作者フリートーク

連載トーク「3D GUI RPGへの道」
〜「3D GUI」にこだわった一人の男の回想記


キャラクターのオーバーラップ表示と透明メッセージ

その2「3D GUI RPGを形にするために」

1.敵は「Windows」にあり

前回までで、"3D GUI RPG"というものの枠組みを完成させた話をしました。
しかし、少なくとも「RPG」と称するには、それらしい要素(キャラクター、
モンスター、BGM、シナリオ等)を付けなければなりません。今回から、それらの
要素を作った過程の話をしようと思います。

さて、今回の副題は、ご存知の通りかつて明智光秀が「敵は本能寺にあり」と
叫んだことからとりました。しかし、ここで勘違いしたくないのは、

「明智光秀にとってあくまで敵は織田信長であり、たまたまそのとき本能寺に
織田信長がいたから本能寺を攻撃したのであって、本能寺そのものを攻撃
したかったわけではない」

ということです。
これと同様、僕にとっての敵とはあくまで「何らかのOS上で動くソフト」であって
OSそのものではありません。「Windowsそのものが嫌い」という人もいますが、
対象がちょっと違うと思います。だいたいWindowsというOS単体だけでは何も
できないはずですから。

そして、昔からこういう言葉がありました。

「敵に勝つには、まず敵のことを知ること」

富士通がTOWNSから撤退しOh!FMTOWNSが休刊してから、ソフトウェア
メーカーのTOWNS離れが急速に進みました。それ以来、僕にとって「新作ソフト」
は「Windows専用ソフト」と同義語になりました(TOWNS版Windows95を手に入れ
たので)。そして"3D GUI RPG"を作りはじめた頃(1996年秋)、富士通初の恋愛
シミュレーションゲーム「エーベルージュ」を手に入れて、プレイしました。その
ゲームの特徴の一つとして次のものがありました。

「背景用グラフィックとキャラクター用グラフィックを別々に用意して二つを重ね
合わせて表示させる。そして、キャラクターの表情を変えたグラフィックを
それぞれ用意する。」

さて、まず第一に、「RPG」と言うからには(モンスターを含む)キャラクターを表示
しなければなりません。2D(クォータービューも含む)RPGの場合はあらゆるキャラ
クターをあらかじめマップ上に表示しているので悩まなくてもいいところですが。

そこで、DOOMのようにポリゴンキャラクターが動けばよかったのですが、さすが
にそこまでは作れませんでした。で、いろいろ考えた結果、

「ポリゴンルーチンが描画した画面0に他の32K色グラフィックデータを重ね描き
することは可能である」

ということがわかっていたので、エーベルージュを参考にして次のようにしました。

「キャラクターは原則として3Dグラフィック上にオーバーラップ表示させる」
「グラフィックをできるだけ大きくする、そのためには、メッセージ表示用の
スペースを確保せずに、いわゆる半透明(透明)のメッセージ表示枠を作る」

これらが実現したときの僕の最初の感想は、次のようなものでした。

「何だ、やればできるじゃないか。」

余談ですが、何故TOWNS版を作らなかったのかと今でも思います。TOWNSでも
256色640×480ドット表示は可能なのに。やはり「富士通がTOWNSを切り捨てた」
のだと、そのとき実感しました。

2.ザコにかまっていられるか!
に続きます。

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