シネマレビュー2001 <上半期>


7月以降に観た映画は2001年下半期へ。

※評価は○5つが満点です。なにぶん主観で付けていますのでご了承を(笑) 基準はあいまいなのであんまり目安になんないよ^^;

沈黙のテロリスト (評 ○)
シスコでテロ一味の女性が逮捕された。そのリーダー、スワンは市内に爆弾を仕掛け、釈放を要求する。刑事のレイと爆弾処理のプロ、グラスは犯行を阻止すべくスワンの行方を追うが、一味は裏をかいて恐ろしい陰謀を企て……。

監督:
アルバート・ピュン 製作:ポール・ローゼンブラム 脚本:ポール・マーゴリス 出演:スティーブン・セガール/トム・サイズモア/デニス・ホッパー/ジェイミ・プレスリー
こりゃスゴイ。 なんでこんなにもドB級の映画が単館系でなく大きく上映されているんだろう。

セガールはいつも堂々としている。堂々と、何にもしない(笑)
他の人たちと一緒にその場に居合わせているはずなのに、なぜかセガールだけドアップで、一人だけ映る。激しい銃撃戦中、セガールだけひとりで悠々と歩く。まるでみんなと一緒には居ないかのように・・・
セガールだけ別撮りか?って思わせるほど。 セガールは絶対ピンチにならない。ちゃくちゃくと爆弾を処理してあっけなく終わる。
テロリストって題にはあるけど関係なし(笑) 爆発した車は爆発前と違う車だし(笑)
観客を置いてきぼりにしてどんどん派手なビル爆破が続く。

なんじゃこりゃ〜もう始終、笑いをこらえるのが大変だった。 見る前からこうなのは知ってて観にいったんですが、ひどいですねぇ。
セガールお得意の、死は次の段階に過ぎない愛は永遠だ、と宗教じみた話になって、おわっていく^^;

いやー、これは別の意味で絶対観にいくべきですね!

アメリカでは次のセガールの映画は話題になってるけど、この映画はまるで話題にもならないし、上映も決まっていない。早々にケーブルテレビ会社に売られたらしいけど(笑)
それを「世界に先駆けて日本公開」とまで言う図太さ(笑)

そうそう、公式サイトを見に行ってみよう。 いきなり爆弾の「次元装置」って間違えた漢字がでっかく表示されて、いきなり笑ってしまった^^;
しかも! ボタンをクリックしろいうのに、クリックしても先に進めないという間抜けさ爆裂!こりゃ、みーんなオバカですな。

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メトロポリス (評 ○○○○)
ロボットと人間が共存している近未来。都市国家メトロポリスでは超高層ビル「ジグラット」の完成記念式典が行われていた。権力者であるレッド公の演説中に、式典を混乱たとしてある若者が射殺される。しかし、その若者がロボットだと判ると平然と去っていく警備員・・・。一部始終を見ていたのは私立探偵のヒゲオヤジこと伴俊作(バンシュンサク)とケンイチ。彼らはある事件を追って、ここメトロポリスにやって来たのだった・・・。

監督:りんたろう 声の出演:井元由香/小林桂/岡田浩暉
なんかネット上では賛否が真っ二つに分かれていますねぇ。私は賛成派ですが、クソ映画とか酷評している輩が多いです。
私的には酷評している人たちはこの映画の上辺しか観て・感じていないと思いますが・・・。

りんたろうが描いた手塚治虫の「メトロポリス」。都市国家メトロポリスの市街地はCGで描き、セル画のキャラを合成しています。近未来都市の映画に流れるBGMはジャズ仕立て。これが非常にマッチしています。

さてこの映画のテーマは「ロボットに愛が生まれるのか」という古くから議論されてきたものです。
そのあたりが一部の人たちは合わないのか、面白くない・つまらない・タルい映画だと表しています。私は決してそんなことなく、一回見ただけでは映像と音楽の素晴らしさに心がとらわれて深くまで見渡せずに面白くないと感じてしまうのだと思います。

よくよく見ればいろんなところで、人とロボットについての問題が描かれています。この原作が50年前!のものとは驚きです。
社会が便利になってロボットが無くてはならない時代、人間の労働力はもう不必要になってしまうのでは・・・?
人はロボットとどう接していけばいいのでしょうか。手塚治虫はすごい先見の明があったひとだと思います。

さらにこの映画が群集劇のスタンスを取っているがために、たくさんの人が入り混じります。そのためストーリーが判りづらくなっています。でも「トラフィック」ほど判りやすかったです^^;

また、観客がこの作品を見て自分で結論を出すものですが、そのために必要以外のことは描かれていません。そこが人によっては「薄っぺらい・キャラが立っていない」という評価になり、人によっては「深みがある・いろいろ想像が巡らせられる」となるわけです
これはもう感受性というか、波長が合うかです。絶賛する人もたくさんいるし、最低最悪とする人もいます

もちろん私は、世界に誇れるすばらしいANIMEだと思い、久しぶりに○4つの評価です。

この映画のテーマはさて、最後にどういう結論が出るのでしょうか。それは映画を見て自分で答えを出してください。
最後の握手のシーンが答えを物語っています。
押井守の「Avalon」やまたは「人狼 JIN-ROH」のように、いろんな解釈ができる映画です。あらゆるシーンで、そのときのキャラの心情を考えてみてはいかかでしょうか?Avalonも評価が分かれた映画ですね(^_^;)

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JSA (評 ○○△)
南北朝鮮分断の地、板門店/共同警備区域(JSA)。ある日、北朝鮮側から激しい銃声が響き、2つの死体が発見される。殺人事件の捜査はスイスとスウェーデンの中立国監督員会に委ねられた。捜査に当たったのはスイス軍女性将校のソフィー。北と南の主張は全く異なり、従に装填された弾丸と死体から見つかった弾丸の数も合わない。捜査を重ねるほど謎は深まるばかり。38度線で一体何が起こったのか・・・!

監督:パク・チャヌク 出演:ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/イ・ヨンエ/キム・テウ/シン・ハギュン
全く予備知識なしに見に行きました。
予告編を観て期待して見に行ったら、なんと男たちの青春映画(それも切ない物語)でびっくり^^;

38度線での謎の銃撃、弾丸の謎・・・っていうのでてっきり推理サスペンスかと思ったら、南北朝鮮の兵士たちの熱く・そして悲しい物語でした

「シュリ」が打ち立てた興業記録はたやすく破られないだろうと思われていましたが、この「JSA」はいともたやすく破ったそうです。
確かに内容は心にくる話でしたが、私には「シュリ」のようなサスペンス・アクション仕立ての方がいいですね。

「JSA」では今の南北朝鮮が抱える問題をストレートに描いたため、とくに韓国では人気が爆発したのでしょう。
しかし日本はすぐ近くの国でありながら、38度線をめぐる問題はほとんど知りません。あらためてこの映画で"なんでこんなこと(橋ひとつ隔ててにらみ合っていること)になっているんだろう"と考えさせられます。
もっと今の朝鮮の情勢の説明があれば日本人の観客たちもよく事情が飲み込めたと思います。
あんなに近いのにずいぶん違う、北朝鮮と韓国・・・。ほんとになぜ今でもこんなことが続いているんでしょうか。

私としてはちょっとダルかった映画ですが、内容は悪くないと思います。見終わった後からじわじわ考えさえられる映画でした
ちょっときつめの評価になってしまいましたが、世間での評判は悪くないです。

事件の核心であるなぜ銃撃があったのか?、弾丸の数が合わないのは?、は別に問題じゃないのです。この映画は事件の真相は中盤でわかりますが、真相解明後の北と南の兵士たちについての描写がこころにぐっと来ます。
さらになぜ銃撃戦になってしまったかもよくよく考えてみると、結局はいまの南北朝鮮の情勢のためなんですね。

私は泣いたりまではしませんでしたが、涙が止まらなかった人も多いみたいです。

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15ミニッツ (評 ○○○△)
数々の大事件を解決してきたNY市殺人課刑事エディ。彼の存在はTVニュースで市民にもお馴染みだ。ある日放火事件が起こり、男女2人の焼死体を発見。彼は現場で消防局捜査員のジョーディに会う。捜査がエディの手柄のような報道にジョーディの上司は腹を立てるが、ジョーディは事件が気にかかって仕方がない。熱心なジョーディにエディはいつしか親近感を抱く。だが、やがてエディの人気が悲劇を生んだ・・・。

監督・脚本・製作:ジョン・ハーツフェルド 出演:ロバート・デ・ニーロ/エドワード・バーンズ/ケルシー・グラマー/エイヴリー・ブルックス/メリーナ・カナカレデス/カレル・ローデン/オレッグ・タクタロフ/ヴェラ・ファミーガ
題名の15ミニッツとは、アンディ・ウォーホルという人が言った、「誰でも15分は有名人でいられる」という意味です。

今の時代、マスコミで15分だけは誰でも有名になれ、そして忘れられていくのです。

この映画は今のアメリカが抱えるマスコミの姿勢、そして法律のあり方を問うものです。日本でも殺人事件が起こると、被害者ばかり実名や顔写真が大きく取り上げられ、犯人については未成年者なら名前も顔も分かりません。連日のワイドショーでは騒ぎ立てるばかりで、ちっとも心がこもってなく、被害者ばかりを取り上げます。

さて、この映画の主人公は消防局の捜査官。消防局の人間だけど、銃や手錠を持ち、犯人を逮捕する権限をもち刑事のような人。「バックドラフト」ではロバート・デ・ニーロが演じた役ですね。「バックドラフト」では消防局員同士の描写であり、イマイチ概要が掴めなかったですが、この映画では警察の刑事との対比で、その仕事振りの違いが良く描かれています。

ちょっとした金銭トラブルで殺人をしたやつが意外にも狡猾です。人を殺しておきながら、精神異常だったとなれば無罪放免、しかも無罪が確定してから実は正気だったといい、きちんと病院で処置されなかったので人を殺してしまった。そうなれば逆に病院を訴えることも出来るし、大手を振って町を歩ける。しかも、二重処罰の禁止(ダブルジョパディー)によりお咎めなし! なんということでしょう。

映画「ダブルジョパディー」もこの路線で行っていればすごく面白かったかもしれませんね(^_^;

日本でも当てはまりそうです。連続殺人・大量殺人を計画的にしても精神異常となれば無罪。どうにかならないものでしょうか。

刑事モノと思っていたら、どっこい社会ネタの芯の太い映画でした。あんまり書くとネタバレになりますのでこのへんで。

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トラフィック (評 ○○△)
メキシコ州警察の警官ハビエールと相棒は、国境越えしようとしていたトラックから大量の麻薬を押収する。しかし、メキシコきっての犯罪取締官サラサール将軍によって、「連邦警察が引き継ぐ」と押収した麻薬を持っていかれてしまう。一方、アメリカ・オハイオ州最高判事のロバートは、麻薬取締連邦最高責任者に任命されるが、16歳の娘キャロラインは軽い気持ちで使用したドラッグで中毒となってしまい・・・。

監督:スティーブン・ソダーバーグ 出演:マイケル・ダグラス/ドン・チードル/ベニチオ・デル・トロ/ルイス・ガスマン/デニス・クエイド/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/スティーブン・バウアー/ヤコブ・バーガス/エリカ・クリステンセン/クリフトン・コリンズJr./ミゲル・フェラー
結構前評判の高かった映画です。公開後も評判よく、梅田の映画館では同じビルの映画館2つを使っての上映など、リキが入って公開されています。

ストーリーはあってないようなもの。アメリカでの麻薬取引、それも「流通」に焦点を絞って作られています。「トラフィック」という題名も「運送」「売買」「取引」などといった意味あいがあり、よくできたタイトルだと思います。

また、「トラフィック」という名のとおり、道路の交差点での人々のすれ違いが描かれます。お互いには直接関係がなくとも、アメリカ全体では交差点で人々がすれ違うように、ごく自然に麻薬が流通していっているのです。

さてこの映画、「群集映画」ですので主人公は存在しません。このあたり慣れていない人には観ていてつらく、面白く感じないでしょう。
さらにいろんな人が入り混じるため、注意してみないと全体像がつかめず、「??」のままで終わってしまいがちです
それでも「赤」「青」「黄」と登場人物たちによって画面の基調や画質が違いますので、それに早く気づいた人は割と分かりやすいでしょう。

ストーリーとしてはアメリカの麻薬実態をありのままに描いたもので、始まりも終わりもない話です。ですが、ここまで濃い内容を鋭く多方面から描き、なおかつテンポよくまとめてあるのは秀逸です。
下手に作るともっとだらけて観ていられなくなると思います。「今年を代表するアメリカ映画のひとつ」とも言われていますが、ただ私としては万人受けではないと感じたためすこしきつめの評価にしました

p.s.キャサリン・ゼタ=ジョーンズはエントラップメントで人気を集めましたが、マイケルダグラスと結婚して妊娠してしまいました^^; この映画の撮影が始まったとき妊娠中なので降板させられそうになったところ、「人妻役だから妊娠してても問題ないでしょ」とゴリ押し。で、妊娠しながらも出演しています^^;

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レジェンド・オブ・ヒーロー 〜中華英雄〜 (評 ○○)
中国の裕福な家庭に生まれた18歳の青年・ヒーロー。だが殺された親の仇を討ったことで殺人者として終われる身に。仕方なく恋人ジェイドを捨て、彼は家宝の赤剣を手に単身アメリカに渡る。苛酷な労働と差別にたえかね、姿を消したヒーローを案じ、彼の子供を身ごもるジェイドは友人のシェーンと共にアメリカへ向かった。無事に再会を果たしたヒーローとジェイドだが、そんな2人を思わぬ不幸が待ち受けていた・・。

監督:アンドリュー・ラウ 出演:イーキン・チェン/ニコラス・ツェー/ジェリー・ラム/アンソニー・ウォン/ン・ヂャンユー/チョイ・ガムコン/ユン・ピョウ/グレース・イップ/マーク・チェン/スー・チー/サム・リー
この出ずっぱりのイーキン・チェンですね。ついこの前は「東京攻略」や「決戦 紫禁城」などに出てました。
イーキンはDVDで「風雲 ストームレイダー」で知りました。この映画は長かったですが面白かったので、今作を観に行きました。

さて残念ながらちょっと面白くなかったかなぁ。「決戦 紫禁城」は都合で観にいけなかったですが、どうだったんでしょうか?
現在のシーンと、回想シーンに話が行ったり来たりでストーリがばらけてしまい、分かりづらかったですね。
「風雲」ではCGを使った拳法シーンが連続し、観て絵的に楽しかったんですが、今回は主人公の説明に追われ、格闘シーンがあまり無く迫力がありません。
それに主人公の説明シーンが多く、現在形の話がなかなか進まず、はっきりしません。
息子はほとんど出番なし。さらに双子の妹の方については結局分からずじまい。仮面をかぶった人が出てきますが、説明は無いし、回想シーンでは両手があるのに、いざ出てきたら両手が無いし説明は無い。
しかも最後の方で敵を追いかけてそのまま帰ってこず。なんじゃそらー!

無用に長い映画でしたねぇ。残念。

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ハンニバル (評 ○○○)
バッファロー・ビル事件から10年。レクター博士との面談をヒントに犯人逮捕の手柄を立てたクラリスは、今やFBIのベテラン捜査官。だがある事件の失敗で内外の厳しい追及を受け、彼女は窮地に陥っていた。そのクラリスに目をつけたのが、かつてレクター博士のせいで顔を失った大富豪家のヴァージャー。博士を執拗に追う彼は博士とクラリスの特殊な関係を知り、彼女を利用して博士の居所を突き止めようとするが・・。

監督:リドリー・スコット 出演:アンソニー・ホプキンス/ジュリアン・ムーア/ジャンカルロ・ジャンニー/レイ・リオッタ/フランチェスカ・ネリ/フランキー・R・フェイゾン/ヘイゼル・グッドマン <R-15指定>
またしてもR−15映画。東映映画は、邦画も洋画もR−15でちょと損ですね(^_^;)

10年経って作られた続編。いまいち前作を忘れ気味です。まぁ前作を知らなくても単品として楽しめます。
前作のクラリス役のジョディ・フォスターが、今回の脚本を読んで「これは私のクラリスじゃない」といって自ら降板したそうです。
それでもレクターを追い詰める彼女の女性像は変わってないと思います。ジョディが完璧に演じていたのでジュリアンは苦労したそうです。発音やアクセントも前作のクラリスに似せたそうですね。

さて近年流行りの猟奇殺人のさきがけとなった「羊たちの沈黙」。猟奇的な殺人を描いたものは多くありますが、やはり本家?の続編のハンニバルはやってくれます。
他の映画が「絵的に」無残な殺し方に凝るのと違って、ハンニバルでは殺しの過程の描写がぞっとします。
ただ、むごたらしい死体がごろごろ出るのではないので、ちょっとヘンに期待していたら肩透かしでしょうが、それでもゾっときます。
むごたらしい死体があるが犯人が分からない、のではなく、レクターは出ずっぱりなのでいつ殺しをするのかと無言の威圧を観客に与えます。

話題の最後の晩餐のシーンは、マジでぞっとしました。必見です。顔を覆う女性客がちらほらいましたね。

えげつないシーンの連続ではないが怖い映画でした。
さて、レクターはまたもや逃亡します。3作目はあるのかな・・・。

P.S. ヴァージャー役を特殊メイクで演じるのはゲーリー・オールドマンですよ。

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バトル・ロワイヤル<特別篇> (評 ○○○)
とある国は、教育現場も荒み切っていた。不登校者、校内暴力による教職員の殉職者や少年犯罪の増加・・。業を煮やした大人たちは、強い生存能力を備えた青少年の育成、ひいては大人の復権を目指し”BR法”を制定する。それは全国の中学3年生から1クラスを選び、人の居ない地域に隔離し、最後の一人になるまで殺し合わせるものだった・・。
あの大ヒット作が未公開シーンや追加撮影によってバージョンアップして再上映!

監督:深作欣二 出演:藤原竜也/前田亜希/山本太郎/栗山千明/柴咲コウ/安藤政信/ビートたけし <R−15指定>
最初の公開時には観に行けませんでしたので、こうやって特別版をやってくれるのは嬉しいですね。しかも、前回のときは中学3年生で観れず、この春晴れて高校生になった人は、特別に1000円で観れるという太っ腹。

せっかく中学3年生のために作られた映画なのに、バカな政治家の発言でR−15指定になってしまいました。
見終わって率直な印象は、是非中学生に観せるべきだということです。映画の学生たちの心の揺れ動きは、当の中学生なら大いに共感するはずです。そして、この映画が単なる暴力映画ではなく、青春映画なんだと分かるはずです。

公開間もない頃に朝一番で観ましたが、高校生の観客が非常に多かったので、逆に嬉しく思いました。
彼らはまるで自分たちのことのように、映画にくぎ付けになっていました。
さて、彼ら学生たちはどう受け止めたでしょうか。

特別篇となって、登場人物たちの紹介となる回想シーンなどが追加されたようです。これでより一層と青春映画食が強くなりました。

今の学生はホント、バカばっかりです。でもその責任はやはり大人なのです。ビートたけしが最後のシーンで言った言葉。それが監督の一番言いたかった言葉です。

観て損は無い映画と思います。

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日本の黒い夏-冤罪- (評 ○○○)
1995年、長野県松本市。高校の放送部員エミとヒロは、1年前に起きた「松本サリン事件」での一連の冤罪報道を検証するドキュメンタリー・ビデオを製作することになっていた。2人は地元の、あるローカルテレビ局を訪れる。報道部長の笹野、彼の部下の記者の花沢、浅川、野田は事件当時の取材の様子を話し始めた。当時、サリン事件の容疑者と見られていた神部俊夫と、彼を取り巻く報道の加熱ぶりを・・・。

監督・脚本:熊井啓 出演:中井貴一/細川直美/遠野凪子/北村有起哉/加藤隆之/藤村俊二/梅野泰靖/平田満/岩崎加根子/二木てるみ/根岸季衣/石橋蓮司/北村和夫/寺尾聡
冤罪(えんざい)とは無実の罪を着せられること
松本サリン事件は今となってはあのカルト教団「オウム真理教」による殺人事件だったことは知られていますが、事件が起こった当時、だれもオウムのせいとは思いませんでした。

警察・マスコミが一体となって、無実の一般人を犯人に仕立て上げていく様をこの映画は描いています。
高校生放送部員がTV局や冤罪報道をされた神部さんに取材し、11ヶ月前の事件を回想するという形で物語が進んでいきます。

当時の事件発端から、警察発表の様子、発表を聞いてのマスコミの動きを克明に描きます。おそらく大部分が真実を元にしているでしょう。
ただ残念なのは、いかにして冤罪報道がされたかを暴くはずのものが、映画に出てくる地元テレビ局だけが「我々は他のマスコミとは違ったことをした(神部さんを犯人扱いすることに疑問を感じてきた)」というのは、せっかくの話の腰が折れてしまい、ややマスコミの動きを擁護する形になってしまったのが否めないです。
事件が起これば誰が犯人かをいち早く知りたいのが市民の心情であり、容疑者でも出ればそれだけで安心する、という我々マスコミを見る側にも責任があるというのは事実ですが、一部責任転嫁の節がありました。

それでも、この映画の本心はあくまでも冤罪報道がどうやって起こっていったかを解くものです。
ストーリーの立て方がまずいなどと批判する前に、松本サリン事件が起こったとき、自分は同だったかを振り返る必要があります。
「だれが犯人なんだ」と不安を感じていたとき、会社員宅から農薬が見つかったと報道されたとき「そいつが犯人だ」「はやく捕まえろ」と思わなかったでしょうか?
恥ずかしながら私は当時そう思いました。映画の出来を云々言う前に、いかに自分が冤罪報道に荷担していたかを顧みることが大事です

クライマックスにある、サリン事件が起こった夜の描写は身の毛がよだつほどの出来でした。
あのサリン事件は映画でもなく、紛れもない事実だからです。


他の映画の陰に隠れてしまいがちですが、観て損はない映画だと思います。

映画での神部さんのモデルとなった人は、熊井監督が子供の頃よくお使いに行っていた家だそうです。その少年がこの映画を作ったのは何か使命でも感じたのでしょうか。

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ブレアウィッチ2 (評 ○○△)
映画「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」の大ヒットで名所となったバーキッツヴィル。地元育ちのジェフはブームに便乗、映画の撮影場所を訪れるツアーを企画した。参加者は映画ファンのキム、自称「良い魔女」だというエリカ、ブレアに関する本を出版する予定のカップルの4人。あのラスティン・パーの廃墟で一夜を過ごす。だが翌朝目覚めた5人は、ある時間からの記憶を失っていて・・・。

監督:ジョー・バーリーンジャー 出演:ジェフ・ドノヴァン/キム・ディレクター/エリカ・リーアセン/スティーヴン・バーカー・ターナー/トリステン・スカイラー (PG-12指定)
あのいろんな意味で話題作となった、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の続編です。
公開当時は観に行けませんでしたが、DVDを買いましたよ。観終わったときはこう思いました「なんじゃこりゃーー」(笑) ※駄作と言う意味ではないです。

この「ブレアウィッチ2」はワーナー系映画館のみでの上映、しかも値段は1000円というものです。ワーナーマイカルシネマのシネコン映画館で上映しています。

前作はフィクションの事件の設定をあくまでも事実であるかのように作ったものでしたが、今作では「映画が大ヒットしたその後」という設定で、「前作はあくまでも映画の話で事実ではない」という設定です。
このあたりが変わっていて、面白い着眼点だと思います。前作のままの続編ではムリでしょうし。

ただ、その着眼はいいんですが前作を否定した続編なので、前作の謎がすべて解明されるというフレコミが矛盾してしまいます。
そのあたり、結局は何だったんだ!?ということでストーリーは終わってしまったのが残念ですね。
前作にあった、一体何が起こっているんだという恐怖感は今作では薄くいです。
前作の設定でのあの魔女は存在しない、あれは作り話だということなのに、4人の登場人物の周りに不思議な現象が起き、不気味感漂う、気味悪い映画ではあります。

ネタバレになりますが、結局のところアニメ映画「パーフェクト・ブルー」でもあった設定です。
こうに違いないと多くの人が願う(念じる)と、存在しないはずの人格が各々の中に生まれ、その人格は人々の意思とは関係なしに独立して存在してしまう、というものです。
ちょっと設定が難しすぎたんじゃないかと思います
ストーリーの立て方がまずいとも批判されているようですが、私的にはそこまで酷評はしません。
アメリカでは今作は大コケしてしまったようですが・・・。

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スナッチ (評 ○○○○)
ベルギーで強盗団が厳しい警備をくぐり抜け、鮮やかな手口で宝石を奪った!強盗団の一人、フランキーは宝石をニューヨークにいるボスに届けることになっている。その途中、小粒の盗品をさばくためにロンドンに立ち寄った彼は、ロシア人の男に非合法ボクシングに賭けて欲しいと頼まれる。だがこれは、ダイヤの横取りを目論む強盗仲間の罠だった。そうとは知らず、フランキーは嬉々としてノミ屋に向かうが・・・。

監督・脚本:ガイ・リッチー 出演:ブラッド・ピット/ベネチオ・デル・トロ/ビニー・ジョーンズ/デニス・ファリーナ/アラン・フォード/ラデ・シェルベッジャ/ジェイソン・ステイサム/ジェイソン・フレミング/スティーブン・グレアム/マイク・リード/レニー・ジェイムズ/ロビー・ジー/エイド
マドンナと結婚して話題のガイ・リッチー監督の第2作目の映画です。
1作目の「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」でいきなり注目の的になった監督さんです。(私は1作目は観てないんですが)

さてこの映画かなりのスピードで話が展開していきます。喋り(ナレーション)から始まって、回想シーンに突入するや否や、どんどん人物は出てくるは、さらにその人物ごとにエピソードがあるわで、すんごい情報量が垂れ流し状態です。
是非パンプレットを買って、人物相関図をよく理解しましょう^^;

ある意味、今風な作りで、アニメ的手法でしょうかねぇ。こういった話の展開方法に慣れていないと、始めで理解が追いつかないとコケてしまってとたんにつまらなく感じてしまうでしょう。

ですが、観客を置いてけぼりにすることはなく、うまい具合にストーリーが調合されているのはさすがです。(1作目が観たくなりましたよ)
どんどん出てくる人物の相関関係が始めはバラバラですが、それが段々と全体像が見えてきます。全体が見えてくると、もうこの映画のとりこになるでしょう。

アニメ的といいましたが、映像の調理方法もアニメ的で新鮮です。格闘シーンではスローモーションを使わずストップモーションで魅せます。
今までの手法と違うという点では「チャーリーズ・エンジェル」のMcG監督に似てますが、McGとはまた違うテイストです。スパイク・ジョーンズ風かな?
ちょっと「ファイトクラブ」的な手法と感じました。「ファイトクラブ」もストーリー・映像のテンポが小気味良かったです。
ブラッド・ピットが出演してますが、彼が自分から格安で良いから出演させてくれと願っただけあり、彼の役はまさしくハマリ役! うーん、最後でブラッド・ピットらしさを爆裂させてくれます。

ブラピしかり、ハリウッドの大物がぞろぞろ出てきますが、彼らを特別な役に仕立てず普通に出てくるのがまた面白いです。

是非観てください。(すこし甘めな評価になりました)

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ユリョン (評 ○○△)
南海にある韓国の核兵器基地。ある極秘任務のため集められた乗組員は、記録上死んでいる者で構成され、番号で管理されていた。そんな彼らが乗り込む原子力潜水艦 “幽霊(ユリョン)” が太平洋に出航する。指令内容は艦長しか知らないという状況下、真相を知った副艦長202は愛国心からクーデターを起こし艦長を殺害、そして核ミサイルの照準を日本の各主要都市へと定めた!少佐431は最悪の事態を避けるため、たった一人で戦いを挑むが・・・。(PG-12指定)

監督・脚本:ミン・ビョンチョン 出演:チェ・ミンス/チョン・ウソン/ソル・ギョング/ユン・ジュサン/キム・ヨンホ/パク・キルス/イ・ヤンヒ/パク・ジュンヨン/チョン・ウンピョ 
ちょっと突拍子もない設定なので、うまくそれに馴染めなければ楽しくない映画です。日本は極秘裏にすでに原子力潜水艦を開発している、というのが大前提の設定です。歴史がこうだったどうなるか、という架空の歴史モノという感じです。パンプに「沈黙の艦隊」の かわぐちせいじさんのコメントが載っていますが、たぶんにこのようなマンガの影響でしょう。

この映画に限らず、日本のマンガ・アニメは世界に大きな影響を与えています。しかしながら日本国内においてはそれらは冷遇されており、しかもそれらを土台にした映画も育たない非常に悪い環境です。
このままだと日本が世界に誇れるのはアニメ文化だけになってしまいそうです。しかし先鋭的なアニメ映画は高く評価されないという日本の風土を改革する必要があるでしょう。(「アヴァロン」はもっと高く世間に評価されるべき作品だと思います)

韓国はこの頃めきめき実力を挙げてきました。ただまだ力不足かな。でも日本の映画は負けてるぞ。
冒頭のシーンが、最後に繋がるというのは良くある手法ですね。でもそのせいか(私はストーリーの展開は全く知らずに観に行きましたが)冒頭のシーンだけで結末が分かってしまいました。それに突拍子もない設定なので、結局最後までうまくいくはずが無いわけですから、やはり最後が読めてしまったのが残念ですね。

この映画の根底にあるのは、韓国人に流れるイデオロギーです。この映画では 韓国はアメリカ駐留軍と隣国日本から軍事的に監視され、常に主権が脅かされている ということへの反日・反米感です。今の韓国の人たちにそのようなイデオロギーがあるとは思いません(思いたくない)が、しかし日本がアメリカにされてきた屈辱と同様、日本も韓国や中国に屈辱を与えたのも歴史的事実です
そのようなことから 韓国が真に主権を回復するためには、原子力潜水艦という軍事力に頼るしかない という民族主義が生まれ、今回の副艦長のような行動に出るわけです。

このあたりが単なるエンターテイメント映画とは違うところです。シュリでも題材にしていましたが、いまだに朝鮮や韓国の人たちにはそのような民族主義がイデオロギーとしてあるのでしょうか?
わたしは映画の中での物と考えています。(ユリョンが民族主義に染まっていて毛嫌いしたり嫌悪を抱く人もいるようですが・・・)

後一押しと感じるのが、潜水艦同士の戦闘シーン。後半は戦闘シーンが続きますが、ユリョンが圧倒的に強く描かれていて、全然危機に面しない。戦略的なハラハラシーンもない。潜水艦の戦闘だったら、どこに敵艦が居るか、魚雷がどこから来るか、機雷がいつ振ってくるか、という外が見えないハラハラ感がつきものですが、そのあたりが弱かったです。

「U−571」では、そのあたり、音の演出やメーターだけで敵艦や魚雷の様子を描くことでうまく演出していました。
なんでもかんでもCGをつかってはダメというところですね

この映画は初日の初回に行ってきました。限定配布のユリョンのプラモデルを貰いました(^^)
観客の年齢層が高かったのが印象的です。若い学生などは居ませんでした。

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キャスト・アウェイ (評 ○○○)
メンフィスに本社のある宅配便会社“フェデックス”で働くチャック。彼は配送時間短縮のため、世界を飛び回る日々を過ごしている。恋人のケリーも学位論文の提出日を控え、時間に追われる毎日だった。くつろいだクリスマスを過ごした2人だが、チャックはまた南米に向かうことになる。「すぐ戻るよ!」という言葉を残し出発した彼だが、飛行機が太平洋上で墜落。難を逃れた彼は1人、無人島へと流れ着くが・・・。

監督:ロバート・ゼメキス 出演:トム・ハンクス/ヘレン・ハント/ニック・サーシー/ジェニファー・ルイス/ジョフリー・ブレイク/ピーター・ヴォン・バーグ/クリス・ノス/ラリ・ホワイト
自分んトコの飛行機が墜落するってのにフェデックスはよくこの映画に協力しましたねぇ^^; まぁでも全編がフェデックスの宣伝ともいえますが(笑)
事故があってから中盤までほとんど無声映画(笑) トム・ハンクスたった一人でしかも独り言ぐらいしかしゃべらない^^;

飛行機墜落のシーン(嵐の海)の迫力はすばらしいです。パーフェクトストームに引けを取りません。こっちのほうが海の怖さがよく出ていたと思います。

トム・ハンクスは本当に減量して、無人島生活のなかで逞しい肉体になっていきます。はじめは中年太りで腹がでていたのが、すっきりします。(まぁちょっとはたるんでましたが大目に見ましょう)
同じように無人島から脱出というと6デイズ7ナイツってのがありましたが、あんなものと比べたらバチが当たります(笑)
こっちは何にも知らない現代人が真剣に体験して生きるすべを見つけていきます。そんなわけで、物語のほとんどが無人島での生活です。
2時間24分という結構長い映画です。グラディエーターのように一人の刻々と変わる生き様を描写するのでもなく、淡々とした雰囲気で進んでいきます。しかしながら飽きることなく観客をスクリーンにとどめさせていくのは、無駄を省いた演出・ストーリーだからでしょう。無人島に流れ着いてから脱出するまで、飽きさせません。
初めて火をおこすことができた時には思わずやったと思ってしまいました。
また無人島の生活に耐えられなくなり自殺を試みますが、そのことを直接描くのではなく、ロープが必要になったときにそれとなく分からせていくという手法はよかったです。ウィルソン(バレーボール)とのやり取りは面白いし、最後にウィルソンが海に流れてしまったときは、たかがバレーボールなのにすごく悲しいシーンでした(^^ゞ

なおかつ、この映画がよくできているのは単に脱出するだけの映画でなく、生還してからの生活が待っているのです。
現代版ロビンソン・クルーソーと言われていますが、しかしロビンソン・クルーソーは無人島で「生き抜く」方法、キャスト・アウェイは「どう堪え抜く」かを描いている、と言われています。
無事生還したが果たして良かったのか。むしろ無人島のままが良かったのか。これからどうやっていくのか。
最後にトム・ハンクスが見せる顔が非常に意味深でした。

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アンブレイカブル (評 ○○)
午後3時15分、フィラデルフィアで悲惨な列車衝突事故が発生した。乗員・乗客132人の内、131人が死亡する痛ましい事故。だがその中で唯一生存し、しかも無傷で救出されたのはごく平凡な男、デヴィット・ダンだった。周囲の好奇の目にさらされ「なぜ俺だけが」と苦悩する彼。そんな時、彼の前にイライジャと名乗る謎の男が現れ、デヴィットこそ不滅の肉体<アンブレイカブル>に違いない、と言い出すのだが・・・?

監督・脚本・製作:M・ナイト・シャマラン 出演:ブルース・ウィルス/サミュエル・L・ジャクソン/ロビン・ライト・ペン/スペンサー・トリート・クラーク/シャーレーン・ウッダード
シックス・センスが成功してこのところ注目のシャマラン監督の最新作。

まず冒頭で驚いたのが鏡の前での人物の撮影。普通、鏡に映った人物を撮るにはカメラが入らないように斜めから撮りますが、なんとどうもカメラは人物の真後ろにいるはずなのに、目の前の鏡には人物だけ映ってカメラは映りません。
何の事はない映像ですが、よく考えると普通では不可能な映像です。
「コンタクト」で鏡の中にカメラが入っていく映像があったのを思い出しました。

先天的に骨折しやすい病気のイライジャが、自分が病気ばかりするなら、その対極のまったく病気にならない人間がいるはずだと考え、列車事故で生き残ったデヴィットに接していきます。

ストーリーの着眼点はいいとしても、1時間47分が長く感じました。それは観ている観客にとっても現実とかけ離れた話で、デヴィットと同じくワケが分からずまったく先が見えない話だからと思います。
言ってみればアニメ的な設定なのに現実の話し出し、ホラーでもギャグでもない。
主人公がその超人的な先天性に目覚めて活躍するのでもない。まぁ目覚めはしたみたいですが、結局最後でまだヒーローとしての資質で活躍するかは疑問ですね。

すべてのシーンに訳があるみたいなコピーでしたが、そんなに言うほどじゃなかったです。シックスセンスみたいにあぁそうか!というのではなかったのが残念。

イライジャについてももう一押し最後にほしかったなぁ。「X−メン」のマグニートの最後みたいに何か欲しかったです。
全体的に、どっち寄らずの中途半端な感じを受けました。

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ザ・ウォッチャー (評 ○○)
FBI捜査官のジョエルは、ロスで孤独な若い女性ばかりを狙う連続殺人犯、グリフィンを3年半追っていた。だが犯人の間の手が彼の恋人に及び、心に傷を負った彼は事件を放棄し、シカゴへ転任する。だが必死に自分を追う彼こそ、自分の一番の理解者だと信じるグリフィンは、シカゴまでジョエルを追って来る。グリフィンは彼に、これから手にかける女性の写真を送りつけ、彼を予告殺人のゲームに巻き込もうとする・・・。

監督:ジョー・シャーバニック 出演:キアヌ・リーブス/ジェームズ・スペイダー/マリサ・トメイ/アーニー・ハドソン/クリス・エリス
なんかちょっと物足りない感じでした。

よくある話のパターンだと思います。犯人は最初から分かっているので真犯人は誰か?っているのではない(大体キアヌが大々的に出てるのでバレバレですが)
うまく言えばサイコスリラーの全てが詰まっているですが、悪く言えば予定調和的なサイコスリラーであって全然怖くない

犯人は殺しが目的ではない。孤独な女性ばかり狙っているが、別に恨み等の理由も無い。ただ単に「自分に捜査官の目を向けさせるだけ」です。
自分を追う捜査官が好きになる。しかし捜査官に恋人がいると知ると、捜査官が自分だけを見るようにその彼女を殺してしまう。
捜査官が自分を追っていることに悦びを得て、そうでないと憎しみになる。
私は犯罪心理学は疎いですが、犯人は非常に倒錯した愛情を持っているんですね。

しかし捜査官のほうも、自分の落ち度があったにせよ彼女を目の前で死なせてしまっているわけで、犯人検挙に燃えるべきと思いますが、トラウマになってシカゴへ逃げるというお粗末さ

犯人と捜査官の過去のいきさつや、犯人の殺しの目的がなかなか分からなくて前半はタルくてタルくてしょうがなかったです^^;
中盤と後半にテンションが上がるシーンがありますが、全体的にのっぺりしてるかなぁ。

映像的に思ったのが、この監督さんはミュージッククリップなどを撮っていた人で、そのせいかスクリーンの大きさを活かした絵作りが出来ていない印象でした。
人物の大写しばかりが目立ってしまいます。同じようなことが「ホワイトアウト」の監督さんにもいえましたが、やはりTV主体でやってきた人は映画のスクリーンを活かす術を持っていないんでしょうね^^;

予断ですが、この監督はキアヌがやっていたバンド ドッグ・スター のミュージッククリップを作った人です。結局そのシガラミかい?

題名のウォッチャーっていうのは、犯人が殺しの対象の女を見ているのと、捜査官を見ているのと、捜査官が犯人を見ている、というのが絡んだ意味合いだと思います。
その点ではいい題名だと思います。題名だけかよ(笑)

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クリムゾン・リバー (評 ○○)
壮大なアルプス山脈の山中で、胎児の形に縛られ、眼球と手が取り除かれた死体が発見された。捜査にあたるベテラン警視・ニーマンスは山の麓にある、閉鎖的な大学街を調べ始める。
同じ頃、100キロ程離れた街で墓の盗掘と小学校への強盗事件が同時発生。若手刑事のマックスは、この事件が'82年に事故で死んだはずの少女がカギだと確信する。2人の刑事が追うそれぞれの事件から、やがて意外な事実が浮かび上がる・・・。

監督:マチュー・カソヴィッツ 出演:ジャン・レノ/ヴァンサン・カッセル/ナディア・ファレス/ドミニク・サンドラ/カリム・ベルカードラ/ジャン・ピエール・カッセル
フランス映画なのに猟奇殺人とアクション。

ヴァンサン・カッセルは「ドーベルマン」(これもフランス映画です)の主役をやっていた人です。ジャン・レノもヴァンサン・カッセルもフランス人で、フランスの小説をフランスで映画化。「フランスパワー(笑)」だけで押し切ってハリウッド映画に対抗したんだと思います。
でも空振りかな^^;

なんでこんなにもハリウッド映画を意識して作ったんだろう。フランス映画らしいところは一片もありません。

どっかで見たことのあるような映像の連続^^;
古いしがらみや濃い血縁関係などは「横溝正史シリーズ」か、猟奇殺人は「セブン」か「羊たちの沈黙か」。最後は「バーティカル・リミット」^^;
しかもジャン・レノの犬嫌いのシチュエーションが全く生かされていない。
さしあたって、クソ面白くないというわけではありません。しかし、どっかで見たことのあるようなものの寄せ集め感は否めません。

一つだけ言える事それは、ジャン・レノにはBMWが良く似合うってこと(笑)
そういや「RONIN」でもそうでした(^^)

フランス映画にしては破格の予算が組まれたこの映画。
あくまでもハリウッドを意識して(ある意味意識しすぎて)作った映画です。
その第一歩の作品ということでフランスの映画史には残るでしょう。これをステップにフランス映画会もステップアップして行って欲しいですね。

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アヴァロン (評 ○○○△)
時は近未来。若者たちが熱狂する仮想戦闘ゲーム「アヴァロン」は、脳を破壊され廃人(未帰還者)となる危険もあるが、その興奮と報酬に魅了され、パーティと称する非合法集団と、無数のゲームフリークを出現させた。アッシュはこのあたりの端末で最強を誇るソロプレイヤー。だが日々架空の戦場で戦い続けレベルを上げる彼女の前に、彼女のプレイを模倣し挑発してくるビショップという謎のプレイヤーが現れ・・・。

監督:押井守 出演:マウゴジャータ・フォレムニャック/ヴァディスワフ・コヴァルスキ/ダリュシュ・ビスクプスキ/バルテック・シヴィデルスキ
押井監督のファンですので、甘めの評価です^^;

この映画は、これまでのカテゴライズでいうところの「実写」でも「アニメ」でもない。アニメ制作の方法論によって貫徹された実写作品であると同時に、実写映像を含むあらゆる素材を駆使して構成されたアニメ作品。それはデジタルによって初めて可能となる、未だ存在しない映画だ。実在するモノを撮影した映像でアニメを創るという、「第三の映画」への第一歩。押井守が提唱する「来るべき映画」は、21世紀の到来と共にそのベールを脱ぐ。 という触れ込みでの押井監督の映画としては今までに無いぐらい宣伝などにリキのはいっている作品です。

じつは、公開二日目の、押井監督の舞台挨拶がある回を観に行ってきました。
しかし、自分なりに消化する時間がかかり、ここに書く時間がかかりました。結局2回観に行きました^^;

率直な感想としては、押井監督が「これがオレの作ったマトリックスだ」と言っているような感じでした
押井監督のアニメが海外で評価され、その結果マトリックスなどが生まれたわけですが、オリジナルである押井監督がお手本を示した印象です。
実写とアニメの融合と言えば、「ロジャーラビット」「スペースジャム」みたいなのを連想しがちですが、押井監督はその一歩も二歩も先を歩いている感じです。そんなものとは訳が違います
アニメの手法で作った実写映画。実写の映像は絵作りの素材にしか過ぎない。セルがなくなってコンピューター上で処理されたものはアニメじゃないのか? その映像がマンガでなく綺麗な実写映像が元になっているに過ぎない。押井監督がその永遠の論題に向かって行って作った作品が「Avalon」なのです。

思えば押井監督は「夢」と「現実」の狭間について一番考えているクリエーターじゃないだろうか。
古くからの押井監督のファンの人にとっては、そのことはもう当たり前のことでしょう。
そう「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」では浦島物語を題材にして、現実を離れ「夢」の中での生活について。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」ではネット上に生まれた人格(ゴースト)は生命と呼べるのかについて。監督業ではないけれど「人狼 JIN-ROH」では理想と現実の狭間に揺れる青年について。そして最新作の「Avalon」は仮想現実を題材にしたもの。そのほかにも「パトレイバー1」や「パトレイバー2」などもあります。

「人狼」でもそうでしたが、「Avalon」も映画を観た後に自分なりに映画を解釈する必要があります。それは煩わしいのではなく、一回観ただけでは分からなかった謎の解明が楽しいのです。
ましてや今作は仮想現実を題材にしたものです。それが押井テイストで味付けされているとなれば、まさに難解な映画です。
押井監督自身、今までの作品の中で中間に位置するものと言っていました。つまり、分かる部分と分からない部分が混じっています。古い作品である「迷宮物件」と前作の「攻殻機動隊」の真ん中の難しさと位置付けています。

ストーリーの内容に関しては私がここで色々書くべきでないと思います。素晴らしい作品か駄作かは自分で観て判断してください
ただし、一回観ただけでは色々と謎が残ります。それを考察するのが楽しいのですが。
少しヒントを
 主人公アッシュの「現実」とは結局何なのか?
 主人公はゲームをリセットするが、果たして現実に戻ってきたのか?
 画面の繰り返しが意味するところと、繰り返しがなくなることが意味するのは?
 なぜ犬が消えたか?なぜ本の字が消えたか?
 クラスリアルとは?
 「想像と現実に眩惑されるな」と言う最後のセリフが意味することは何か。
 そして最後のメッセージの意味することは?


以上のことに観終わってからじっくり考えて自分なりの答えを見つけてください。

押井監督の言わんとすることは、現実とは人によって違っているということ。主人公のようにゲームをすることが現実(フィールド)であったり、また登場人物のスタンナのように食事することが生きがい(現実)であったり。
今の世の中の「基準」というのは結局は誰かが決めたものであり、その「基準」が「当たり前」の判断基準になっている
日本と諸外国では基準が違うので当たり前も違っている。
つまり、"社会"とは "現実(真実)" をつくる "構成要素" に過ぎないということ。

あるところ(HP)でこう書かれていました。
「想像と現実に眩惑されるな」と言うセリフはこの映画の核心ポイントである。 従ってそれに対する解説は免れたい.映画を理解しろより、感じろと言いたい。
まさにそのとおりです。この映画は是非、劇場で観てください。

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ホワット・ライズ・ビニース (評 ○○○)
クレアは研究者の夫ノーマンと共に、ヴァーモント州にある家で幸せに暮らしていた。だが、大学進学のため娘が家を出て、彼女は言いようの無い孤独感に襲われていた。同じ頃、夫婦喧嘩の絶えなかった隣家の妻メアリーが姿を消す。クレアはそれ以来、家の中で奇妙な現象を目にし始め、喧嘩の末に殺されたメアリーの霊の仕業だと信じ込む。ノーマンはそんなクレアの態度を妄想だと取り合わなかったのだが・・・。

監督:ロバート・ゼメキス 出演:ハリソン・フォード/ミシェル・ファイター/ダイアナ・スカーウィッド/ジョー・モートン/ジェームズ・レマー/ミランダ・オットー/アンバー・バレッタ
ロバート・ゼメキスが敬愛するヒッチコック作品へのオマージュである映画です。
随所にオマージュとなるシーンが出てきますので、ヒッチコックが好きな人はニヤリとするでしょう。浴室で怖いシーンがあり、シャワーカーテンが効果的に使われている所では、ヒッチコックをあまり知らない人でもよく分かると思います。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で名を馳せたゼメキス監督ですが、「ロジャー・ラビット」で実写とCGとの合成で脚光を浴び、「フォレスト・ガンプ」でも磨きをかけ、「コンタクト」でも実際に撮影不可能なシーンをVFXを使用して撮りました。

今作でも、”1カットでカメラが外から車の中に入るシーン”や”1カットでカメラが鉄橋を走っている車に近づくシーン”など随所にVFXを使用しています。クレアは車で逃げ出すシーンでは車の大部分がCGであったり、鉄橋もCGで作られていたりします。幽霊が浴室で出てくるシーンでは浴槽の一部がCGで作られています。最後の雪のシーンでも雪はCGだと思います。

この映画の最大の決定は、劇場予告で大部分を見せてしまっているという点でしょう^^;
予告編を見た人は、大まかなストーリーが既に分かってしまっているので、意外な事実が判明したところでちっともびっくりしない(笑) あれは失敗ですね・・。

さて、ハリソン・フォードですが、ハリソンはやっぱり強い男でなけらばいけないのかなぁ。たしかに役風が限定されてしまうのは役者にとって好ましくないことかもしれませんが・・。
ただハリソン自体がアクの強い役者なので、いくら物語りの進行役がクレアであっても、当然観客はハリソンの方に目が行ってしまいます。だって、ハリソンが出ているんだから、なんでもない役な訳無いでしょうに^^;

全体的にヒッチコックのオマージュとした作品としては今までよりよかったです。とくに「ダイヤルM」なんかより格段に良い(笑)
まぁ、ヒッチコックの足元には及ばないという意見もあるようですが、真似じゃなくオマージュな映画ですからねぇ。

2時間10分というちょっと長目の映画です。
映画を見終わって言える事は、やっぱり一番怖いのは幽霊などでなく人間であるということですね。
その点では「隣人は静かに笑う」の方が怖かったですね。

ただ、幽霊がハリソンではなくクレアを狙うというのは(幽霊の)女心の現われじゃないでしょうか。それでもハリソンが好きってやつですかねぇ。

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ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 (評 ○○○)
1954年の東京上陸以来、日本の都市を次々と破壊してきたゴジラ。1996年、ついに日本は「ゴジラの破壊を受けないクリーン・エネルギー」を大阪の発電所で開発するが、発電所はゴジラに破壊されてしまう。2001年、この事件を機に防衛庁に設置された<G対策本部(Gグラスパー)>。ゴジラをただ倒すだけでは放射能汚染を引き起こしてしまう。そこで「ゴジラを消す」ことのできる兵器を開発するが・・・。

監督:手塚昌明 出演:田中美里/谷原章介/勝村政信/池内万作/山口馬木也/山下徹大/永島敏行/かとうかずこ/中村嘉津雄/伊武雅刀/星由里子
今回のゴジラは”今までのことはなかった”こととして描かれて、完全なパラレルワールドになってます(笑)。
いきなり大阪が首都になってるし、大阪城の横に国会議事堂が、さらに通天閣の前には超高速リニアが走る(笑)。原子力発電を撤廃し、クリーンエネルギー開発で日本がトップに立ってます。現実でもそうならいいですが。

ブラックホールを人為的に作り出す兵器まで開発しちゃってます。諸外国に漏れたら絶対敵対視されそうですな。ゴジラを退治したら設計図は廃棄するとか言ってたけど。

一人の子供が絡んでくるというお約束ですが、こいつのせいで渋谷の街が水没します(笑)
でも話の展開はスムーズでしたね。
ブラックホール砲の試射で廃校を消滅させますが、その時に時空に歪みができて太古の怪獣が出てきます^^;
怪獣の設定は平成ガメラのマンモスフラワーとレギオンの設定の影響を受けてか結構細かく描写されてます。

ブラックホール砲を人工衛星に積んで宇宙からゴジラめがけてブラックホールを撃つというのもすごいですが、もっとすごいのは人工衛星が不調になり地球に落下するというのに、落下しながらでもゴジラを撃ちます(笑)。オイオイ東京はどうなってもいいのか^^;
(静止軌道上の人工衛星が地球に垂直に落下するというのもとんでもないですが^^;)

ゴジラ2000はCG合成がヘボヘボでしたが、今回はCG処理がたいぶうまくなってました。でも戦闘機グリフォンがミニチュアだったのが残念。攻撃などはCGを使ってるので全部CGだったらもっとうまくいくと思います。
特撮(=ミニチュア)にこだわるのも大事とは思いますが。

変なことは多いですが、ようやく大人が楽しめるゴジラになったんじゃないでしょうか。
キリリとした女性隊員がメインなのも新鮮です。
極秘に量子エネルギーを開発していたおっさんが死ななかったのも新鮮か(笑)

だいぶよくなったけどそれでもゴジラを取り巻く人物のドラマが薄いです。ゴジラに翻弄されているだけみたいです。いっそゴジラ対人間ってのはどうなのかなぁ。そのほうが、人間=新たなものを作り出すもの、ゴジラ=自然の秩序を守るもの
っていう構図ができると思いますが。

今作で思ったのは、ゴジラは倒すべきものじゃないと思います。
今回のブラックホール砲ではゴジラは難を逃れましたが多分まともにくらったらやはり消滅してしまうでしょう。
ゴジラは畏怖な存在でなければならないと思います。
今回のゴジラは観客に訴えるメッセージがなかったと思います。ゴジラ2000では冒頭で”ゴジラは人間が作り出すエネルギーに反感を持っている”旨のセリフがありましたが。
アメリカ版ゴジラにならないことを祈りつつ。

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