食品添加物(4)
毒性試験の種類
実際に化学物質が食品添加物として認められるまでに行われる様々な試験について列挙していきます。
(1)一般毒性試験
@28日間反復投与毒性試験
実験動物(通常 ラット、イヌ)に28日間繰り返し投与したときに生じる毒性を調べる試験です。
投与方法は経口投与で、通常、餌や飲水に添加し、実験動物の一般状態、体重、血液検査、尿検査、器官・組織の観察、病理学的検査を行います。
試験結果は、1年間反復投与毒性試験などの参考にされます。
A90日間反復投与毒性試験
実験動物に90日以上繰り返したときに生じる毒性を調べる試験です。
試験結果は、発がん性試験などの参考にされます。
B1年間反復投与毒性試験
実験動物に1年以上の長期間にわたり繰り返し投与したときに生じる毒性と毒性の認められない無作用量を調べる試験です。
(2)特殊毒性試験
@繁殖試験
実験動物の二世代にわたって投与し、生殖機能や新生児の生育に及ぼす影響を調べる試験です。
A催奇形性試験
妊娠中の動物に投与し、胎児の発生、発育に対する影響、特に催奇形性について調べる試験です。
実験動物は、通常、ラットとウサギの2種以上が用いられ、経口投与されます。
検査は母動物の器官・組織の観察や病理組織学的検査を行うとともに、胎児の死亡、生存や外形、骨格の異常について行われます。
B発がん性試験
実験動物のほぼ全生涯にわたり投与して、発がん性を調べる試験です。 1年間反復投与毒性試験と同時に行われることがあります。
発がん性は実験動物の遺伝子的因子が大きく関係するため、実験動物の種類とその系統の選択が重要です。
腫瘍の発生とその変化は肉眼や病理的検査によって調べられます。
C抗原性試験
経口的に摂取した場合のアレルギーについて抗原性試験法は十分に確立されてはいませんが、モルモットやウサギなどを用いた即時型や遅延型のアレルギー試験を行います。
D変異原性試験
細胞の遺伝子(DNA)や染色体への影響を調べる試験で、発がん性を検討する検討する予備試験としても利用されます。
発がん性を調べる動物実験は莫大な経費や長期間の試験が必要ですが、微生物や培養細胞を用いる変異原性試験は比較的簡便な方法であり、結果が短期間で得られます。
変異原性試験が陽性であっても、哺乳動物に対して発がん性があるとは限りません。
必要に応じて次の試験を追加します。
・微生物を用いる復帰突然変異試験
サルモネラ菌や大腸菌を用いる変異試験で、アミノ酸の一種であるヒスチジンを合成できない菌が物質により突然変異を起こし、合成できるようになるかを調べます。
・哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験
哺乳動物細胞の培養細胞株を使用し、物質による染色体異常細胞の出現率を試験します。
・げっ歯類を用いた小核試験
赤血球は分化の途上で核を失いますが、染色体異常が起こると小さな核が形成されるため、物質により小核ができるかを調べます。
生体内での試験物質の作用を確認することができるので、微生物を用いる復帰突然変異試験や培養細胞を用いる染色体異常試験とともに用いることが多いです。
このように、様々な実験が行われ、全てにパスしたものが食品添加物に認められます。
次頁で、認められた食品添加物の、実際に食品に使用する際の基準について見ていきます。