七夕にお願い3
七夕……つまり七月七日。
高校三年生のこの時期、受験生、あるいは就職希望の生徒は
藁を掴む思いでその成就を願うものである。
育郎:「毎年悪いね。」
智樹:「まあ、こういうのは最終的には自分の努力次第だが、
何かに頼っておくのもいいだろう。」
雅俊:「へへへ、加奈ちゃんによろしくな。」
隆道:「あ、ああ。」
何故ここで「加奈」が出てくるのかというと、
大宮の医療センターで毎年七夕祭りがあるからで……
つまり、隆道たちはそれに便乗させてもらっているのである。
隆道:「それじゃ、これを加奈に頼んで……。」
ちなみに、医療センターの七夕の本来の主役たる加奈は、この年は恐らく
『双葉学園に入学できますように』と書いたのだろう……。
そして、双葉学園には、医療センターに関係した高校生がもう一人……
夕美:「…………。」
……夕美は医療センターの笹にこっそり自分の短冊を付けていた。
この時期、夕美にもいろいろお願いしたいことはあるが、
恐らく何よりも最優先させるべきはこのお願いなのだろう。
『今年こそ、藤堂君と仲直りできますように』