vol.5 Barney Wilen Quartet「New York Romance」
浮世ばなれしたいとき、バルネ・ウィランのマック・ザ・ナイフ


 
アルバムジャケット BARNEY WILEN soprano,tenner,bariton sax
KENNY BARRON p
IRA COLEMAN bs
LEWIS NASH ds
1994年録音(venus)


 はじめて聴いたときからビーンときたアルバムの紹介が続きました。そこで今回はゆっくり、ゆっくりお気に入りになっていったものを紹介しようと思います。
 「迷い箸」という言葉がありますが、ディスク棚の前に立ったとき。つい手が、空中で弧を描いてしまうことがあります。さて、何を聴こうか。
 この1枚はそんなときに選んでいることが多いのです。そのことに気づいたのも最近です。
バルネ・ウィランといえば、「Passione」というアルバムの「Jitterbag Waltz」が一番好きです。つい最近ではmiyukiさんの紹介で知った「French Ballads」の「SOUS LE CIEL DE PARIS」も名曲だと思います。
アルバムジャケット  今回は、あえてこの「New York Romance」です。それは、是非このジャケットを見て欲しかったからです。
 この女性、現実離れしていると思いませんか?映画の中にだけ生息しているような。生活感をまったく感じさせない女性。「あたりまえだよ、ジャケット用の写真だもの。」そんな声が聞こえてきそうですが、でもこの女性、バルネ・ウィランの恋人なんだそうですよ。つまり、彼にとっては彼女がいつも傍にいるのが日常なんです。あるいは、非日常が連続しているバルネ・ウィランの人生といってもいいかもしれません。
 自分の恋人でこういうジャケット作れる人ってそうはいないと思うんですね。絵で音で、わたしが自分の人生で決して体験することのない世界を夢見させてくれる。そんな一枚なのです。
その中で、曲はマック・ザ・ナイフです。
ケニー・バロンはこのアルバム録音中、ほとんどバルネ・ウィランと会話することなく、時間があればバン・ゲルダー・スタジオの外でタバコを吸っていたようです。演奏では話してますよね、二人のミュージシャンのこういう成熟したコミュニケーションが好きなんです。
わたしたちの浮世では、どんなに話し合っても結論に達しなかったり、わかっているのに意地を張って反発したりすることが多いのに、言葉はかわさないが曲はばっちり決まる、プロですね。すごい。
また、思い込みのアルバム紹介でした。

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