PASSION IN THE DARK / DANNY SPANOS
 メロディック・ハード・ロックファンにとって、HARDLINEのファースト(最近セカンドがリリースされた…のか??)は素晴らしい楽曲を、上手い歌と、上手い演奏で聴かせる名盤として記憶されていると思う。"Change Of Heart"や"Love Leads Away"といった佳曲群に混じって、一際光っていたのが"Hot Cherie"…そういう印象を持っている人も少なくないに違いない。しかし、これがカヴァーだなんて全然知らなかった。その"Hot Cherie"のオリジナルが収録されているのが、このダニー・スパノスの5曲入ミニアルバム('83年発表)。HARDLINEバージョンは、ジョニー・ジョエリの艶やかなヴォーカルが、ダイナミックに歌い上げるという感じだったが、このオリジナルは、乾ききったアメリカン・ロックサウンドをバックに、しゃがれ声で渋く歌っているという印象だ。パリッパリの音で切り込んでくる、イントロのテレキャスター・サウンドのインパクトはなかなかのもの。このダニー・スパノスという人は、一般的には'85年の『LOOKS LIKE TROUBLE』というアルバムが有名で、基本的にはジョン・クーガー・メレンキャンプとかブルース・スプリングスティーンあたりに通ずる、乾いたアメリカン・ロックをやる人である。しかし、この曲に目をつけて取り上げたHARDLINEのセンス(ニール・ショーンか、あるいはジョエリ兄弟か?)って凄いなぁ。オリジナル・バージョンの"Hot Cherie"も、聴き込めば聴き込むほど味わいの出てくる音という感じだ。散らかった安ホテルの一室?のようなところで、タバコをくゆらせているというジャケットも、「らしい」雰囲気を醸し出している。(hatch)


STORM / STORM
 メロディアス・ロック・ファンからも、JOURNEY系列(グレッグ・ローリーとか)のTHE STORMと混同されることの多い'80年代前半のメロディック・ロックバンド。JOURNEYとは特に関連のない、女性ヴォーカルをフィーチュアした4人組の産業ロックバンドだ。'79年のデビュー作も、同じタイトルでのリリース(ジャケットは、超チープな小型テレビみたいなものにメンバーが写っているというもの)だったが、これは'83年リリースのセカンドアルバムで、マニアには『飛行機ジャケ』で通用している作品だ。一般的にはこちらの方が流通しているようだけど、私は先にファーストの方を聴いていた。その作品は10点満点で0点をつけたくなるような、ホント最低の作品だったのだが、このセカンドでは全く別のバンドと言ってもいいような前進ぶりを示している。歌も演奏も曲も、ファーストは聴くに耐えない内容だったが、ここでは『隠れ名盤』扱いされるのも不思議ではない完成度となっている。よく引き合いに出されるのがQUEEN。でもそれらしき曲はB(1)"Anything For You Love"だけで、あとは当時よくあった女性ヴォーカルの産業(TORONTOとか1994みたいな感じ?)が中心となっている。楽曲的にも一番インパクトがあるのは、やはりB(1)かな。バンドはこの作品をもって消滅しているはず。(hatch)


STRIKER / STRIKER
 全然知らなかったけど、DISK HEAVENの『AOR/産業』コーナーに2000円くらいで売られていて、その後渋谷RECOFANにて100円盤コーナーで発見(笑)したためにチェックしてみた。このSTRIKERはアメリカ出身の4人組で、本作は'78年発表のアルバム。他に作品があるかどうかは知りません。ジャケットに写るメンバーは、ひらひらの白い衣装なんか着込んでいて、一見するとグラムロックか何かのように見受けられる。この当時にしては、ルックス的にも結構おしゃれな感じがするし。果たしてその内容は、まぁメロディック・ロックと言って差し支えのないアメリカン・ロックサウンドであった。雰囲気的には707とかに近いかな。A(2)、A(3)は泣き…というか哀愁のメロディが印象に残る佳曲で、特にA(2)の"Midnight Flyer"は『これってイギリスのバンドじゃないの?』という疑問が出てくるようなかげりのあるサウンドとなっている。駄曲もあるが、'70S〜'80Sのメロディック・ロックを追求している人はチェックして損の無いアルバムと言えるだろう。中古盤アナログも比較的よく見かけます。(hatch)