症 状
A 体温上昇以前に認められる症状
a. 筋肉の強直
約半数の症例に認められる。挿管時、下顎の強直で本症に気付く場合が多い高度な場合には全身の筋肉の強直が認められることがある。
b. 頻脈、不整脈、不安定な血圧
原因不明の頻脈であり、ほとんど症例に見られる。麻酔深度に関係なく血圧の変動が認められる。
c. 自発呼吸の出現
筋弛緩薬を使用しているにもかかわらず、自発呼吸が出現する傾向がある。また筋弛緩薬の効果が弱いとの報告もある。
d. チアノーゼ、発汗など
全身麻酔中は、酸素濃度が高いはずであり、さらに交感神経系が遮断されているにもかかわらず、時に全身のチアノーゼ、発汗などが認められる
B 体温上昇
体温上昇は多くの場合、麻酔開始から30ー60分経過した頃より上昇する。場合によっては数 時間後、急激に体温が上昇する症例もある。
体温上昇速度は典型的な場合、15分に1.0 ℃前後と急峻である。あるいは、気付いたときに40℃以上であったとの報告もある。
C 体温上昇以降に認められる症状
赤褐色尿(ミオグロビン尿):多くの症例では骨格筋の崩壊が起こるので、時間を経って尿中にミオグロビンが出現する。(尿検査用テステープのヘモグロビン帯の変色は無い。なお、血尿、溶血があれば、陽性になる。)米国ではコーラ様色調尿とも記載されている。
D 後遺症(悪性高熱症に特有なものに限定)
筋肉痛、筋力低下、歩行障害:崩壊した骨格筋の量により程度が異なる。
E その他
いわゆるショック症状:異常な代謝亢進が起こっているため、ショック状態になる。