NZ自転車旅日記.1

ニュージーランド自転車旅日記 98/03/10〜14

1998年3月、ニュージーランド南島のサイクリング日記です。



 '98.3.10(火)晴れ時々曇り
 8:30にはパッキングも終わり、オフィスがあくのを待つ。食パンはつぶれてしまうので、5ー6枚だけ持っていく事にした。
他にもバターやオイルも持っていきたかったが、もうバッグに余裕はなかった。ライオン丸にキーを返し、デボジットの$10を
受け取りいよいよ出発。これまでで一番重いバイク、少し左右に振られたらとまらない感じだ。メーターをリセットするのを忘れる
程、重くてビビる。
9:08Start.
kilmore st.からHagley Parkを経てRiccarton Rd.を西へ、そしてMain South Rd.に進む。これは73号線から1号線となり、
あとひたすら真すぐ南へ行くだけだ。 街らしい道は最初の15Kmぐらいだけだった。その後はただ道が一本あるだけ。両側には
牧草地、平行して走る鉄道、右手遠くには山が見える。全く走っていて充実感とか満足感が湧かない。
 20Km走っても30Km走っても変らぬ風景。日本では味わう事ができない”この苦しみ”これが海外サイクリング最初の苦悩
なのかもしれない。 信号も停止線も街を出るとなくなり、ペダルを回している限り止まることなく進んでいく。
 思ったより塗装も滑らかでスピードも出る。まだカンタベリー平野なので坂道も全く無い。しかしこういう単調な道だと峠のひとつ
ぐらい欲しくなる。
 今日は初日なので50Kmも走れば十分だろうと考えていたが、調子がいいので目標を90Km先のAshburtonにする。
 最初の休憩は35Kmでバナナ2本と水。ボトルの水はもう3分の1は飲んでしまった。ペットボトルにも水を入れてくればよかった。
スタンドに入りボトルにペトロが欲しいと言ったら、ここにはメカニックがいないので出来ないと断られた。気分が悪くなるババアだ。
 隣の店でハムチーズサンドとオレンジジュースを買う。外のベンチ脇に蛇口があった。ここで水補給。 Ashburtonのスタンドでは
若い兄ちゃんがペトロを入れてくれた。ここは気持ちがいい。水も燃料も補給したし、食料も少しは持ってきている。
これで野宿出来れば安く上がるな。
 地図ではAshburton River沿いのやや上流にモーターキャンプのマークがあるが、ここへは行かずそのまま1号線を南へ。
 Hinds Riverでフライフィッシングをしている人がいた。河原に降りれる所だ。単車だったら速すぎて見逃す所だ。
川の水は少ないが冷たくて気持ちよく、そしてとてもうまそうだ。
 いい場所を見つけた。ちょっと走り過ぎただろうか?

 '98.3.11(水)曇りのち雨
 ソーセージと野菜のラーメン、いつもと違うのはタバコがない点。
暗い雲が広がっている。昨日のようにTシャツ、短パンでは寒い、MXジャージとジャージのズボンで走る。
Rangitataではやくも休憩。ハムサンドとオレンジジュース、水補給。ワゴンに乗った日本人グループ男3女1、演歌を聞いて
走っているようだ。79号線に入る。これで気の狂いそうになるストレートともお別れだ。先ほどの日本人グループが追い越し
ていく。ホーンは壊れているような音だった。
 GeraldineでWestpacのATMを使う。やっと金がきた。(日本で口座を開いてすぐ出国したので、しばらく残高がなかった。)
$40おろす。レシートが出なかったので残高不明。何かペダルが軽くなった気分だ。
 道はゆるやかにカーブしアップダウンしてきた。雨が降り出した。カッパを上だけ着る。小屋で雨宿りしている日本人サイク
リストを抜く。とっていた残りのハムサンドとオレンジジュースをレストエリアの木の下で濡れながら食べる。
 チャーチでバイクをレンタルした野村さんがサベージ400できた。チャーチは朝から雨だったという。
 白人の男女ペアを抜く、しばらくして抜き返された。この2人のペダリングが外人特有のあのピッチでガンガン登る。すごい
パワーだ。ついていけんな、水しかないし。
 AllandaleのThe Ferm Barnは峠の茶屋といった所。ここで先の2人も休んでいた。米国ニュージャージーから来た。この店
がなかったら一体どうなっていた事か、、。食い物を切らしてはいけない。ここでコーヒー、サンドイッチ、チョコを食いオレ
ンジジュースは持ち帰りにした。日本人に追いつかれてしまった。自転車もキャンプも経験無し、水用のボトルすら持っていな
い。ラーメンガッパに半ズボンのジーパン。たぶん大学生、無謀な奴だ。ついてくるなよ。
 8キロ下ってFairlie着。すぐにGate Way Top10 Holiday Park に入る。ここのキャンプ場グループは設備がきれいで良い。
米国人はキャビン$30、自分はテントサイト$8。やはり奴がやってきた。シャワーを浴びテントに戻ってくると、どこで受
付すればいいんですか?と。オフィスを見つけてチェックインも出来ないようならとっとと帰国しなさい。
 キッチンでめしを用意していると日本人女性がやってきた。
 鍋とかないんですかね?
 キャンプ場ですからね。
バックパッカーズとは違うのだよおねえちゃん。
 町を歩く。ちゃんとしたスーパーがあった。食料は欲しいな。
明るいけどもう19時、店はほとんど閉まっている。夜キッチンでパンと紅茶をしているとまた奴が来た。ドミトリー$15に
泊まったそうだ。
 ラウンジでテレビを見る。NZではボトルショップでちらっと見たのをのぞき初めてだな。ビンゴの番号で1等は65千ドル
その後の番組はつまらんかった。

 '98.3.12(木)朝少し雨、曇り午後晴れ
 今日はテカポまで行く予定だ。距離は短いが、途中峠があるので無理はしたくない。今日からはいつもの手帳ではなく成田で買った
メモ帳を使う。
 8:30スーパー開店時にあわせていくと、米国人夫婦も同じ事を考えていたようで入り口で会う。旦那はバイクを押している。
何か調子が悪いのか?スーパーの客は先の米国人と僕、そしてあの京都の大学生がいただけ。
 テカポまで食料切れしないように、かさばるけどパンを買う。ソーセージとかはさんで食う長い系6本パック。食パンより高いけど
バッグに収まりきれないのでしょうがない。
 出発前にキーが消えた。荷物をほどいて探し、ジャージのポケットから見つかった。前回の旅ではスペアキーとペンライトを首から
つってたな。
 9:33スタート。まだほんの少しだが雨粒を感じる。カッパを着ていく。道はフラットでやや拍子抜け。しかし、スピードが10
〜15キロぐらいなので少しずつ上っているようだ。Burk Passの町。小さな店があった。今日はやっていないSteam Train。本当
の峠はこの先だった。呼吸を整えて一気に上る。
 1キロじゃないぞ。1.3キロはあった。Burk Pass2200Feet 709m
汗がひくまで食って休憩。天気も良く素晴らしい景色、写真を撮りながら進む。
 Lake Tekapo 何とも言えない青。これがNZの湖の色。バスの団体は中国人、日本からの新婚さん達、あの教会、写真を撮る人
達、今年は韓国人はいない。日本食レストランがある。気の利かない店員からオレンジジュースを買う。やたら日本人が多い、はや
く逃げよう。YHの方にはバイクはなかった。野村さんはMt.Cookか? キャンプ場も入り口だけ確認。
 Godley Peaks Rd.を行く。ここからダートだ。4年前セローで行き止まりまで行ったことがある。11.3キロ走って無人のキャ
ンプ場に着く。ちょっとはやいけど今日はここで終わりにしよう、15:42。
 キャラバンはたくさんあるのに人はいない、ゴーストキャラバン状態。昔と変わらずだなNZは。濡れた物を干したりしてゴロゴロ
していると、でっかいキャンパーがやってきた。おばさん2人と話をする。水その他設備がいっさいないので引き返して行った。
 湖の水は綺麗だ。水鳥の足の動きまでわかる。ブラックスワンもいる。うるさい小鳥たち。
 人がいないからいいんだな、ここは。

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 '98.3.13(金)晴れ
 やっぱり鴨は餌をもらいに来ているのだった。ここに来るキャンパーが皆餌をやるからそうなる。
 標高があるからか朝は10度もないくらい寒かった。MXジャージにアンダーパンツ、ニーサポーターでも寒いくらい。
 砂利左コーナーでついに転倒。ダメージはなくて良かった。腰を打ったがパットがはいっているので怪我はなかった。バンクした
ダート道は自転車ではグリップせず、転ぶか深みに入るしかない。仕方ないので前後に車が来ていないか確認して、右側を走ったり
しながら無事ダート終了。
 8号線、ここから舗装路。今日は昨日よりもまた天気がよく、雲一つないとはこの事か。
この辺りになると何度もセローで走っているのでよく思い出す。でもこんなに遠かったかなあ〜。
水路がある。その両側の道、Mt.Cook、Salmon 12km。確か行き止まりだったはず。自転車だとちょっと寄り道出来ないのが残念。
Mt.Cook Look Outのサインが見えた。でも8km手前に出すとは自転車にはつらい。
 ここの公衆トイレで水補給。以前もここで補給したけど、水こんなに白かったっけ。トイレには募金箱があり、英語・日本語・
韓国語などの表示があった。ボロい車でここに来たのは日本人女性2人組だった。Lake Pukakiの向こうに万年雪で上が白いMt.Cook
をはっきり眺めることが出来る。
 今日は週末、銀行・郵便局に行っておきたい。TwizelのショッピングモールにはNational BKがあった。$50おろす。金は充分あ
る、減らないくらいだ。食料を買い、外の公園でゴマパンとクリームチーズ、それとオレンジジュース、この組み合わせがうまい。
ミルクも欲しい。
 9km戻り右側のピクニックエリアに今日の野宿地決定。まだ15:36。暇つぶしに「恐るべき空白」を読んでいたら、突然ピッ〜と
いう音とともにリアタイヤがぺちゃんこになった。チャーチで修理した所にまた穴が開いてしまった。しかし、走行中でなくて良か
った。パンクもこういう状況ならまだ運がいいと思うべきか。新しいチューブに換えた。やはり米式バルプの新品がもう一本欲しい。
手足がヒリヒリする。特に太股は真っ赤になっている。やけどみたいだ。明日は暑くてもタイツをはいて走ろうか。

 '98.3.14(土)晴れのち曇り、一時雨まじり、強風
 朝焼けがとても綺麗だった。赤・オレンジ・金色を彩る、西には月がおちていく。雲がどんどん集まっている。南の方は暗く雨が降
っているだろう。幸いMt.Cookの方は青空が見え今日一日はもちそうだ。
 8:08出発。昨夜少し離れた所で一泊した老夫婦に写真を撮られる。こちらの人にしては出発がはやい。Look Outの便所で水補給。
やっぱり白く濁っているが気にしない。
 80号線へ入っていく。ここから徐々に上り、車は少ないがひっきりなしにノッポバスが通っていく。追い越し時の風が怖い。
(もっと右に寄って抜いていってくれ〜。)舗装はとても荒い。小さい砂利がしっかり敷き詰められているという状態だ。上りはゆる
やかでそれほどきつくない。だいぶ体が慣れてきたようだ。
 風がとても強くなってきた。Mt.Cookの左から右へと雲がどんどん流れている。谷に沿って風が落ちてくる。たまらず休憩。牧場の
柵に止めたMTBは2回も風で倒れた。峠道のように苦しい走りを強いられる。時速7〜8キロ、ローギア入れっぱなし。飛行場の入り
口の大きな石にバイクを止め、座り込み休憩。もう立っているのもつらいほどの風だ。風速30〜40km/hぐらい。すぐそこに村は見え
るのに進めない。
 小雨まじり、横風にあおられ脇の砂利に突っ込みあやうく転倒。ステムが右に30度ぐらいずれてしまった。時々路肩に立ち止まり、
風が弱くなるのを待つ。もう立ってバイクを支えているだけでもたいへん、とても走れたものではない。容赦なく追い越していくバス
そんなもの利用する奴がいるからいけない。同じとこを行き来するだけの能なしの仕事だ!
 ビジターセンターに着いた。綺麗な格好をした観光客ばかりだ。店はハーミテージの1階に移動していた。ここから最初のフィルム
を日本に送ると記念になると思ったのに・・・。まったくここは日本の清里か倉敷か。もうここに用は無い。
 Mt.Cookはすっかり姿を隠してしまった。風は弱まったが天気は下り坂。Glentannerには売店がある。しかし食品は無かった。店員
の女の子は日本語で挨拶する。高校で習ったそうだ。すぐ食える系の食品が欲しいなあ。
 Look Outで水くみ、トイレットペーパー入手、頭を少し洗う。
 結局昨日と同じ所へ戻ってきてしまった。ちょっと今日は走りすぎたかな。

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