お母さんの『お見舞い』
注1:前々から作ってみたかった題材だったのですが、
正直言って『僕』的にものすごく恥ずかしいです!(^^;
だからここのHP以外では絶対に公開しません!(^^;
注2:実は完成してから気がついたのですが、
この場面って「初めて」じゃないみたいですね(^^;
加奈が小さいバッグを持って「トイレ行ってくる」と言ったのは
正に加奈は既に知っていた、ということになるのですが、
その前に隆道が「加奈も永遠の幼女ではないのだ」とか言ってますので、
「初めて」だと勘違いしてしまいました。ちょっとしくじったかなあ……?(^^;
それにしても、隆道は今まで知らんかったのか……?(^^;
……というわけで、「初めて」という『前提』で作ったことにしておきます!(^^;
ところで美樹さん!加奈に哀れむ(かわいそうに思う?可愛がる?)ような
視線を向けて「加奈ちゃん……あなた……」と言ったのは、
どういう意味なんですか!?(^^;あー、二重に恥ずかし……(^^;
その直後、私は『このこと』を加奈ちゃんのお母さんに連絡した。
この時間、お母さんはパート先にいる。
母:『はい、お電話かわりました。藤堂です。』
美樹:「もしもし、近藤です。実は今日、加奈ちゃんが……。」
私は『このこと』を伝えた。
母:『…………。』
しばらく、お母さんは無言だった。そして……。
母:『わかりました。明日、そちらにうかがいます。』
……と応えた。
今日でもまだ面会には間に合う時間なのだが、
お母さんも、恐らく「持ってくるもの」を用意したいのだろう。
その日はとりあえず加奈ちゃんを寝かしつけた。
明日お母さんが来るのなら、私から言う必要はないのだ……。
…………。
翌日、お母さんは包みを持って加奈ちゃんの『お見舞い』に来た。
がちゃ。
母:「加奈、……どう?体の調子は。」
加奈:「お母さん、私の体、変なの。何か変な病気になっちゃったの?」
やはり……
加奈ちゃんは小学校の頃から入退院を繰り返していたせいで、
『このこと』を学校で教えてもらう機会が無かったのだ。
しかも「同年代の女の友人」もいなかったせいで、加奈ちゃんは十七歳になっても、
百科事典から「知識として」頭に入っていても実際のことは全く知らなかったのだ。
そして迂闊にも、私やお母さんまでも、加奈ちゃんに教える「必要性」を
認識していなかったのだ……。
母:「いい?加奈、これは病気じゃないの。女の子が大きくなったら
必ず経験することなの。……そう。お母さんにも、近藤さんにもあることなの。」
加奈:「美樹さん、……そうなんですか?」
美樹:「ええ。」
それから、お母さんは加奈ちゃんに『このこと』について説明した。
…………。
一通り説明が終わると、加奈ちゃんは当然のように質問した。
加奈:「お母さん、……このこと、お兄ちゃんにも話した方がいい?」
母:「え!?」
私もだが、お母さんも「この質問」にはさすがに意表を突かれたようだ。
しかし笑うわけにもいかない。加奈ちゃんは今「未知の領域」に踏み込んで真剣なのだ。
だからお母さんも真剣に答える。
母:「隆道には黙っておきなさい。……これは大人の女性だけの秘密のことなんだから。」
加奈:「……はい。」
このとき、私には加奈ちゃんの仕草が大人っぽく……というか
女っぽくなったように見えた。
……余談だが、これからしばらく加奈ちゃんは隆道君のことを
「お兄ちゃん」ではなく「兄さん」と呼ぶようになる……。
美樹:「加奈ちゃん、これ、お母さんが作ってきてくれたお赤飯。
あとでいただきましょ?」
加奈:「え?お赤飯?……う、うん……。」
母:「…………。」
それからしばらく「女性三人」で談笑し、お母さんは帰ることになった。
母:「それじゃ、加奈、また来るからね。今度はお父さんも連れて。」
加奈:「うん。」
がちゃ。
母:「あの、近藤さん……。」
美樹:「はい?」
母:「……あの子、いつまでもお兄ちゃんっ子の子供だと思っていたのに、
もう、立派な大人なんですね。……あの加奈が……信じられない……。」
お母さんの目は潤んでいた。加奈ちゃんの前だから、今まで我慢していたのだろう。
かつては「小学校を卒業できない」と医者から宣言された加奈ちゃんが、
ここまで成長したのだ。
だから、私は……
美樹:「……(こく)」
……黙ってうなずいた。
既に感慨に浸っているお母さんに何かを話し掛ける必要はなかった。
…………。
それからしばらく後、加奈ちゃんが「ドナーになりたい」と言い出した時
……お母さんは当然のように賛成した。
「大人の加奈が決めたこと」に、反対する理由がなかったのだ。