AMERICA DREAMS / RUBICON
 その筋の人ならよくご存知の、NIGHT RANGERの前身バンドです。といっても、要はジャック・ブレイズブラッド・ギルスがいたというだけなんですけどね。私はNIGHT RANGERは別に好きではないので、このバンドについても、退屈なアメリカン・ロックだったら嫌だなあと勝手に決めつけて手を出さないでいました。ところが聞いてびっくり、これが死ぬほど格好良いブラス・ロックだったのです。書き間違いではないのでもう一度書いておくと、「ブラス・ロック」です。何と、ブレイズとギルスを除けば、ドラムとキーボードが1人ずついて、あとは3人の管楽器奏者がいるのです!1曲目の“Love On The Run”から、ホーン・セクションとリズム隊の応酬が決まりまくり。というより、ブラス・ロックとハード・ロックのそれぞれもっとも格好良い部分が、見事に両立しています。管楽器の音というのは、人間の息づかいで直接出される音であり、独特の暖かみがあって好きなのですが、それがハード・ロックのドライブ感と直結すると、一気に演奏者のテンションを暴走させる最強の凶器となってしまうのです。
 ライナーを読んでみると、このバンドではブレイズやギルスは実は新参者扱いで、むしろ、「元SLY & THE FAMILY STONEジェリー・マルティーニが組んだバンド」として注目されていたようです。また、「この2ndでは、オークランド・ファンクの域を超えてハード・ロック的色彩を強めている」みたいなことも書かれています。つまり、NIGHT RANGERはもともとはファンクから出発したのだ(笑)。なんていう人脈的考察を抜きにしても、純粋に優れたロック・アルバムとして十分に楽しめます。で、この作品は、当時は日本盤も出ていたんですけど、まだCD化されてないですよね? (Olias)