マストアイテム〜ワンポイントステレオマイクロフォン

タイピン型 バウンダリー型 中間型 プラグ直結型 普通の棒型 ビデオカメラ用 参考


マイクロフォンには、用途によってたくさんの種類がありますが、生録用として初めて購入するのに最適と思われるワンポイントステレオマイクロフォンを紹介してみます。

ワンポイントステレオマイクロフォンは、ひとつの本体に左用と右用の二つのマイクロフォンユニットを内蔵し、これ一本でステレオ収録ができるものです。

現在市場では様々なワンポイントステレオマイクロフォンが販売されていますが一般の家電売り場で入手可能な3.5mmステレオミニプラグ仕様のものから、いくつかのタイプ〜代表的な形状から分類して紹介してみます。


●タイピン(ラべリア)型
軽量小型で、工夫次第で隠し録り?!にも使えます。音質は値段相応と思われます。実験用、他に方法がない場合の備えに持っているとよいと思います。

写真→パナソニック/RP-VC200 ¥2,000
値段は1,000円くらいから。種類も多くソニー、オーディオテクニカ等の製品が多くみられます。プラグインパワー方式で、対応のレコーダーでないと使えませんが、この手のマイクが使える(マイク入力に3.5MMステレオジャックを装備している)レコーダー)はほとんどプラグインパワー対応なので問題ありません。

形状はまったく同じでモノラル(ビジネス用)のマイクがありますので、注意が必要です。→見分け方

次にどんなマイクを買えば良いのか、具体的に考えるために仮導入という気持ちで(音質面での期待をしないで)安いものを選んでおくというのがよろしいと思います。


●バウンダリー型
床面に直に置いて使います。扁平になっているので、目立たないように設置できます。テーブル上や壁面などにはり付けて使用します。ステレオ仕様で3.5mmプラグのものは以下の一機種のみと思われます。

写真→オーディオテクニカ/AT9475 ¥7,400

こういうタイプのものは使ったことがないのでよく分かりませんが、ビデオ収録する時に、これをステージに張り付け、延長ケーブルを使ってビデオカメラの外部マイク端子につなげばよいと思いました。床の振動はもろに拾うので演劇や舞踊などでは使えないかもしれません。


●タイピン/バウンダリ中間型

他に類のない中間型です。実験用に最適と思われます。
写真→アイワ/CM-P11(セパレート可) ¥3,000

●タイピン/バイノーラル/電話録音共用型
他に類のない中間型です。バイノーラルというのはマイクロフォンを人間の耳(鼓膜)に相当する部位において録音し、ヘッドホンで再生する録音再生形態の謂。実験用に最適と思われます。
写真→サンヨー/HM-250(セパレート可) ¥オープン価格 実勢6,000円?〜


●プラグ直結型
小型軽量でもっとも手軽に録音できます。しかしながら、MDのような回転機構を内蔵したレコーダーではレコーダー自身が出す機械音を収録してしまい、静かな環境での録音ではかなり目立ちます。まわりが常に騒がしい状態での録音ならば問題ありませんが(マスキング効果)、MDレコーダーの取扱説明書にはこのタイプは「使用しないで下さい」と明記してある場合もあります。長いネックの付いたものならそれが軽減される分よいと思います。

写真→ソニー/ECM-DS70P ¥6,000
メーカーは「延長コードを使うと動作保証はできない」と言うと思いますが、竿の先に付けたり、吊り下げたりして使えば面白い音が録れると思います。

Micro Track 2496付属マイク /MAJ STORE限定販売品。1,050円(税込)
プラグインパワー5Vで動作する(とされる)プラグ直結型。通常のプラグインパワー(1.5V程度?)だと、どのような不具合が有るのかは実用上(私には)不明。
こーんな形のL型アダプター(Hosa/GMP272)を噛ますと、使い勝手がたいへんよろしい。

安いし便利だし、オススメ。

同じプラブ直結型でレコーダー本体とマイクを離して設置できるタイプもあります。

写真→オーディオテクニカ/AT9840(フレキシブル・ネック付き) ¥5,500


●普通の棒型
お手軽なものから本格的なものまで、たくさんの種類があります。動作には電池を必要とするものがほとんどですが、レコーダーがプラグインパワー対応の場合内蔵電池は不要のものもあります。また小型安価な物の中にはプラグインパワー専用のものもありますので注意が必要です。自由なセッティングが可能な反面、柄も大きくコードがあってスタンドないしホルダーがないと安定して保持できないことから、録音チャンスが確実に減少します。柄形がいかにも本来のマイクっぽいので音質も他のタイプに比べめっきり良さそうですが一般家電店で扱われている機種の範囲では音質はタイピン型やプラグ直結型と大差ありません。
よってこの手のものを導入するのであれば音質面で確実に差のつくグレードのものを買わないと意味がないと言えます。録音した時は気付かなくても、後で(高品位のステレオ装置で)聞き直したときにマイクの音質・グレードの違いを知ることもよくあります。予算の許す限りハイグレードのものをおすすめします。
3.5MMステレオミニフォンプラグ仕様のものでは以下のものが買って後悔しない定番的機種と言えます。

写真→ソニー/ECM-MS957 ¥28,000

写真→オーディオテクニカ/AT822 ¥30,000

写真→RODE/NT4(*) 実売¥30,000くらい
*標準で3.5mmプラグが付属してくる、直流バイアス式コンデンサー型ステレオマイク。業務用の出力仕様のため別途アッテネーターケーブルを求める (NT4用アッテネートケーブル、XLR5ピン-ステレオミニ、3m/5,000円)か自作する必要がありましたが、現在正規代理店より供給されている国内向け品では標準付属になっているらしいです。

NT4対応、アッテネーターケーブルの加工
結線図は輸入代理店のサウンドハウスさんから公表されておりますので、拙くも、ここでは私の加工事例、ジツブツをご覧頂きたいと思います。

写真は付属のケーブルのキャノン互換5ピンのコネクターです
写真では見にくいですが、グランドの金具にはもともと(NT4付属のケーブル)なにも接続されていませんでしたので、そのままにしてあります。
半田付け部分にはおのおの熱収縮チューブをかぶせて、ショートしないようにしています。抵抗自体まですっぽり覆うように加工するとかっこいい?です。
写真手前が1番ピン。シールドを固く撚って半田付けしてあります。
抵抗は、秋葉原のパーツ屋で、「高音質、フィリップス製金属皮膜抵抗」と銘打ったものを購入しました。精度はプラマイ5パーセントのものです。一本20円。だと思いました。

上の写真の反対側。ようするに2〜5の信号ピンにそれぞれ10kΩが噛まされる、だけのことです。
付属のステレオミニフォンプラグでも、何ら不都合はないのですが、カナレ電気製のものに交換しました。付属のコードの太さだと、ルックス上このプラグでないとバランスがとれません。


●その他(ビデオカメラ用)
ビデオカメラのオプションアクセサリーとして、3.5mmミニプラグが標準でついているマイクが発売されています。マイクの取り付け機構がアクセサリーシュー型(カメラのストロボ仕様)になっているだけで。各種ポータブル型レコーダーでも問題なく使えます。

写真→RODE/STREO VIDEOMIC ¥19,800
ビデオカメラ用としては初(?)の直流バイアス式コンデンサー型ステレオマイク。9V角形電池使用。一般オーディオ収録用とは設計手法(達成目的)が違うので、同列での音質的評価は?ですが、直流バイアス式であることとショックマントが付いていることを考えると、非常にお買い得に思えます。

写真→RODE/VIDEOMIC(上記STREO VIDEOMICと同コンセプトのモノラル版) ¥9,800

写真→パナソニック/RP-VC300(普通の棒型) ¥12,800

写真→ソニー/ECM-S930C(特殊扁平型) ¥16,000

写真→ソニー/ECM-PB1C(ビデオカメラ用パラボラ集音器一体型) ¥11,000 メーカーでは生産完了したようです。


ちなみに、私が所有し、使っているワンポイントステレオ型のマイクロフォンです。上からRODE/NT4,SONY/ECM-959DT,SONY/ECM-939LT,SONY/ECM-909


RODE/NT4は直流バイアス式コンデンサー型で9Vの角形電池で駆動します。他の3つのマイクと比べノイズがめっきり少なく、微細なレベルの音まで忠実に収録できます。またドアの開閉による気圧変化や、重量物による床の揺れなど、他のマイクでは拾えない非常に低い音が普通に録れます。各種ポータブル型レコーダーの性能を真に評価できるのは、このクラス以上のマイクロフォンでないと無理ということが、よくわかります。扱いがデリケートで携帯には向かいないことと、付属の専用ケーブルを使わなければならないのがネックといえばネックですが、アマチュア録音・・・レベルを突破する最短最善の方法の一つと考えます。使用状態でのマイクの重量は500グラムを超えます。(レコーダー本体の何倍でしょうか?)ちなみに現在、改造して原形はとどめておりません。変わり果てた姿を〜見る。

ECM-959DTは ソニーのDATデジタルデンスケ(TCD-D10)に同梱のものですが、3.5mmのプラグに付け替えて使っています。現行のビデオ用ECM-S959Cと同等品と思われます。微小レベルの音はNT-4にかないませんが、携帯セットのメインマイクとして長きにわたり愛用しています。全体に癖のない印象です。指向性が90度と120度の切り替えができます。

ECM-939LTはその昔ウォークマンプロフェッショナル(WM-D6)と一緒に発売されたもので、スイッチ切り替えでMidマイクとSideマイクの出力を完全に分けて取り出すことができます。(当時は同時発売されていたミキサーにMSディレクション・ミキシング機能があり、ステレオの広がり感を任意に調整できることを「売り」にしていました。)低音の弱い、硬い音質ですが、当時のカセットレコーダーの特性に対しては良いバランスだったのかもしれません。出力が低く、マイクロフォンの性能としてはほどほどですが、工業製品としてのデザイン完成度は(スタンドも含め)今日までこれを超えるものはありません。LR44ないしSR44の1.5Vのボタン電池を使用します。

ECM-909は、知り合いから譲り受けたもので、1.5V単3電池で使えます。愛嬌のあるかわいらしいデザインのマイクです。

マイクロホンは、良い物は限りなく高価ですが、29,800円のレコーダーと1,980円のおまけマイクで録音したものと、19,800円のレコーダーと10,000円の普通のマイクで録音したものでは、後者の方が確実に良質の録音が出来ます。マイクロホンは保管に気をつければたいへん長く使えますので、可能な限りハイグレードのものを導入することをおすすめします。


以下、カタログや取り扱い説明書ではあまりふれられていない、初期的な要目について、書きます。

●プラグの仕様
各種ポータブル型レコーダーについている外部マイク端子は、ほぼ「3.5mmステレオミニフォン」型のプラグに対応するものです。
プラグには形状が同じで、先端の金属部分が2ピースになったものと3ピースのものがあります。
左が3P(ステレオ)、右が2P(モノラル)
基本的に2ピースのものはモノラルで、3ピースのものはステレオです。
ビジネス/会議録音用として売られているモノラルのマイク(2P)のプラグをステレオ仕様のジャックにつなぐとLチャンネルにだけ録音できます。
一般に使われている(ステレオ仕様ではない)カラオケ用のマイク等には6.3mm径のプラグ、通称標準プラグ、写真→がついています。これも標準→ミニの変換プラグ、写真→を使えば(Lチャンネルにだけ)録音ができます。
これらのマイクを2本使い、ステレオ収録する場合には、変換プラグを探すか自作する方法があります。

この種のプラグは、器機から抜き差しする時に〜例外なく〜非常に大きな=狂気レベルの〜雑音を発生しますので、録音中は決して抜き差ししないように(承知してれば別ですが)しましょう。

●マイクホルダーとスタンドのネジ
マイクにはたいがい、マイクスタンドに据え付けるためのホルダーが付いてきます。スタンドのネジ部をホルダーのネジ穴にねじ込んで固定するのですが、このネジの規格が統一されておらず、困ることが多々あります。
マイクを買うと、ホルダーと一緒に変換ネジが付いてくる場合があり、それで事足りる場合もありますが、ない場合はスタンドの仕様に合わせ、よく確かめて買わなければなりません。
カメラの3脚に取り付けられるようにする変換ネジにはよく助けられます。

●プラグインパワー方式について
各種ポータブル型レコーダーの多くはプラグインパワー方式のマイクロフォンに対応しており、マイク端子のそばには(PLUG IN POWER)の刻印があります。プラグインパワー方式は、マイクに必要な電源をレコーダー本体から供給するもので、マイク自体に電池を仕込む必要がなく、マイクの小型化と操作の簡素化につながっています。
しかし、レコーダーがプラグインパワー対応であっても、プラグインパワー方式マイクロフォン専用というわけではなく、独立電源型(ダイナミック型や独自に電池を内蔵したエレクトレットコンデンサー型)マイクをつないでも問題なく(*)録音できます。スイッチの切り替え等の必要もありません。
*専用の、同メーカー指定のマイクロフォン以外での動作を保証していないレコーダーもあるようですが、実際には(原理的にも)他のマイクでも普通に使える例が多い、ということはいえます。
なお、プラグインパワーの端子に独立電源のマイクを接続した場合、プラグインパワーの電流が音質を劣化させる--として、プラグインパワーの電流をカットするアダプターも存在します。また、プラグインパワーの機能をON/OFFできるレコーダーもあります。

●マイクの保管
マイクロフォンは極めて軽く薄い樹脂の膜や金属の箔で、微小な気圧変化をとらえています。直接見えないのであまり意識しませんが、きわめてデリケートなものといえます。ボーカル用マイクは別として、よって須く、直接息がかかるような使い方はしないのが基本ですが、湿気たかなと思われる時は心持ち乾かして?仕舞ったほうが良い、と思われます。
いわゆるコンデンサー型のマイクは、使用後は電池を取り出し、乾燥剤と一緒に密閉出来る容器に入れておくと良いです。次に録音する時、確実に最良のコンディションで使えるようにすることが、すなわちマイクの性能を長く保つことになります。
私は文房具屋で扱っている、ファスナーで開閉出来るメッシュ入りビニール製のステーショナリ・ケースに乾燥剤と一緒に入れています。ケース自体にある程度クッション効果があり、好適です。
録音スタジオ等では、デシケーターと呼ばれる湿度管理のできる専用の保管庫(カメラ愛好家が自慢のカメラを入れている冷蔵庫みたいなやつ)にマイクを入れています。

●高性能マイクロフォンのすすめ
生録の手法上、マイクポジションと録音レベルに問題がないならば、あと最終的に録音物の音質の優劣を握るアイテムはマイクロホン自体です。いまどきのデジタルレコーダーを使った生録では、マイクロフォンさえ高品位のものを用意すれば、たとえ初心者でわけがわからなくても、運が良ければ場の雰囲気や空気感(気配?)までも収録された、聴いていて素晴らしい臨場感・緊張感のある音が録れる可能性があります。
その「雰囲気や空気感」は、部屋・建物としての響きやその音色・減衰の様子。またバックグラウンドノイズと呼ばれる、録音対象の背景に(常に)ある極めて低レベルの雑音、その他諸々の微細な(雑)音の総合したものと言えます。録音の現場では目的とする録音対象に注意が向いていて気が付かなかったような音〜が、まさにその雰囲気・空気感の内容です。
必ずしも正確なデータではありませんが、その音は数値にして-60dB以下、レコーダーのメーターの1個目がピコピコするよりも遥かに低レベルの領域のものです。 自然音であれ音楽であれ、そこにある「音」を「物理的にキャッチ」する、録音の本質的なキーアイテムはマイクです。どんなに高性能のレコーダーや再生機器を用意しても、もともとマイクが捉えなかった音を忠実に再現できるべくもありません。
そうした、極めて微細な音は、マイク自体のノイズレベルが低く、構造上微小な音に敏感ないわゆる直流バイアス式コンデンサー型のマイクによって収録可能なものといってよいと思います。レコーダー付属のイヤホンや、低劣なミニコンポシステム、カーオーディオ等で再生したのでは(〜落ち着いて聴かないと)その差は分からないかもしれませんが、たまたま再生装置や環境が劣悪なために顕在化しないだけで、良くチューニングされた高品位のオーディオシステムで再生すれば、記録されている情報量には厳に格段の差があることがわかります。かけがえのない、記録として価値のある録音をするならば、音の入り口であるマイクを固める、即ちより高感度, 高出力, 低ノイズのものにする必要があります。
私自身も直流バイアス式コンデンサー型のマイクを使ってみて、家電扱いのエレクトレットコンデンサー型マイクとは一線を画した、繊細且つ力感のある音質に満足したのはもちろんですが、録音が容易になり(ノイズレベルが低い分、録音レベルを低めに設定出来る)失敗が減り、録音するのがますます楽しくなりました。
結論としては、家電店の吊るしパッケージのマイクが駄目だというわけでは決してありませんが、現在普及している各種ポータブル型デジタル・レコーダーの性能から考えると(現状では)場合によってはレコーダー本体の価格と同等かそれ以上のお値段のコンデンサー型マイクの能力をもって、レコーダー自身の真価を発揮できると考えます。
なお、マイクの性能の差は、一般家庭で普通に使われているステレオ装置やカーオーディオ等で再生している分には、意識して聞き入らなければそう判るものではありません。しかしより高品位の再生装置・静かな環境で再生すると歴然と差が出ます。たとえをもっていえば、遠くの方で(意識を向けずに)映っている従来映像とハイビジョン映像、見ている側の受け取る情報量に大差ありませんが、隣り合わせて見比べれば差は歴然。大画面(リアルサイズ/音量)なら尚更です。
端的にいえば録音、就中生録の記録としての価値は、すなわちマイクの(微小レベルの)収録能力次第といえると思います。
初めてマイクを買うといった場合に、レコーダー本体より高価なマイクというのは常識的に受入れがたいでしょうし、必ずしも大多数の人にとって必要な選択とも思えませんが、各種ポータブル型デジタル・レコーダーの可能性の紹介という意味で、参考までに私の所感を記しました。
前述のコンデンサーマイクNT4です。椅子の上の赤いのはMDレコーダーです。
MDより音質的には劣りますが、長時間録音が可能なMP3プレーヤー(レコーダー)。それでも、マイクロフォンの性能をしっかり反映した録音ができます。

以下、マイクロフォンついてに参考になるドキュメントを紹介します。

http://www.sanken-mic.com/japanese/ja_index.html 全製品プロ用、サンケンマイクロフォンのページ。極めて信頼性の高い、マイクロフォンの基礎知識。

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