ブン屋・藤堂須摩子

兄さん、人間には「知る権利」というものがあるのよ!
須摩子さんはぜひ
「ガンを克服した元気な叔母」として
活発ルートに出てほしかったです。
二十代の須摩子
注:実は今回が初めての須摩子SSです。
女弁護士・鹿島夕美に続く「職業婦人シリーズ」第二弾です(笑)
ところで、隆道の叔母の名前は本編では「霧原須摩子」になっていますが、
結婚する前の話ということで、「藤堂須摩子」にしてあります。
今回は設定上のミスがないように……。

 

その夜、俺の叔母にあたる須摩子さんは、昼間得られた写真を元にした
『事件ファイル』の作成に没頭していた。

須摩子:「うーん……。あ!この写真、うまく撮れてる。
それにしても残酷なシーンだったわ。見てるだけの私も鳥肌が立ったくらい。
いえいえ、それよりコメントは……、そう、
『白昼堂々の暴行!被害者の家族、為すすべ無し!!』
これにしよう。」

かきかき。

がちゃ。

父:「須摩子、できたか?」
須摩子:「あ、兄さん、ちょうどよかった。ちょっと見てよ。」
父:「どれどれ……?」

この間、約五分。

父:「……写真は仕方ないとしても、このコメント、何とかならんか?」
須摩子:「兄さん!事実の正確な報道は『ブン屋の権利』よ。」
父:「あ、あのなあ……。とにかくこんなもん、人に見せられんて……。」
須摩子:「ぶー。」

……そう、加奈が正式に養女になる以前から母が世話をしていたということもあり、
「俺と加奈が一緒に写っている写真」は確かに存在した。
しかし、当時俺が加奈を嫌っていたせいで俺が加奈をいじめている場面の写真しかなく、
しかも、新聞記者を志していた、あるいは新聞記者になりたてだった須摩子さんの
粋な(妙な)コメントのおかげで、写真はすべて『藤堂家事件ファイル』として
俺や加奈の目の届かないところに大切に保管(隔離)されていたのであった……。

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