雨ニモマケズ……2

大雨が降っていたその日、夕美はいつものように外出する。

夕美の母:「夕美、今日は大学に行かなくてもいいんじゃないの?」
夕美:「んー、でも他に行きたい所あるし。」
夕美の母:「?」

正確に言えば"行かなければならない所"であるが、その夕美の行きたい所、藤堂家に夕美は向かう。

夕美:「こんにちは。」
隆道の母:「鹿島さん、今日も来てくださったんですか?」
夕美:「はい、今日は大雨で大学に行ってもほとんど休講だと思いますし、こちらに寄らせていただきました。」
隆道の母:「は?」

「そういう問題ではないでしょう」と言わんばかりの隆道の母に、機先を制するように夕美は言う。

夕美:「隆道君はどうしてます?」
隆道の母:「……あ、あの、それが……。」

隆道はこの大雨の中を外出していた。そして当然のように夕美はそのまま隆道を探しに行く。

…………。

程なく夕美は隆道を見つけた。隆道は、一つ傘をさして、一つ傘を持って、そのときの夕美同様ずぶぬれになって双葉学園高校の校門前にいた。

夕美:「隆道君、何やってるの?」
隆道:「ああ、夕美か。加奈を待ってるんだ。加奈のやつ、いつまでも姿を見せないと思ってたらここで俺が迎えにくるの待ってたんだ。加奈が中学生だったころはよくやってたことでさあ……。」

実は"あの時"以来久しぶりにツーショットで校門前に立っているのだが、今はそんな感慨に浸っている状況ではない。

夕美:「ふう……、加奈ちゃんならもう病院に戻ったよ。だから隆道君もうちに帰ろう。」
隆道:「……え?ああ、そっか。それで待ってても来なかったのか。」

隆道は安心したようだった。何より、夕美の「加奈はまだどこかにいる」と思わせる言葉を聞いて。

隆道:「でも、あいつ、俺が捜しても全然見つからないんだよなあ……。」

夕美はにこにこしていた。隆道にその心の内を知られないように。当然今の状態の隆道に他人の心を理解できるはずが無いとはわかっているのだが……

ヒトリノトキハナミダヲナガシ
カレヲサガシニオロオロアルキ
カレニオレノイモウトハトキカサレ
ホメラレモセズアイテニモサレズ
サウイフオンナニワタシハナリタイ

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