理学療法士の国家試験は毎年3月の初めにあり、発表は4月に入ってからになります。つまり、私たちは就職後に理学療法士になるわけで就職当初は試用期間であり、もし国家試験に落ちればその時点で解雇となります。しかし私の場合は国家試験に通る以前に就職できるかどうかが問題でした。 就職内定先は堺市のB病院で、実習でもお世話になった病院でした。私の病気のことを病院の方に相談しに行くと、「もし理学療法士として働けなくても、事務職などできる仕事は必ずあるから来てほしい」とのことでした。さらに「どのような職種になっても理学療法士としての給料を払う」とのことでした。これは思いがけないことでした。病院としては例えば相談業務などリハビリ以外の分野でも、理学療法士としての知識が活用できると考えていたようです。就職できないかもしれないと考えていた私には、病院側の対応は本当にありがたく思いましたし、これで家族や友人にも安心させることができると感じました。また国家資格はこれほど重用されるものかと感じましたが、後に資格だけでは働けないということにも気づくことになります。 考えてみると私が病気になったタイミングは非常に微妙なものだったと思います。仮に1カ月前の実習中に発病していたなら、実習中止になっていたと思います。そうすれば留年となり、当然卒業ムリ、国家試験ムリだったでしょう。さらに留年してもう一年間実習を続けることは無理だと判断されれば、退学にもなりかねません。そうすれば理学療法士になる夢は断たれていたことになります。また仮にもう1カ月遅く発病していたとしても、体調や痛みの面から国家試験を受けることは無理だったような気がします。欲を言えばせめて1年間だけでも病気ではない状態で理学療法士として働きたかったと思います。そうすれば私の理学療法士としての人生もかなり変わっていたと思うのですが。しかし、それは望みすぎなのかもしれません。 ともあれ私の理学療法士としてのイバラの道が始まることとなりました。 |