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「PCMジャズ喫茶」より 出演 寺島靖国店主 長澤 祥さん 岩浪洋三さん 例のヴィーナスのニューヨーク・トリオですね、スイングジャーナルの読者投票で候補曲を選んで、ビル・チャーラップ自身が最終選考したという。さて、10曲あるんですが、そのうちのどれを聴きたいかで性格がわかるということで、こんな展開になりました。ちなみに持参した岩浪さんは『木の葉の子守唄』が推薦曲でした。 寺島 「やっぱり1曲目のラヴァカンですよ。『恋人よ我に帰れ』ね。」 岩浪 「あそお。割と単純ですね。」 寺島 「ああ、すいません。と言うと思ったんだよな(笑)フン(笑)長澤さん、そのねじれた性格がわかりますからちょっと出してください。」 長澤 「僕は『煙が目にしみる』です。」 寺島 「あ〜そお。」 寺島 「わりかしね、ねじれてないですね。」 岩浪 「僕は、一番最初に聴きたいと思ったのは、『キャント・ヘルプ・ラビング・ダット・マン』」 寺島 「ちょっとなんか評論家臭いな。ちょっと太田さんに決めてもらおう。」 岩浪 「どの曲聴きたい?」 寺島 「1曲目に何選ぶ?」 太田 「う〜ん、『ステラ・バイ・スターライト』」 寺島 「おぉ〜っ、ちょっとまともね。」 岩浪 「皆違うな。」 太田 「好きですから。」 寺島 「う〜ん。」 岩浪 「『木の葉の子守唄』選んだ人誰もいない?」 寺島 「いないですよ。」 岩浪 「じゃ、誰に選択権・・・」 寺島 「どうします?4曲ってわけにはいかないですよ。」 岩浪 「う〜ん。じゃ1曲目のラヴァカンやりますか?」 寺島 「(笑)1曲目ってことでね。(笑)じゃ、お願いします。」 太田 「では、いきます。」 ♪ Lover Come Back To Me / Bill Charlap Trio < Venus Records TKCV-35344 > 寺島 「さて、『ラヴァー・カム・バック・トゥ・ミー』でしたけれども、長澤さんどういうふうに聴きました?」 長澤 「彼は流麗なメロディーを弾くのが好きなのに、ポツン、ポツンとしてて、音楽がつながらない?」 岩浪 「ひっかかるでしょ。」 長澤 「感情がつながっていかないっていう感じでね。」 寺島 「なるほど。」 岩浪 「後半ちょっと流れが良くなりましたけどね。」 寺島 「アドリブ後半、ベースソロの前あたりから、少しずつ充実してきた感じがありますよね。」 岩浪 「そう。」 寺島 「僕はやっぱりね、つまり『ラヴァー・カム・バック・トゥ・ミー』という曲が大好きで、色んな演奏を聴きたいんだけども、この人のこの演奏をライブラリーから取り出して、トレイに乗せようとは思わないです。」 岩浪 「うん。」 寺島 「つまりね、僕が思うに『ラヴァカン』っていう曲は、ビル・チャーラップというミュージシャンの中にね、無い曲だと思うんですよ。」 岩浪 「あっ、いままでね。ただそういう曲目が出てきたんで、やらざるを得なくなってやったという。」 寺島 「という解釈ですけどもね。」 岩浪 「うん、うん。」 寺島 「太田さんなんかどうですか?」 太田 「やっぱり、歌ってないなっていう感じがしました。」 岩浪 「ああ、いいこと言うね。」 寺島 「それだよ。」 太田 「自分の感情込めて歌ってない。分散和音を弾いてるだけって感じで。」 寺島 「なんか急に音楽用語出てきましたけども。」 岩浪 「ハッハッハ」 寺島 「つまり自分のものになってないんだね。」 太田 「はい。」 寺島 「はぁ〜、やられちゃったですね、200歳トリオは。52歳に。」 太田 「57ですよ、もうすぐ。」 寺島 「え〜岩浪さん。これじゃなくて、だから言っただろう『木の葉の子守唄』と言ってましたから、」 岩浪 「うん。」 寺島 「じゃ、果してその通りかどうか、ちょっと我々の耳で検証したいんで、それいってみましょうよ。」 長澤 「是非。」 岩浪 「じゃあ、3曲目。間違ってたらごめんなさい。」 寺島 「しょっちゅう間違うからいいですよ。」 太田 「では行きます。」 ♪ Lullaby Of The Leaves / Bill Charlap Trio < Venus Records TKCV-35344 > そして・・・ 寺島 「いやいや、これは驚きましたね。」 q 岩浪 「やっぱ、こっちのほうがいいでしょ。」 寺島 「全然。なんか違う人が違う場所で演奏したみたい。」 岩浪 「やっぱり曲によって、自分がのめり込める曲と、のれない曲と、相性ってのがあんのかな。」 寺島 「う〜ん。たぶんね、『ラヴァカン』をね、スタジオ入ってね一番最初に演奏したんじゃないかっていう気がしますよ。まだスタジオの空気がこなれてないうちに始めちゃったみたいな。」 岩浪 「ああ。なんかね。」 寺島 「いまの演奏って実にこなれているじゃないですか。3人が全体の大きなうねりを持ってスイングしてますよね。」 岩浪 「うん。」 寺島 「さっきのはそこがギスギス、ギクシャクしてたっていうのがわかりますよね。」 岩浪 「あん。」 寺島 「岩浪さん、さすがですねぇ〜。」 岩浪 「えっ(笑)」 寺島 「いや驚きましたね。」 長澤 「全部聴いて選んだだけありますね。」 寺島 「聴いてるんですねぇ〜。」 岩浪 「アハハハハ勿論、聴きますよ。」 寺島 「俺は聴かないで書いてるのかと思ったけど。」 岩浪 「2回ぐらい聴きましたよ、これ。通して。」 長澤 「ビル・チャーラップが嫌いだという岩浪さんが全部聴いたっていうのは珍しいですね。」 寺島 「う〜ん、よほど暇だったんですね。」 小次郎 言われてみると、本当にそうなんです。これはマインド・コントロールでもなんでもない、聴くと誰でもわかると思います。お持ちの方は試しに聴いてみてください。 だから、言われてみれば分かる人と、それを言う人の差って大きいんだなぁ〜。いやお見事でした。 |