STREEK / STREEK
 アメリカ出身の5人組メロディック・ロックバンドが'81年に発表した作品。キーボーディストとギタリストがリード・ヴォーカルをシェアし、サックス単独のメンバーがいる…というメンバー構成だ。このバンド構成は結構ユニークなのではなかろうか。B!の産業ロック特集では、TOTOあたりとの共通点を指摘されていたが、一聴した後の感想としては、溌剌としたハード・ポップサウンドをいくらかオシャレにしたかな…という印象。雰囲気的にはLOVERBOYあたりのサウンドに哀愁味をプラスしたという感じだ。サックスのメンバーがいることからも分かるとおり、ここぞというところでブラス音が鳴り響いてきたりもする。ヴォーカルは大して上手くないけど、全体の雰囲気とメロディの良さで聴けてしまうというタイプの作品と言えるだろう。佳曲として○がつけられるのはA(3)"Only Heaven Knows"、A(4)"Gone Too Far"、A(5)"Fantasy"、B(3)"One More Night"あたりで、特集で取り上げられたのも納得の内容だ。その後の動向はよく分かりません。   (hatch)


OTHER PEOPLES ROOM / MARK-ALMOND
 何枚もアルバムを発表しているアーティストなのに、たった1枚聴いただけでレビュー…というのは忍びないが、単にアルバムを聴いた感想ということで。このMARK-ALMONDはイギリス出身のAORデュオで、同じイギリスのポップ・アーティストMARC ALMONDと間違われることが多いらしい。私もイマイチ区別がついてません。それにしても、このアルバムジャケットは秀逸だ。安いホテルのような部屋で、コールガールのような女性がTVをつけているという情景。裏ジャケではその女性がこちらに気付く…という設定で、この表裏のジャケットだけでひとつの物語が成立している。こういうのは大好きです。ジャケットが心に残っていたアルバムだけに、アナログでの入手を希望していたのだが、なかなか見つからないので再発CDを購入することにしました。ライナー・ノーツも読みたかったしね。実際のサウンドの方は、語り口調のヴォーカルが渋い雰囲気を醸し出していて、まさにオトナのための夜の音楽というイメージだ。あまり適切な比較は出来ないのだが、ジャジーなエッセンスが加わっているという点で、やはりマイケル・フランクスあたりに通ずるところが多い。ポップなAORではなく、むしろシンガー・ソングライター系のサウンドに近いと言っていいだろう。(1)の"The City"は、ジョニー・アーモンドのフルートが印象的。もともと、ジョン・メイオールのBLUES BREAKERSに端を発しているグループなので、このフルートの響きなどを聴いているとプログレ的な何かを感じなくもない。個人的に最も感動したのが(6)"Just A Friend"。前の曲が"Lonely People"というタイトルで、都会人の孤独と友情をテーマにした流れということらしい。とにかくこの静かなる泣きの情感は胸に染みる。こういう曲こそ、本当に何回でも聴きたいと思わせるものだ。他の曲では、ジャズやボサノヴァのエッセンス(私には、それっぽいということしか分かりませんが)も導入されていて、まさに「様々な要素を絶妙なバランスでブレンドした音楽=AOR」の見本のような作品と言えるかもしれない。トータル的にみて、「アート」という表現がピッタリくる傑作だ。  (hatch)


PITY THE RICH / PIERCE ARROW
 アメリカ出身の産業/メロディック・ロックバンドが'78年に発表したアルバム。以前、別のアルバムに入っている"The Rober"という曲(イントロのヴァイオリンがインパクト大)を聴かせてもらっていて、バンド名が記憶にあっただけなのだが、幸い350円盤にて発見することができた。オールド・ファッションの貴婦人と紳士が、旧型のロールスロイスみたいな車の前で日傘をさして立っている…という、何ともレトロな雰囲気のジャケットが、いかにも当時のメロディック・ロックらしい。楽曲的には、産業というよりも、もっと素朴な味わいの爽やかなアメリカン・ロック。あまり適切な比較ではないかもしれないが、A(1)を聴いて、私はENGLAND DAN & JOHN FORD COREYを思い出した。歌メロに含まれる微妙な哀愁感が、'70年代後半への郷愁を誘ってくれる。"The Rober"を聴いたときも、「もう少し歌が上手ければなー」と思ったのだが、本作でもヴォーカリストの歌唱はごく平凡なので、雰囲気モノであることは否定できない。ところどころ、アメリカン・プログレ・ハード然としたキーボードも登場してくるが、あくまで味付け程度であり、基本的にはアコースティックをベースにしたサウンドだ。SILVERみたいな、なごみ系路線が好きな人は意外とハマるかもしれない。  (hatch)




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