぞ」と手を打ち
「このサモワールを授けよう是に印す我家の紋章の中より刀を外し
新しい家紋としよう…ここを取り除く…是を紋章とするが良い」
三男「有り難う御座ります…で名の方は…」
当主「ダーチャのプチャーチン分家で有るから…困難な時世で
有るが今日を忘れず緊急事態にてチャを外した我慢のプーチン家の
初代としようぞ 以後 当主はウラジミール・プーチンを名乗るべし」

出掛けの準備が整った時 当主が「先生とウラジミールは此方へ」と
言うと広間の奥の扉の向うの応接室へ急ぎ入って行く「…先生には
ストックホルムより英国まで御同行願いたい方がいらっしゃいます
どうぞ此方へ…」 西郷「…何とっ」 隣接する当主執務室の開かれた
カーテンの中から老若男女の一団が出て来ると すかさず当主が
西郷を彼らに紹介する「先生と私の三男ウラジミールは世界最強の
ボディガード隊です…今日 是に集うは天の御導きの他御座いません
先生っ此方に居わす方々は畏(かしこ)くも或筋の分家にて…」と
言い掛けると西郷が「皆まで言われるな総て承知っ」と畳込む
ウラジミールが頷(うなず)き「早い方が良いでしょう方々…此処に
残る方も出掛ける方も別れの挨拶は済ませられたでしょう…先ずは
港の船へ御移し致します…2人の最終地アメリカへもプロシアへも
長旅に成りますですぞ」と言い乍 壁のイコンに十字を切ると
幼い少年と少女の手を引き一気に廊下を進み玄関を出て
昨日より一層 風荒ぶる街路を3人で先に歩き始めた
  少年「ウラジミール卿 僕等は いつ ぺテルブルグへ戻れるの」
ウラジミール「殿下 いつでも戻られる準備を怠らない事です」
片腕に人形を抱いた少女の目から一筋の涙が流れる




夜霧の彼方に別れを告げ雄雄しき益荒男 出でて行く
窓辺に瞬く灯は尽きせぬ乙女の愛の陰♪
         ロシアンフォークソング / 灯(ともしび)より




一首:美しき 道程通り帰還する 待つは海路の日和あり哉
一首:ロマノフが 米露に残す秘宝かな 名誉の皇女 還り待つ窓
一首:子供等と 我は楽しき夢を見ん 涙も笑い あるべき姿



通詞:通訳者
イポーニヤ:日本
ボルシェビキ:確信的共産主義者(毛沢東主義者と同類)の事で
                   便宜的共産党員とは別ける
サモワール:乾燥予防にも成る露西亜式御茶専用湯沸し器
ダー:はい(ダーダーならば如何にも如何にも)の意
ダーチャ:荘園別荘
イコン:聖マリア肖像板
だー:西郷四郎は東京・長崎・外地に有りても会津弁の「だー」抜けず
後書:根拠有る伝説は当然の如く生き長らえ帰還す
言わずと知れた一矢一夜の74年後に改革が再開すは天命で有りや
最近魔女が何処に出現しているのかとの苦言が出始めているが
活字で表現されていなくても文脈の何処かに潜んでいるやも
知れないので読み終えた後にでも気付くべし
尚 相変らず掲示前の盗み読みは続くも無視すべしものなり
('05/10記)

番外:見ゆるもの 一夜で変わるソリの跡 自然存ずる世界還習
番外:世界観 出もの腫れもの底ヂカラ 祈るイコンか呪ふ遺恨か








。o○ 菓子包 。o○
(再掲載)

@プロパンガスボンベから延びた管の先に簡素な機械仕掛けの自動料金機
「コトッ」と5円玉を入れたらコックをひねる と同時に備え付けの箱から
出していたマッチをすかさず擦って恐る恐るガス台に近づけると
「ボッ」と勢いよく燃え出した・・・・

少年は午前授業の日と休日は父が入院中だった丘の上の療養所へ通うの
が楽しみだった 初夏 その北側裏口付近の防風柵代わりの小高い里山の
様な雑木林に学校の図鑑だけではよく解らなかったカブト虫やクワガタ・
種々の蝉・バッタ・蝶・トンボ等など 人の出入りの少なさゆえ早々と小動物達
の楽園の様相だった そこへ丘から丘へ飛び交う留鳥や休息に立ち寄る
渡り鳥の傍らで学習観察する訳でもないのに昆虫採集するのである


A10円玉50円玉たまに多くて100円札や玉が舞う たあいない賭け遊び
父に言われて少年は数棟離れた同様の開放病棟の顔を会せれば「元気か
い・・暇だね」が口癖の胴元役の患者の所へ50円玉と賭け表を持って行った
ついでに お茶を沸かした
トイ面のカーテンの支柱に「海老」の名札 その下に赤色を塗ったボールが
ぶら下がっていた 寝たきりの患者の所へも父の指図通りにお茶を差し入れ
た少年に礼を言った老人は「坊や幾つ・・そう健康でいいね 小父さんの息子
も此れくらいの頃は勢い過ぎるぐらいの腕白だったよ」と話し掛けたが
少年はうつむきかげんに只はにかんだ
  「いま東京で歌 唄っているんだけど・・・・それ」と台の上の小さな菓子包を
少年に持っていけと言う

それを見せると父はカーテンの向うの老人の所へ行って一緒に笑い乍ら暫く
何か話していた菓子のお礼だけはハッきりと聞こえた偶に東京から見舞いに
来る以外は滅多に客のないその老人の事が父は気になっている様子だった


B西陽が眩しい帰りの長い長い坂を駆け降りる少年
片手で確りと握ったその菓子包を横目で見た「大丈夫 人に上げる物に直接
触れる人じゃない・・海老さんは」と呟く様に小声で怒って引き出しの中から
ちり紙を取り出し包んでくれたのだが子供心に病気が怖いなと思案していた
・・いつもなら父が怒った時は拳固が飛んで来るのに何故か今日はなかった
坂を半分程下りた頃 船の遠笛が聞こえてきた「ボーッボーッ」と その時老人
の優しいあの目が不思議に浮かんで来てた・・・・風に飛ばされないように
ちり紙と菓子を入れていたビニールの包をポケットの中に突っ込んで
そしてタメライながらも おもむろに一口で「ガブッ」と食べた
・・美味かった・・が 喉につかえて お茶が欲しかった・・

翌年市内の小学校で結核が流行り始めていた
教室で貰ったと思われる結核で通院と自宅療養を始めた少年が感じた事は
あの後 隔離病棟へ移り程なく天へ召された あの日の老人や父が居た
療養所ではなく小学校で感染したのは
あの菓子を食べる時にチュウチョした罰を受けたのだと

・・昭和30余年 俗に言う清く貧しく謙虚で美しいが尊敬され 正しきリッチな
目標も希望も道徳も そこいら中にゴロゴロ在る楠の若葉が風薫る国だった


Cその後
夏休みに続けて第二学期全休・冬休みと学習不可の自宅療養であるにも
小学校を留年なく卒業出来たのは何んだったのだろうと・・少年は成人して
尋ねた海外のオンボロ小学校の校庭で見掛はみすぼらしくとも陽気で
元気な子供達と遊んでいた時 校外からこちらを見つめている
もっとみすぼらしい子供達と目が合った瞬間に始めて感じた
自身もマトモに小学校も出ていないと世界中何でも美味しく食べられると
自慢げに話していたのだが 一瞬込み上げるものを覚えたのは
得体の知れぬ後ろめたさ だったのか



('01/4記)

一首:薫風に そよそよ揺れて 小菊咲き うれい在りて 言葉にならず
一首:平凡な 道徳ありて 非凡生き 三つ子の魂 百までアリヤ







( ((( 踊る軍法 ))) )
<再掲載>

@予審法廷
「それでは何かね君は玉簾(たますだれ)大虐殺は無かったと断言するのか」
「はい自軍では有りません無罪であります上からの指導・指示は
有りませんでした指令書の類も有りません」
「もう一度聴く君は処刑命令を出さなかったと言うのだね」
「はい自分は脱走兵の現認強盗殺人犯が抵抗した場合逃亡を図った時
捕獲尋問後処刑やむなしとの指示を出しましたが例え敵軍と言えど白旗を
上げた無抵抗の者を処刑せよ等との命令は出しておりません・・そうです
当時 我軍の状況から鑑み捕虜も例え苦しき行軍と成ろうとも後方へ下げて
道路工事等の使役生産に回す方が得策と考えました」

A尋問部屋
「では聴くが何があったのか ドンッ 言いなさい」
「あの日は白兵戦に入る前に4.0サンチ野砲 機銃掃射等で
直撃弾の嵐を降らせ・・交戦相手は大隊規模から多くて
旅団規模の戦死が出ていたようです」
「其の後の事だ証言では君の隊は街中に一番乗りだったのだが
・・市民に対する拉致・暴虐をやらなかったと言うのだな」
「其の通りで有ります」
「じゃ一体 誰が市民を殺害したと言うのかね ドンッ」
「自分の隊では有りません それに三等兵ですら腕時計一つ盗む事の無い
世界有数の規律を誇る我軍だとて連隊には数千人 師団には万の将兵が
居たのです中には現地休暇中に酔っ払って喧嘩の一つもした者が何人か
居たかもしれませんが・・知っていますか各地で我軍の扮装をしたゲリラが
出没していた事・・憲兵隊長へ聞いて頂きたい」
「それが出来ないのだよ隊長は戦死・・他の憲兵隊員を探してみよう・・」

B検事執務室
「領事それは君が自分で確かめた事かね」
「はい確かに この目で確認しました」
「・・困った事だ・・元同盟国だからと庇っているのではないのか」
「いいえ私は旭日旗軍の同盟国役人を辞めようとしている者です総てを
旭日旗軍の所為にする風潮を作り出しているものへの反発からでも
有りません確かに負けた途端に手の裏を返す者少なからずが世の常です
  しかし人として嘘をついて何が得られますか 戦争は終ったのです
それとも未だ続いているのですか 未だ工作宣伝でも続けるのですか」
「・・・・・・・・」

C判事検事弁護士3者応接室
「証人が言うには玉簾政府軍が撤退した後 旭日旗軍入城の数時間の間に
コカの葉生産の富豪農配下のゲリラが街中で市民や逃げ遅れた
玉簾兵に対して残虐行為の限りを尽していたそうだ」
「では何故ゲリラ連立軍を庇うのですか」
「今ゲリラ連立軍は玉簾連立政府の下に居る・・ムード創りの魑魅魍魎筋の
圧力なのか水と油をマッチさせる為に 旭日旗側民間人に対する大虐殺は
無かった事にしといて総ては旭日旗軍に責任を擦り付けなきゃならない
のだろう玉簾側の大量戦死と降伏した者や市民への虐殺も・・」
「それが勝組の軍事法廷だ」
「それでは本会議であの隊長は・・」
「・・そうだ決まっている勝者の価値ってやつだ」
「・・我々の存在は一体・・選択の余地無しか」
「・・彼は敗軍の虜 我々は密室の虜か」
「そうさ我々自体が悲しきパロディ事態さ」


後書:御気付きの通り此れはあの事件を素にミックスした禁断の物語である
パロディか真実かと自問自答し乍らの推敲であった 此れが史実なのかは
しかるべき時にオープンすべきとも ハードランディングだが いつまでも
抗外国工作教育も憎しみも御免なさいでもあるまい互いの為を考えよ
('01/3記)




一首:嫌いなら 健康の為 離れましょ (下の句は各自にてケリ付けるべし)
一首:其の場だけ 繕い続けて 歪出来 (下の句は各自にてケリ付けるべし)
一首:夜が明けぬ 歴史をかたり 土の中 (下の句は各自にてケリ付けるべし)
一首:たが為に 音頭をとるか 尻尾見え (下の句は各自にてケリ付けるべし)
一首:真実は 自ら逃げた ためしなし (下の句は各自にてケリ付けるべし)


余興:喉元過ぎれば熱さ忘れず等伝統的諺には合理的科学的文化的根拠
ありパロディの意味を似せた喜劇だけと思い込んでいる様な同根の左右中
には器の中でのみの理解であろうが女は愛敬 男は度胸 文士は余興かな









。oO○ 路地裏の魔女W一夜 。oO○
( 再掲載 )


@山中の霧の中より現る老婆
「死に顔をしたボヘミアンよ 何を怖れる 試練が足りぬぞ」
「貴女は・・」
「わしは死を免れ中世より生きながらえしバンスカバイストリカの路地裏に
棲む魔女モラビアンスカ」
「・・・・」
「其のパイプ 決して離してはならぬ おぬしの杖とならん
取りあげる者あらばきっと不幸を与えん・・」
霧がスーッと退いて行く
  身体を起し目を擦る壮齢
「ふっ・・(寝ぼけていたか・・まだ生きているな)」

約20年 悲痛の月日は流れ・・・・

遠くない叫び声が聞えて来る
「キャー ダナ大丈夫 誰かーっ ダナ大丈夫 おおっ神様ー」
駆け寄る老人 母子の前を見るや否やロングパイプで蛇を払いのけ打つける
「バンッ」
少女の足の傷口を何度も吸出し傍らの野草を揉みそこに宛がい
使い古しのハンカチで足の付け根側をきつく縛る
黙したまま其の場を立ち去る老人


A母の背中に山を下りる少女
「胡桃拾いは又今度にしてドクトルに見て貰いに早く帰ろう
それに今夜はパパが帰って来る日だからね」
「ハイ ママ でも あのお爺ちゃま・・」
「そうね ダナを助けて貰ったのに ママったら
  呆気に取られて何も言えなかったわ」
「あのお爺ちゃま 誰なの」
「ママも初めて見る人よ
  噂で聞いた里へ水を引く分水場の水車番の方だと思うけど」
「あのお爺ちゃま ダナの神様なの絶対に」
「そう きっとそうよ」
「・・でも 水車番って・・誰と棲んでいるの」
「一人でと聞いた事があるけど」
「ふーん ・・神様でも一人ぼっちじゃ淋しいよね」
「ダナは気になるの そうよね助けて貰ってお礼も言っていないし・・」
「・・・・」
「今度改めてお礼を言いに行こうね
  今夜はパパとお客様と皆であのお爺さんの事を祈ろうね」
「ハイッ」
「遠き山へ陽は落ちて 天の星は煌煌と・・・・*」
二人で唄い出す
近くの里の灯りがポツポツと点き始める


B翌夕の番小屋
小椅子に背中を丸めて座る老人
「おーいっトメチコバ爺さん居るか・・・茸を少し分けてくれよ」
「・・・・」
「なーんだ此れっぽっちか まあいいや 此れ貰ってくぜ」
「・・全部持って行くのか」
「いいじゃねぇか 今 街より偉いさんが来てんでぇ 土産に渡せば ひっひっ
・・・でぇ丈夫でぇ俺の友達でぇ 何でぇ其の目は嘘じゃねぇぞ ・・・やっ山の
茸は全部人民の物でぇ それを爺さんが黙って盗ってるって 偉いさんへ
おそれ乍らと 訴えてもいいんだぜ どうせこんな所で
水車番やってる奴でぇ すねに傷があるに違げぇねぇ」
「・・・・」
「・・ざまぁないぜ・・・お前をわざわざ見張ってやってるんでぇ
・・・何でぇこんないいもん持ちやがって
・・・何でぇ彫ってある名前違うじゃねえか へへっ帰りの駄賃に貰ってくぜ」
「・・・・」
「じゃぁな パタンッ」
「・・・・」
継接ぎの机上の壊れたラジオ
その横に自ら彫った小さきマリア像
ひざまづき十字を切る老人
「既に我が胸はいわおと成り 誰も恨む事はありません
  私が至らなかったからです ・・今日の糧を感謝致します アーメン」
「・・フゥーッ」
「出ておいで ディナーだよ」
スプリングのないベッドの下から出て来た大部 毛が抜けた山 最後の
大山猫とパンの耳を小屋の周りに茂る野草を乾燥させて入れた茶でゆっくり
噛み締める様な食事
薄い扉を開け放す
目前にはハゲ山
その上の満天にホウキ星が流れる
「・・・・」
「フゥーッ」
「おいで」
大山猫を撫で乍ら唄い出す
「やみにひかる ともしびは いまは ほのお きえゆきて
  ねむれ ねむれ やすらかに さそう ごとき せいじゃくは
まもる みてに いこいあり とこしえの きぼう あふれる ゆめをみん*」


C其の翌日
朝からの濃霧
「ハァハァハァ ドンドンドンッ アローッ 居ませんか・・・・ガチャッ」
「居ない・・逃げたか 外は・・」
「・・見えない」
近くの山を探し回る2人
「あそこに人影が・・ハァハァ」
駆ける2人 大声で叫ぶ
「アロー トメチコバさんですか・・ハァハァ」
「・・・・」
「それは・・」
茸を摘んだ手篭の老人
「これは盗んだ物ではない 私が胞子を播いていたものだ
  ・・そして今日の糧となる・・」
「・・・・私が持ちます」
「ハァハァ ・・私はスメタナ久方ぶりに里へプラハより
戻った者ですが ハァハァ先日娘を助けて頂いたそうで 有難うご座います」
「・・・・」
「お礼は後程ゆっくりと・・所でこのパイプは貴方の物ですか」
うなずく老人
「トメチコバさんの本名をお聞かせ願えないでしょうか」
「・・・・」
「いぇ 不信に思われなくても結構です これはアレハンドロと言う男が
いやに馴れ馴れしく私への挨拶代わりにと茸と一緒に持参したものですが
何と彫られた名を見て驚きました ・・ご存知ですか独裁国家人民評議会は
瓦解しました」
「始めまして私は偶々休暇でスメタナの家へ滞在中の真の民主主義
国家準備会のハベルと申します 男からは色々と話を聞き出し・・
貴方への度重なる無礼は国家への大罪 ・・村の巡回警官へ
じっくり時間を掛けてリサイクルすべしと
塵扱いとして引き渡しておきました」
「我々は決して貴方を忘れていた訳ではありません
幾つかの外国の王室や大統領府それに国際人権団体からも問い合わせが
出ていたのですが生死の確認すら出来ない状態だったのですお許し下さい」
「・・・・」
「閣下 大変遅れましたがプラハの春にやっと花が咲きました
今やロシアンも我々の味方です」
目頭を押さえる2人
「閣下 長い間のご苦労・・うっ・・プラハの春は世界を包み始めました
世界が待っております新政権の初代大統領としての閣下を」
「本当に長き・・・・お察し致します」
「ふっ・・生きていればこそ  あっ・・なに 一夜の如き事だ・・」
霧が晴れ真上に太陽が現れる
一面若草に覆われているハゲ山


一句:国と民 分けねばならぬ 独裁地
一句:国と民 分けてはならぬ 立憲邦
一句:国と民 山の恵みに 憂いあり
一首:サラエボに ようよう咲きて 墓参り 西暦二千 ドナウつながり
一首:名と実態 全部詭弁の ミスマッチ 与党に在りて 何を欲す
一首:愚か者 国家国民 分けてみよ 高天ヶ原も 驚くが如く

後書:一人を救う者世界を救うとの古き良き諺の者在り 総ての一人集いし家
庭は国家に在りて世界をなす されど世界にはプラハの春の結末を知らさ
れぬ者 又は洗脳偏向教育されし者 未だ少なからず・・この物語の主人公は
世界の賢き人等に静かに支持された非共産"ドプチェフ効果"其の人である
其の後 首相に復権 自動車事故・・アレキサンダー ドプチェク氏に合掌
('00/10記)

*ドボルザーク"新世界より"「遠き山に陽は落ちて・・」より
#非共産:社会主義(共産主義と類似異語 民主化された社会主義とは
独裁者の刹那的主義)でなく自由資本主義や社民主義(自由資本主義の
一形態)の事
*スラングで何処に現れるか解らないストライキの意味を持つ山猫は欧州の
  野生から消滅 其の後ロシアの動物園に生き延びていた大山猫がチェコの
山野に放たれたのは神のみぞ知る縁である
 








,,,, 解毒 ````(附録付再掲載版)

紫煙を燻らせ乍ら眼光は雲の流れを追う老人
「トンットンッ 教授入ります・・御無沙汰しております」
「うっ ・・よう来た こんな遠く迄 大人に成ったな君 白髪がだいぶ見え始めて
いるよ 此れで間違えなく大人の仲間入りだ」
「はいっ ははははははっはっ」
「書生の頃は眩しいばかりの尻の蒼い青年だったのにな」
「教授は余りお変りにに成っていません」
「老人を慰めてくれるな片足を棺桶に入れている身だよ」
「・・・・」
「処で今日は何を聞きたいのかな 前回は確か外地勤務の事だったな」
「あの頃の父の本当の任務を・・」
「・・公式には君の父君には外地勤務はないのだが」
「・・・・」

お茶を持って入ろうとする寮母 其の場の雰囲気に黙って下がる
「・・戦後も貧乏籤を引いとった様だな ・・戦後 戦争に負けると思っていたと
言う者達がぞろぞろ出てきたが そんな事はない 殆どの者達は勝てぬまでも
負け戦に成るとは思わなんだ 斯く言う私もそうだった 負けると思っていたと
戦後思い込んでしまった人達が言訳風に創作した幾つも在る戦後秘話の例
だったな・・まっそれは唯唯として・・内地に戻られてからの再入営は無い筈
だったのだが あの頃の時局と言う潮流で・・だが君の父君は流石だったよ
終戦の近づきを本当に感じ取っていた人だから共同経営を人に任せ内地
勤務で済む様にと熊本の本営へ学卒の兵卒入隊をし時の過ぎるのを
じっと待つ事にしたのだろう しかし独語を使えるのは本営と言えど地方の
陸軍さんでは少なく軍医位のもんだから入営と同時に特別情報士官候補兵
として終戦迄の何週間かやっとった様だ まあ通信隊特別室の顧問の様な
もんだったろう お陰で君の母親と違ってピカに直接遭わずにすんだのだ」
「要領が良かったのですね・・子として複雑な気持です」
「何を言うか あの時海軍に将校として戻っておれば今の君は存在しないかも
知れないのだよ 当時家の男は君の父君一人だったからな 後に残る者が
おればこその特攻なのだ 大村基地では特殊潜航艇や人間魚雷の改良
試験をやっとったんだよ 終りを悟った非職業軍人には勝ち目の無い戦に
身命を捧げる事も戦後の為に能力を残す事も選択肢の一つだった・・・・
そう言う人達が戦後の経済発展を支えたのかも知れない・・」
「・・・・」
「親を 親をそう言うもんじゃない」
「・・済みません・・」
「まあいい ・・海軍時代の任務か・・もし将来君の父君や私達を非難中傷する
事があるならば 私達は出来る限りの努力をしたと伝えて下さい」
「・・」
「モルヒネ 分かりますね」
「はい 末期的病状や大怪我人の激痛を鎮める特別鎮痛薬の事ですね
最近の記録映画風のドラマ等では夜間局地戦の航空乗務員が使用した
緊急覚醒用のヒロポンと鎮痛剤のモルヒネをごちゃ混ぜに表現していたので
一寸危ないなと感じていた所です」
「・・じゃー話は早い 今ではほぼ世界的に研究用等其の原料となる阿片は
厳しい国際基準の国監理の下 生産をしているのだが当時は戦域の広がり
と共にモルヒネの量産が間に合わなくて原料を直接アジア等各国へも輸出
しとったのだ日本は戦後も続いとった外国紙幣の印刷にしても監理がよくて
軍の輸送と監視も恐れと同時に信用もあったんだよ」
「信用も」

窓を閉ざす車椅子の老人
「そう信用もだ軍は総じて純粋に生真面目な者達で構成されていたからね
だから阿片も不祥事が起きるとは誰も思っていなかったのだが・・或娼館で
ヘロインが見つかったのだ 誰かが阿片をヘロインに精製して密売していた
疑いが出て来たのだ・・無論日本軍が戦域を拡大する以前から彼の地では
幾つかの軍閥がヘロインを生産しておった事を我々は掴んでいたが或いは
その残量の可能性も考えられたのだが万が一もあって・・」
「しかしそれは日本が阿片を堂々と小売りしていたのでは・・昔何かの本に
載っていたのかTVで見たのかここの片隅に記憶が残っています」
「確かにマスメディアを通しては生真面目な者程単純に刷込まれてしまうな
色々な者達が色々な所に紛れ込んでいる 困ったものだ ・・小売の阿片を
少し溜めた位では大量の人間を即廃人にするヘロインを作る事は出来ない
誰かが組織的に横流ししとった可能性もあったのだ それから小売の事だが
当時末期患者等の為に公益質屋・両替商等の窓口を特別代用薬局として
医者の処方箋等を提示して貰っての販売だったな あの頃は麻薬中毒の
緩和の方法としても激痛止めとしても漢方薬としての阿片が一般的で・・・
勿論現代は一吸の阿片でも覚醒剤でも類事物も総て重罪だ」
「では何故モルヒネを現地の病院へ売らなかったのですか」
「君はあの頃を知らないからね モルヒネの生産は遅く使用する病院も
医者も絶対的に不足しとったんだよ 此れは戦争がなかったとしても同じ
だったろう 皮肉な事に進出先では軍医や看護兵達が防疫の為と言っては
現地の人々の病気や怪我を診とった位だ 結果論から言えば懐柔策として
占領地政策に繋がったがね ・・だから一番リスクの少ない原料阿片のまま
各国へ民間療法薬や漢方薬として送っとったんだ その産地へは一昔前迄
入境出来なかったのを知っているかね 以前はコーリャンもやっとこさの
内陸寒冷地で未開放と言う名の非占領地等など彼等は色々な事を言って
おった様だが黄金の三角地を上回る芥子畑が面々と広がっていた様だな・・
終戦以前日本政府の公僕が阿片で一儲け企んでいた如き風潮を撒き散ら
す工作ぎみの話はグロだ誰かが思わせている様な阿片での利益は上がら
なかったんだ 此れでは知識の少ない子供達等は真に受けてしまう・・はぁ」
「それじゃ」
「そうだ父君の海軍時代の主な任務の一つは紛失武器の調査とヘロイン渦
の実態を掴む事だった」
「全く予想も出来ませんでした」
「そりゃそうだよ こんな事は終戦と共に胸に納めて君の父君と同じ様に
多くが報いを求めなく そして報われる事も無く墓の中へ持って行った・・・・」
「何故ですか」
「それは横流した協力者がいたと思われていた事・・例え何に人だろうと
彼等は陸軍や陸戦隊の軍属又は民間人にしても日本軍の指揮下いた者達
総ては引き揚げ前や其の後も現地に残った意思有る人達に悪く影響が及ぶ
かも知れないとの虞があったからだ・・・戦争に負けるとはそう言う事だ」
「・・・・」
「外国から来た犯罪者や協力工作員達が何でも日本が悪い原因等と
詭弁を弄している様だが 戦時下の事一方が総て悪で総て善と言うのは
有り得ない事だよ ・・手足に使った下働きの内提協力人・情報提供者
の中には其の後反対側の協力者に成った者もいた ・・そんなものだ」
「・・・・・・・・はいっ未熟でした 申し訳有りません」

ホーム中に電灯が灯る
「・・それから君に言っておきたい事が有る ・・君に人より少しばかり星を読む
能力が有るとすれば それはピカが原因ではないと思うよ 勿論魔法でもない
それは御先祖様よりの頂きものと心得なさい ・・そしてもっと昔の事を
知りたければ今世界の何処かで紛争や非人道の為に涙を流し悲しみに
命を落としてゆく人々の事を先に考えるべきではないか 無論報いを期待
してはいけない それが君の妹や父君の供養に・・不遇のうちに早だちした
人達への鎮魂に成るのじゃないか ・・それが君の運命だと思う・・・・」
「・・・・」
「・・うーっうっ・・薬の時間だな・・私の身体ではそろそろ鬼籍に入らねば
ならないだろう覚悟は出来ているのだが ・・若い君と仲間達の魔法の如き
磨きに期待している 草葉の陰で報告を待つとする・・か・・そういう事です」
「・・来た甲斐がありました・・何か胸の痞えが降りた様な気がします
有難う御座います ・・それから私にもし跡取りが出来ましたなら
ピカ三世と思う事は決して致しません 子供には新たな世紀に生きると
そんな名をつけたいと思います」


一句:残雪も いつかは解ける 世の常の


追記:現在其処は面々と続く麦畑に変るも芥子畑は只何処かへ移動した
だけと言われる芥子の種と目的の為なら手段を選ばずの主義工作の種は
世界に拡散し不幸の種として未だ消えぬ


一句:曼珠沙華 一筋悲し 露落ちぬ
一句:今様は 祭り事には 寒椿

後書:大人も小人も不愉快の後の親切や戸惑の時の甘い言葉に弱いもの
忘れた頃の誘惑に気を付けるべし ・・我の敵は我が胸に棲まい候
附録:「身ごもりて目に入るもののあたらしき名もなき草の金のさざ波」を
一松流に解釈・・未だ名も考え及ばぬこのお腹の子があの(稲)穂の様に
実って下さいと気持ちも揺れながら心新たに祈る妊婦の心情を原の情景に
写した和歌の奥深さ思いやりを見た ・・一寸の虫にも五分の魂と気概を
言うが如く路傍の草にも名は有る 人の数だけ人生が在り 一束にして
軽んじてはいけないと たしなめた逸話の「名もなき」とは同名異語
詠んだ歌の感動も其の後少しずつ作者本人も気付かぬ内に変化するもの
解釈も人の数だけ変化在り ('01/1記)





踊るアメイジンググレイス  
( 再掲載 )
@「ルルルルッルルルルッ・・カチャ はいっ・・あら如何したの」
「(ねえっお母さん夏物の着物の襟首に沢山 汗かいちゃったん
だけど やっぱりクリーニング行きかな)」
「うーんっどの着物・・浴衣ぁ・・浴衣ぐらい自分で洗いなさいよ
洗濯機ヘ入れて・・干して・・アイロン掛けて・・以上」
「(着付けの本を読んでも中々畳み方が判らないの如何し様)」
「アナタたら・・左右の襟を合わせ・・違うわよ襟首は向って右に
裾は左・・そう・・そして襟首の中心を軸に右の袖に左の袖を・・
違うわよ・・もう近くのクリーニングヘ出しなさい畳まれて戻って
来るから・・料金・・浴衣は長襦袢を外でも着られる様に進化させた
着物なのね だから大した金額には成らないわよ」
「(へぇー知らなかったわ)」
「ああ恥かしい嫁ぐ前にイロハは教えたつもりですがねっ浴衣は
高貴な方の湯上りに身体を一瞬の内に拭くバスタオル
の様な物だったの其れが湯上りの後も着る絹の長襦袢の柄と
麻の一重かたびらの形が合さって現代の浴衣に成ったのね・・
ふーっ・・だから夏用の着物とは少し違うのね」
「(えーっ夏用の着物と浴衣は違うの)」
「うーんっ違うと云えば違うし皆んな一緒と云えば一緒ねっ
例えば浴衣用の半帯に帯締を結ぶと立派な夏の着物同然よっ
強いて・・浴衣と夏着物の分り易い違いは半襦袢を使う使わな
い よりも帯後ろの団扇と胸元の扇子のどちらが似合うか かな」
「(じゃ私の夏用の着物は浴衣だけ)」
「其れで良いのよ・・洗濯機で丸洗い出来る正絹が有ればねっ
少しは着物も気軽になるのだろうけど近くのクリーニング
ヘ高い料金でやって貰うか遠くの呉服屋ヘ廉価で頼むか・・」
「(留袖をと迄言わないから ほら良いの持ってたわね お母さん)」
「夏用小紋ねっ薄絹の羽織の紋付と合せが とても良いのよねっ」

A丁度木陰の時間帯に風通しが良い縁側で客と話す お母さん
すだれの向こうの奥の部屋では一人碁盤に向う隠居主人
「済みません奥さんならレンタル店を御紹介願えるかと思って
伺ったのに奥さんの大切なものを お借りする事に成って」
「良いのよ偶々家の紋が丸に桐の紋で之なら女紋として一般的
だし貴女の御主人の家紋と違っても何も問題はないわ」
「知りませんでした・・折角ですから其の女紋の事を
御聞かせ願えますか・・御願いします」
「そうですか何か偉そうに話すみたいで気がひけるわ」
「・・・・」
「では・・女紋の基本は丸に花鳥風月なら何でも良い筈よ何も
嫁ぎ先の家紋でなくとも・・実家の紋が花鳥風月以外なら急な
婚姻に備え女紋を娘と母が決めて あつらえていたものよ嫁ぎ
先では其れを使ったり先方より頂く時は其れと合わせて使うの
しかし若し婚約が整った段階で紋付を あつらえる ゆとりが
有る場合は先方の家紋を染めるのです万が一 事情で先方の紋
が不明なら女紋を其のまま嫁ぎ先の家紋にしても・・この紋で
何の問題もないのよ」
「成る程 有難う御座います・・色々と御気を使わせまして・・」
「気にせずにねっ」
「・・でも取れない染みでもつけたら」
「其の時は其の時で この着物の人生よ」
「着物の人生・・」
奥の部屋からアメイジンググレイスの替歌が聴こえて来る
「♪衣は着ているから精を受ける 衣紋掛に掛けている間はぁ
どんな立派な着物も所詮芸術の域には達しない心有る者がぁ
着るから道が生まれ美の花が咲く箪笥の肥しじゃ枯れるだけ
ええい羽織って見様かい出て見ようかいサラバ衣紋竹右衛門♪」

B後日の縁側での母娘 主人と他の子供達は出掛けて不在
「まだまだ暑いわね こんな日は袖がチャックか何かで取り外し
可能な浴衣でも有れば・・クーラーだって設定温度でスイッチが
入ったり切れたりする時代に・・付けたり外したりは無理かな」
「そうね お母さんは進んでいるわ それ面白い」
「いえ現代浴衣の以前は袖なし かたびらって有ったのよ」
「ふーんっじゃ昔の方が進んでいたのかもね」
「そうよ お父さんが言っていたでしょう『自分は先祖代々の
九州の出だから大和民族と言うより もしかして熊襲民族の出
の可能性が高いってねっそして熊襲が大和の着物を着るのなら
アイヌにも沖縄にも和服は日本の標準的民族衣装』だって
もっとも お父さんと初めて出合いはモンペだったのね其の時
お父さんたら話す事が見付らないものだから『藍染めの綺麗な
上下モンペですね其れは元々アイヌの分厚い装束の内側に着る
物から発展したと聞いた事が有ります とてもモンペか似合い
ます・・』だって皆が軍服・国民服の時代に着流しで来たのよ・・」
「格好良いわ・・お父さんも着物も進んでいたのね」
「何処へ行く時も軍隊の時も海外へも和服は持って行ったのよ」
「・・だから お母さん私もウチの人の目を引きつける着物で
綺麗な着物姿の私の愛の矢をウチの人のハートに突き刺すの
着物の魔法パワーで女房をもう1度 口説きたい何て思わせたい
の・・最近あの人帰りが遅くて・・」
「こんな不況に帰りが遅い何て贅沢ですね・・アナタの育て方を
私達は間違ったのかしら其れに美しさと言うのは内なる身なり
表情とも物腰とも言うのよ にじみ出る人格が服と相まって
人は美しくも醜くも成るのよ・・唄にも有るでしょうボロは
着てても心は錦と・・自戒気味にボロと言っても日々キチンと
手入れしていれば気持ちもスッキリ着こなしのセンスも有り
いわゆる格好も良いのですよっ」
遠くから下駄の響く音が聴こえて来る

Cドアの外から主人の声「うーいっ帰ったぞぉー」
「お父さん相変らずチャイムを鳴らさないのね」
「そう電気の無駄使いだって今じゃ家中の電球も蛍光灯球よ
取換えには高くついたけど結局 省エネに貢献ね」
「ガラガラッガラッ・・おーいっ雑巾」
「はいっお帰りなさい」
「おーっ来てたのか」
「お父さん相変らず下駄なの」
「うーっ」
「貴方お帰りなさい」
「うーっ」と言い「ユックリして行け」とも言い乍 奥に引込む主人
「お母さん留袖代わりに あの小紋と羽織 絶対に欲・し・いっ」
「別のにしなさい アナタは未だ1人でキチンと太鼓帯も結べ
ないのに ああっあれが良いわ昔アナタに買って上げた結び帯
なら別に夏冬こだわらず兼用出来るし あれに合うアンサンブル
が有るから其れ持って行きなさいよ・・其れと今日の様な夕立が
来そうな日は日傘と雨傘が兼用に成っている物が有るから 其れも上げる」
「あれが欲しかったのに生前の形見分けで貰っとこうと
思っていたのに」
奥から主人が出て来る「絹子 母さんの浴衣 貰って着ているの
だから早く帰るのが勿体無いだろう一寸は街中を歩いて・・折角
だから婿さんの会社の近くででも待ち合せてみなさい・・」
「おっお父さんグッドアイデア・・ウチの人に電話して見よう」
「一寸 待って私からも言い残した事が有りますアナタが欲しが
っている あれは知合いに この間貸したの貸したものは何時か
戻って来るだろうが何時 戻って来るか分らない特に今は現実
には大不況の真只中ですからね・・故あって着物を借りて行っ
たのよ返すにしても専門の洗濯へ出してからでないと返しづら
いだろう・・が・・故あって着物を借りて行ったのですよ其処の処
よく分って上げてクリーニング代が安ければ あのての着物も
買い易いでしようが」
「・・・・」
「着物を貸すと言うのは催促なしの何時でも良いと お金を貸す
のと同じなのイズレ戻って来るでしょうが其の時は持って お行
き さて さっき言っていた生前の形見分けですが私達のスネは
削られ過ぎて寿命が縮まって いないかしらねぇ貴方」
「うーっ」
「此処の所の肉やら骨やら・・普通 日本人の骨は細いのよ」
「・・ぐっ」


一首:野良仕事 写真一枚 世を照らす 腰巻もんぺ千代田の畑
一句:くうどうか きものきらいも くうぞうか
一首:今昔 竹の子暮らし 知る知らぬ アメイジングな鼻歌唸り
一句:かじられる すねの痛みを しらぬ子へ

衣紋竹(えもんだけ):竹製の少し長めの着物専用の衣紋掛
後書:掲示板に11本書き込んでいた着物今昔の実体を戯曲に重ねた
ものをストック原稿として御承知の通り幾分遅れ気味に掲載す
('05/12更新)
余興20:南北米インディアン即ち南北ネイティブアメリカンと
日本の着物の基本様式は同じで有る 細長い布 又は なめし革を
首が入る穴を中心に前後に折り左右で留める様式でポンチョ様式の
別名有それに対し他の国の様式は身体に ぐるりと巻く様式か後ろの
布に左右から前に閉じる様式が有 和服も前方で開閉する形に進化す
も生地のカットは古よりの伝統的基本を少しも違わざるものなり
(この余興は掲示板着物12本目として掲載済み)




路地裏の魔女J照り映ゆ  
( 再掲載 )
@男は元交通警官 今は年金で女房と二人悠々と暮している
余り出世はしなかったが真面目実直でコチコチに堅い役人の
鏡の如きで 偶にではあるが自分の退官時の位よりずっと出世した
現役の後輩達がピーチク雀の煩わしさがなければ狭い乍らも
住めなくはない公営住宅の一室に尋ねて来る
仏壇の前の後輩「御子息が生きておられれば・・・・南無阿弥・・・・チーンッ」
「・・女房は優しいだけでは駄目だったと・・そう育てた事を・・今は
悔やんでいる・・・・それが今の女房の姿だ」
「・・子育てを全部 女房に託してしまいがちな我々警官全体に
言えますな・・身につまされます・・」
「今となっては それも言い訳がましい」
「・・・・」
「・・・・」
「処で例の連中らしき者達のウワサ話なんですが・・・・」

A雨上がりの蒸暑い昼下がり男が丘の上から遠くを見下ろしている
そこへ海岸通りを猛スピードで進んでいた大型の車高短車が
近くの漁港へ向かう軽トラックをS字カーブで無茶な追い越しを
かけたかと思うと路上の半乾きの砂にハンドルを取られ
突然「ガシャーンッ」とガードレールを押し越えて海中へ真っ逆さまに
落ちて行く「ズッアッバーンッ」・・男は直ぐに跨いでいたサイドカーを
進め近くの公衆電話から119番通報して そのまま海岸へ向かい
下着だけの姿になり海へ飛び込む・・車内の中年と思しき5人を
必死に車外へ引き出し陸へ上げ程なく駆けつけた広域消防組合の分署
の救急車と簡易ポンプを外した消防汎用トラックの荷台に乗せる・・
中年の5人は全員片腕に火傷の痕と各自の鼻に小さな傷痕があったのを
救助に懸命だった男は其れに最後まで気付かなかった

B20年前 男が未だ中年と言われていた頃
  男の一人息子はガールフレンドと初めてのデートで海岸通りを
のんびりツーリングで向かう風を楽しんでいた時・・
金髪染めで各自の腕に同じ唐獅子模様のタトゥ 鼻にはピアスの
暴走族に囲まれ恐喝に抵抗すると・・落ち度の無い二人へ無理に
追い抜いたと言いがかりを付けての強弁強盗に凶乱したのである
鉄パイプで致命傷につながる大怪我をさせるまでメッタ打ちにし
二人のポケットから財布を抜き取り逃げる暴走族・・
警察に通報が有った時は既に非常線は無意味になっていた・・

C時には子供に正々堂々と踏ん張り ひるむな逃げるなと教えたが
卑怯な つるむ連中に対しては緊急の一時的避難の方法もあると
話しておくべきだったかと最近一人心の中で悔やんだりする男・・
男は今日も女房とサイドカーに子供の位牌と乗り 凶悪る族を追っては
めぼしい所を旅して回っていた・・
夕方其の漁港近くの路地裏の食堂 男が手洗いから戻ると女房がいない
とっさに表の海岸通りに出ると食堂の女将と二人・・近くの軽トラック
の横に立っている漁師の若女房なのだろうか手を振っている・・
其の先に出漁して行く小型漁船・・を見つめている
二人の側に寄り男が深々と頭を下げると女将は会釈を返し定食と
サンド・ウィッチと染め抜かれた のれんの内に戻って行く
男は女房に気遣い乍ら店の外に出ていた食堂の亭主に食事の代金を
払おうとすると 今日だけはお代は要らないと言い 其の上 干物の
お土産まで持ってゆけと言う ・・まるで何年ぶりに都会から帰って
来た屈託のない親戚に接するが如きである 小さな村である今日の
5人の死亡事故は村中の知るところとなり 病弱な女房と二人旅路の
男の話は誰でも自分の事の様に分っている・・
丁寧に礼を言ってはサイドカーに乗る二人
「・・母さん もうすぐ あれの命日だったね・・旅は未だ未だ続くし・・
近くの古寺の御住職を紹介してもらったよ 供養に立ち寄るとするか
・・ねっ母さん・・・・・・・・ブルンッ・・ドドドドッ・・・・」
痴呆が始まって以来何時も緊張ぎみだった側車の女房は位牌を手に
総てを悟っているかの如く・・黄昏時の海面からの反射光を受けた
ヘルメットの下・・村の診療所の女房がつけてくれたルージュの淡い
色の口を一文字の顔が何時までも照り映えて美しい



一句:海女が笛 眩しき照りに おとすれど


後書:万人平等の外れなしの一代のみの罰当るを
一松流「モーメントの因果応報」と言う
尚 この項 体不調と草稿漏洩に辛く戸惑い乍らの仕上げ推敲となる
されど遠方の善良達の声援に支えられて路地裏の魔女シリーズを
再開す                       ('04/1更新)


番外:何時迄続けるか もう沢山な紛れ込みの経済工作人達 強弁が
駄目なら詭弁とな・・紛れ込みの策士は相手に取り込ませると思わせ
実は気が付いたら乗っ取られていた等・・普通の人は知らぬ顔して
お見通し

狂歌汎声:誰の知恵 亜細亜の為に? 空洞化 万病の友 経済ハクション
一句:人生の 収支決めるは 誰あらん




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