A TRIBUTE TO ACCEPT / V.A.
 '99年にリリースされた'80年代に大活躍したドイツ出身のヘヴィ・メタル・バンドACCEPTのトリビュート・アルバムです。全部で19のバンドによるACCEPTのカヴァーが収録されています。どのバンドも尊敬の念をひしひしと感じるくらいに、ヘヴィに演奏し、叫んでおります。嫌みではなくて、本当にそう感じます。名曲を壊しちゃいけない! 忠実にカヴァーすることが俺らのすべきこと!ということでしょうか。それにしても名曲のオン・パレード。改めてACCEPTって凄い!と思いました。でも忠実なカヴァーはちと物足りないのですよね。それぞれのバンドの個性を私が知らないというのもあるけど。TANKARDの"Son Of A Bitch"はまあ忠実なカヴァーですが、疾走しているところと、Voの下品さが個性かな(笑)。STEEL PROPHETの"Fast As A Shark"はイントロの民謡をエレキで演奏しているのが面白い。SODOMの"I'm A Rebel"はキャッチーな曲を、最初の方を怖いぐらいにドゥーミィーにアレンジしているのがナイスです。途中から速くなるけど(汗)。ATROCITYの"Shake Your Head"はデジタル・サウンドで、もろに自分らの音でやっているのが素晴らしい! THERIONはバラード"The King"を、オリジナルではアコギだったのに、ピアノの演奏で、しかも女性Voに歌わせているのが素晴らしいです。歌っているのはDREAMS OF SANITYのMartina嬢です。METALIUMの"Burning"は後半"Balls To The Wall"の地響きコーラスが入るのがいい。選曲が渋いのはNEW EDENの"China Lady"とGRAVE DIGGERの"Starlight"、選曲が面白いのはTAROTの"Generation Clash"…Udo不在時の曲ということで。他にはHAMMERFALL, PRIMAL FEAR, SINNERなども収録。(純生)


DESMOND CHILD & ROUGE / DESMOND CHILD & ROUGE
 '80年代後半には職業ソングライターとして世界的に有名になったデズモンド・チャイルド。コアなメタル・ファンからはポーザーの代名詞のような扱いを受けてしまった感もあるが、10数年の時を経た今になって思うのは「いい曲を書く人だなあ」という事実だけである。本作はデズモンドが女性ヴォーカル3人と組んだカルテット、ROUGEの1st('78年発表)。曲によってデズモンドも加えた4人がヴォーカルを分担しており、ヴォーカル・アルバムとして非常にバラエティに富んだ作りとなっている。全体的には多少ディスコっぽさもあるメロディック・ロックで、曲によってはHRと言っても差し支えない展開も見せている。おしゃれな質感を持ったAORと、適度なエッジを持ったHRの要素が微妙にブレンドされた音作りは、TOTOあたりを愛好する人に訴える点が多いだろう。楽曲はどれも粒揃いだが、中でも絶品なのがB@のバラード"Main Man"で、メロディ・ラインの美しさは筆舌に尽くしがたい。「こんな曲を書けるなんて、やっぱりデズモンドって天才」と思ってしまう。同曲は'87年にCHERにもリメイクされているが、声質の違い(CHERって結構低い声だしね)もあって、本作のヴァージョンの方がより感動的。一般的には2ndアルバム『RUNNERS IN THE NIGHT』の方が名盤扱いされることが多いROUGEではあるが、個人的には同曲の存在もあって1stの方が気に入っている。1st、2ndともにCD化は実現していないが、発表当時国内盤LPが出ていたこともあり、中古盤LP市場での入手することは比較的容易ではないかと思われる。 (hatch)


AIN'T IT A SIN / ENVY
 '98年のVIXEN再結成にも参加したジーナ・スタイル(G,Vo)擁する男女混合4人組、ENVYの1st('87年発表)。ドラムはディー・スナイダー似、ベースはトム・キーファー似、当のジーナ嬢は三原じゅん子似と、メンバーのルックス比較だけでもなかなか楽しいのだが、そんなことがどうでも良くなるほど素晴らしいハード・ポップをやっておられる。ポップ化したハード・ロックというのは当時の主流スタイルとはいえ、ヴォーカルのメロディ・ラインには適度な泣きがあって、フックも効いているのでしっかり耳に残ってくれる。リード・ヴォーカリストのロニー・スタイル(ジーナとは姉妹だろう)の声質も、こんな「胸キュン」タイプのサウンドにピッタリはまっていて、ギャルズHRファンにとってはたまらない出来。ジーナのギター・プレイは若干たどたどしいところがあるものの、曲作りのセンスはなかなかのもので、さすがに'90年代までミュージシャンとして生き残れただけのことはある。もちろん音質の安っぽさや、リズム感に多少難がある等、B級的要素が無いわけではないが、A@BABDといった佳曲の存在の前では些末の問題にすぎない。ちなみに当時TWISTED SISTERでブレイクしていたディー・スナイダーがプロデュースを担当。Lee Aaron, Fiona, FEMME FATALE, Lisa Dominique等の名前にピンとくる方々は是非お探し下さい。 (hatch)

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