食品添加物(7)
<酸化防止剤>
空気中に約20%含まれている酸素は、私たちにとってなくてはならないものですが、食品にとっては、必ずしも良いことばかりではありません。マーガリンや油で揚げた即席ラーメンやお菓子など、油脂を多く含む食品の場合、保存中にその中に含まれている油脂が、空気中の酸素によって酸化され、色や風味が悪くなり、おいしさが失われるだけでなく、過酸化物などの有害物質が生成します。
中でも、不飽和脂肪酸を多く含む植物油や魚油などは、酸化されやすい性質があり、油脂の酸化によって生成する過酸化物の毒性はかなり強く、消化器障害を起こすことが知られています。
また、食品には油脂以外にも酸化されやすい成分が、たくさん含まれており、リンゴやサトイモが褐変するのは、酵素による酸化作用によるものです。これらの成分が、空気中の酸素によって酸化されると褐変、退色や風味の劣化などを引き起こし、食欲がなくなるばかりではなく食べてもおいしくなくなってしまいます。
さらにビタミンなどの微量栄養素にも酸化されやすいものがたくさんあり、これらが酸化されると食品の栄養価も低下してしまいます。
酸化防止剤は、食品成分に代わって自身が酸化されることにより食品の酸化を直接防止でき、最も効果的です。
| 1. | 油脂食品の保存性を向上し、安全性の確保に役立ちます。 |
| 過酸化物の生成防止や、フリーラジカルの生成を防止します。 | |
| 2. | 食品の品質向上に効果があります。 |
| 果実飲料の色調や風味の変化を防止し、ハム、ソーセージなどの食肉製品やタラコなどに発色剤と一緒に使用すると変色や退色が少なくなり、きれいな色調を保ちます。 | |
| 3. | 食品の栄養価の低下を防止します。 |
| ビタミンなどの微量栄養素の酸化による分解を防止し、食品の栄養価の低下防止に役立ちます。 | |
| 4. | 食品の栄養価を向上します。 |
| 酸化防止剤には、ビタミン作用を持つものがあり、食品の栄養価向上にも役立ちます。 | |
| 5. | 発ガン物質や変異原性物質の生成を抑制します。 |
| 酸化防止剤の中には、発ガン物質や変異原性物質の生成防止、不活性化作用のあるものがあります。 | |
| 6. | 食料資源の有効利用が図れます。 |
※ペットボトルや缶のお茶製品に酸化防止剤としてビタミンC(V.C)が良く使用されています。
これは、ビタミンCが酸化されやすい性質であることを利用し、ビタミンCが酸化されて容器内の酸素を使うことで、カビなどが酸素を利用できなくするためです。容器内の酸素を減らすことで、お茶の酸化(変色)も防止でき、カビの発生を防止することができます。
※ビタミンC類によるニトロソアミン生成防止機構
肉や魚のたんぱく質に多い2級アミンと、ハム・ソーセージなどの食肉製品、野菜の漬物などに多い亜硝酸が結合すると、発ガン物質ニトロソアミンになります。ビタミンCは亜硝酸を還元し、酸化窒素と水に還元することで、ニトロソアミンの生成を防ぎます。
野菜に含まれる硝酸も口中細菌によって亜硝酸になります。亜硝酸は添加物として摂取する以上に、唾液からの摂取が大半です。亜硝酸(発色剤)なしのものを食べていても亜硝酸はどんどん摂取していますので注意が必要です。