CRANE / CRANE
 中古レコードを漁っていると時々出てくるアルバムで、『CRANE』という金属質なバンドロゴを、クレーンで吊し上げている(笑)というベタなジャケットの作品。見つかるときは大体100円だし、とりあえず何の気無しに買ってみた。聞くところによると「ロックではない」らしいし、'70年代末によくあったフュージョンの類か?と思っていたのだが、これはまあまあのメロディック・ロックだった。A面を聴く限りでは、能天気なメロディ連発の退屈なアメリカン・ロックだったのだが、B(2)の"I'm Not Gonna Wait Forever"、これが穴だった。叙情的なメロディを中心にした、渋い雰囲気の産業サウンド。なんで他の曲は最低なのに、これだけこんなに良いんだ〜と叫びたくなってしまうような曲。やっぱり、こういうのが見つかってしまうから100円盤はやめられないんですよね〜。中ジャケにはデカデカとチャック・クレーンという人の写真が写っているのだが、この人がバンドの中心人物であることも明らかだろう。他の作品があるかどうかは全然知らないが、このアルバムは中古盤でごろごろしているので、見つかったらチェックしても損はない。B(2)のために100円払っても惜しくない!(笑)   (hatch)


REBEL / JOHN MILES
 プログレ、HR、AOR、シンガー・ソングライター…といった様々なジャンルから見たときに、独特な存在感をもって回顧されるであろうJOHN MILES。プログレ的観点なら3rdの『ZARAGON』、SSWとしては2ndの『STRANGER IN THE CITY』、AORとしては'80年代以降、そしてメロディック・ロック的観点としてはこの1stと言うことが出来るかもしれない。最初に聴いたのが『ZARAGON』で、その大作指向&シンフォニック指向で、完全に「プログレの人」というイメージがあったのだが(ジャケもそれっぽいし)、ようやく耳にできたこの1st(発表は'75年)は、4〜5分の楽曲が中心のコンパクトな作りで、アレンジの大仰さ等からQUEENを思い出させる内容になっている。もちろん、あそこまで奔放な音楽ではないが、ピアノとストリングスが華麗に舞う姿はなんとも感動的。A(1)の"Music"は本人の代表曲らしいのだが、確かにそう呼ばれるにふさわしい名曲だ。ジャケットに写る本人のお姿は「短髪のグレッグ・レイク」という感じで、その声もレイクやジョン・ウエットンに通ずるような典型的なブリティッシュ・ヴォイス。ただ、メロディック・ロックとは言っても産業系のそれではなく、'70年代のブリティッシュ・ロックをメロディアスにしたような感じ…というところだろうか。一般的に「代表作」と言われている初期3部作はこれで全部聴けたので、次は'80年代のAORなアルバムを是非チェックしてみたい と思う。  (hatch)


BEAT THE SYSTEM / PETRA
 アメリカの重鎮クリスチャン・ロックバンドの'84年作。'82年の『MORE POWER TO YA』、'83年の『NOT OF THIS WORLD』が、いずれも'80年代前半らしい穏やかなメロディック・ロック作品だったので、その延長線上の作風を期待していたのだが、これはちょっと違った。'80年代中盤によくあった、浮き足立った感じの軽いポップスで、打ち込み系の電子音も聴かれる…というサウンドに変身してしまっているのである。ジャケットはMTV時代(?)を意識したかのようなTV画面が並んでいる写真で、変身具合をアピールしたかったのかもしれない。個人的には、この手のサウンドには抵抗を覚えてしまうのだが、メロディ・ラインの作り方に関しては、やはり巧みの一言に尽きる。実にキャッチーだし、印象に残る歌メロを提示してくれている。ヴォーカリスト、グレッグ・ホルツの声質もクセの無いハイトーンで聴きやすいし、とりあえず産業ファンには楽しめる内容になっていると思う。'70年代中盤から30年近いキャリアを誇るバンドだが、クリスチャン・ロックとしてのメッセージ性を核として、時代に合わせて巧みにその音楽性をマイナー・チェンジさせてきたということなのだろう。長続きの理由は、 そうした柔軟な姿勢と、メロディ・センスの賜物か。  (hatch)



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