K-recのCD工房見学コースへようこそ!
録音 →取り込み・編集 →マスタリングためし焼き →盤面印刷 →パッケージング他


録音(工房・・・の範疇ではないかもしれませんが)
コンデンサーマイクロフォン、専用マイクヘッドアンプ、固体メモリーレコーダー、ハードディスクレコーダーを使用して録音します。バックアップ用に他のレコーダーも使う場合があります。
近場なら出張録音できるかもしれません。ご用命ありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。基本的に、いろいろな所に出かけて行って録音するのが好きなのです。
使っている主なマイクロフォンだけ紹介します

●メインマイク1 RODE/NT1000(コンデンサー型)

ノイズがとても少なく、クリーンでシャッキリした音といいますか、演奏者が熱くなれば音も熱くなるのがわかる???ような鋭敏さがあります。3点吊りで使ったり、ナレーションの録音に使ったり、結構指向性が鋭いです。

上記マイクでピアノの収録をしています。スタンドはドラムセットのシンバル用を流用。ピアノはベーゼンの記念モデル!


●メインマイク2 AUDIX/TR-40(コンデンサー型)


無指向性で、音色はナチュラル。高音圧に強くない・・・嫌いがある。響きのよい場所で音源に近付けて録ると、広角レンズで思いきり寄った写真のような迫力---とでも言いましょうか、素晴らしい臨場感で録れます。S/N比は上記NT1000よりいくらか劣ります。

●その他、SONY/ECM-959, PRIMO/EMU-4535, SONY/ECM-23F, RODE/NT-4などあります。

●主要レコーダー

専用マイクプリアンプとDATレコーダーをマウントした自作のラック・ケース。収録が長時間にわたるとマイクプリアンプも非常な高温になるので、放熱のため天面に金網が張ってあります。現在はDATの代わりに固体メモリーレコーダーを使えるようになりました。


自作のマルチ録音用ラック。

8ch H.A.新規導入いたしました。出力はHDRに直結!! 

入力系は、YAMAHA の最新型デジタルコンソールDM2000の拡張用ヘッドアンプとして設計された、というMLA8。HDRの後はMXB1002でモニター。もちろん(工房には)コンピューターを使ったソフトウエア・レコーディングシステムもありますが、現状では持ち出し用にはリアルマシンを使っています。

その他の、装備している主な音響関係の機材

オーディオミキサー TASCAM M-208
FOSTEX 450
アウトボード YAMAHA SPX990
SONY MU-L021
カセットデッキ A&D GX-Z7100EX
Victor TD-V721
SONY TC-D5M
Betaビデオデッキ SONY EDV-6000
プリアンプ Marantz DAC-1
パワーアンプ Accuphase PRO-2
モニタースピーカー YAMAHA NS-1000M


音源の確保
音源は新たに録音したもののほか、既存のカセット、ビデオ、MD、DAT等。あるいはパソコンに直接読み込み可能なオーディオファイル等、再生/読み出しが可能なものならなんでも音源に使えます。


音源の「取り込み」〜編集(Apple/Logic Pro7使用)
オーディオ編集ソフトに音源を取り込みます。音源がデジタルメディアの場合はデジタルデータのまま。アナログの場合は別途外付けのADコンバーターを経由して取り込みます。はじめからデジタルデータのものはパソコンのドライブから読み込みます。
編集は オリジナルの音質を損なわない32ビットフルデジタル処理による編集です。おおむね次のような処理が行われます。

DCオフセットの除去
コンピューターに取り込まれる音声は、基本的にDCの0ボルトを境にプラスに振れたりマイナスに振れたりする交流の電気信号です。しかし実際には、録音される条件や機材、電源の事情等により、本来0ボルトであるべき基準電位がズレている場合があります。この現象は程度が極端なものを除き、波形の見た目では発見できません。ずれたオーディオを連結したりして編集すると、微細なレベルのズレであっても激しいノイズを発生します。よってこのズレ(オフセット)を検出し、除去するわけです。

音量レベルの調整
別々の条件で録音されたトラックを同一盤上に混在させる場合、トラックごとに極端な音量の差がないよう調整します。
たとえばリコーダーのソロと、オーケストラ曲では要求するダイナミックレンジが大きく違うため、理想的な録音がなされていた場合、録音されている平均レベルはオーケストラよりもリコーダーソロの方がはるかに高いと考えられます。これらのトラックをただ並べて収録した場合、オーケストラ曲でボリューム調整するとリコーダー曲は凄まじい大音響で再生され、リコーダー曲でボリューム調整するとオーケストラ曲はか細く小さな音で再生され、不自然な印象を与えます。(市販CDの中にも、程度の差はありますが時々こういうものがあります)ゆえにこういった現象を見越して、恣意的にトラックごとのレベル調整をしておくことになります。
「音響的な自然さ」を求めるならば、本来は全トラック中最も大きなダイナミクスをもったトラックを基準に、他のトラックのレベルを押さえ込む形で音量を調整しなければなりません。つまり、リコーダー演奏の音量は、オーケストラの音量よりもはるかに小さくしなければなりません。そうしてオーケストラとリコーダーの演奏を同一の盤に収録した場合、リコーダーだけをとってみると、CDの規格で扱えるダイナミックレンジのごく一部しか使わない、極めて小さな音で収録されることになります。よって、一般的な再生環境では「よく聞こえない」ことになります。もちろんそうしたCDは一般的に商品にはなりません。ゆえに「不自然でない程度に」ダイナミクスを抑えつつ、全体の平均音量レベルを一定以上に保てるよう、調整をします。この、聞こえ方を意図的にコントロールする技術は極めて専門的で、商品として企画されるCDでは多くの経験を積んだその道の職人=マスタリングエンジニアと言われる人たちの"感覚"によって行われています。しかしながら、この「不自然でない」と思う音量感覚は、聴かれる装置・環境、気分の影響が大きく、万人を納得させられるバランスはおそらくありません。ゆえに、特別な事情がない限り音響的な意味であまり種類の違うトラックは混在させないようにするのが望ましいと考えます。
K-recでは、工程に主観的な音量判定の要素が入り込まぬよう極力注意しながら、かつ必要な時には信念を持って、音量レベルを決定します。

音源本来のダイナミクスを忠実に収録する主旨とは違いますが、一例として同じ課題曲を4クラスで歌ったある校内合唱コンクールの録音で(都合3曲/3年度分)、クラス毎あるいは年度ごとに録音機材・環境がちがうため、一枚のCDにまとめるにあたり各トラックの音量(感)を揃える主旨で行った処理の前後の波形を掲げます。

左が処理前、右が処理後です。

詳しい解説はキリもないのでいたしかねますが、たとえば上記のような処理の場合、1つの要件として音楽のダイナミクスを損なった感じをもたせずに、音量感(ギョーカイでは音圧ともいいます)を変えられる範囲を見極められなければなりません。もちろん(音楽の場合)曲そのものをよくわかっていなければなりません。

トリミング〜切り張り編集
録りっぱなしの長いテイクから必要なテイクを切り出したり、ライブ録音などで曲間の冗長な部分を切り詰めたりします。その際、切り取りー連結が不自然にならないようクロスフェードさせたり、フェードイン、フェードアウトの音量変化カーブを調整したりします。

雑音の除去あるいは抑圧
必要に応じて意味不明の音を切り取ったり、耳障りなノイズを抑圧したりします。

上は客席で録音した演奏会の音楽の例ですが、曲間の拍手が音楽を遥かに上回るレベルで収録されています。

たとえばこれを、フェーダー・オートメーションを使って滑らかに曲間のみレベルを下げます

上はかなり唐突で極端なフェーダー・ワークの例です。

正規化=ノーマライズ
収録したい音声がCDのダイナミックレンジを使いきっていなかった場合、上限に余裕のある分だけ全体のレベルをかさ上げします。これを正規化=ノーマライズといいます。


上の波形は前項のフェーダー操作によって拍手のレベルを下げた後、音楽のピークが0dBになるよう正規化(ならびに若干のダイナミクス・コンプレッション)をほどこしたものです。

もちろん、「ノーマライズ」によって再生されるダイナミックレンジが変わるわけではありません。ノイズレベルも確実に上昇します。
ただ、高レベルで収録される分、再生時に(アンプの)増幅度合いを少なくすることができ、結果、再生時の実質的なSNを幾分良くすることができます。副作用はありませんが、しなくて済むように録音できるのが理想ではあります。


演奏中の雑音は、基本的にとれません。ただし同曲中に同じフレーズが繰り返されていた場合、コピーして差し替えられる場合もあります。ただしたいへん非音楽的な行為であり、成功率は極めて低いです。ノイズの抑圧は演奏の音色に確実に影響しますので、基本的に演奏中はせず、曲間のノイズについて行います。

ダイナミクスコントロール
前項「音量レベルの調整」とも関連しますが、記録目的よりも商品的価値を優先したり、あるいは効果音として使う、BGMとして使うなど、目的に沿ったダイナミクス調整を行います。調整の度合いを増す毎に原音再生の目的には適さなくなります。音源の録音が十分なSN比とダイナミクスを持っている場合には適用できる範囲も広く、効果が期待できますが、もともと劣悪な録音には副作用も強く現れ、効果はまず期待できません。

特殊効果の付加
記録目的よりも商品的価値を優先する場合、残響を加えて豊かな響きにしたり、低音を強化したり、耳障りな高音を抑制したりといった効果を付加することが考えられます。いづれの場合にも、劇的な変化を求めると必ず副作用、不自然な感じが出てきます。


マスタリング〜焼き込み(Apple/WaveBurnerPro 使用)
編集済みのオーディオを、オーディオCD専用のマスタリング・ソフトウェアに読み込み、必要な設定とオプションの設定を行い、CD-Rに焼き込みます。マスタリング〜焼き込みの工程はおおむね以下のような流れになります。

ソフトへの曲データの読み込み。
AIFF, WAVE, SDII, MP3などの標準的なオーディオデータを扱うことができます。

曲の整列・スタートIDの設定
一枚のCDについて最大99のトラックを作ることができます。その際、オーディオデータとトラックは一対にする必要はなく、オーディオデータとは別個に、IDを設定することができます。。

曲間の調整
上記要件ともあわせ、曲間(ポーズスタートからトラックスタートの間)も自由に編集可能です。ライブ収録のアナウンスなどをポーズ時間に含めると、通常再生では全内容を順次再生、プログラム再生した時にはアナウンスをカットして曲のみを再生することができます。
曲間に、そのつどアナウンスの入るライブ録音の例。

書き込みオプションの設定
SIRC,CD-TEXT等の書き込みオプションを付加することができます。音質には影響しません。

テスト焼き込み・試聴
全般に渡り音質等チェックします。専用CDプレーヤーのほか、DVD機器、パソコンのドライブ、旧式のCDラジカセなど、敢えて劣悪なオーディオ装置でも読み取り可能か、トラックの飛ばし聴きで曲の頭が欠けないか、音量感に不自然なところはないか、ノイズは乗っていないか等多項目に渡りチェックします。

焼き込み
基本的に、シルク印刷に適した鏡面無地の盤を使います。印刷のインクに含まれた磁性体や表面処理による重量バランスのズレから完全に解放されたCD-R盤と考えられます。
なお製作されるCDは、CD-DA規格であるRedbookに準拠した完全なオーディオCDであり、一般のCDプレーヤーで再生できるほか、CD製造の原盤(プレス・プリマスター)として使用できる状態のCDです。

主な使用機材とソフト

Power Macintosh G4/Apple  パソコン本体(メイン機)
Power Macintosh 8500/Apple パソコン本体(CDR-58S/TEAC/SCSI内蔵)
DELTA2496/M-AUDIO オーディオインターフェイス(PCI)
#386/dbx A/Dコンバーター
Logic Pro7/Apple(オーディオ編集ソフト)
Wave Burner Pro/Apple(オーディオCD専用マスターディスク作成ソフト)


盤面印刷(シルクスクリーンプロセスプリンティング)

ようするに、ガリ版やプリントゴッコと同じ印刷方式です。目的の形にインクが透過するスクリーンを作り、そのスクリーンの上でインクを掻くと押し出されたインクが被印刷物にペトリ・・・・。原理が簡単な分、スキルが要求されます。

盤面印刷のおおまかな流れは以下のようになります。一部ですが、工程の写真を入れてあります

Illustlatorによる印刷データ作成
 
イメージ通りの印刷結果を得るためには、製版(露光〜現像)の再現性、白トビ黒ツブレの傾向をあらかじめ折り込んだ版下を作る必要があります。特にハーフトーン、仔細な線・文字はデリケートです。

フィルム出力(通常業務はイメージセッター使用)
イメージセッターというのは、ケタ違いに高い解像度をもった、白黒プリンターだと思っていただければよいと思います。当方では通常この機械を装備している専門の業者さんにたのみます。高価な機械なので、ある程度規模の大きな印刷屋(工場)さんでないともってません。

(参考工程)マイクロドライプロセスプリンターによるフィルム出力(版下フィルム自家供給の場合)
 ←ALPS電気のマイクロドライプロセス(熱転写)プリンタ。
←同プリンターの白黒2階調でフィルムに出力したもの。
自家製フィルムの品質については見ての通りジャギーがみられますが、製版〜印刷の段階で幾分かは(意図せず)スムージングされます。
イメージセッターで出力したフィルムであれば、もっと精細な出力〜印刷ができます。


感光剤塗布
フィルムを用意する一方で、スクリーンに感光剤を塗布し、焼き付けの準備をします。
←感光剤塗布前のスクリーン。
アルミの枠に微細な網がはられたもの、がスクリーンです。網は300ないし420番とされるもので、ベタの有無、インクの濃度、線画の細かさなどにより使い分けています。いずれも肉眼ではわからないほどの目の細かさです。
感光剤の塗布は暗所で行う必要があり、始めると手が離せない工程なので写真がありません。
塗っては乾かし〜を繰り返し、必要な厚みになるまで塗り重ねます。

←自作の乾燥炉です。
段ボール製ですが湿気と光線を排除するため、内部をアルミコーティングしてあります。熱源はドライヤー。実に簡単なもの?ですが、このマシンにより製版工程が飛躍的に能率アップしました。

←塗布、乾燥の済んだスクリーン。
こんなふうに明るいところに置くと感光してしまうので、塗布済みのスクリーンは大型クーラーボックスで保管しています。


感光焼き付け

自作の露光機です。ブラックライトの光で感光させます。写真のようにガラス面の上にフィルムを置き、その上にスクリーンを置きます。

黒いネオプレンゴムをあてがい、その上から円盤状の当て板を噛ませぎゅーと圧してフィルムと版を密着させます。実に原始的な力学。
ブラックライト(紫外線)を点灯すると、スクリーンに塗ってあった感光剤が「感光」して、光の当たった部分が固まる…というか水に溶けない性質をもつようになります。フイルム上のインクの乗った部分は光線に対して影をつくるので、したがってそこだけは「感光」しません。

現像
露光の済んだスクリーンを1,2分ぬるま湯に浸し、感光しなかったところを溶かします。作業は暗所で行う必要があり、なかなか手が離せない工程なので写真がありません。未露光部分が膨潤したところで、散水用ノズルで水を吹き付け、溶けた感光剤を吹き飛ばします。版下、感光剤の塗布〜乾燥、露光、現像が全てうまくいっていると、版下フィルムの通りにスクリーンが「抜け」ます。

エアーで水分を吹き飛ばし、さらに露光〜乾燥して版が完成します。
←製版されたスクリーン
写真ボケてますが、白いところが「抜け」たところです。


できたスクリーンを自作の刷り台にセットしました。板ガラスの上にCDを固定できる仕掛けになっています。スクリーンは盤面から数mmくらい浮くように下駄を噛ませてセットします。

印刷

下に盤を置き、スクリーンにインキを乗せ、手前から向こうへスキージ(というハケのようなもの)でインクを掻いて、「抜け」た部分にインクをいきわたらせます。


今度はスキージに圧力をかけながら、手前にインクを掻くようにします。環境温度、インクの色、粘り、スキージを掻くスピード、角度、圧力とどれもインクの乗りの具合に直接影響します。緊張する工程です。

インクが盤に移りました。


↑熱転写プリンタを使用した自家製フィルムでは、このくらいの細かさまでが印刷可能な(と言える)範囲です。


↑イメージセッターから出力したフィルム(通常業務レベル)で印刷。濁点、撥音もOK。(鏡面の写真を撮るのは、難しい・・・)

 
乾燥中です。なお現在はUV硬化インクに移行しています。(写真準備中)


参考までに、当方で印刷・製本した楽譜です。表紙タイトルをシルクスクリーンで印刷しています。



付随印刷物の印刷
印刷データの製作(Illistrator等使用)
きわめて一般的な装備、スキルにて行っております。デザイナーでは(ぜんぜん)ないので、芸術的なものはできません。 →参照(自分で作ろうマイCD)

印刷
数十枚までの印刷には前述のALPSのマイクロドライプリンターを使っています。光沢コーティングが可能です。オフセット印刷に近い仕上がりになります。インクジェットではないので、いろいろな紙に印刷できます。
それ以上、300枚くらいまでの印刷はオンデマンド印刷機(ゼロックス)で印刷します。オフセット印刷に限りなく近い印刷ができます。
それ以上の枚数になるとオフセット印刷になります。
普通は使いませんが、サンプルとか商用でない印刷にはインクジェットも使います。


パッケージング
手作業です。

印刷関係の主な設備
プリンター Canon BJF6600×2 バブルジェットA3
ALPS MD-5500×2 熱転写A4
ALPS MD-5000×2 熱転写A4
Canon PIXUS 860i バブルジェットA4
露光機 自作
スクリーン乾燥機 自作
刷り台 自作
コンプレッサー 新興製作所 BPC-8K 10kg/cm2
エアダスター
スプレーガン
ディスクカッター Carl DC-200,DC-110 B5,A4用
GBC Accucut525 A3用
製本機 MAX

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