THE ART EFFECT / LANFEAR
 '03年、ドイツ産プログレッシブ・パワー・メタル・バンドの4年ぶりの3rdアルバムです。ジャーマン勢では、この手のちょいプログレがかったジャーマン・メタルをやるバンドは結構層が厚いですが、自分の印象では、どのバンドもそれなりに頑張っているけれど個性や作品のクオリティに少し難ありな面が多かれ少なかれあったりするB級止まりのバンドが多いような気がしています。このLANFEARも、前作はフォーク色の強い曲や、かなりテクニカルな難解なプログレ・チューンなどに挑戦して頑張ってはいましたが、アルバム全体としては何となく散漫な感じが否めませんでした。しかし、今作は(新たに契約したMASSACRE RECORDSの指示があったのかもしれませんが)、ドイツ産らしいメロディを配しながら、最初から最後までパワー・メタル色を強めたアップ・テンポな楽曲群で統一してきており、一聴してわかりやすさが増しています。メタル耳が思わず反応する、そういう感じの初聴きの印象でした。プログレッシブ・メタルらしい繊細なタッチのKeyは前作からそのままに、ツイン・ギターによる鋭角的なリフでがんがん押され、盛り上がるパートですかさずジャーマンお家芸のコーラスを多用されると、悶絶しないわけにはいきません。無名ですが、かなりな腕前のTobias AlthammerのVoも前作以上に表現力に深みが増しており、今作での音楽性の変化に合わせた攻撃的な歌唱は、楽曲の雰囲気にぴったり合っていると思います。レベル的にはA級の域に達しているのに、音楽産業の不況のあおりなのか日本盤が出ないのは今では当たり前のような光景になってしまいましたが、このLANFEARもそんなかわいそうな状況に陥っていると思います。これだけ高品質でも日本盤が出ないって、やっぱりこの分野って日本では根本的に人気がないのでしょうか?   (かるび)


BURN TO MY TOUCH / LIEGE LORD
 '87年リリースのアメリカン・メタル。最近、HR/HMのアルバムを買う機会はめっきり少なくなりましたが、アナログ盤チェックをしていて見覚えのあるジャケットが出てくると、思わず食指が伸びてしまいます。そんなこんなで、250円で買った中古レコードがこれ。FATES WARNINGの『AWAKEN THE GUARDIAN』, WARLORDの『THY KINGDOM COME』を想起させる近未来宇宙ちっく(?)なジャケットで、'80Sメタル・マニアには有名な作品だと思います。とっくの昔にCD化されていると思うけど、私は安価レコードが見つかるまでは買う気になりませんでした。当時のB!のレビューでも「ベーシストはスティーヴ・ハリスからの影響が顕著」といったニュアンスのことが書いてありますが、確かにIRON MAIDENからの影響を色濃く反映したHMです。こういうのは割と好き。当然、LEATHERWOLFやBANSHEE、BARREN CROSSのレベルには到達していませんが、狙っているスジ的には大体そのへんでしょう。A(1)"Trancegressor"のイントロはえらくドラマティックですが、何だかものすごいことが始まりそうな予感がして、思わず身を乗り出してしまうような、そんな高揚感を持っています。難点は2つあると思いますが、その1つ目は曲展開が突飛な印象を与えることです。良く言えば「スケールが大きい」ということになると思うのですが、これはどちらかというと「強引」と表現した方がピッタリくる感じ。割とヘンテコな展開(テクニカル・メタルのグループがやるような展開)も私は嫌いではないので、とりあえずこれも許容範囲内ではありますが。2点目(これが第1かも)は、やはり何と言ってもリズム隊の力量不足です。リズム隊といっても、問題なのはドラム。大半の曲を書いているベーシスト(この人、ルックスはダン・リルカっぽい)は、多分バンドのリーダーだろうと思いますが、テク不足ということはありません。しかし、このドラムは下手ですなー。バンドの土台でありながら、その土台だけが他の楽器とこれだけズレてしまうと、聴いていてストレスがたまってきます。ヴォーカリストの力量はまずまず(ハイトーンのスクリームは、なかなか強力です)だし、ツイン・ギターも効果的に使われているし、しかも曲も良いので、どうにも勿体無いという印象が残ります。しかし、直線的なHMのA(3)"Cast Out"は、そのリズムのズレが目立たないので、このパターンはツボにハマった佳曲と言えるかもしれません。それにしても、プロデュースでクレジットされているジョー・ブーチャードとは、BLUE OYSTER CULTのあの人でしょうか。'80年代末に、アルバムをもう1枚(ロボットみたいなものが描かれたジャケットで、ヴォーカリストは交代している)出しているらしいのですが、そちらは未聴。'90年代以降のバンドの行く末もよく知りません。 http://www.liegelord.com/ (hatch)


SOUTHERN BY THE GRACE OF GOD / LYNYRD SKYNYRD
 サザン・ロック・バンド。アルバムは初めて聴きます。'87年リリースのライヴ・アルバムです。いい曲いっぱいあるかなーと思っていたのですが、残念ながら、初めて聴く曲にぐっとくる曲はありませんでした。既に知っている"Sweet Home Alabama"は改めていい曲だなーと思ったのと、ラストの"Free Bird"は凄いです。最初から最後までお客さんが歌ってしまいます; 感動ものですね。そして終盤のスリリングで延々と続くギター・ソロも素晴らしいです。一人は故人になっちゃったけど、昔フリー・バーズってコンビのプロレスのタッグ・チームがいて、南部の星条旗を掲げてこの曲で入場してきたんです。プロレスっぽくない曲だけど、やたらかっこよかった。   (純生)