続・花輪の思い出
その日の夕食のとき、俺はこの「奇妙な出来事」を両親に話した。
……ちなみに、ちょうどそのときあの鬱陶しい加奈も退院していた。
隆道:「……ってことがあったんだ。変でしょ?『鹿島』ってやつ。」
母:「ふうーん。『花輪作ってほしい』……なんてねえ……。」
加奈:「…………。」
加奈がじっと俺の方を見ていた。
隆道:「何だよ、加奈!お前に聞かせたんじゃないぞ!」
加奈:「うう……。」
父:「隆道!やめないか!」
母:「そうよ、あなた、加奈のお兄さんでしょ?
……他の女の子にそんな『優しいこと』が出来て、何故自分の妹には
優しくできないのかしら……。」
加奈:「…………。」
父に怒鳴られ母に叱られても、俺は、俺を見つめ続ける加奈を睨んでいた。
それほど俺は当時加奈を嫌っていたのだ。しかし……
隆道:「くそ……!」
加奈:「…………。」
……結局、俺が何度睨んでも、加奈は俺の方を見ていた。
おかげで父からは……
ごん!
……痛いげんこつを貰ってしまった。
隆道:「いてて……、わかったよ。」
加奈:「……花輪……優しいこと……?」
母:「……え?加奈、何か言った?」
加奈:「……(ふるふる)」
……でも、あのときの、俺を見つめ続ける加奈の目が、
何故か印象に残っていたんだ……。