A FAREWELL TO KINGS / RUSH
 '77年リリース。私はRUSHに関してはほとんど素人です。高校生の頃に聴いた『MOVING PICTURES』だけは大好きでまじめに聴いています。さて、このアルバムは初期の中でも名盤らしい。私が知っている『MOVING PICTURES』以降のKeyかシンセの音が目立つサウンドに比べると、アコギが聞こえてきたり、生っぽい音のですね。Geddy Leeの爬虫類のようなVoは素晴らしく通りがいい声です。ベースの音がよく聞こえてくるのがいいです。プログレなのだなと感じさせてくれて。あっもちろんドラムもテクニカルです。10分以上の大作が2曲もありながら(しかも凄い展開がある曲)、全6曲、40分以内なので、私にもお気軽に聴ける? 3回聴いたぐらいでは、まだまだいいところが見えてこないのでしょう。そう私は『MOVING PICTURES』以降の、ときにはキャッチーな、RUSHファンがダメの烙印を押すような方が心地いいかも知れません。 (純生)


ALL THE RIVERS GOLD / TERRY OLDFIELD
 最初に書いておくと、この人はマイク・オールドフィールドの4つ違いのお兄さんで、さらに2つ上にはアニー・ハズラムもどきの声をしたサリーがいる。サリーとマイクがデュオを組んだ時どうして彼が入らなかったかは不明ですが、結局は3人とも音楽の道に進んだあげく、互いにまったく関係のないことをやっているわけでもないので、名字で並べてくれるお店はそれなりに重宝するんです。
 さてこれはケルト・ミュージックです。メインは本人の笛で、パイプやヴォーカルが時折入るけど、誰かさんみたいに音圧で迫ったりとってつけたようなニューエイジになったりはしない。まあニューエイジに関しては、この人はそこから足を洗えないだけという感じもしますが。とにかく無理がないというのかな。シンプルであることが物足りなくない。灰色の空と岩肌に打ち寄せる波、アザラシの精の気配…なんてことはどこにも書いてないし歌われてもいないが、初めて私が「ケルト的なるもの」に惹かれた時の風景が蘇ってくる。 その海の風景は、マイクの『INCANTATIONS』と重なるものだ。フルートの節回しも、呪術的なパーカッションも。
 マイクと比べちゃいけない。わかってはいるが、マイクが(意図してかどうかは別として)置き忘れてきたものがこのアルバムから溢れていて、『VOYAGER』がもしこんな感じだったら、と思わずにいられない。確かにこの人はやたらアルバム数が多く、その大部分はハシにも棒にもかからないサントラらしい(当然ほとんど未所有。今まで聴いた数枚は実に退屈だった)のですが、たまにこういうこともあるのでこれからもチェックしなくてはと決意を新たにしました。 (Kyon Anderson)


AIRPLAY / AIRPLAY
 AORのエの字くらいしか知らないやつが「AORのバイブル」をレビューしようってんだから、皆様方からの反論がこわいです。それでも大好きなアルバムだから書いちゃう。プロの方々は気にせず読み飛ばして下さいね。AIRPLAYはジェイ・グレイドン(G/Vo)とデヴィッド・フォスター(Key)というAOR界の2大巨匠が発足させたプロジェクトで、本作は'80年に発表された唯一のアルバム。正式メンバーとして、その後THE FRONTやKING OF HEARTSなどでもアルバムを出すトミー・ファンダーバーク(Vo)もクレジットされている。フォスターについてはAORに限らず現代ポップス界における巨匠なんて表現すら似つかわしいほどビッグな存在。そんなたぐい稀な才能を持った連中が若き日に作り上げた「ロック」アルバムがこれだ。A@の"Stranded"からしてトミーのハイトーンが強烈な疾走チューンで、NIGHT RANGERあたりを愛好する人であれば一発で惚れること間違いなし。個人的に悶絶モノなのがAA"Cryin' All Night"とAB"It Will Be Alright"。AAはグレイドンのやわらかなヴォーカル、ハーモニックなギター、フォスターのセンスあふれるシンセ・サウンド、どれをとっても完璧な一曲。ロマンティック・ハードネスって言うんですか〜!? 以前メタル・ディスコでこの曲をかけてもらった(←かなり強引)ときは、まるで夢見心地でエア・ギター決めました。すいませんAORマニアの皆さん。ABもメロディの美しさがこの世のものとは思えない名バラード。AORに詳しい方々は4曲目以降もR&Bフィーリングがどうの、ソウルがどうのと論評出来るのでしょうが、私が本当に良いと思えるのはこの頭3曲までになってしまう。でも、曲が良くて、上手くて、音質が良いとくれば、理屈抜きに楽しんじゃうしかないでしょう。BMGビクターから廉価盤でCD化済み。ジャケットにも遊び心があって嬉しい。  (hatch)

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