PCMジャズ日記
7月9日(金) お医者さまでも草津の湯でも


 
「PCMジャズ喫茶」2004年6月12日の放送より

出演 寺島靖国店主 長澤 祥さん 岩浪洋三さん

冒頭は、岩浪さんの青春が再び花開きそうな予兆というお話。『メグの会』で素敵な女性とお知り合いになれたそうで、そういえばどことなく声も弾んでいるようにも聴こえますが・・・

寺島 「いやはや、盛り上がりましたけどね、じゃあちょっといきましょうよ岩浪さん、1曲目。」
岩浪 「オーストラリアのジャズっていうのを探してきたんですけども。最近なんか、みんなヨーロッパ、ヨーロッパって言って、僕はへそ曲がりだからどっか、他の国に何かないかと思って、ハハハハハハ」
寺島 「ふう〜ん、うん。」
長澤 「ハハハハ」
岩浪 「それで、女性ですけど、ジュディ・ベイリーっていうね、ピアニストなんですよ。」
寺島 「うん。それで?」
岩浪 「それで、50年代に流行った曲で『ウォルチング・マチルダ』って知ってるでしょ。」
寺島 「『ウォルチング・マチルダ』ってオーストラリアの第二の国歌じゃないですか。」
長澤 「うん。」
岩浪 「そう。それをやってるんです。」
寺島 「ほぉう。」
岩浪 「ジュディ・ベイリーのピアノ。全然あと知らないな。クレイグ・スコット、ベース。サイモン・ベーカー、ドラムス。トリオのようです。」
太田 「何曲目ですか。」
岩浪 「え〜と・・・」
寺島 「フフフフ」
長澤 「ハハハ」
岩浪 「5曲目。」
長澤 「歌は盛んに歌いましたね。これね。」
岩浪 「流行ったでしょ。50年代にね。」
寺島 「あのー、なんか、この世の終わりみたいな映画あったじゃないですか。何て言ったっけね、水爆だか、原爆だか、」
太田 「『渚にて』」
寺島 「『渚にて』」
岩浪 「それに出てきました?」
寺島 「『渚にて』のテーマミュージック的な」
太田 「ですよ。」
寺島 「この曲はね、『ウォルチング・マチルダ』ね。」
岩浪 「あそ、きょうは勉強になりました。」
寺島 「すいません、あの、釈迦に説法で」
岩浪 「いえいえ。」
太田 「では、行きます。」
寺島 「はい。」

♪ Waltzing Matilda / Judy Bailey & Friends (EMI 4797182)

寺島 「えーっと、長澤さんいかがでした?」
長澤 「いや、なかなか軽いタッチで、リズム感があって、聴いてて楽しかったですね。」
岩浪 「なんか、ジーン・ハリスを軽くしたような。」
寺島 「そうですね。スタイルとしてはまさにそうなんだけど、僕が一つ不満があるとすれば、あの『ウォルチング・マチルダ』というあのせっかくのいいメロディーが、なかなか出てこなくて、」
岩浪 「そうそう。」
寺島 「くずし気味で、ネ。」
長澤 「うん。」
岩浪 「そう、そう、そう。」
寺島 「やっぱり、あのメロディーを、こんなふうに私は弾いてみせますよっというのが欲しいやねっ。」
岩浪 「大切にね。」
寺島 「ねっ、大切にね。」
岩浪 「そう、そう、そう。あの美しいメロディーをね。もったいない気がするよね。」
寺島 「そおー。だから崩すのがジャズじゃないわけですよ。必ずしも。」
岩浪 「そう。人間は崩れてもいいけど、メロディーは崩すなと言いたい。ウフウフウフ」
長澤 「ウッフッフフフ」
寺島 「ハッハ、ほら、きょうね。やっぱり人間、恋愛してなきゃだめなんですよ。(笑)いつもと違うでしょ?!」
岩浪 「フフフフ、フレーズが出るようになったハハッハハ」
寺島 「(笑)第二の青春なんですよ。」
長澤 「精神がハイになってるんですね。」
寺島 「ハイになって、やっぱりね、何でしたっけ?『草津の湯でも』ッフッフッフ、なぁ〜んかテキメンですね、岩浪さん。」
岩浪 「すいませんね。」
長澤 「わたしも後でかけますけどね、」
寺島 「ええ、ええ。」
長澤 「『ムーングロウ』かけますけど。」
寺島 「『ムーングロウ』」
岩浪 「うん。」
長澤 「それもね、スタンダードなんだけど、やっぱり後からやる新人はね、」
寺島 「うん。」
岩浪 「うん。」
長澤 「スタンダードで名演がたくさんあるから、やっぱりどっか、変えたいという気持ちがはたらくじゃないですか。」
寺島 「うん、うん。」
岩浪 「あー。」
長澤 「そうすると、メロディーが、我われが希望するようストレートには、出てこない。」
寺島 「うん、そうですね。」
長澤 「なんかこうね、変えてやろうっていう意図が、聴こえてくる。」
寺島 「そうですね、だから90年代ジャズというものができて、かつての50年代、60年代に、いわゆる4ビートでスタンダードやるみたいな、そういうジャズがまた復興してきたじゃないですか。」
岩浪 「そう。」
長澤 「そうです、うん。」
寺島 「だからどうしても、いま長澤さんが言ったみたいな、メロディーをストレートにそっくりそのまんま、気持ちが趣くままに、表現するっていうんじゃなくて、どっかこう、変えてやろうみたいな、」
岩浪 「一ひねりしてやろう。」
寺島 「一ひねりしようとする意図がはたらくから、聴いてる方は、ひねんなくてもいいから、お前、ちゃんとやれよって言いたいわけですよね。」
岩浪 「直球で勝負しろって、」
寺島 「そう。そこのギャップだと思うんですよ。たぶん、50年代、60年代の人が、90年代に入ってこれないのは。」


というわけで、わたしは、もっともっとストレートな『ウォルチング・マチルダ』を聴いてみたいと思い立ったのです。こうしてどんどん、探し物が雪だるまのように大きくなっていってしまうのですねぇ〜。もうほとんど依存症というか病気ですね。
♪お医者さぁ〜までも 草津の湯でもぉ〜 ってか


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