JOHN O'BANION / JOHN O'BANION
 2nd収録の"きみだけのバラード"が東京音楽祭世界大会グランプリを受賞したというAORシンガー、ジョン・オバニオン。"あんたのバラード"ではない。東京音楽祭というイベント自体、どの程度権威があるものだったのかは知らない(ただのTV番組?)が、欧米よりも日本でメジャーな人のようなので、きわめて「らしい」エピソードと言えるかもしれない。本作は'81年発表の1st。声自体が泣いているというか、明るい曲を歌っていても、どこか翳りのある表情を見せてしまうところが日本人の琴線に触れるのだろう。ヴォーカルは艶やかで伸びがあって、マイルドに歌うところでは声質の深みも感じさせる。はっきり言って目茶苦茶上手い。バックについているのはリッチー・ズィトー、ジョーイ・カルボーンという産業ロック界の敏腕2名で、彼らが提供する曲はどれも粒揃い。A@からラス曲まで捨て曲なしと言ってもいいほどだ。音作りは'80年代のAORらしく人工的な臭いも感じるが、メロディの素晴らしさの前ではあくまで些末の問題である。現在ではCD化も実現されているし、中古LPもよく埋もれていて入手しやすいので、試しに聴いてみて ちょ。2ndアルバムも完全に同系統のサウンドだが、つまらないメロディの曲が増えているのがちょっと残念(でも良い曲はある)。のちに角川映画「里見八犬伝」のサントラを担当しちゃうあたりもこの人らしい話。(hatch)


TALES OF 1001 NIGHTS VOLUME 2 / RENAISSANCE
 女性Voのプログレのベスト。先に聴いている『VOLUME 1』に比べると、心にぐっとくる曲が見あたらないのです。演奏は大人しい目に感じますし(ただし"Ashes Are Burining"のライヴでは、ベース・ソロが延々とあったりして…げんなりしてしまうほどですが)、歌メロも記憶に残らないわけではないけどいまいち好みではないかなあ。"Touching Once (Is So Hard To Keep)"の高揚感のある歌メロは好きですけど。(純生)


SUN / TAI PHONG
 '70年台のその昔、美しくかつ劇的なサウンドを売り物にしていたフレンチ・プログレ・バンドの、実に久々の復活作です。さて、劇的な要素というか、ロックとしてのダイナミズムという点では'70年台の旧作『TAI PHONG』『WINDOWS』の方が正直上、という印象です。しかしながら、美しさに「優しさ」がプラスされた、文字通り「優美」な音が、全編を貫いています。特に"Lisa"なんて、まるでAIR SUPPLYですよ(わかる?)。他にもエキゾチシズム満点の"Rainy Night In Saigon"や、往年の名曲のリメイク"Sister Jane (definitive version)"ピアノの旋律が印象的な"Last Friend"等、ゆっくりと夜に聴いて見たくなる音ですね。ああ…しかし、これを目一杯味わうには、秋の夜長でないとなぁ…。クーラー効かした部屋では、無粋に過ぎますね。早く秋になってほしー。(装甲列車)


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