とろろ・おぼろの語源
とろろ昆布やおぼろ昆布の話をこれからしていこうと思いますが、そのまえにちょっと息抜きを。
とろろ昆布、おぼろ昆布、聞き慣れて当たり前のように感じますが、では”「とろろ」「おぼろ」って何?”って聞かれると「はて?」となるのではないでしょうか。
とろろ、おぼろ、は共に昆布の様(さま)を表した言葉です。
今では工業生産されたとろろ昆布・おぼろ昆布が出回っていますが、本来は職人さんが専用の包丁を持って酢に漬けて柔らかくなった昆布を薄く薄く削っていきます。
尚、手作りのことを「手加工」といいます。
ですから手で作った本当のとろろ昆布は絹糸のように繊細で、口の中でとろけていきます。
碗に浮かべると「とろり」と溶けていくことから「とろろ昆布」と言われます。
羽二重のようにごく薄く、まるで透き通るような”あしの長い”おぼろ昆布。
碗に浮かべたとき、おぼろ気に残ることから「おぼろ昆布」と言われます。
どちらも碗に入れたときのさまが目に浮かぶようで、風流な名前だと思いませんか?
さて、とろろ昆布、おぼろ昆布を削ることを「むきこむ」と言います。
手加工職人さんの言われる言葉に「むきこみに始まって、むきこみに終わる」というのがあります。
包丁で昆布を削るその作業がいかに重要でまた難しいものであるかを偲ばせる言葉ですね。