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もくじ アイロンプリントとは アイロンプリント・クラフト
’01後記 ’02後記 ’03後記 ’04後記 ’05後記 ’06後記 ’07後記 ’08後記
布にデジタルプリントする方法
●アイロンプリントの種類 >>
●アイロンプリントの耐候性 >>
●一般向けアイロンプリントの特徴 >>
●顔料系インクジェットプリンター >>
●大きな布にプリントする >>
●小さな布にプリントする >>
●進化するアイロンプリント >>
●デジタルな画材たち >>
●ピエゾグラフ(PiezoGraph) >>
●デジタルD・PRINT >>
●大型インクジェットプリンター ≫ new!
アイロンプリントは、熱で布に画像を転写させる技術である。現在ではかなりの種類と方法がある。使用するプリンターによって大別すれば、「一般用と業務用」「染料系と顔料系」に分けることができる。それぞれに使用できるアイロンプリント紙や布の種類や仕上がりの感じが違う。
「一般用と業務用」これは使用するプリンターの違いである。一般用のアイロンプリント紙は、Tシャツにイラストや写真をプリントするために開発販売されているので、一般用に普及しているプリンターに対応している。一般家庭に普及しているプリンターやコピー機には、必ず対応するアイロンプリント紙がある。特徴はA3サイズまでしかないということ、家庭用のアイロンで簡単に熱転写できるということだろう。業務用は、大きな布にデジタル出力するために特殊に開発されている。大型のプリンターや熱や圧力を加える特殊な大型の機材や特別なシステムが必要だ。その代行プリント扱う業者は多社存在する。データを持ち込めば、細かく対応してくれる。特徴は、各社がシステムを独自に開発しているため代行プリントであることと、かなり大きな布にまで出力できることである。
「染料系と顔料系」これは使用するインクの違いである。使用するインクによって使用できるアイロンプリント紙が異なる。染料系は主に家庭で普及している「インクジェット」などがそれにあたる。特徴は、一般に普及しており手に入りやすいこと。樹脂性の皮膜をつくり熱と圧力で貼り付けるタイプということ。主に綿などに対応している。顔料系は、大きな布に出力する業務用の多くがそうである。一般用には「コピー機(トナーを使用し油性)」に対応するアイロンプリント紙は顔料系である。特徴は、主にポリエステルなど化学繊維に対応し、布に捺染したり浸透させるため、染色したような仕上がりになることだ。
<アイロンプリント紙の種類と対応状況 概要>
一般普及プリンター
(A3サイズまで)業務用大型プリンター
(150cm×5m以上可)プリンター
種類インクジェットプリンター コピー機
レーザープリンター特殊プリンター アイロンプリント種類 熱溶融性樹脂コーティングやフィルム 熱溶融性樹脂コーティングやフィルム 捺染・浸透 染料系インク ◎ △ △ 顔料系インク ○ △ ◎ 化学繊維 △ ◎ポリエステルなど ◎ポリエステルなど 自然素材 ◎綿・綿混紡 ○ × 仕上がり ◎透明・◎不透明 ◎透明・△不透明 染色した感じ 布の色 ◎白・◎色(全色可) ◎白・○色(可能) ◎白のみ・×色
◎対応している・ある ○ある △一部対応 ×対応していない・ない
耐候性・耐色性は、顔料系のインクの方がある。顔料系インクは、あるメーカーのデータでは80年ともいわれている。染料系のインクは、そこまであるとはとても言えないが、アイロンプリントは染料系でもTシャツなどに使用するには充分な耐候性がある。では、私のように作品にするにはどうか。もともと退色には強い光や温度の他にオゾンが関連しているので、染料・顔料を使うあらゆるものと条件は同じであろう。しかし一般用のアイロンプリントは、樹脂にインクを閉じ込めたり、樹脂の皮膜を作ったりして色を定着させているうえ、洗うという強度条件を前提に研究開発されている。また業務用は布に浸透させ屋外での使用にも耐えるように開発されている。はっきり言える事は、普通に紙に印刷されたものよりかなりあるはずということだ。アイロンプリントの場合、実際どのくらい持つか何十年というサイクルのデータはない。新素材ゆえだ。メーカーさんは、作品については責任持てないと言うだろう。いつ退色が始まるのか、はがれがくるのか、私の作品がデータとなるだろう。私は期待を持っている。一般用に顔料系インクのインクジェットのプリンターが徐々に開発・販売されている。プリンターの向上と共にアイロンプリントの多様性も高まるだろう。プリンターとインクとアイロンプリント紙の更なる向上を期待したい。
一般に普及しているアイロンプリント紙は、染料系インクのインクジェット対応が多い。取り扱いが非常に簡単で、きれいにプリントできるのが特徴だ。数年前までは、簡単なようで失敗もしやすく難しかったと思うが、最近は各社とも研究開発しており、新しいアイロンプリント紙は、まず失敗しないだろう。Tシャツなどに使用する場合は、充分な耐候性もある。
大きく2つの種類がある。透明タイプと不透明タイプである。透明タイプは、白い布に限定される。艶があり、布目が見えて透明感がある。画像を反転させて印刷する。不透明タイプは、布の色を選ばない。マットな感じで、画像がくっきりする。画像を反転させないで印刷する。どちらも熱溶融性樹脂コーティングやフィルムで、綿や綿混紡に高温でアイロンする。最近はポリエステル・ナイロンなどに中温でプリントできるものも出てきている(クイックアート) (サンワサプライ)。
着用など使用目的の場合は、一度余分なインクを洗う。その後は色落ちも少なく数十回の洗濯にも耐え、かなりの堅牢性がある。もしハガレやウキが見られたら、付属の仕上げ紙かキッチン用のクッキングシートの上からアイロンし直すと再接着できる。
最近出回るようになった、顔料系インクジェットプリンターとアイロンプリント紙について書いておこう。一般向け顔料系インクジェットプリンターが販売されるようになった。対応するアイロンプリント紙は、プリンターメーカー、アイロンプリント紙メーカー共、開発研究し販売して対応している。顔料系といっても業務用の大型プリンターのような染色した感じではなく、A3サイズまでで、貼り付けるタイプである。透明・不透明ともある。顔料系インクは、退色に強いが、乾きが遅く、また熱で色が変化する性質がある。アイロンプリント紙への印刷には注意が必要だ。白(あるいは透明)は熱転写後特に黄色っぽく変色される。プリンターの設定をカスタムに変更する事が必要だろう。まだ発展途上だが期待したい。(2004.2.27記)
私は複数の画像を組み合わせて一つの画面を構成するという制作方法をとっている。
一般に普及しているプリンターで制作しているため、手に入るアイロンプリント紙もA3サイズまでだ。それでもいろいろな種類のアイロンプリント紙が販売されており、いろいろ展開できて面白い。しかし、一つの画像を大きな布に大きくプリントすることもできる。業務用の大型のプリンターが必要なのだが、大きくプリントする方法について、概要を紹介しておきたいと思う。
布にプリントするためのプリンターは、企業向けに多種開発・販売されている。大きく引き伸ばされた写真やポスター・垂れ幕や横断幕などをよく目にするが、大きなプリンターで製作しているのである。TV用の一過性の衣装などにもよく目にするようになった。製図ごとプリントすれば、斬新な衣装もスピード製作できる。最近スポーツ観戦用にオリジナルの個人用ゲートフラッグなども目にするようになった。企業レベルから個人レベルでの使用に発展していると言える。
CGなどを布に出力する事は、今後も需要は多いだろう。例えばCG作家の方が、個展など作品発表する時には、モニターだけでなく、大きな紙や布にプリントする事も多くなるだろう。どういう風に見せるかを考えた時、一つの選択肢になる。布の風合いも魅力だ。切ったり縫ったり加工ができ、平面以外の展開も可能である。
個人で大きくプリントする時は、現在でも出力センターなどで委託することができる。そういった業者も多社存在している。用紙の開発も盛んで、写真専用紙以外にも画材用紙や和紙の風合いの紙などもある。用紙の種類も多くなってきた。直接布にプリントできるように開発された専用のポリエステル生地やキャンバス地などもある。布の場合は、直接印刷する方法とアイロンプリント紙に印刷したあと熱捺染で布に転写させる方法(「www.ing-jet.net」)とがある。各システムによって違う。インクも顔料、染料とある。
布用の転写紙を使う場合、昇華性で後から熱を加えて定着させる行程があったり、余分なインクを水で洗い流す行程をとる業者もある。データを提出すれば布に印刷から加工まで行ってくれる業者もある。一つの画像をタペストリーにするのは、たやすい事だ。100号サイズで2万円くらいの印刷代である。仕上がりは染色したような美しい発色である。
デジタル画像を大きく布にプリントするのは、今後もテキスタイルの世界だけでなく、デジタル作家たちの需要は増えるだろう。CGを布にプリントして作品にしている作家の方も、あまりいなかった数年前に比べて、最近はぼちぼち見られるようになった。印刷でもマチェールのある表情を持たせられるのが魅力だからだろう。
大型のプリンターやシステムは、各プリント業者が独自に開発していると言っていいだろう。個人で持つには、まだ無理がある。全紙(B0)までの紙出力のプリンターなら100万程度ですむが、それ以上の大きさになるとシステムや目的によって違うのだが、布の場合、プリンターだけでなくアイロンに相当する捺染や浸透させる為の機材も必要なので数百万だろう。850万するのもある。さらに消耗品のインクや用紙、ソフトやメンテナンスなど考慮すれば、維持費は相当なものになるだろう。デジタルの進歩は早い。半年経てば古い機種になる。個人で購入するには躊躇がある。だから、個人で大きく出力したい場合は、どうしても業者委託する必要があるわけだ。業者委託すれば、布に大きく出力する事は、たやすい事だ。
日々改良が加えられており発展途上にあるアイロンプリント。デジタルの世界は、なかなか面白い。(2007.5.31更新)
「Composition・薔薇・記憶」の背景を制作するために、プリント代行を実際に依頼した。デジタルプリントについて細かく調べていたのは、この作品構想があったからだ。Works後記で詳しくは書くつもりだ。メールと宅配のやり取りではあったが、テストプリントも何度も用意されており、細かい希望も伝えられた。発色も良く、満足いく結果が得られたと思う。自分の画像が思ったようにプリントされた特大の布が送られてきた時の喜びは大きいものだった。自分で出来ればもっと楽しいだろうとも思ったが、こういった方法もデジタルならではであろう。感性を表現するのにいろいろなアプローチがあっていいと思う。
(2003.6.22記)
家庭用のインクジェットのプリンターで直接印刷できる布があるので、ご紹介しておこう。「コットンクロス」A4サイズ(サンワサプライ)がそうだ。大きいパソコンショップなどにおいてあるし、通販でも購入できる。プリントした後、普通の布のように切ったり縫ったりできる。手芸に興味のある方は、自分で制作した画像をプリントした小さな作品を作ることができる。
手芸の中に捺染をつかった転写方法や、オリジナルの転写シートを使用するものがある。こういったものは、お教室があってキットがあってというシステムをとっているので、一般には手に入りにくい。いろいろな名前が付いているが、アイロンプリントの一種であろう。画像の彩度を上げなけばならなかったり、濃い色は出せなかったり、繊細なCG画像には不向きである。
手芸の展開はいろいろあると思う。例えば花を直接コピー機の上に乗せ、顔料系のアイロンプリント紙にコピーすると、画像を作れなくても押し花調のリアルな花のアイロンプリントができる。相互リンクしているEriko’Worldに手芸の面白い方法がたくさんあるので参考に。
クレヨンで描いた子供の絵をアイロンプリントしたら、素敵だろう。デジタル画材ではないが、布に直接描いてアイロンをあてると定着するクレヨンがある(Pentel)。16色入りで安価。布に描くのはぴんと張っていないと難しいが、工夫次第で使い道はありそう。アイロンしたあとは、つるつるし少し硬めになる。(2008.9.20更新)
アイロンプリントの技術は、進化している。現在使用されている多くは、染料系のインクで印刷する熱溶融性樹脂コーティングやフィルムで、綿や綿混紡に高温でアイロンする。しかし、顔料系インクを使用したり、ナイロンやポリエステルなど化学繊維に低温で出来るものや、はがせるタイプも出てきた(クイックアート・サンワサプライ)。また、熱を使わず貼り付けたり、特殊な気化液を使用することにより浸透定着させたり、熱溶融定着させて耐久性を高めたものや、布の他に木・皮・ガラス・タイル・漆喰・金属などにも転写することが出来るアイロンプリント紙も出ている(転写工房デカルク)。 布も平らな布でなくても特殊な模様が加工してある布にもプリントは可能になってきた(「www.ing-jet.net」)。 これらのアイロンプリントが、例えば絹など天然素材に対応できつつある。 こういった企業努力が、アイロンプリントの多様性に不可欠であるし、アイロンプリントがアートになる可能性も示唆していると思う。(2005.2.20更新)
伝統や習慣にとらわれず何でも使うと楽しい。そんな愉快な材料を『デジタルな画材たち』と私は呼んでいる。
画像をモニターの外に出す時、プリンターで紙に印刷する。しかしどういった表現をするかを考えた時、何に印刷するか、どう出力するか、とても幅ができたといえる。多様性は可能性に変わる。文具と考えていたものも使用すると面白い。
金箔・銀箔・ホログラム箔もデジタルな画材と考えると面白く展開する(吉田金糸店 スタンピングリーフ)。今までと違った使い方が考えられるだろう。(参照 2005Works後記 ●光の表現)
メタリックなアイロンプリント紙が出た(クイックアート)。私が光彩で考えた銀箔とアイロンプリントの組み合わせと同じ考え方である。向こうも驚くだろうが、こっちも驚いた。面白いことだ。課題はあるだろう。しかし目の付け所は良いし、更に改良され良いものになるだろう。期待したい。アイロンプリントは展開する。デジタルな画材になる。
ラメ入りのアイロンプリントがある(サンワサプライ)。繊細な画像には向かないが、きれいな艶があってワンポイントの部分使いにすると面白い。
(2008.9.20更新)
これはアイロンプリントとは違うのだが、布にデジタルプリントする方法の一つとしてご紹介したい(リンク)。この最新の印刷技術は質感も再生させる。高性能のスキャン技術と非接触のインクジェットを使用する為、布などにも対応できる優れものである。例えば油絵や日本画の細部・質感までも再生する。単純に言えば複製が出来ることになる。アナログが素晴らしくてデジタルがそれを補うものとして考えればそういう使い方もあると思う。が、しかし私は違うと思う。この技術は新しいデジタルの表現方法だ。だとすればこの技法が新しい表現を生み、新しい作品が出現するだろう。どんな作品が出てくるのか楽しみである。
(2005.7.11記)
「何にでもプリントできる夢のプリンターがほしい。」ずっと思っている。これは新しい企業さんが開発したプリントシステムだ(リンク)。平面から脱却するだろう。個人で所有するには、まだまだだろうが、未来はわからないぞと思わせる。デジタルプリントは物凄い速さで進化している。あらゆる素材や凸凹や立体にもダイレクトに印刷できるインクジェットのプリンターがほしい。
(2005.8.4記)
<大型インクジェットプリンター> new!
ちょっと前までは企業用だった大型インクジェットプリンターだが、最近は個人でも使用したり、所有したりする人が増えてきた。それにともない、用紙の種類が格段に増え、紙質だけでなく、クロス(布風)やキャンバス布など、これ様に開発されたマチェールを持った特殊布も増えてきた。CGを布風にでっかく出力してパネルに張ったり、タペストリーにしたりと可能になった。凄い進化のスピードだ。商業的価値であれば、大型ポスターなど制作する印刷のシステムが格段に進化したといえよう。
注目すべきは、最近の美術作品展で、F100号(163センチ×131センチ)以上のCGを絵画として出品しているのが、目につくようになったことだ。以前からぽちぽちは絵画として出品している方もいたが、ごく少数で孤高の戦いであったと思う。現在でも絵画として出品している方は少ない。CGや版画やデザインとして出品したり、デジタル写真として出品したりしている。美術展などでよく観察すると、光沢のある写真画質なものやキャンバス布様のものまで、様々なマチェール表現がみられるようになった。出力の仕方は、この大型インクジェットプリントが主流だ。一枚にプリントしているのも見かけるが、これができるプリンターはまだまだ高い。たいがいは3枚ぐらいに分けて印刷し、上手く接いである。形態は、パネル張りやキャンバス枠張りだ。こういった人たちは、印刷でもアートとして(あるいは絵画として)成立できるかという命題をもって取り組んでいる。凄いことだと私は思う。
こう書いてくると、じゃ、アイロンプリントでなくてもいいんじゃんと思われる方もいると思う。ただ布風に画像をプリントしたいだけなら、アイロンプリントでなく、こっちの方がてっとり早いとも言える。それはそれでいいと思う。大きく出力することができるようになったことが、また新しい発想を生み、新しいアートが生まれる土台になっていると言えるからだ。そして、アートとしての追求は止まらない。より複雑で深みのあるデジタル表現に進化していく。本当の真価はこれからだと思う。
(2008.12.28記)
<おことわり>
私のHPでは、私の独自の観点からアイロンプリントをご紹介しています。私は独特な使用方法と作品コンセプトで制作・使用しているため、メーカーさんが注意事項とされている「これ以外の方法で使用された場合責任は負いかねます」という事項に該当する場合があります。またデジタル技術は進歩が早く、研究開発が盛んです。記載内容は進度にしたがって、ことわりなく修正・変更します。
<ご注意:アイロンプリント紙を古紙回収に混ぜないで>
アイロンプリントは、インクを閉じ込める性質のため、古紙再生のための溶解が難しく、インク洗浄や漂白ができないため、リサイクルできません。焼却処分するゴミとして出して下さい。ご注意下さい。
もくじ アイロンプリントとは アイロンプリント・クラフト
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