ライカと
コンタックスの狭間に



オペマは、ライカに範をとっていた

その、手の中にすっぽりと収まる握り心地と、

コンパクトさが生む使い良さ
上:ライカA改スタンダード
下:オペマ II型(前期型)


オペマは、コンタックスに範をとっていた

実基線長分の長さの棒状プリズムを内蔵し
ファインダーと一体の
見やすく合わせ易い一眼式距離計

取り外し可能の裏蓋によって
楽々行えるフィルム交換

左手はホールドに専念して
合焦・巻き上げ・レリーズはすべて右手操作だ




オペマの思想は明快である
ライカの握り心地を持った、コンタックスを作ること
それこそが、オペマを創り出したエンジニアが目指したものだ




オペマというカメラは、現在の分類ではライカコピー機というジャンルの中にくくられている。たしかにオペマもライカの影響下に生まれたカメラではある。しかし筆者には、オペマには多くのライカコピー機たちとは、異なる趣が感ぜられてならない。

そしてオペマの機能を見てみれば、そのファインダー・距離計・右手操作前提のフォーカスレバー位置、フィルム装填方法など、ことごとくライカではなくコンタックスを指向していると知れる。
そしてその機能性を、ライカの大きさに凝縮すること。それがオペマというカメラの設計思想だ。

だがライカはライカのサイズであるからこそ多少の不便も忍んでいるのだし、コンタックスはコンタックスの機能を持つからこそ、あの大きさになってしまっているのだ。
その相反する2機種の両方の長所を同時に兼ね備えようという、夢のような、そして矛盾したカメラづくりに、メオプタ社のエンジニアたちは挑んだのである。

むろんのこと、どちらのコピーであっても、両方の長所を兼ね備えることはできない。そして既存の機構をコピーすることでは夢のカメラなど作れるはずの無いことも、メオプタ社のエンジニアたちは百も承知であった。
そのために、オペマの開発にあたっては、カメラの基本となるフィルムサイズから見直しが図られ、そしてメオプタ社独自の、多くのオリジナルなアイディアに基づいて、様々な新機構が創り出されていった。

結果として、オペマは布幕フォーカルプレンシャッターを持ち、スクリューマウントでレンズ交換をするという以外には、ライカとは何ら共通点を持たないカメラとなった。そして一眼式二重像合致の距離計を持ち、裏蓋外し式のフィルム装填であるという以外には、コンタックスとも似ていない、まったく独自の、新たな夢のカメラとして完成されたのである。