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花の病気や害虫

▼花の写真

▼花き病害虫図鑑私作版 (準備中)


2003年5月、異動により病気や害虫の仕事から離れることになりました。以下は過去ログ。

 私は現在、花の病気や害虫に関する仕事に従事している。花と言っても、何でもするわけではない。対象は、「大分県内の花き類生産農家が、農業生産として栽培している花き・花木類の病気と害虫」だ。

 もう少し具体的に品目をあげると、キク・バラ・カーネーション・ユリ・トルコギキョウのように全国的なものに加えて、アルストロメリアやハイブリッドスターチス・ホオズキのように県内での生産が盛んなもの、ヤマジノギク・シュッコンアスター・ワレモコウなど大分県がオリジナル品種を展開している品目などが主なものだ。

 しかし花き類は嗜好品的要素が高い。どんなに美しいと感じた花でも毎日見ていれば慣れてくるし、周りにたくさんあるとありがたみが薄くなる。だから次々と新しい品目が海外から導入されたり、新しい品種や系統が作出され続けている。ブームがあるのだ。診断依頼で持ち込まれる植物の中には見たことも聞いたこともない植物というのが、年間何件かあるのだ。もちろん、たいていの場合文献に病害虫が載っていない。

 海外からの品目の導入は、同時に、これまで日本には存在しなかった病害虫を持ち込むもっとも重要な要因だ。いくら検疫体制を強化しても、それがサンプリング調査であることと、無病徴感染した植物の通過が起こりえることを考えると100%とはいかないだろう。
 例えば近年全国的に問題になっているトスポウイルスのTSWVやINSV、ジェミニウイルスのTYLCVなどがそうだし、シュッコンカスミソウやシュッコンスターチスのうどんこ病も海外から持ち込まれた可能性が高いと考えられているようだ。害虫ではミカンキイロアザミウマやマメハモグリバエ、そしてトマトハモグリバエなどがホットなニュースだろう。

 ヒトにはヒトの病気がある。ネコにはネコの病気がある。ヒトからネコへ、またはネコからヒトへ感染する病気(人畜共通病害)もあるが、ネコにはうつらないヒトの病気、ヒトにはうつらないネコの病気もある。同じ関係が、植物の病気や害虫同士にもある。そのことを明らかにするのは植物防疫上重要なことであり、多くの先達達がそれに関わってきて莫大なデータの蓄積がある。例えば日本植物病名目録には、園芸品種にとどまらず、野生の植物を含めて、編集時までに正式に記載されたすべての病気が載せられている。「どの植物のどの病気が何という菌で引き起こされるのか」という国内での記載である。しかし、次々と新しい品目が導入されているため、特に海外からの花については全く記載がない。また、国内で新たに発生が認められた病原菌も記載がない。さらに、病原菌も生物であり常に進化と多様化を試みている。病原性の強さが変わったり、寄主の範囲が変わったりすることは頻繁に起こるのだ。

 そのような状況の中で、栽培現場で判断できないような症状の原因を特定し対策を指示することが、私の仕事の一つである「病害虫診断」である。医者とはちょっと違うな。

 病害虫は、それを診断しただけでは何にもならない。求められているのは診断結果ではなく対策なのだ。そのメインとなる手段が農薬である。農薬の是非についてはいろいろな意見があるし、その根拠として示されるデータもどこまで信頼できるのかという問題を含んでいる。だからとりあえずこの話は横に置いておこう。

今日はここまで。この続きはまた気分が乗ったときに書きます。