AIRBORNE / AIRBORNE
'80年代のメタル最盛期には、超売れっ子プロデューサーとしてその名を馳せたボー・ヒル。一部の女性ヴォーカル・ファンには「あのFionaの旦那」として羨望のまなざしで見られる(?)こともあるこの人が、'70年代末のライトメロウな時期にひっそりとリリースしていたのがこのアルバムだ。本作ではヴォーカルとギター、キーボードを担当しているが、全体的な路線はキーボードを中心とした典型的な産業ロック。音の雰囲気としては、PRISMやNETWORKといったラインと多くの共通点がある。いかにもアメリカのバンドらしく、明朗なメロディが中心で、歌メロにもう少しフックがほしいとは思うが、全体的な完成度はなかなかのもの。全10曲中、4曲が◎(A(4)"Wastin'
My Time"、A(5)"No Exception To The Rule"、B(1)"Soldier
Of Fortune"、B(3)"Life In The City")というのはお見事。特にA(4)は名バラードと呼べる仕上がりで、本作のハイライトと言ってよいと思う。裏ジャケを見ると、ボー・ヒルのルックスは若い頃のダグ・アルドリッジに似たなかなかの男前で、「天は二物を与えたか?」と思ってしまう。ドラムには名セッションマン、マイク・ベアードが参加。これもCD化が待たれる作品の一つだ。 (hatch)
![]()
ALLIANCE / ALLIANCE
2〜3年ほど前に中古LPにはまり出してから、年々その状況は深化(悪化?)するばかり。「100円盤と私」で書いてきたから、今さら言うことでもないけれど、値段が安い上、当たりも多いし、しかも持っていないアルバムも多い…ということで、大量買いの状況が続いてます。聴いてないものが今は120枚くらいあるかな。昔のI.S.Eを見ていたら、純生さんやBitterさんが似たようなことを書かれていたけれど、私は今まさしく、その状況にあると言えるかもしれません。病人の仲間入り?さて前置きが長くなったが、ALLIANCEのファースト・アルバム('82年発表)である。これも渋谷RECOFANの中古LPコーナーで喜びの声を上げてしまったアルバムの一つ。'90年代にも同名のメロディックHRバンド(アラン・フィッツジェラルドが参加)がいたけれど、こちらは'80年代前半のメロディック・ロックの人たち。AORバンド、SNEAKERも在籍したことで知られるHandshakeレーベルからのリリースである。B!の産業ロック名盤特集でもセレクトされていたのでずっと探していたのだが、これは中々のクオリティであ
る。まず、ヴォーカルのMark Bucchare(読みが分からん)の声量が凄い。何だかんだ言って「雰囲気モノ」も多いこの手のジャンルだが、このヴォーカリストの歌唱はまさしく一流。無名の存在で、このアルバム以外にクレジットを見たことがない(知っている人がいたら教えて下さい)が、その表現力はルー・グラム、スティーヴ・ペリーといった超大物たちにもひけをとらない実力の持ち主と言ってよいだろう。楽曲は明朗なタイプのものが多く、ヴォーカリストの声質等から、SHERIFFあたりに近い雰囲気を持っている。◎を付けられるのA(1)"I
Don't Want To Leave You This Way"、A(2)"Don't Tell Me About It"、A(5)"Heaven
Can Wait"、B(1)"Make It Right"あたりかな。特にB(1)は哀愁のメロディが強力な1曲だ。幼稚園のようなところでメンバー5人が子供とたわむれている…というジャケットも、何とも言えずほのぼのした気分にさせてくれる。Early
'80Sの味わいが濃厚。 (hatch)
![]()
ROAD ISLAND / AMBROSIA
デビュー当初は完全無欠なプログレッシヴ・ロック・バンドとしてスタートし、解散間際には完全無欠なAORバンドになっていたAMBROSIA。世界中のどこを探しても、こんな音楽性の変遷を示した(しかもこれだけのクオリティで)バンドは他にいないだろう。発表作品は全部で5枚、そのちょうど真ん中の3rd『LIFE
BEYOND L.A』がまさしくプログレ+AOR÷2的な作品なのだから面白い。今回紹介する『ROAD
ISLAND』は彼らのラスト作品('82年発表)。ひとつ前の『ONE
EIGHTY』からは"Biggest Part Of Me"、3rdからは"How
Much I Feel"というAORチューンがヒットを記録しているが、本作においても同様のひねりの少ないメロディアス路線を貫いている。もはや、プログレ的要素は希薄と言ってもいいだろう。むしろ、AORというより産業ロック的な側面も強いと言えるかもしれない。典型的なのがB(1)のメロディック・ハードチューン"How
Can You Love Me"で、イントロこそDOOBIE BROTHERSの"What a Fool
Believes"風ピアノ・リフながら、疾走感ある曲展開は、ディスコでエア・ギターしても違和感なさそうな感じ。前作・前々作と比較して音質の低下は否定できず、そのまま解散に至ったこと等からも、当時のバンドの活動力はだいぶ低下していたと推測できる。メンバーのやる気が、あまり無かったんじゃないかな。チープなお絵描き風ジャケットからも、そんなことを感じてしまう。中心人物のデヴィッド・パックは'85年にソロ・アルバムを発表、こちらもAORの世界では名盤として知られた作品だ。 (hatch)
![]()