2002.5.23 遠慮ない欧州車設計手法とカーナビ工事のうんちくメモ


クルマを買いました。
国内ブランドだけどもともとはここのクルマ

カローラぐらいの車体に2200ccのエンジンを詰め込んだ無理矢理なところが気に入って買いました。
予想通りぐいぐい走るのでひとまず安心。


で、ナビの取り付けをしたらいろいろ発見があったので自分のために書くことにします(笑)。
全然ギャグも落ちもないのでよろしくお願いします。


<一応考えてあるなって感じの電装系>

まず、たいていのクルマでネックとなる車速信号。
今はエンジンもATも電子制御が一般的なのでどっかに車速信号ラインがあり、
ほとんどの場合マニュアルを見て探すことになりますが、
このクルマはオーディオ用集合コネクタに車速信号が来ています。

純正デッキを外すと、その背面に下図のようなコネクタがのぞいています。
こいつがデッキの背中に直接ささるカタチになります。

欧州車には詳しくないのでよく知らないのですが、
オーディオのコネクタをある車種だけのために作るとは思えないので
きっとこのコネクタと端子配列はいろいろなクルマで使われる共通規格なのでしょう。

 ←  このような配置です

もっと暇な頃だったら、これにあわせて変換ハーネスを自分で作るのですが、
時間がないので市販のキットを使いました(日東工業製NKG-93DX)。

おっとそうだ。
純正オーディオ(MDデッキ)の取り外しは、U字型の特殊工具で行います。
デッキの4隅に小さな穴が空いていて、ここにU字の先端をさし込んでロックを外します。
ネジを一本も使わない設計で、とても合理的です。
これは工場で組立てる作業者は楽でしょうね〜。
しかし、こんなに一瞬で脱着できていいのか。マジで5秒で盗めます

まあ、もっと高いクルマはダッシュボードと一体化した分解不可高級オーディオに
なっているようなので安いクルマ用のシステムなのかもしれません。

ということで、ナビに必要な配線

・バッテリ電源...メインの電力ライン
・GND...基準電位ライン(通常は車体に接続する)
・アクセサリ電源...アクセサリ位置の検出ライン
・車速信号...車両の移動速度/移動距離演算、停止検出用
・パーキングブレーキ信号...駐車ブレーキ(サイドブレーキ)作動検出用
・Rレンジ信号...後退検知用
・GPSアンテナ入力...専用GPSアンテナ接続用
・イルミネーション信号...ディマー(夜間減光)用

のうち、Rレンジとパーキングブレーキ以外はこのコネクタからとれます(便利)。


<大事なハーネス保護>

自動車のインパネの中はせまいので
ハーネス(電気配線)はまわりの部品と接触して音を出したり断線したりしないように
保護しなくてはいけません。
国産車ではコルゲートチューブという樹脂製のチューブをかぶせるのが一般的です。

欧州車をバラすのははじめてですが、このクルマはハーネス保護を布テープでやっていて
なかなか感心しました。
やわらかい素材であるため周辺部品と接触してもカタカタ音が出ることもありません。
しかもテープ自体が吸音材としてはたらき一石二鳥です。

インパネ内部のエアコンダクトはインパネとがっちり固定されています。
これも、相対動きがあると異音の原因になりますが、さすがにポイントはおさえているようです。


<リバース系>

Rレンジ信号は、リアコンビランプのリバースランプ配線から分岐。これは普通ですね。

リアコンビランプはウインカー、リバース、ポジション、リアフォグの4段の一体型です。
樹脂製で非分解に見えるのですが、タマが切れたらどうするんでしょうか。
なんかきっとバラす方法があるんでしょう。
コネクタはコンビランプAYから端子が直接ずらりと出ている構造で、
そこにボディ側のコネクタがささる形です。


 コネクタを外してみたところ。端子は大味。
(ボディ右最後部の内張りフタを外して撮影)

写真でコネクタの下に見えている白い3角形の物体はリアコンビランプ固定ネジで、
コネクタの上にももう一つあります。
これを素手でくるくるとゆるめればコンビランプは簡単に外せます。このあたりも非常にうまい。


 ここからGPSアンテナの線を室内へ入れる


<コードってどこを通す?>

で、ランプを外したそのすき間を使ってGPSアンテナの配線を車内へ入れました。
昔はウエザストリップ(リアゲートやドアのシールゴム)を切ったり、
むりやり横断させたりして通してもみましたが必ず漏水に悩まされる結果になりました。

ドアにしてもリアゲートにしても、きちんと閉まった時のゴム圧縮率を計算して構造が決まっているので
そこに数mmの邪魔モノが入れば当然シールはできなくなってしまうわけです。

むりやり線を通したら、その部分を何かでシールする必要があるわけですが、
常に開閉を繰り返すドアやリアゲートのシールゴム表面に何かを塗るわけにはいきません。
ということで、コンビランプコネクタ用の貫通穴からアンテナを通すことにしました。
ここならば接着剤や粘土でシールしても何の問題もありません。

おっと注意をひとつ。
アンテナの線は必ず一旦下を引き回してから貫通穴へ入れること。
こうすれば線を伝わって雨水が入り込まなくなります。

というわけで、
ウェザーストリップ(シールゴム)は切ってはいけません
また、
ウェザーストリップ部にコードを通してはいけません


鉄板に小さな穴を開けて線を通す方がましです。マジで。
(もちろんシールする)


<リキの入ったカーペット>

カーナビ取り付けで最も問題になるのが、アンテナや信号、電源などの線の引き回しでしょう。
断線防止の面からも美観上からも、見えないように隠して配線したいところです。

今回はリアゲート付近にGPSアンテナとテレビアンテナがあり、本体は運転席下なので
車体後部から運転席の下まで合計5本のアンテナ線をずるずるとひっぱらなくてはなりません。

よ〜し、カーペットの下にもぐり込ませてキレイに片付けるぜ〜....あれ?
カーペットが床と一体化していてハガせない....!

自動車の床には、出っ張った部分や平らな部分がありますが、
よくよくさわってみると、カーペットが床と同じ形に成形されていて、
ぴったりと床の凹凸の通りにはまりこんでいます。
しかもカーペットの裏には厚さ何センチもあるウレタンがはりついていて異常に念入りです。
剥がそうにもカーペット自体が立体なので全然曲がってくれません。
ちょこっとはじっこを浮かせてアンテナコードを潜り込ませようというたくらみはあえなく挫折。

 サイドフレーム部の樹脂パネルをはがすの図

仕方がないのでサイドフレームの樹脂カバーをハガして、シートレールと車体の間に
アンテナコードをはわせました。
ここ以外のところを通すには椅子を外してカーペットを全てはがす必要があります。

おそるべし。独逸流。

おっと、上の写真にいいものが写ってますね。
ドアと接触する部分に当たるシールゴムが2つあるのがわかるでしょうか。

内側のものはドア内張りと、外側のものはドア外縁とそれぞれ接触して空気と水を遮断します。
当然遮蔽効果は大きく、特に車内騒音低減に効果絶大です。

 樹脂部品の合わせは割と大味


<リキの入ってない樹脂部品>

鉄板部分と遮音関係はとびきり豪勢ですが、樹脂部品の合わせとか固定方法は
とってもアバウトです。

写真はセンターコンソール部をばらしかけてるところですが、
例えば灰皿(写真には写ってない)は、写真中央の黄色い部分がボルト固定で、
あとは上部のエアコンパネルにさし込み固定、つまりネジ一本で止まっています。

センターコンソール自体の固定ボルトも、運転席&助手席側の面にモロだしで見えます。
今時の国産車なら軽でもやってない割り切った取り付け方ですね。

まあワタシはそのへん全く気にしないのでどーでもいいのですが(笑)


<遠慮のない椅子>

欧州車のシート神話というのが確かにあるようで、
やれ、どこそこのシートは国産と違って腰が痛くならないとか、
やれ、どこそこのシートは国産と違って疲れないとか、
いろいろ聞きます。

ちょっとまて。いくらなんでも「国産」ってひとことでまとめるのは乱暴だろ。
それにシートなんかその人の体格に合ってないとだめだろうから、
あるクルマのシートがAさんにぴったりでもBさんには合わないかもしれない。
だいいち、欧州車だってイイのもダサイのもあるはずでしょ....?

とワタシも思っていたのですが、
「たしかになんかどっか違うかも...」とちょっと洗脳されかかっています(笑)
構造的にはスプリング反力とウレタンの弾性がパラメータなわけですが、
実はそれ以外の秘密があるのかもしれません。

一つ言えるのは、椅子をボディに取り付ける金具、というか金属フレームが
異常に大げさな構造になっているということです。

椅子そのものだけでなく、取り付け方法を含めたトータルでの振動系の差が
疲れの違いになっているのかも知れないですね。


まあ、そんなことより何より、

「ドラムセットが全部積めた」

ことが最大のヨロコビでしたね。はい。