ポータブルデジタルレコーダーで生録を
ときに1970年代、若者の間で、肩掛け型のカセットデッキを担いでいってドキュメンタリー録音をするのが大流行しました。自然の音を求めて山野に分け入る姿から(?)サウンドハンティングなどという言葉が生まれ、ロクハンなる専門誌(生「ロク」とサウンド「ハン」ティングの合成語か?)が刊行され、今では信じられないことですが、「生録ブーム」というのがあったのです。私的な分析によれば、当時の生録は「面白い音が録れたヨ」「素晴らしいドキュメントが録れたヨ」といっても、いまのように品質を落とさずにダビングできない。インターネットもない。結局のところその感動をみんなで共有しにくいがために、廃れていったのだと考えます。
時は下り、メディアもテープからディスクに変わり、いろいろなレコーダーが現れ、消えていきましたがこのところの固体メモリーカード等に記録するポータブルデジタルレコーダーの出現・低価格化によって、生録の様態は一変、従来の生録の概念はすっかり塗りかえられたように思います。
端的にいって、ポータブルデジタルレコーダーは、小さい、ノイズが少ない、高音が鈍らない。また長時間の録音も可能。電池寿命も最近の機種では飛躍的にのび、生録をするのに全く不足はありません。
いま、ポータブルデジタルレコーダーを使えば70年代当時より遥かに軽快な装備で、当時では考えられなかったようなクリヤーな音で生録が可能です。デジタル・ダビングならばいささかも音質は劣化せず、パソコンに取り込めば保存、配信も縦横に可能です。しかもレコーダーは、その辺の電気屋で2〜3万円で買えるのです。この素晴らしい機能を、使わない手はありません。
しかしながら、生録(特に外部マイクによる録音の成否)はレコーダーのメーカー側のサポート対象としては面倒な部分が多いため、結局のところメーカーからは内蔵マイクを使った通り一遍の「機器の使い方」以上の情報は普通は得られません。
そのような背景から、このホームページではとりあえず最も身近なポータブルレコーダーの外部マイク入力を使った録音を中心に、今日における生録の可能性と楽しみを、紹介していけたらな、と思います。(トップにもどる)